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アイドルはアートでありカルチャー

「今はバンドよりもよっぽどアイドルがロックしている」これは筆者が大好きアーティストさんの言葉である。この場合の「ロックしている」って言うのはロック本来の反骨的な自己表現とか、個の表現をつらぬくみたいなコトを言っているのだと思う。そーなのだ、今のアイドルってけっこーロックなコトをしてたりする。

筆者はバンドも好きだが、アイドルカルチャーみたいなモノも好きだ。何なら表現の多様性というかカルチャー具合が、一番激しい業界な気もしている。

ただ、いまだにアイドル=王道アイドルみたいな認識の人が多かったりもするように感じる。「若くて可愛いらしい子(男性でも女性でも)が集団で耳あたりのいいJ-POPを歌ってる」みたいなものしかアイドルを認識していなかったりする人もいるなーって感じたりするのだ。そういう人ってアイドルカルチャーを軽んじがちだったりするし。

誤解ないように書いておくと、筆者は王道アイドルみたいなモノも聞く。坂道系だって好きだし、ハロプロだって肯定派だ。なんなら欅坂46の『サイレントマジョリティー』はめちゃくちゃ名曲だと思っている。王道アイドルを否定したいワケでは全くない。ただ、アイドル「カルチャー」っていうくらい色んなモノがあるのを少しでも認知してもらいたかったりするのだ。

そこで今回は筆者の独断と偏見で選ぶ「推したいグループ4選」を選んでいこうと思う。多様性みたいな目線で見てくれると嬉しい。紹介する曲も代表曲って訳ではなく、個人的に聞いてほしい曲にしてみた。

ここにいる4組に共通して筆者が感じる共通点は2点。

まず「アイドルがしたい」のではなく、「表現したいモノがあって、それを表現するのに適した表現方法がアイドルだっただけ」ということ。それぞれの世界観とかすごくいいのだ。

それから「そのグループ自体のDNAみたいなものを感じるか」ということ。グループである以上メンバーの入れ替えとかあるのは宿命だが、メンバーが入れ替わってもそのグループに共通するDNAみたいなものを感じるかどうかだ。


でんぱ組.inc

アイドル+カルチャーみたな構図を世に広めるのに、でんぱ組.incがになった役割は大きい。サブカルチャーが入ったアイドルって最近増えてきたが、その先駆けにして頂点だと筆者は思う。

渋谷系音楽の代表みたいな小沢健二さんの曲をカバーしてみたり、漫画家の浅野いにおさんが作詞を担当してみたり、でんぱ組.incのやるコトって「あぁこれはでんぱ組.incしかできないゎ」と強く感じさせてくれるトコロがある。楽曲も聴けば聴くほど、深いつくりをしてる曲が多く、いわゆる音楽好きからの評価も高い。

『形而上学的、魔法』は前の記事でも触れた諭吉佳作/menさんの作詞・作曲で、歌詞の深みがやばい。MVも長尺を一本取りしていたり、コンテンポラリーダンスを組み込んだりと、この完成度の上をいくMVってなかなかない。


二丁目の魁カミングアウト

「ゲイでもアイドルになれる!」がコンセプトのメンバー全員がゲイであることを公言してるグループ。こう言うとイロモノ扱いされるのだが、パフォーマンスはけっこー王道をつらぬく感じである。

このグループほど表現者って感じがするグループも少ないだろう。今回のテーマの「アイドル→カルチャー・アート」みたいなモノをいちばん感じさせてくれる。

楽曲はゲイであることを知った上で聴くと、心にグッとくるものがあって、とんでもなくエモい。『青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ』もエモさのかたまりみたいなMVだ。黒宮れい(MV主演してるコ)もめちゃくちゃいい味を出している。


CY8ER

残念すぎるが、2021年1月10日に解散してしまったが、このグループには触れておきたい。メンバーの苺りなはむさんが所属事務所の社長とプロデュースを兼務。大手事務所ではないが故に、自己の世界観をつらぬいてる感じがすごい。

『恋愛リアリティー症』はメジャーデビューした楽曲で中田ヤスタカさん(Pefumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサー)の提供なので、「結局有名どこのプロデューサーつれてくるのか」って意見もあったみたいですが、筆者的にはそれでもCY8ERらしさみたいなモノは見える気がする。

すくなくとも、CY8ERの入り口にはいいかと。

ZOC

最後はやっぱり筆者的に外せないZOC。”共犯者”大森靖子さんが全面バックアップというか、普通に一緒に参加してる。

もともと一癖も二癖もあるメンバーがばっかり集めているのもあって賛否分かれまくりだし、メンバーの脱退も多いし、いきなり元ハロプロが新メンバーになるしと話題性には事欠かないグループ。いろいろあっても嫌いになれないんだよなぁ。

メンバーが入れ替わる中でも貫かれているグループのDNAは確かに感じる。大森靖子さん提供の楽曲もその時のメンバーのことを想定してかかれている楽曲ばかり。

『A INNOCENCE』のMVはもう歌詞も映像もエモ過ぎる。なんか「この瞬間の輝き」って感じが素敵すぎる。


まとめ

ここではあげられなかったグループでもめちゃくちゃおもしろいグループはあって、書き上げたらキリがない。というか、いつかまた別の記事のできそうだから、あえて名前はあげない。

今回あげた4組のグループって、4組とも自分たちでアイドルを自認している人たちばかり。ただ、単なるアイドルってくくりにするのは、ちょっと抵抗あるくらいカルチャーしてるし、アートしてると思う。

今回のタイトルの通り「アイドルはアートでありカルチャー」を体現してくれていると思う。この記事みて、4組のどれかに興味をもってくれたらうれしいなぁ。

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