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節税効果が高い不動産で長期的にキャッシュフローを得ていく方法(年収2000万円以上かつ上級者向け)

 前項の続きです。まず節税効果について説明していきますが、この節税ひとつとってもいろいろな情報が飛び交っていますし、正確に理解していない業者も多いです(そもそも営業の人間も自社商品ぐらいしか知識がない)。

 不動産投資を行うと確定申告が必要です、節税というのは、収入を上回る経費を出して課税所得を下げ、所得税の還付・住民税の軽減を受けよう、ということです。

 不動産投資で節税効果を大きくするポイントは、減価償却と雑費です。この2つは物件によって違いますし、やり方によって変わります。ただし、雑費を多く計上することに関してはグレーな部分が多いので正しいやり方としては決してお勧めできません。あくまでも、減価償却の違いをまず解説します。

 減価償却は、建物の購入費を一定の年数で経費計上していくというものですが、理解して頂きたいポイントが二つあります。立地が良いほど購入額における建物比率が少なくなるので節税にならないこと減価償却をたくさん計上したとしても売却時にしっぺ返しを食らうことです。順に解説します。

 立地と減価償却の関係ですが、まずは区分マンションで考えます。例えば4000万円の不動産の建物比率が33%(東京23区駅前を想定)のものと75%(東京郊外、地方)のものを比べてみましょう。単純計算で建物代金1320万円と3000万円です。これを同じ年数で毎年計上していっても、経費の差は何十万にもなります。つまり、好立地のマンションに節税効果はないのです。相続税の節税効果はありますがそれはまた別の話。

 好立地でも節税効果を出すとしたら、合法的な範囲内で設備などの償却期間が短い部分の金額を大きくすることですが、これは実はあまり意味がありません。
売却時に重要になる

取得費=土地購入価格+(建物購入価格−減価償却費
課税譲渡所得金額=売却価格−( 取得費+譲渡費用)

という計算の都合上、減価償却が大きくなればなるほど譲渡所得が大きくなってしまうので納税額が大きくなるからです。

 もし、付き合いがあったり新しく提案してくる不動産会社が減価償却費用を多く出す計算を勧めてきたら、その場凌ぎで喜ばせようとしているだけの信頼できない業者です。都市部の区分マンションはキャピタルゲイン狙いでもありますので節税目的では意味がないです。

 それでは、節税効果を出すにはどうすれば良いのか。ワンルームマンションなら郊外や地方の物件、もしくは1棟マンション、1棟アパートになります。それも、30年は確実に運用していくような気概を持って長期的に保有するというものです。

 この話がなぜ年収2000万円以上の方向けなのかというと、節税効果は年収によって大きく違うからです。年収2000万円以上ですと、経費に対して半分近く税金が戻ってきますが、年収600万円ほどの方ですとせいぜい3分の1ほどです。ダメなわけでもないのですが、それならキャピタルゲインを目的にするか他の投資の方が効率が良い可能性があります。

 また、なぜ上級者向けなのかというと立地が微妙なマンションや1棟マンション、アパートは玄人向けだからです。怪しい話がたくさん転がってくるのもこの種類の投資ですし、想定外の出費があったり、売却出口が取りづらいので採算がかなり重要(=利回りが重要、なのでそこを強く言ってくる業者はこちら側の運用を勧めていることになります)になりますし、ハードルが高い要素が実は多いのです。

 もちろん、成功例もたくさんあります。脱サラをしたり家賃収入だけで何千万、みたいな方々はキャピタルを繰り返した上でこちらの投資に移行しますし、高年収の方であれば都心の区分マンションでは考えられないような保有コストで収まります。お金が入ってくれば誰だって嬉しいです。ただ、売却しづらい以上、含み損を消すまでは安心できないのは同じなので長期保有しかないです。

 節税効果も一定期間でなくなりますし、利回りが高いもので安定しているものは理屈上難しいのも事実。立地に関しても、好立地のキャピタル狙いならぼんやりとした理解でも運用年数でカバーできるので素人向きですが、節税目的の不動産は立地選定が極めて重要です。やはりわかっている人がやるべきです。

前回の話も踏まえ、情報が錯綜している理由がわかったでしょうか。節税に向いてない不動産で節税を目的にすると出口がわからなくなりますし、キャピタルゲインを目指すなら利回りや収支で得するか損するかは決まらないのです。あくまでも銀行から融資を受けて商品として成立している以上、どのやり方でも目的と利益の出し方を理解すれば良いだけです。優劣はなく、出口が違うだけです。
キャピタルゲインを目指すのであれば業者のウソは相手にせず粛々と必要な含み益になるまで持って売れば良いですし、長期保有であれば徹底した下調べで本当に大丈夫だと思った物件を正しい知識で長期運用すれば良いだけです。

 概要としての伝えたいことは大体伝えたので、あとは個別のケースで解説していきます。

 

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