見出し画像

「乗換案内があれば、路線図はいらないのでは?」と言われたけれど、乗換案内と路線図はアウフヘーベンすればよくね?

路線図マニアの井上さんと、とある打合せに行って「路線図っていらなくなるんじゃないですか?」と言われてぐうの音も出なかったわけです。

その経緯は井上さんがざっくりまとめているので、そちらを読んでください。

路線図が大好きだつってる人を目の前にして、よくそんなこと言うなこの人って思ったのですが、でも、彼のいうことは確かにそうで、乗り換え案内があれば路線図いらないですよね。

ぼくだって普段、乗換案内使う時は路線図いちいち見ません。

ましてや、紙の路線図なんて誰が必要としているのか。外国人の旅行者だって、スマホで行き先調べるわけだから、こんなもの無駄だと思う気持ちもわかります。

でも、いちおう、路線図マニアとして、路線図の利便性を説明すべく「旅行先で、どこに行くか考える時、路線図があると便利だと思いませんか?」と答えたのですが「最近のGoogle Mapはすごく便利で、目的地を入れて検索すれば、ルートがすぐ出てくるんですよ」と教えていただきました。

それは……知ってる!

先日、韓国に行ったんですが、韓国には「カカオマップ」という超絶便利な地図アプリがあり、地図上のバス停アイコンをタップすると、そのバス停から発車するバスの番号、行き先、運行状況が全てわかった上に、実際に走るルートが地図上にぱぱっと表示されるわけです。

バス停をタップすると、そのバス停に停車するバスの番号が全部出てきます。任意の路線番号をタップすると……。

その路線のバス停とかかる時間、今の運行状況がサクッとでてきて、さらに右上の「Map」をタップすると……。

バスがどんなふうに運行しているのかが、実際の地図上に表示されます。

バスの進む方向がちゃんと矢印で表示されるので、間違えて逆方向のバスに乗っちゃうこともありませんし、運行形態が特殊(一方通行とか、ループするとか)なバス路線も、どんなふうにバスが進むのかわかるので、乗ってて不安にならないのです。

しかも、韓国全土(たぶん)で運用が同じで、TマネーカードというICカードで乗車できる。だから、旅行者でも迷う要素がまったくないわけです。素晴らしい。

今回、釜山とソウルに行きましたが、このアプリがめちゃくちゃ便利だったので、地下鉄には数回しか乗りませんでしたし、路線図もまあ使いませんでした。(写真撮ったり、配ってる紙の路線図をもらったりはした)

バスに限らずですが、乗り換えアプリが便利になれば、紙の路線図はまあ、使う機会はほぼ無いでしょう。鉄道会社がスマホを持ってない人間はこの世に存在しないとして、紙の路線図をもう作らないと判断するのであれば、それは(なんか寂しいけど)納得はできる。

で、さらにいうと、路線図という図も必要ないのでは? という話になるんですね。

だって「この駅から、N時N分発の○○行きの列車に乗って、◎番目の○△駅で降りる」っていう情報がわかれば、図なんかいらない。スマホの指示に従って動けば、トラブルが無い限り、目的地にたどり着くことができる。

乗換案内は、私達が移動するさいに必要な情報だけを提供してくれて、それ以外の情報はノイズになるからシャットアウトしてくれる。

ウェブサイトを作るとき、昔はみんなHTMLのタグを一生懸命覚えてホームページ作っていたのに、ブログが登場してからHTMLを覚える必要はなくなった。

それと同じで、目的地の地名さえわかれば、地図や路線図を読む必要は今やなくなった。

だから鉄道路線やバス路線が網羅的に載っているような路線図って、スマホがあれば、実は必要無いのかもしれません。

そういう意味で、今日、打合せで会った方は「乗換案内があれば、路線図いらないのでは?」とおっしゃったのでしょう。

路線図がなくなるのであればそれはそれで仕方のないことです。だって、路線図よりもっと便利な道具があるんだったら、そっちが普及するのは当たり前のことで、ただの路線図好きのぼくらがどうこういう問題じゃない。

ただ、よーく考えると、乗換案内の検索結果って実は路線図と言えるんじゃないか? とも思うんです。

カカオマップのバス路線検索だって、地図上にわかりやすいルートを表示するのは、路線図の一種だといえませんか。

で、乗換案内ってどんなふうだっけかな? と思っていくつかのアプリで検索してみました。

駅すぱあとは、乗車駅、乗り換え駅、目的地が表示されますが、左側をタップすると途中駅の駅名がズラッと表示される。これはこれで、新しい停車駅案内図みたいでおもしろい。

乗換案内NEXTという、ほとんど使ったこと無いアプリですが、これは必要な情報が全部つまってて、便利かもしれない。ちょっと味気ないですけど。

アップルの地図の経路案内。東京から札幌まで検索したら、ちゃんと図の路線図が表示された。

グーグルの乗換案内も、地図の上に経路が表示されました。

こうやって見ていくと、乗換案内があれば路線図いらないとか、そういう対立構造で考えるのではなく、乗換案内でも場合によっては、地図の上に路線図が表示されることもあるし、なんなら、乗換案内の検索結果それ自体が広義の路線図と言えるのではないか? という気になっています。こういうの、アウフヘーベンって言うんですよね。知らんけど。

というわけで、今日「乗換案内あったら路線図いらないのでは?」と質問してくれた方には、次に会ったら「乗換案内も路線図なんですよ!」と、そういうふうに言っときます。

これが答えになってるかどうかわかりませんが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?