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ドイツのREでパスポートの提示を乗務員から求められた話。

ちょっと、人種差別的なのでは?と思ったので示しておく。

まず、私はここドイツに9月に来てこの年末まで、DBのICEで長距離乗ったこともあるし、なんなら国を超えてオランダのアムステルダムにも行ったことはある。
DBは適当なので毎回ではないけれど、車両内を乗務員がチケットをチェックしに回ってくる。
チケットが紙なら乗務員が確認して印をつける、アプリでオンラインチケットを買った場合はQRコードを見せればOKである。

今日、ハンブルクからブレーメンに行った。
行きはICEにしたけれど、60分も遅延した。
ハンブルクからブレーメンまではICE(InterCityExpressの略で、ドイツ都市間特急)なら55分とかで、RE(Regional Expressの略で、快速電車)だと1時間10分。対して変わらない。
行きに1時間遅延だったので、帰りはICEじゃなくてREでいいやと、DBのアプリからチケットを予約した。

ハンブルクまであと15分くらいというタイミングでチケットチェックの乗務員がやって来た。いつものようにアプリを開いて、QRコードのチケットを用意して待っている。普段ならQRコードをスキャンして終わりなのに、ドイツ語で何か言われた。
私はドイツ語がわからないので、「What did you say?」と英語で聞き返すと、乗務員はため息をつき何かをドイツ語で言った。それに合わせて、近くにいた何名かの乗客が笑った。非常に気分が悪かった。
「Show me your ID」と乗務員の女性は行った。
私は学生証を提示した。「写真付きのやつ。パスポート出して」と言われた。

今まで何度もICEには乗ってるし、国境を越えたこともあるけど、基本的に乗務員はチケットのQRコードをスキャンするだけだった。
私は「なんで?」と聞いた。
「あなたのチケットがオンラインチケットだから。」と回答された。
「今まで何度も乗ってるけど、パスポート見せろなんて1度も言われていない」と言ったけど、パスポートを提示すると彼女は私のパスポートを見て、「Thank you」とだけ言って去った。

でも、よく考えれば、紙のチケットだろうが、オンラインチケットだろうが支払い方法には差はないはずで、もしIDのチェックが必要ならすべての人のIDをチェックしなければいけないはずだ。
でも彼女は他の人のチケットはスキャンするだけで、私のIDだけ提示を求めた。しかも理由は「オンラインチケットだから」という理由で。

ドイツ人に「今までこういうことあった?」と聞くと、「たまにあるよ」と回答された。確かに、よくよく購入時に送られてくるメールを見たら下記のように、「IDを持って乗車すること。IDとチケットを一緒に提示すること」と書かれている。けど、これはREだけに限らずICEのチケット購入時にも書かれているお決まりの文句のようなもので、実際に他の人たちはパスポート提示を求められてないのだし、私だけ「オンラインチケットだから」という理由で提示を求められるのはおかしいと思った。
何より、彼女に学生証を見せた際、「他のIDは?(例えばドイツ人だったらみんな持ってる住民カードとか)」とは聞かずに、「パスポートを出して」と私に言ってきたことから、私が「外国人である」と決めつけた上でパスポート提示を求めたのだと分かる。まぁ英語で話してるからそうかもだけど。

おそらくだけど、私にだけ聞いてきた理由は私がアジア人だからだった。
他の人と何を言って笑ってたのかわからないけど、こちらが言語がわからないことで笑われて嫌な思いをする時点で、これは立派なヘイトだと私は感じたし、ドイツ人に「ドイツ語がわかんなくて聞き返したら乗務員と乗客に笑われたんだけど・・・」と話したら「それはひどい!」と怒っていたので、「しょうがないよ」でやり過ごせる話ではないと思う。

何が目的だったのか?嫌がらせ?と思ったけど、おそらく「罰金を取りたかった」というのが真実かと思う。

アジア人=ドイツ人ではないだろう=もしかしたらID携帯しないで乗ってるかも=パスポート持ってなかったらID不携帯ってことでルール違反だから罰金取ろう

これが彼女の目的だったと思う。
私はパスポート持ってたから、逃れただけ。

下記が、DBアプリでチケットを買った際に送られてくるメールに記載されてる文章。
黄色でハイライトした箇所が
「購入者の名前と購入者のIDおよびBahncard(これはDBの割引を受けられる会員サービスみたいなやつ)の名前が一致してなければならない」
「乗務員がチケットとオフィシャル写真付きIDまたはBahncardをチェックします。チケットと写真付きIDを用意して、乗務員に見せてください」
という意味の文章です。

よって、乗務員の彼女が私のチケットとパスポートを確認することには問題はないけど、彼女は「あなたのチケットがオンラインチケットだからチェックする」と私のIDのみチェックしており、他の見た目がドイツ人の人たちのチケットはただ確認するのみで、紙のチケットの場合もIDの提示はなかったということになる。実際のところ、私もよくは見てなかった。

ドイツ人曰く
「オンラインのチケットはスクショの可能性もあるでしょ?紙のチケットは記名されるからじゃない?」とのこと。
でも、オンラインチケットがスクショでないと確かめたいなら、私にアプリを開いてチケットを見せるように言えばいいだけ。
アプリのチケットだって記名はされているので、記名の差ではない。
紙のチケットを購入するのは別に券売機だってできるくらいなので、厳格なIDチェックを経て販売しているわけではない。
だとすると「オンラインチケットだからIDチェックが必要」というのはおかしいのでは?と思った。
もしオンラインで不正が起きるなら、紙のチケットだって起きるだろうし、もしそのような不正を防ぎたいなら、すべての乗客のチケットとIDのチェックを求めるべきで、私だけに求めるのはおかしいと思った。

