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吉村昭の平家物語(摂政 藤原基房)

平家物語は長いので読みながら感想を書いていく試みです。

摂政、藤原基房は物語のはじめの方で、重盛の次男資盛とトラブルを起こしたエピソードがありました。平家が調子に乗っていること、孫に甘すぎる清盛、ちゃんとしている重盛という、この物語のスタートに相応しいエピソードです。

ちゃんとした重盛が亡くなってストッパーが無くなった清盛はこの基房やその息子の師長の役職を取り上げて左遷させる訳ですが、基房はさっさと出家するし、更に息子の師長はどこに流されても適応して楽しむ能力があったということです。本物の賢さと教養とはこのこと、と思わされます。

生きていれば気に入らない出来事は起きる。それに対して怒る、闘う、嘆く、諦めるなど、色んな選択肢がありますが、受け入れて楽しむ、というのはとてもかっこよく思えます。とはいえ、身近な人からは情けなく見えるのかもしれません。




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