ブルーイとエンタメ感

ブルーイのことをずっとぼんやり考えています。
主人公のブルーイは青い毛並みで直線的なデザインで、基本的にみんな犬なので服も装飾品もないということもあって、最初は男の子?女の子?とちょっと混乱してしまいました。と、同時にそれだけキャラ付けの記号としての色やデザイン、アイテムといったものに慣れすぎてるんだなと改めて感じました。

エンタメ感が少ないという感想をつぶやいたんですが、それは決して面白さがないとかストーリーに起伏がないというわけではなく。
意外性やユーモアはふんだんにあるんですけど、ジェットコースターみたいではないというか、味付けが濃すぎないというか……。
今の時代的なファミリー観に加えて、わかりやすいキャラ付けや記号、派手な演出、Theエンタメ的な展開が少ないというのがブルーイを新鮮に感じた理由なのかもしれません。
あくまでもリアルと地続きな感覚……この感じはオッドタクシーにも近いものを感じました。どの年齢のリアルかという違いはありつつも、アニメにおけるリアリティって、それだけで結構な個性になるのかもしれないなと思いました。

リアル、リアリティといいつつ、ブルーイは常に空想と現実のはざまで生きてます。いわゆる「ベッドの下は海だから、落ちたらおぼれる」という子どもの世界。子どもにとってはそれがリアルで、かつての自分にとってもそうだったんだよなという感覚を思い出させてくれるんですが、このアニメは決してそれを魔法のようには描かないんですよね。
ブルーイたちは海だと思って行動してるけど、あくまで部屋の床は床で、アニメだからといって海にはしない。お父さんとお母さんもあくまでも子どものごっこ遊びに付き合っているだけで、本当に魔法で動物(もともと犬だけど)に変身したりはしない。そういう部分がすごく、なんというか温かいなと思いました。