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麻薬及び向精神薬取締法違反――錯乱して自転車に乗ったまま店舗に突入した女

※この裁判は判決までは見ていないため、結果は不明です。

 被告は犯行当時31歳の女性。非拘束で、手錠も腰縄もつけていない。少し茶色い髪を一本に結び、童顔で大人しそうな顔立ち。スーツではないがフォーマルな印象のパンツスタイル。真面目な服装のはずが、ノージャケットでシャツから下着が透けているためセクシーな外見になっていた。声はかすれ気味で、話し方は子供っぽく、どこかふわふわとしている。
 被告が問われている罪は、麻薬及び向精神薬取締法違反
 コカイン注入後に錯乱状態になり、自転車に乗ったままリサイクルショップの店内に入り、暴れたという。被告は容疑を全面的に認めている。

事件の詳しい経緯

 被告は高校中退後、職を転々としながら違法薬物を覚え、前科が2犯ある。被告は覚醒剤後遺症を抱え、覚醒剤を使っていない時でも脳が使用時の状態を再現してしまい、暴れたり虚脱することがあったという。また、神経梅毒も罹患している。
 2018年11月に、前科のことも理解してくれたという男性と結婚。被告は専業主婦となったが、病気のために家事をこなせず、夫に迷惑をかけてしまうことにストレスを感じていた。街を歩いている時に客引きされて違法なネットカジノ店を知り、そこで出会った売人からコカインを買うようになった。
被告は月に4、5万円ほどの小遣いを夫からもらっており、その金によって月に3、4回ほどコカインを使ってストレス解消を図った。
 夫は、被告が暴れた際には被害弁済を行い、被告を入院させるなどしたが、被告の異常行動は後遺症によるフラッシュバックだと思い、今は足を洗ったと信じていた。

 2019年4月7日、被告は注射器でのコカイン注入後、自転車で外出。大阪市淀川区のリサイクルショップ内に、自転車に乗ったまま突入した。駆けつけた警察官の股間を叩き、大声で何事かを叫んだという。

 精神錯乱者として被告は警察に保護され、両腕の注射痕と自転車の前カゴにあった注射器から薬物使用を疑われ、尿検査でコカインが検出された。

 被告は釈放され、6月に裁判を受けることになった。しかし裁判当日、被告は自転車でバス停へ向かったはずが、何故か違う方向にある消防署に自転車のままで突入してしまった。その時の記憶はなく、気づけば病院のベッドに拘束されていたという。クスリは使っておらず、フラッシュバックによる行動だった。
 そのまま入院を続け、日程の変更された7月の初公判では夫に付き添われ病院から直行した。

法廷にて

  情状証人として被告の夫が出廷した。被告とは一見して親子に見えるほど歳が離れており、夫も5年前に薬物に関する前科があり執行猶予を受けたという。
 夫は事件についてこう語った。
「びっくりした。なかなか話し合うことができなかった。かまってあげることが少なかった」
 被告と婚姻を続ける意思はあるかと弁護士は問う。
「もちろん。最後まで責任を持って」
 夫は入院中の被告に面会を出来る限り行っており、薬物依存治療の評判が良い他の病院に通わせることも検討中だという。

 被告自身は、今後の抱負をこう語った。
「なにか仕事を見つける。病院に通う。ストレスを抱えず相談する」
「コンビニなど、お昼に働けるところを見つける。過去にも2、3年ほどレジ打ちをやった」
 前科があるが、また繰り返さないかと問われ、被告はこう答えた。
「(以前とは)全然違います。30になって、結婚もして、旦那にも迷惑をかけたくないので、やめたいと思います」

感想

 被告の容姿は男性受け抜群なように思えた。そしてどちらかというと清純派に見えるので、犯行内容とのギャップがすごい。
 クスリを使っていない時でも消防署に突入してしまうほどというのは治療で治せるのだろうか。物理的に脳が傷ついていそう。被告の夫は職業から、わりと稼ぎのある人のようなので、夫の支えのもとで治療に集中できる環境ではあると思う。
 妻が逮捕されたという時点で離縁を選ぶ男性も多そうだが、被告の夫はかなり献身的に見えたし、上手く行けばいいのだが。
 法定での被告は、少々ぼんやりしているように見えたが、まあ普通な人だった。暴れる姿は想像しづらかった。
 裁判では、被告の経歴について細かに触れられるものもあるが、今回はそうではなかった。可愛いのになんでこんな状況になってしまっているのだろうと、語られていない被告の生い立ちを妄想した。

 動画を作っていた。後半の方。

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