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2022年夏 おげれつ先生のトークショー&サイン会、個展の感想、「ハッピー・オブ・ジ・エンド」について


はじめに


 私にとって2022年の夏は、おげれつ先生の夏だった。

 7月15日「ハッピー・オブ・ジ・エンド」ドラマCD2巻発売、7月23日「ヤリチン☆ビッチ部(以下ヤリ部)」5巻発売、7月30日トークショー&サイン会、8月8日~9月4日個展開催、とイベント目白押しで、おげれつ先生のことを考えない日はなかったような気がする。

 個人的には心身ともに苦しい時期だったので、またしてもBLが生きる支えとなってくれた。


トークショー&サイン会


 マンガ展で「ヤリ部」5巻を購入すると7月30日池袋で開催されるトークショー&サイン会に応募できると知り、事前予約の上、発売日に応募して当選を祈っていた。

 当然、大勢のおげれつ先生ファンが応募すると予想され、落選した場合に自分を慰める言葉を考えていたくらいだったので、7月8日に当選通知が届いた時は一瞬、夢かと思った。
 
 きっとこれは、病気のため1月に入院し、その後治療薬の副作用から始まった心身の不調で働くこともできなくなっていた私に、神様がくれたプレゼントなのだと思わずにはいられないような幸運だった。
 
 私は狂喜乱舞し、サイン会までの3週間、毎日おげれつ先生に会える喜びに浸っていた。


 トークショー&サイン会は2部制で、1部は12~14時、2部は15~17時だった。

 1部はトークショーのみオンラインでライブ配信された(マンガ展で5巻を買うと視聴用のコードが付いてきた)ので、池袋のカフェで1部の様子を食い入るように見ながら、当選した2部の集合時間に合わせて会場に移動した。

池袋虜 会場は地下1階にある

 ドキドキしながら入場し、整理番号で指定された席に着くと、なんと最前列、おげれつ先生の真正面だった!!

 神様、ありがとう! なんという幸せ…。

 全部で50席用意されていたから、1部、2部合わせて当選者は100名。

 当選しただけでも十分だったのに、まさかこんなにいい席でおげれつ先生のトークを聞けるとは思わなかった。

真ん中におげれつ先生、向かって右に丸木戸マキ先生、左に白川さんだった。

 15~16時はサイン会、16~17時がトークショーだった。

 参加者が着席し、おげれつ先生の入場が告げられると、私の期待と緊張は最高潮に高まった。

 初めてお会いするおげれつ先生は、どんな方なんだろう…。

 1部のトークショーを配信で見ていたのでマスクを着けたお顔は予習済みだったものの、壇上に立ったおげれつ先生のあまりの美しさに、私は驚き、しばし呆然としていた。

 黒い衣装とのコントラストで際立つ白い肌、ゆるやかに巻かれた茶色く長い艶やかな髪、額にかかる薄めの前髪の下の大きな瞳、整った鼻筋と可愛らしい小さな口元…。

「この人が本当におげれつ先生なんですか!? 綺麗過ぎませんか?」と、思わず全然知らない隣の席の人に話しかけそうになるくらいだった。

 私は昔から、≪面白いペンネームの女性は美人≫という印象があって、おげれつ先生もきっとお綺麗な方なんだろうな、と漠然と考えていたのだが、まさかこれほどまでとは…。

 おげれつ先生のぱっちりした二重の瞳には、可愛らしさだけでなく、内面の強さを感じた。

 やはり、これだけの作品を生み出される方だけあって、並の美人とは違うオーラが確かにあった。
 
 サイン会では、整理番号が早かったためすぐに自分の番が来てしまい、私は正気に戻る間もなくおげれつ先生の前に立つことになった。

 めちゃくちゃ緊張していたのと、たくさんの人がいるので遠慮もあって、それほどゆっくりお話しはできなかったが、「『ハッピー・オブ・ジ・エンド』が大好きです!」と一番お伝えしたかったことは言えた。

 自分の番が終わってからは、最前列の席からおげれつ先生がファンの方と楽しくにこやかにお話しされるのを不躾なほど凝視し続けてしまった。

 本当に美しくて…。

 おげれつ先生も千紘や浩然と同じ並びの、美形村の住人だったのだ。

 16時からのトークショーは1部と同様、おげれつ先生のお友達の漫画家丸木戸マキ先生と「円と球」デザイナーの白川さん(個展の図録や「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の装丁を担当されている)の3人で、事前に募集されたファンからの質問に答えつつ、楽しいお話を聞かせてくださった。

