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"欧州のブラジル"ウクライナの名門シャフタールによるブラジル侵略

日本だけでなく世界中に知れ渡るシャフタール・ドネツクの"ブラジル化"

およそ1/3の選手がブラジル人で占めるこのクラブには、ステップアップの場とし欧州のビッグクラブへ移籍した選手もいれば国籍を取得しウクライナ代表を選ぶ選手も。

この度シャフタールはブラジル国内へのマーケティングを開始。
今週末ディナモ・キエフとのビッグマッチを控えたクラブはマーケティングのテストと調査を兼ねポルトガル語の生中継を決定した。
その経緯と狙いをシャフタールのマーケティング担当者が語っている。


ー現在10人以上のブラジル人選手がいる我々のクラブをブラジル人、そして将来的に契約をする可能性を秘めている選手達にどういうクラブなのか知ってもらう必要がある。
所属しているブラジル人選手達には数多くのSNSのフォロワーがいるため、"我々の提案についてどう反応するだろうか?""彼らはどういう事に関心を示すのか?"といったテストをするには最適の国なんだよ。

ー国内リーグ戦のディナモ・キエフとの一戦をペイ・パー・ビューの形で公式サイトから配信する。価格は3ドル。
未だ専用スタジオを用意する程ではないんだけど、まずはこのビッグマッチが良い試合になってくれたら。
今回の放送は外部に委託するため有料という形に。


ーブラジルとウクライナは人口統計学的に近しく、市場についても似た関係であると理解している。
この試合を何百万人にも観てほしいだなんて思っていないんだ。
長年ずっとやりたかったテストという位置づけ。
まずは試合前後のSNSやインターネット上の動きを観察したい。


ー結果にもよるが視聴者数や反響に応じて来季のシャフタール・ドネツク全試合のブラジル国内放送もあり得る。
また今回のテストをブラジルに進出している我々のスポンサー、あるいは今後ブラジル進出を考えているウクライナの企業へ提供したい考えはある   


ー今回は現実的に捉えるとまずはファンのエンゲージメントを確認したい。
それからペイ・パー・ビューのテスト。
沢山のブラジル人がここに来てシャフタールでプレイしたいと思ってくれるよう我々のクラブを知ってもらう事に関心があるので。
そうすれば2つ道が現れる。
1つはファンから収益を上げられるようなやり方、そしてもう1つがコミュニティを形成しそこからスポンサーを獲得するやり方だね


ー我々には"ファンとどのように付き合うか?"という方法論が存在している。
ファンは当然クラブよりも1選手を愛するものだが、彼らが移籍したとしてもファンと接触を続ける事は可能なんだ。
シャフタールが彼らにとっての2番目、3番目のクラブでもいいんだよ。
別に"シャフタールを選べ、さもなくば..."なんて要求する事もないし笑
これからブラジル人ファンと"おしゃべり"を始め、彼らが今後も我々と居続けてくれる事を目指しているんだ。


後記:近年ブラジルでは若者の国内サッカー離れが徐々に問題として明確化しつつある。
要因としては昔きら続くブラジルサッカー界のピッチ内外での混乱への嫌悪感や、幼少期からSNSを通じた欧州サッカーへの傾倒等が挙げられている。
また多数の欧州クラブが母国語以外にポルトガル語の公式アカウントで情報を発信するため、より身近な存在として捉えられているのも理由の1つ。

近年日本人投資家が海外クラブを買収し、日本人と契約→知名度と収益化獲得を狙うケースが増えている。
海外クラブによる選手を利用した母国へのマーケティングとしてはおもしろい動きで、日本にもいつかそういった流れが押し寄せるだろうか?と今後が楽しみなニュースだった。

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