ぼくの住んでいるところ③
市内の屋内プールは、ただのプールしかない。
隣町の屋内プールには、流れるプール、ウォータースライダーもあるので、その近くで働く妻を送りがてら、こどもたちも同乗し、そのままプールへ行ってきた。
建物は、楕円形で、半分は楕円の曲線を活かした流れるプール、隣に長方形の25mプール、端に浅い子ども用プール、ウォータースライダーが設置されており、プールサイドには楕円に沿って休憩用に椅子が配置されている。天井を見上げるとぐるりと楕円の輪郭がきれいに見えて、真ん中はストライプ状にトップライトがあり、自然光で屋内を明るく照らしている。
こどもと流れるプールで遊んでいるところ、『デザイナーの川久保玲氏は、体力維持のためプールで泳いでいる』という記事を思い出した。彼女は、流れるプールなど見向きもせず、自分のため自力で25mのプールを何往復も泳ぎ、それが反骨精神の基礎なのだとと、勝手に想像してしまった。
流れるプールで身をまかせてこどもと遊んでいただけなのに、少し疲れて昼寝をしてしまった。これから、台風が近づくというので、おうちプールとタープを片付けようとしたが、急に雨が降り出してしまった。
わたしは自発的に何かをやる力が全く足りていない。流れるプールに身を任せて、何周もぐるぐると回って終わるのか、いまから25mプールに移って自力で泳ぐのかと、ふと考えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?