東京五輪サッカー日本代表のオーバーエイジ枠は誰か? 本田、大迫、長友と立候補者が続々登場

 今、東京五輪サッカー日本代表にオーバーエイジ枠(23才超)で誰を招集するかに大きな注目が集まっている。タイで行われている2020年AFCU23選手権でU23日本代表は、15日にカタール戦で1対1の引き分けに終わり、2敗1分で史上初の1次リーグ敗退が決まった。不本意な成績に終わったことにより、今や森保一監督の進退問題にまで発展しているが、そもそもこの大会には海外組が招待されておらず、また東京五輪ではU23の選手に加えてオーバーエイジ枠で3人招集できるため、東京五輪にこの結果が深刻な影響を与えることはないであろう。しかし今回の敗退によってオーバーエイジ枠でしっかりと選手を選ぶ必要性を、今までよりも強く痛感している。
 2016年のリオ五輪ではブラジル五輪代表がネイマールをオーバーエイジ枠で招集し、キャプテンを任せた。そのネイマールが期待に応えた活躍をしてサッカー王国に初の金メダルをもたらしたことは記憶に新しいところだ。だから金メダルを目標にしているという今の五輪日本代表にはネイマールがそうであったようにキャプテンを任せられる選手、そして攻守で活躍が出来る選手が望まれている。そこでビッグネーム達もオーバーエイジ枠招集に自ら「立候補」している。
 FW大迫勇也は所属先のブレーメンから五輪招集を容認するとの方針が出されていて、招集の筆頭候補だ。日本代表のエースストライカーで、ロシアW杯でも活躍した大迫は、同じく招集がほぼ決まっている五輪世代のMF堂安律(PSV)やMF久保建英(マジョルカ)とはA代表で共にプレーし、お互いを理解しているので連携もスムーズだ。大迫も五輪に出たいという意思を表明している「立候補」者の一人だ。
 MF本田圭佑はメディアの前で自分が五輪に出て金メダルを獲ると主張している。全盛期から比べて力は明らかに衰えているが、A代表としての経験と勝負強さという点ではよい効果をもたらせるかもしれない。MF中島翔也(ポルト)、MF南野拓実(リバプール)など欧州のクラブで活躍している選手も候補に挙げられるが、所属選手の五輪出場を各クラブはFIFA(国際サッカー連盟)のルール上、拒否することができ、今が旬の選手を五輪に出場することにクラブが難色を示す可能性は高い。南野の所属する英国の名門リバプールが南野の五輪出場を許可する可能性は限りなく低いだろう。中島はコパ・アメリカで久保やMF三好康児(ロイヤル・アントワープ)とうまく連携していたが、招集は所属しているポルトとの交渉次第だ。
 MF柴崎岳(デポルティーボ)は守備的MFとして、五輪への召集が期待されている最右翼の一人だ。コパ・アメリカの全3試合で主将を務め、安定したプレーとリーダーシップを発揮した。現在所属しているデポルティーボがスペイン2部で成績が悪いのが気になる所であるが、日本代表には召集されており、所属チームの承認も問題はなさそうに思える。
 DF植田直通(セルクル・ブルージュ)もコパ・アメリカに出場し、五輪世代のDF冨安健洋(ボローニャ)とA代表でも共にプレーしている。U23の守備陣のほころびを立て直すには必要な選手かもしれない。DF長友佑都もオーバーエイジ枠での召集に「立候補」しているうちの一人だ。まだ現役でA代表でも活躍しているベテランは戦術によっては召集される可能性もあるであろう。
 GKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)は現在所属チームでも正GKの位置を確保し、日本代表でも毎回召集されている。197㎝の長身のシュミットは空中戦が強く、身体能力も高いので長身選手の多いヨーロッパ勢とも十分戦える。オーバーエイジ枠招集の最右翼の一人だ。
 これだけではなく、まだ多くの「候補」が名を連ねているが、その中で3人しか選べないのが現実だ。また招集したくてもクラブとの交渉がうまくいかずに断念しなければならないケースも出てくる。いずれにしても自国で開催される東京五輪で日本に悲願の金メダルをもたらすためには、オーバーエイジ枠をしっかりと誰もが納得する形で選びたいものだ。現段階ではFW大迫、MF柴崎、GKシュミット・ダニエルというのが妥当な所か。

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