100歩譲って、チケットとIDのチェックは乗務員の仕事だからいいとする。ドイツ人でもチェックされるなら仕方ないだろう。だとしても、私が英語が分からないことで、ため息をついた乗務員とそれを笑った乗客たちは人種差別的である。
今までそんな嫌な思いしてこなかったので、大変不快だった。

「君がそれを人種差別的だと思うならたぶんそうなんだと思う。ドイツには親切じゃない人たちもいるよ。」とドイツ人。。。
DBにクレームを入れたら?とのご提案をいただいたが、1時間遅れても別にさほど気にしてなさそうなDBに人種差別的であった事例について文句を言ったところで、せいぜいお詫びの言葉が返ってくるだけで、何か根本的な体制が変わるわけではないだろう・・・
だから何もする気はないけれど、今までさんざんICEを利用し、国境まで超えても、パスポートの提示を求められなかったことは奇跡的な確率だったんだろうか?

何が嫌だって、「疑われた」ことと「笑われた」ことである。
乗務員の彼女が丁寧に「こういう理由でIDのチェックをしたいのですがよろしいですか?」と言えば嫌な思いはしなかっただろうが、私がドイツ語を話せない、わからないと知った上ため息をつき、ドイツ語で何か文句?を言って、それを乗客が笑う。
これはどう考えても差別的な空間だった。

もちろんDBの乗務員で親切な人もいる。
目的地までの電車が直通ではなく1回乗り換えが必要だった時、電車が大幅に遅れ、乗り換えの電車が変更になったことを理解してなかった私にチケット確認時に気付いてくれて、英語で親切に説明してくれて、何回も「○○番線からでる××っていう電車に乗り換えるんですよ!いいですね!」と教えてくれる優しい乗務員さんもいた。乗務員さんが持っている端末を見せてくれて番号を確認させてくれ、「写真にとっていいですか?そうしたら間違えないと思うので」と私が言うと、快く画面を撮影させてくれた。

当たり前だが、お互い人間なので、疲れたり、嫌な気分な日はあると思う。けど、どんな場合も「言葉がわからない」ということを笑ってはいけないと思う。それは日本にいても思っていて、「言葉がわからないからめんどくさいから相手にしない」とかもとても失礼なことだと思ってる。
今はお互いの言語が分からなくても、Google翻訳使えば、だいたいの会話は成立する。だいたいの意味は取れる。
そんな時代が来ているのに、言語がわからないことで人を馬鹿にしたような態度を取ることは失礼すぎると思った。

「郷に入っては郷に従え、ドイツ語学べよ」と思う人もいるだろうが、では私たち日本人が日本に来る観光客に「日本語学べよ」と言えるだろうか?言えないと思う。数日の観光、数か月の留学に、「ネイティブの会話を理解するくらいのレベルの語学の取得」を求めることはしないだろう。もちろんしゃべれれば、なめられないというのは強いだろうけど、よく考えれば「その国の言語を話せないことを馬鹿にする」という行為が愚かなだけは?と思う。
お互いにコミュニケーションをとる必要があるなら、どんな手を使っても丁寧に、
英語が分からないなら、英語のわかる乗客に翻訳して、私に伝えてるようにお願いしたらいいわけだし。
そんなの忙しくてやってられないわよ、というなら、私に対する文句をドイツ語で言う必要は一切ない。
悪意があるからそういったことをする。それ以外の理由はないだろう。

こういうとき、私は「ああ、なんて魂が未熟な人たちだろうか」と思う。私は意外と信心深い仏教徒(天台宗)なので、生きている間に良いことをして、祖母と同じように極楽浄土に行くことを目標にしている。
結論から私はチケットで不正をしたわけでもないし、求められたパスポートも提示して何の問題もなかったが、乗務員の女性は私に対して何か文句を、私のわからないドイツ語で言い、また一部の乗客はそれを笑った。私は何も理解できないのに。
彼女と乗客の一部は魂がまだ未熟で、人に対して敬意を持って接することを知らない。
彼女たちは生きているうちに人に対して丁寧で敬意を持って接することを学ばなければいけないし、学ばなければ行きつくのは果てない苦しみが続く地獄だろう。たとえ、宗教を信じていなくても、死後の世界を信じていなくても、生前にどのように生きたかは、必ずその人の死後の評判に影響を及ぼす。

自分がどのような人であったか。
それが死後語られるときに「ああ、あの人はドイツ語を話せない人を笑うような人だったよ」と評価されたいのだろうか?
私は日本にいるとき、なにか言語の問題でトラブルになっている場合、手助けをするようにしている。それは当然のこと。
分からないときはお互い様。
そうやって「日本人に親切にされた」という思い出ができれば、世界中の日本人も敬意を持って接してもらえるはずだと信じている。
困っている人に親切にすることは当たり前のことだと私は信じている。
もちろん悪意をもってこちらの親切を利用しようとするような人はお断りだし、そういう悪意はすぐ分かる。

ただ、今日、魂の未熟な人に会い、残念な気持ちになったし、その人たちが死後苦しむことを願ってしまったことは私の悪いところ。
魂の未熟な人たちが今後、敬意を持っていきてけるように、学習してくれればいいなと思った。




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