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福祉の地域づくり

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福祉の地域づくり
=施設と地域の交流活動実態調査=
徳島県社会福祉協議会

_________________________________

社会福祉施設・社協による在宅福祉活動

_________________________________

Ⅰ施設と地域の交流活動実態調査の概要
調査の目的
施設の開放,施設の社会化が呼ばれ,社会福祉施設は,地域福祉活動推進上のとりでとして重
要視されている。この調査は,県下各社会福祉施設と地域社会との交流活動の実情を明らかにす
ることを目的として,施設の側からの実態を調査した。
2 調査の対象
県下における認可福祉施設(老人福祉センター,児童館,母子寮などを除く)のすべてを対象
とする。但し保育所については2 7 カ所を無作為抽出し,合計1 0 0 施設を調査の容体とした。
養護施設8 育児l ろう児l 虚弱児l 肢体不自由児l
精薄児5 精薄者9 精薄児通園3 精薄者通園l 授産l
乳児院l 教護l 身障者療護l 養護老人ホーム1 7
軽` 費老人ホーム 2 救護 3 保育所 27
3 調査の時期
昭和5 5 年1 0 月6 日~ 1 0 月2 5 日
4 調査の方法
被調査施設に調査票を郵送し,無記名で記入してもらう方法で実施した。
5 回収状況
全体の回収率は,対象施設1 0 0 に対し,回答7 I で,回収率は7 1 %であった。
そのうち公立は2 1, 私立が5 0 であり,収容施設5 4, 通所施設I 7 であった。
−1−

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Ⅱ施設と地域の交流活動実態調査の状況
地域環境設問2
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
l.適 して し‘ る 55 77 .5 41 82 14 66. 7 40 74. 1 15 88 .2
2. あまり適していない1 2 1 7.0 6 1 2 6 2 8.6 1 1 2 0.4 1 5.9
3. 全く適していない0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4. なんともいえない4 5.5 3 6 1 4. 7 3 5.5 1 5.9
合計7 1 100.0 50 1 0 0.0 2 1 100.0 54 1 O 0.0 1 7 100.0
現在の施設の地域環境が利用者にとって適しているか否かについてみると7 7.5 %の施設が
「適している」と答えている。これを公立・私立の別でみると,私立の方が8 2 %, 公立が66. 7
%で,民間施設の方が適している割合が多い。
施設の地域環境の適正
数l 適している
民間施設l
公立施設且言言
収容施設I
通所施設l
総55 (77.5%)
あまり適していないl、12(17吟冒覧麟
□三置〗
14 (§6.]_%)亘言ヽ6(28.闘瓢
40 (74.1%言言戸目`` ll (20.4o/~量
□嘉]
41 詞
15 (88.2%う
6 543
(施設数)
2
6
4
一方「あまり適していない」が1 2 施設で全体
の1 7 %を占めている。
収容・通所別では,収容が「適していない」と
答えた率が高い。
「あまり適していない」原因についてみると「近
隣の住民と気軽に交わったりできにくい立地条件」
であることが第1 位を占め, それも,私立,収容
自然環境
立地条件
公共施設
道未
道整
の備
その他
施設が最も痛切に感じている。次いで「公共施設
が利用しにくい」が公立,収容施設となっている。
本県では「公害の影響が大きい」と答えたのは0
であった。
−2−

_________________________________

設問総数私立公立収容通所
イ公害の影響が大きい適 0 0 0 0 0
し ロ 自然環境に乏しい 1 0 1 1 て 0
ハ住民との立地条件が悪い6 5 1 4 0 し‘
な二公共施設が利用しにくい4 0 4 6 し‘ 0
原ホ道路の未整備3 1 2 2 1

ヘその他1 0 1 1 0
2
地域にある施設利用設問3

総数私立公立収容通所

実数% 実数形実数% 実数% 実数%
l. よく利用している1 7 2 4.0 1 3 2 6 4 1 9.0 1 6 2 9.6 1 5.9
2. 時々利用している2 6 3 6.6 2 1 42 5 2 3.8 1 8 3 3.3 8 4 7.0
3. あまり利用していない1 5 2 1.1 7 1 4 8 3 8.2 1 3 2 4.1 2 11.8
4. 全く利用していない1 1 1 5.5 7 1 4 4 1 9.0 7 1 3.0 4 2 3.5
N A 2 2.8 2 4 0 0 0 0 2 11.8
福祉施設が地域にある他の施設をどう利用して
いるかについてみると「よく利用している」が全
体で2 4 %となっている。公・私別でみると私立
の方がよく利用し,通所施設より収容施設がよく
利用している。「時々利用している」は3 6. 6 %
で,収容施設(3 3.3%) より通所(4 7 %)
い率を占めている。
と高
これは保育所等が周辺の公園
30
20
10
等を利用した園外保育を実施していることが大き
な比重を占めていると思う。
地域資源の利用状況
医療施設
4一文化会館
図書館
24
公体

園館
その他
禾限廿して
し、なし‘
総民公収通
町よく利用l7(24%)
間[ロロ三
立し___
容「―了石9.6%)

----“..
.-- -
所[]
時々26 (36.6%)
21 (42%)
あまり利用していない
15 (21.1 %)
' ,
7 (14%)

