抗がん剤治療13日目

体調が良い。白血球の数はほぼゼロのはずなのに、何故。
非常に嬉しいことであると同時に、体調が良いが故に自分で悩みの種を作ってしまった。

体に不調が生じている時は、その不調と闘うことしか考えられなくなる。良い意味で言えば、頭を使えなくなる。

けど、こうして体調が良い時であればあるほど、インターネットでこの病気の原因や治療法について論文を探すレベルまで調べてしまう。正しく理解出来ているかどうかは別。

その結果、自分の立ち位置を俯瞰的に捉えてしまい、そこが如何に崖っぷちなのかを思い知らされる。そして悲しくなる。

自分の病気をしっかりと理解し、納得した上で今後の治療方針を決めれるか否かは、その治療効果を左右すると個人的には考えている。

しかし、病気の理解の過程で自分の精神を少しずつえぐられる。
知りたくもない現実を、知らされる。
何を選択すれば正解なのか分からなくなる。

明確な正解が存在せず、どの選択にも一定のリスクが伴うことを知る。
しかもそのリスクは、お金や時間ではなく、自分の命に関わること。

そのうち、脳が思考を放棄して、調べるのをストップする。
Youtubeやお笑い番組を見て、気を紛らわそうとする。
紛れないかと思いきや、自分の場合は割と紛れる。

結局、未来のことなんて誰も分からないから、今出来ることをしっかりする、という結論に至る。現実逃避に近い。

あー、もういっそのこと、一切何も考えず、主治医の方の言う通りに治療を進めるのがベストなのか、と本気で思い始めた。

無力だなぁ、自分。


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