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3月11日、、あまり知られていない偉業「石巻日日新聞」に見るプロ意識

東日本大震災から10年。今日一日でこの話題にふれなかった日本人は1人もいないんではないだろうか。

震災が起こる5年程前、筆者は学生時代に東京→青森を自転車に寝袋を乗っけて、チャリ旅をしたコトがある。当時の東北の海沿いの綺麗な景色は頭の中に張り付いているし、自分の人生に影響与えてくれた思い出の土地でもあった。この話もまたいつかnoteで書きたいと思う。

そんな見たことある景色が、津波に飲み込まれる映像はショッキングだったし、なにか損失感があったのを覚えている。

あまり知られていない「石巻日日新聞」の偉業

あまり知られていないが石巻日日新聞という地方紙がある。筆者は彼らが東日本大震災でおこなったことこそ本当のジャーナリズムではないかと思っている。

石巻市をおそった津波で、石巻日日新聞の社屋も浸水し停電にもなり、新聞を印刷する輪転機も水没した。通常であれば新聞発行なんて不可能で、社員たち自身も命の危機にあったのは他の被災者と同じ。

そんな中で彼らは、懐中電灯で明かりをつけながら、新聞のロール紙に手書きで各避難所の状況や水道・電気の復旧状況を書き込み、号外として市内の避難所に張り出したのだ。それも毎日だ。避難所にいる方からすれば、本当にその時に必要な情報は、政府の対応や被害の大きさではなく、ローカルな電気・ガス、各避難所の情報だっただろう。

被災者支援でいった人々ではなく、本人達も被災しているのにも関わらず、必要な情報を届けたの精神は本当に心から尊敬する。彼らの高度は世界中で高い評価を得ていて、当時の手書きの号外はアメリカのワシントンにあるニュース・ジャーナリズム博物館に保存されることになった。世界での評価の割に日本であまり知られていないのが残念でならない。

東日本大震災での報道

大学の時にジャーナリズムを学んでいた身としては、東日本大震災では日本の報道の光と闇が両方見えたように思う。石巻日日新聞の号外は、もっと評価されていい光の部分だと思う。どんな状況でも、自分たちに必要とされているコトを貫きとおしたそのプロ意識は、すべてに人が学ぶべきコトではないだろうか。

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