 仲良しのお二人がご一緒だったことで、より素に近いおげれつ先生のお姿を拝見できた気がした。

「トークの内容は先生方の個人的な部分も含まれるので、発信は控えてください」的なアナウンスがあったため詳細は書かないが、プライベートから作品のことまで多岐にわたってお話しくださり、大満足で胸がいっぱいになる1時間だった。

 あまりに内容が濃くて、私はもしも後ろの方の席だったら、メモでも取りかねなかったと思うのだが、なにせ一番前の席でおげれつ先生の美貌にうっとりしていたので、普段ほど記憶力が働かなかった。

 大好きなおげれつ先生のお姿を拝見できて、1時間もお話を聞けて、本当に幸せだった。

 一生涯に残る想い出になった。

 1部の最後で、丸木戸マキ先生からお手紙と遠野、加島、やっちゃんの3人が描かれたイラストを受け取ったおげれつ先生が、ものすごく喜んでいらした姿が今でもありありと目に浮かぶ。

 後日、素敵なお土産が届いた。

お土産に真ん中のうちわをいただいた。可愛い。


個展@銀座 ヴァニラ画廊


 8月8日~9月4日まで銀座のヴァニラ画廊でおげれつ先生の個展「コフレ」が開催された。

銀座8丁目のヴァニラ画廊。ビルの地下2階にある。
この近くにはよく行くけれど、今回初めて中に入った。



階段の踊り場に飾られたポスターとくまえもん
ポスターにはおげれつ先生のサインが!


 今回の個展はおげれつ先生の商業誌デビュー8周年、「ヤリ部」10周年を記念して開催されたので、展示は「ヤリ部」がメインだった。

 色鮮やかで美しいイラストが部屋中を埋め尽くしていて、夢のような空間だった。

 入って左手の第一会場の壁には8割くらい「ヤリ部」の原画が飾られていた。

 部屋の真ん中にはTENGAやローター、脱いだシャツが無造作に置かれたソファと、お菓子が散らかったテーブルがあって、写真部部室が再現されていた。

 「ヤリ部」のメンバーが各話の表紙で手に持っているディルドもいくつか再現されていた。(まったく同じデザインではないのかも)

 残りの2割くらいはおげれつ先生の初期の作品「恋とはバカであることだ」と「はだける怪物」シリーズだった。

 この部屋で私が何より私が嬉しかったのは、「ハッピー・オブ・ジ・エンド」1~3話のネームを読むことができたことだった!
(内容については後述)

 
 右手にある第2会場には「ネオンサイン・アンバー」、「エスケープ・ジャーニー」、「Daisy Jealousy」、「俺たちマジ校デストロイ」、そして私の大好きな「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の原画が展示されていた。

 私は「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の複製原画を好きなだけ買おうと意気込んでいたのだが、そもそも展示されている絵が5枚で、そのうち販売されている複製原画は3枚しかなかった…。(3点とも購入した)

「ハッピー・オブ・ジ・エンド」は既に2巻まで発売されているのだから、もっと展示を増やしてほしかった。

 せめて、2巻の表紙やカラー扉絵の複製原画を販売してほしかったと思っている。

「ハッピー・オブ・ジ・エンド」3巻発売時には、おそらくこの作品の完結記念になると思うので、ぜひアクリルスタンドなどのグッズや今回なかったイラストの複製原画が発売されることを願っている。

 第二会場の大きな見所として、1週間ごとに変わる「フォトスポット」があった。

 Twitterで個展の詳細が発表された時は、「撮影できる絵があるのかな」くらいにしか考えていなかったのだが、この「フォトスポット」は想像以上に凝ったものだった。

 おげれつ先生のイラストが等身大のパネルになっていて、しかも絵に合わせてセットや照明が毎週変わっていたのだ。

 1週目:百合くんとジミーの壁ドン(体育館の裏?茂みの陰から私たちが覗く)
 2週目:浩然と千紘の壁ドン(新宿路地裏、私たちの視線に浩然は気づいている)
 3週目:太一と直人の結婚
 4週目:秀那とかんちゃんの結婚

 ストーリーの中で完全にくっついた二人は結婚だった。
 いつか浩然と千紘の白いタキシードも見てみたい。


1週目:百合くんとジミー


2週目:浩然と千紘。空き缶が転がっているのが路地裏っぽい。照明も緑だった。


浩然はこちらの視線に気づく余裕があるのに、千紘は浩然に夢中でうっとりしているのが可愛い。


3週目:太一と直人。幸せそう。


 直人のベストが青いのは、サムシングブルー的なものかと思ったが、かんちゃんは着ていなかった。下着が青いのかな?


