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祝・ドラマ化!! 「ハッピー・オブ・ジ・エンド」についておげれつ先生が教えてくれたこと



 ドラマ化を記念して、2024年8月5日におげれつたなか先生がスペースで私たちファンからの質問に答えてくれました。

 私がずっと悩んでいたことにも直接お答えをいただけて大変嬉しかったのと同時に、おげれつ先生の作品に対する深い愛情と細部までこだわった設定を知ることができて、ますます「ハッピー・オブ・ジ・エンド」が好きになりました。

 私が今まで書いた記事の中で疑問のままになっていた内容に対する答えが出たのと、スペースを聞くことができなかったファンの方のために質問とその答えの一部を記載しておきます。

 質問の順番は実際のスペースとは異なります。また、内容は主観による意訳を含みます。

「ハッピー・オブ・ジ・エンド」に関するQ&A


Q1. 2巻ep.09 冒頭のモノローグは誰のものですか?

 これは私が出した質問で、「傍から見たら同じ絵…」で始まるモノローグの主語が誰なのかどうしても知りたかった。
 千紘も浩然も昔絵を描いていたような描写はないし…、もしかしてマヤ?とあれこれ考えていた。

A1.(おげれつ先生):私はあまり「これは誰のモノローグ」って決めてなくて、決めて読んでほしくない。その人(読者)が読んでイメージする人のモノローグとして読んでほしい。

 胸に突き刺さるお言葉! 私が常々反省している「わかりやすさの罪」だ!(気になる方は武田砂鉄さんの「わかりやすさの罪」を読んでみてください)

 何でもかんでも性急に答えを求め過ぎていた。
 物語のすべての伏線が回収されなくてもいいし、読む人によって解釈が異なる余白がある方がより深く物語を楽しめるというのに。
 クイズのようにすぐに正解を探したくなる私の悪い癖…。

 読者それぞれがこのキャラのモノローグかなと想像すればいい、とおげれつ先生は優しく教えてくれたのだった。

Q2. 3巻各話の表紙に描かれた椅子の意味は?

 他の方の質問だったが、私もずっと悩んでいた謎だった。

A2. キャラクターが座りたかった椅子。座りたかったけれど座れなかった場所。

 なるほどーっ!! 心の底から納得した。

 おげれつ先生のお答えを聞いて3巻を振り返れば

ep.13 大きなソファにポツンと座った千紘。
 家族団らんの場であるリビングのソファは自分を理解し受け入れてくれる家族の象徴。

ep.14 学校の教室にある机と椅子に座る大人の浩然。
 義務教育すら受けていない浩然には学校は憧れの場所だったのかもしれない。

ep.15 ロッキングチェアの上で両目を閉じた子供の浩然。
 まるで父親の膝の上に座って安心している時のような穏やかな表情をしている。
 安楽椅子に座る人と言えば祖父母かあるいは父? 誰が父親かすら知らない浩然が求めたもの…

ep.16 ゲーミングチェアに座る加治。
 オフィスチェアの可能性もあるけどゲーミングチェアかな。今はドライバーを仕事としている加治だが、もしかしてプロゲーマーやゲーム制作者になりたかった?

ep.17 誰も座っていないベビーチェア。
 最終回の表紙がこれで私は少し怖いくらいだった。
 浩然もこの回で死んでしまったマヤも、それからマヤのもとに集められていた少年少女たちも、安全ベルトのついたベビーチェアに象徴されるような自分を守り慈しんでくれる家族の愛情が欲しかっただろう。
 千紘は「男の子が好き」って親に知られるまでは大事にされていたような気がするけれど…。


 どういう家庭、どんな親の元に生まれるか子供は選べない。幼い頃は自分に与えられた状況を受け入れるしかない。家族から受けた影響は人生を大きく左右し、千紘も浩然もおそらくマヤも親との関係で傷つき苦しんできた。

 それでも、私たちは成長し、愛する何かに出会って自分を変えていくことができる。

「ハッピー・オブ・ジ・エンド」はそれぞれに傷を抱えた千紘と浩然が出会い、初めはぎこちなく関わり合いながらも次第に愛を深め、相手のすべてを受け入れて、何があっても揺らがない深い絆によって結ばれていく物語だ。

 路地裏のゴミ捨て場に転がっていた千紘が、最後に光溢れる公園で浩然と再会するまでの甘さと辛さが絶妙に入り混じったストーリーは本当に素晴らしかった。

Q3. 初めのプロットから変更した部分はありますか?
 私が出した質問その2。
A3.  プロットと大体一緒。千紘の名前がもとは「だいき」だったけど。

 おげれつ先生は連載開始時から緻密なプロットを組み立てていらっしゃったんですね。銀座の個展でネームを見ることができて感無量でした。

他の質問いくつか

 最終回での二人の年齢⇒出会った時の千紘が23歳で、物語全体で10年以内だから30歳前か30歳過ぎくらい。

 浩然の香水⇒(以前Xでも教えてもらったけど)ディプティックのオルフェオン(私は微かにタバコの匂いを感じて、浩然ぽいなーと思いました)

 千紘と再会後の浩然の職業⇒マツキさんのコネで不動産の事務と株を少し。

 ドラマ化にあたって譲れないシーンやセリフ⇒シーンはビールかけ(1巻ep.04、私も大好き)、セリフは浩然の「同棲中の彼氏いるでしょ」(2巻ep.07)(浩然が堂々と交際宣言してびっくりした)。

 二人で決めた浩然の誕生日⇒11月17日。お花(おそらく花言葉)で決めた。(私が調べたところスターチス、永遠に変わらない)でしたが、合っているでしょうか?)

 リバについて⇒すごくよく聞かれる。浩然は経歴的にもう(受を)やりたくないんじゃないかなー(笑)

おげれつ先生に感謝

 約1時間、ファンからの質問に答えたり、ドラマや俳優さんのことについてお話してくださったり、大変楽しい時間でした。

 2025年3月のJガーデンあたりで「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の同人誌を出すかも、とおっしゃっていたので待ち遠しいです!!


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