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古(いにしえ)の魔法具なのだろうか?

ちょこっと物語仕立てに💗
おつきあいくださいませ(´▽`)

「ん?これはなんだ?」

帰路につくために乗った馬車は、自然発生的にはじまった古道具市に道をふさがれていた。
「旦那、これ以上は無理ですぜっ」と言われてしまい、仕方なく歩く羽目になった。
所せましとモノに溢れる道を眺めつつ、古道具市に歩を進めていると、突如、青に遭遇した。

いや、遭遇したというよりは・・・
いきなり辺り一面が青に染まり、吸い込まれそうになったと言う方が正しいのかもしれぬ。
「ぬわっ」と小さな声を上げ、立ち止まり目を落とした先に、ソレはあった。
「御仁、いいものに目をつけましたのぉ。いや?呼ばれましたかの?」
老婆がふぉふぉふぉと喉の奥で笑いをこらえるようにつぶやいた。
だから仕方なしに、訊いたのだ。
「ん?これはなんだ?」と。

「さぁ?」
「さぁ?って…解らずに売っているのかい?」
「はい。さようで。古道具市なので・・・」
「魔導士の勲章なのか、魔道具なのか?使い方は良く分らんのです。ただ、この煤け具合と言い、修羅を潜り抜けてきたモノなのは確かなのでは?
何かが薄っすらと見えるような見えないような?空の奥の最果てが見えるような見えないような…。持つべき御仁が持たれると何かが見え、起動するのかもしれませんなぁ」
老婆は一気にそこまで言うと、口をつぐんだ。

それはただそこに立て掛けてあった。夕日を背面から浴び蒼色が布にほんのりと浮かび上がっていただけなのだが。
私は手に取ってみた。

手の中で浮かび上がる魔方陣?!。その周りには三日月に星に蝶?
そして、更に覗き込もうとすると、辺りがまた、今度はよりはっきりと蒼に染まり始める!
深く濃くその蒼はまとわりつき始め・・・・

--パン!パンパン!!--

老婆が柏手を鳴らした。
「御仁、、、買いなさるかね?そこから先は、所持者になってもらわんとねぇ。ふぉふぉふぉふぉ」

軽い眩暈と共に、現実に引き戻された私は、そのあとのやり取りを殆ど覚えていない。現実に引き戻された?筈なのだが、さらにうつつの中を漂っていたのだろうか?時間がまるっと抜け落ちている。
私は気が付いたら市を抜け、手にはこの【魔導士の証】がしっかと握りしめられていた。

自室の机に今、こうしてコイツが鎮座している。

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