記念品。この図録はとても充実していて印刷も綺麗なので、ファン必携! 


「ハッピー・オブ・ジ・エンド」のネーム

 
 おげれつ先生の個展は、美しいイラスト、週替わりのフォトスポットと見所が多かったのだが、私にとって最大の喜びは「ハッピー・オブ・ジ・エンド」1~3話のネームを読めたことだった。

 計5回、完成版との違いをチェックしながら熟読していた。

 細かなセリフや画面構成も少しずつ違うのだけれど、私が気づいた完成版との変更点は…

第1話

①千紘の名前が「大智」になっていた。

②浩然に出会った時、千紘が年を「俺29(完成版では23)」と言っている。(おげれつ先生の手書きの文字、4ではなくて9だと思う)

③浩然の前髪が額にかかっている。結構完成版(額を出している)と違った。

④駿一と千紘が付き合っていた期間がネーム「6年」→完成版「4年」になっていた。

⑤最後の浩然と千紘がゴミ捨て場で再会する場面で、「ネーム『1週間』→完成版『2日』ぶり」になっていた。

第3話

①浩然が千紘にあげるハートのペンダントが、ネームではくまさんだった。

②コンビニでハムとコンドームを買って「550円」になっていた。安過ぎる。完成版では1350円。

 他にも、白紙の2ページにただ、「セックス」と文字が書いてあったのが面白かった。

 物語の印象的なシーンは、わりとネーム通りだったと思う。

 実家に帰った時に千紘のまつ毛を滴る涙や、浩然が本名を明かした時の二人の手のつなぎ方など…。
 
 ぜひ、ビールかけや踏切のシーンのネームも読ませていただきたいと思った。


 トークショーの後、「ハッピー・オブ・ジ・エンド」について、私はあることに気づいた。 

(この先は3巻の予想になるので、「余計なことを言わないで!」と思われる方はここでストップしてください)



「ハッピー・オブ・ジ・エンド」3巻についての予想 (閲覧注意!)


 千紘が育てている鉢植えは、「なぜパンジーなのだろう」と思っていた。

 ≪春に咲く花≫が一つの条件だろうと考えてはいたのだが、おげれつ先生がトークショー(たぶん第2部)で「キャラの誕生日はどうやって考えますか?」という質問に、

「誕生花とか宝石とかのイメージで」

とお答えになっていて驚いた。(この回答には、丸木戸マキ先生も驚いていらした)

 ということは… 

 パンジーの花言葉がヒントになるに違いない、と私は考えた。

 皆さんは、千紘の育てているパンジーは何色だと思うだろうか?


 私の予想は「青」だ。
 青いパンジーの花言葉は「純愛」「誠実な愛」だから。
 
千紘と浩然にぴったりだと思う。
 
 そして、私はまた、3巻の表紙も「青」ではないかと思っている。

 「ハッピー・オブ・ジ・エンド」に関する記事の題の背景は、コミックスの表紙に合わせているのだが、第13話以降、何色にしようか迷った。

 1巻は緑、2巻は黄色ときて、3巻はどうなるだろうと。

 私は3巻の終わりで二人が旅すると予想している江の島の海をイメージして、青を選んだ。

 そこに青いパンジーの花も重なったように思えた。

 とはいえ、私がこうやってあれこれ先のことを予想するのは、「当てたい」と思っているわけではなくて、色々考えるのが純粋に楽しいからなので、当たらなくてもいい。

 複製原画が届く2023年3月には、物語も佳境に入っているだろう。

 私は千紘と浩然の幸せな春を待っている。


おわりに


 おげれつ先生と出会えたおかげで、2022年は生涯忘れることのできない夏になった。

 これからもおげれつ先生と、先生が描かれるすべての作品を応援している。






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