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#23 お遍路と薬師如来と私。

毎月8日は薬師如来さまの御縁日!
御利益がバグる年に1度の「功徳日」と違って、御縁日は毎月あるのでスルーしがちなんですが、珍しく覚えてたのでずっと下書きのままほったらかしにしてたやつを投稿します。

以前、noteで「#私の推しキャラ」というお題を見て(いつの話やねんて)、真っ先に頭に浮かんだのが薬師如来でした。

漫画も好きなのでそれなりに好きなキャラはいますが、ここはあえて薬師如来を語りたい。

タイトルは「部屋とワイシャツと私」風にしてみましたが、さすがに語呂が悪いよね😗

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私が“薬師如来推し“になったのにはちゃんと理由があります。

ほら、漫画とかアニメのキャラだってハマるには何か理由があるでしょ?


そこは仏も一緒ですし、


推し=信仰


と言っても過言ではないでしょう。

仏に帰依するのも“推し“と似たようなもんですよね。

帰依(きえ):優れたものに帰投し、伏依すること。 また帰命(きみょう)ともいい、自己の身心を捧(ささ)げて信順すること。 絶対の信をもってよりどころとすること。 信仰と同意で、仏・法・僧の三宝に帰依することを三帰依といい、これは仏教徒の信仰を示すもっとも基本的なものとなっている。


そもそも薬師如来は仏教界隈では珍しく


現世利益を
授けてくれる仏さま


です。

現世利益(げんぜりやく)
仏を信仰した結果、仏の恵みを受けて願いが叶うこと。
いわゆる「御利益」的なやつ。


基本的に仏教信仰のメリットは死んだ後のこと、来世で生まれ変わるときに融通してくれるというものです。

誰だって地獄に行きたくはないし、仏教最大のご褒美「極楽浄土」だって死後に輪廻から解脱しないと行けません。


一方で、薬師如来の現世利益はというと、「除病安楽(じょびょうあんらく)」。


除病安楽とは、


人々の病を治して延命長寿を授け
精神的な苦痛も取り除いてくれる


というもの。


薬師如来はこれを誓願としています。

誓願(せいがん)
仏や菩薩が一切衆生を救おうとして立て、必ず成し遂げようと定めた誓いのこと。政治家でいう「マニフェスト」的なやつ。


至れり尽くせりやん!


薬師如来が人々を救うために立てた誓願は全部で12ありますが、他の11の誓願はこの「除病安楽」の状態を得るためにあるもの。

薬師如来は人々の病気を治して健康を守り、長寿を授けてくれる、とてもありがたい仏さまなのですよ🙏


帰依したくなるよね☆


\イエス、除病安楽!/


病気を治して心身の健康を守ってくれるという仏さまなので、昔からから薬師信仰はものすごく盛んでした。

四国八十八か所霊場でも88あるお寺のなかでおよそ4分の1、23か寺が薬師如来を御本尊としています。

すごくない?

お薬師さん大人気!フゥー!

【四国霊場の薬師如来ラインナップ💁‍♀️】

・6番 安楽寺
・11番 藤井寺
・15番 阿波国分寺
・18番 恩山寺
・22番 平等寺
・26番 金剛頂寺
・33番 雪蹊寺
・34番 種間寺
・35番 清瀧寺
・37番 岩本寺
・39番 延光寺
・40番 観自在寺
・46番 浄瑠璃寺
・50番 繁多寺
・51番 石手寺
・59番 伊予国分寺
・67番 大興寺
・74番 甲山寺
・75番 善通寺
・76番 金倉寺
・77番 道隆寺
・88番 大窪寺

先日「温泉の御朱印」を投稿しましたが、6番安楽寺が四国霊場でのファーストお薬師さんで、古くから「一(はじめ)薬師」として信仰されています。

古代より、人と病は切っても切れない関係です。

どんな人でもやがて老いて、病の苦しみを知り、死んで行きます。

20歳も半ばを超えると、多くの人が祖父母などの身内の不幸を経験しますよね。

自分自身のみならず、大切な人の病が治りますように…というのは、人類の普遍的な願いでしょう🙏

若いときにはわからんのですよ、健康体の素晴らしさが。

40超えると毎日体のどこかが調子悪いのがデフォルトになるのよ。


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話は変わって。

私の父は強面のひょうきんなオッサンでしたが、意外と信心深く、お遍路も大好きでした。

6年前に亡くなりましたが、亡くなる間際までお遍路に出掛けていたようでした。

残念ながらスタンプラリー系遍路なので納め札の習慣がなく、もはや何巡目だったのかわかりません。

お遍路さんの納め札にはランクがあります。
白:1~4回
緑:5回~7回
赤:8回~24回
銀:25回~49回
金:50回~99回
錦:100回~

それでも、確実に20回以上は巡礼しているはず…。

人生最後のお遍路はおそらく結願までは行けてなくて、どこが最後のお寺かもわかりません。

なので、父の分も私が回ってあげたくて。

というのもあって、徳島にUターンしてからお遍路を再開しました。

香川にまんぼう出てるから、あと11か寺を残してまた中断してますが。


いつか四国霊場を歩いてみたい。


総距離1200kmあるけどな!


子供の頃はゴールデンウィークや夏休みなんかには、家族みんなで「区切り打ち」でお遍路をしていました。

区切り打ち:お遍路の専門用語。○番から○番まで、のように区切りながらお寺を回ること。
反対に、1番から88番までぶっ通しで回ることを「通し打ち」、徳島だけ・香川だけみたいに県ごとに回ることを「一国打ち」といいます。
余談ですが、お遍路のお寺を参拝することを「打つ」といいますね。
昔の納め札は木札だったので、お堂の柱に釘などでリアルに打ち付けたことが由来です。
現在はそんなことするとお寺の人にしこたま怒られます。


小学校4年生のとき(たぶん)、11番札所藤井寺で10人~15人ほどの白衣を着たお遍路さんの集団に囲まれて拝まれました。


薬師如来さまが
ついておられる

と。

子供の頃の家族の思い出とともに、私の記憶に薬師如来が鮮烈に刻みこまれた瞬間です。


こんなん絶対忘れられへんやん😂


スピリチュアル系は大嫌いで一切受け付けませんが、これだけは信じてます。


私はお薬師さんに守られてる。


たしかに、子供の頃はちょっと病弱で入院したこともありますが、大人になってからは病気らしい病気は一切していません。


健康診断以外で病院行かんし。

インフルエンザも高校生以来かかってないし。

あ、歯医者は行ってます。


きっと、これも薬師如来さまのおかげ🙏


前述しましたが、23ある薬師如来をご本尊とする四国霊場のお寺のなかでも、やっぱり11番札所藤井寺のお薬師さんが“推し仏“です。

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藤井寺のお薬師さんは四国霊場最古の仏像といわれますが、秘仏で、本堂ではお前立ちを拝顔できます。

暗い本堂の奥、薄明かりに照らされたお姿。


これこそまさに“尊い“。

はぁ~、もう南無薬師瑠璃光如来。

合掌。


「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」 の響きだけで強くなれる気がしたよ。

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とくに病気じゃないけど、藤井寺の病気平癒のお守りは肌身離さず持ってます。


アニメ作品なんかだと、フィギュアとかいろいろ“推し“のグッズがありますが、“推し仏“の場合は御朱印が推しのサインであり、お守りがグッズになるわけですよ。

さすがに仏像は気軽に買えんから。



\死ぬほど神社仏閣めぐりたい/