【今年もアツかった】インディゴソックス投手まとめ2024
今年も前期、後期、ソフトバンク杯で3冠を達成、さらにシーズンの最高勝率の更新と怒涛の勢いを見せた徳島インディゴソックス。
そんな快進撃をしっかりと支えた強力投手陣の今シーズンを振り返っていく。
『超・強力投手陣、ここにあり』
こちらが今季のシーズン防御率である。
今年はリーグ全体的に打高傾向にあったが、その中でもインディゴ投手陣は突出した成績を残しており、チーム全体で高いレベルを維持することができたと言えるだろう。
特に後期は防御率2.10と前期からの大幅な改善を見せており、投手陣の踏ん張りが勝ちきるゲームを増やすことにつながった。
次に見ていくのが、今シーズンの投手に関する各種ランキングである。一目見ただけでも、徳島の投手陣の健闘がよく分かるだろう。
特に、シーズン通して先発を任されていた工藤泰成、石川槙貴両投手は最多勝利と奪三振でランクインしているだけでなく、負けはそれぞれ1つだけという「負けないピッチング」が際立った。
他にも、川口冬弥投手は最優秀防御率と最多セーブの獲得、奪三振数でもランクイン、中込陽翔投手は中継ぎながら規定投球回に到達、最多勝・防御率・奪三振数でランクインと今シーズンの主力投手の奮闘が数字となって表れている。そして、後期から戦列に加わった宮路悠良投手は、主にクローザーを任され、リーグ2位の6セーブを記録した。
また防御率とセーブ数でランクインしている山崎正義投手は2年連続でその名を連ねており、継続して活躍を見せた。
そして、惜しくも規定投球回には達しなかったものの特筆した成績を残した選手としては、斎藤佳紳投手が挙げられる。斎藤投手は38.1回を投げて、防御率1.64。春先のシーズン中に台湾へレンタル移籍していたこともあり、昨年よりはイニング数を減らしたものの(昨年は49.1回)防御率を良化させ、さらなる進化を見せた。
『今年も最速150km/h投手が10人に!』
昨年は椎葉投手やマルティネス投手の豪速球がSNS上で話題になったインディゴ投手陣。そのうち6人がチームを離れたものの、今年も再び最速150km/h投手が10人に。
もはやチーム所属投手の半数以上の巨大勢力となっており、スピードで他のチームを圧倒している。
★ピックアッププレイヤー★
ここからは今季、チームの中でも著しい活躍を見せた3投手について詳しくふりかえっていきたい
①「ついに本領発揮の大型右腕」石川槙貴
インディゴソックス入団後、1年目は怪我のため全休、昨年も公式戦7試合登板とそのポテンシャルを評価されていたものの、思うようにプレーができていなかった石川投手がついに本領を発揮。
今シーズンはリーグの最優秀防御率と最多勝を獲得、奪三振でもリーグ2位に名を連ね、チームの中心投手として大車輪の活躍を見せた。
特に先発としての役割という点でリーグで最優秀防御率の1.72という数字に着目したい。
リーグで最も点を取られないということは、石川投手の投球が野手陣の攻撃へのリズムなどを作り出し、自身の勝ち星以上にチームの勝ちへ貢献していたということができるだろう。
その石川投手の持ち味はなんといっても”ギュインギュイン”という擬音で表現したくなるような鋭く曲がるスライダーである。投球の多くをスライダーが占めるという”スライダーボーラー”であり、リーグでも2位となった90個の奪三振の多くはこの自慢のスライダーで奪ったものである。
まだ見たことのない読者の方は以下のYouTubeの投球集からぜひとも見てみてほしい。
ピックアップゲーム
そんな石川投手のピックアップゲームは5/22の香川オリーブガイナーズ戦である。
5・6月読売新聞月間MVPに選ばれるなど、この時期調子を上げていた中で、この試合では7回被安打1、11奪三振無失点と、”無双状態”の投球を見せていた。
前記のように鋭く曲がるスライダーを代名詞としている石川投手だが、アベレージでも150km/h近くを計測するまっすぐも魅力の投手である。この試合では両者のコンビネーションが抜群で、香川打線から三振を取っていく姿が印象的だった。
②「武者修行で勇ましくなって帰ってきた男」斎藤佳紳
昨シーズンは公式戦防御率2点台と安定した投球を見せていた斎藤投手は、今年の4月から台湾の社会人チーム「全越運動」へのレンタル移籍を経験。チームを準優勝へ導き、徳島に復帰すると、5/16の高知ファイティングドッグス戦で復帰登板し、先発として5回無失点と成長した姿を見せた。
その後も勝敗関係なく、また、先発救援どちらも苦にすることなく気迫のピッチングで凡打の山を築いた。
その飛躍のカギとなったのがまさに「球速」であろう。
もともと、斎藤投手は多彩な変化球を駆使した投球が身上の投手であったが、8/17の愛媛マンダリンパイレーツ戦での150km/h計測を皮切りに、9/8の香川オリーブガイナーズ戦では自己最速の151km/hを計測。
そして、今季は球速の変化とともに、変化球や配球も深く学び、スキルアップ。
元々特長としていた多彩な変化球のさらなる進化に加えて、速球や投球術を手に入れることで、「頼れる投手」への成長を見せた。
ピックアップゲーム
そんな斎藤投手のピックアップゲームは8/31香川オリーブガイナーズ戦であろう。
今季、尻上がりに調子を上げている斎藤投手は、8月だけで2勝、2ホールドと夏場の連勝に大きな貢献をしていたが、その中でもこの試合は勝ち負けはつかなかったものの、5回6奪三振無失点と先発投手としての役割を果たした。
実はこの試合、斎藤投手の2か月ぶりの公式戦先発の機会であったが、ブランクを全く感じさせない投球で、今季の成長の一端を表現したマウンドであった。
③「未だ成長真っただ中」山崎正義
昨年に続いて入団3年目となる今年も着実に登板数を伸ばし続けた右腕。
昨シーズンはチームのクローザーとして公式戦39試合に登板し、リーグ2位の9セーブをマークするなど2年目のシーズンに大きな飛躍を見せた右腕は、今シーズンも自慢のスライダーを武器にして40試合に登板。
一見、昨シーズンに続いて順風満帆なシーズンを送っているように見えるが、実際にはシーズン序盤には思うようにストレートを操れず、4試合連続失点や防御率5点台など、一時期辛酸を嘗めた時期もあった。しかし、最終的には防御率2.26(防御率ランキング4位)を記録し、ストレートもシーズン終盤には150km/hを計測するようになるなど、シーズンの中の試行錯誤が功を奏した。
その山崎投手の明確な長所がその「スタミナ」である。
入団以降、主にリリーフとして活躍しており、今シーズンも最長でも3イニングと1試合に長いイニングを任されることは少ないながら、チーム3位の投球回数に到達。
このタフネスさをウリにこれからも「困ったときの正義」を見守り続けたい。
ピックアップゲーム
そんな山崎投手の印象的な登板として挙げたいのが、8/18に行われた、2位愛媛マンダリンパイレーツとの首位攻防戦である。この試合では初回に徳島が2点を先制するも、愛媛先発の山田空暉投手を中々攻略できず、5回までに8三振を喫してしまう。その後、愛媛打線の反撃に遭い、あと1点差というところまで追いつかれ、試合は終盤戦へと進んだ。
そこで、8回から登板したのが山崎投手であった。シーズン佳境の1点差、相手は中軸からという厳しい登板にもかかわらず無失点投球。9回は3者凡退に抑え、セーブを記録した。
3連戦の最終日で多くの投手が連投していた投手事情、絶対に負けられない首位攻防戦という緊迫の状況下であったが、1点を守りきっての勝利。3連戦をすべてを1点差で勝利し、リーグ記録となった15連勝の始まりとなった。
また、この試合の後にはプロ入り後初のお立ち台にも上がり、充実の表情を浮かべた。
↓↓山崎投手の登板シーンはこちらから
おわりに
ここまで今シーズンのインディゴ投手陣を振り返ってきて、その凄さを感じていただけただろうか。今年は残念ながら、グランドチャンピオンシップ出場、独立リーグ日本一の達成はならなかったが、選手1人1人が新たな学びや進化を遂げたシーズンだったことは窺えただろう。
しかし、選手たちにとって最も重要ともいえるドラフト会議が10月24日に控えている。選手たちが1年間積み上げてきたものを発揮する集大成の時がやってきた。どんな時でも野球のことを考え、ひたむきに努力してきた選手たちのプレーは必ず読者の方を魅了してくれるに違いない。今回紹介できなかった魅力ある選手もたくさんいるので、ぜひ各種媒体を通して注目してほしい。
10/24(木)、今年のドラフトはインディゴソックス公式チャンネルで!
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文責 木下泰一