.'“
‘‘ --------------
11 (15.5 %)
l
I ヽ
’..’,’
9 9 1 可ヽ‘`'キ .‘: ’
4 (19%) 5 (23.8%)
`• ・、
` ` `•
8 (3 8.2%) 4 (19%)
`` ` ` `` ` ` ` ` —``
18 (33.3%)
8 (4 7%)
2
1-
13 (24.1%) |7 ( 13%)
------ ”ヽー、
—一ーク□—
-3-

_________________________________

含几奴 問 総数 私立 公立 収容 通所
利イ医療施設2 0 1 4 6 2 0 0 用ロ図文化書会館館等4 4 0 4 0 施ノ‘ 体公育館等園2 4 2 2 2 1 7 7
設二その他1 0 7 3 7 3
利用しているもので
は「公園,体育館等の
スポーツ・レクリェー
ション施設」が2 4 施
設,医療施設2 0 とな
っている。
3 利用者の自治組織設問4
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イある28 3 9.4 1 8 36 1 0 4 7.6 2 4 4 4.4 4 2 3.5
ロ な tヽ 40 56 .4 29 58 11 52 .4 28 51. 9 12 70 .6
ノ‘ その他3 4.2 3 6 0 0 2 3. 7 1 5.9
・ー「^ロ 計7 1 1 0 0.0 50 100.0 2 1 100.0 54 100.0 1 7 1 0 0.0
あなたの施設では,利用者の自治組織はありますか。
施設利用者の自治組織が「ある」と答えたのは, 39. 4 %で,公私別でみると公立 4 7.6 形,民間
3 6 %で公立の方が自治組織の率が高い。
「ない」と答えた施設が5 6.4%で,通所施設の7 割が自治組織がない。
4 施設の社会化・開放設問5

総数私立公立収容通所

実数% 実数% 実数粥実数% 実数%
イ必要と思う5 9 8 3.1 43 86 1 6 7 6.2 47 8 7.0 1 2 7 0.6
ロ必要と思わない, 12. 7 5 10 4 19. 1 6 11. 1 3 17. 6
ノ‘ わからなtヽ3 4.2 2 4 1 4. 7 1 l. 9 2 1 1.8 ^ロ 計7 1 I O 0.0 50 l O 0.0 2 1 100.0 5 4 100.0 1 7 1 0 0.0
総私
『一『','『9 .. ,

施設の社会化・開放の必要性
必要59 (83.1%)



1 ............. 1 ....... 1,', ...
‘,.,••,',',
立立容所
43 窃可
16 ( 7 6.2%)
47亙豆%)
12 ( 7 0.6 %) |
−4−

_________________________________

必要でないわからないロ直3(4.2%)
、直
I
ヽ―
一l`4 ( l 9.1 %) lI
I
,
ロコ| -9,., --. --' 、
‘‘
3 (17.6%) 璽圃冒
施設の社会化・開放の必要性については, 「必要と思う」が全体の83. I 形と高率を占めている。
特に民間・収容施設が高い関心を示し,必要性を認めている。
「必要と思わない」は全体の12. 7 %で,公立・通所施設がその必要性を認めていない。これは
保育所などでは,直接住民が利用していることと関連してこ‘とさら必要と思わないとの答えとな
ったと思われる。
5 職員の理解・協力設問6
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イ 職員が一体となっている 19 26 .8 17 34 2 9.5 17 3l. 5 2 11.8
ロ職員の体制が整わない25 3 5.2 1 5 3 0 1 0 4 7.6 I 1 9 3 5.2 6 3 5.3
ハ職員の学習・検討 16 22 .6 11 22 5 23 .8 13 24. 1 3 17. 6
二職 員 の無理解 4 5.9 1 2 3 14. 3 2 3. 7 2 11. 8
ホその他7 9.5 6 1 2 1 4.8 3 5.5 4 2 3.5
施設の社会化・開放に対する職員の理解や協力状況では, 「職員が一体となってとりくんでい
る」と答えたのが,全体の2 6.8 形であるが,公・私の別でみると,公立9. 5 %,私立3 4 形で私
立がかなり高くなっている。さらに民間の収容では44.1% が「一体となってとりくんでいる」の
に,公立・収容ではl 0 形にとどまっていて,公私の差が明らかになっている。
職員のとりくむ姿勢はあるが「体制が整わない」のが全体で3 5.2 形で,公立収容の場合は5 0
形を占めている。
「職員の無理解」では,公立・通所に多くl 4.3 %ある。
社会化・開放に関する職員の理解,協力状況
%。
5
40
30
20
10
35.2%
47.6%
職員が一体
整わない
体制が
学習検討
職員の
職無
員理
の解
−5−

_________________________________

6 施設・設備の開放設問7
きR几又問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イ集会室や講堂23 3 2.4 1 5 3 0 8 3 8.1 1 8 3 3.3 5 2 9.4
ロ図圭Eヨ室1 1.4 1 2 0 0 1 1. 9 ハ 運動場・フ0 ール・体育館 11 15 .5 8 16 3 I4. 3 0 0 , 16. 7 2 11.8
二リノ‘ ビリ設備7 9.9 7 1 4 0 0 7 1 3.0 0 0 ホ診療設備1 1. 4 1 2 0 0 1 1. 9 0 0 へ入浴設備7 9.9 6 1 2 1 4.8 7 1 3.0 0 0 卜給食設備1 1. 4 1 2 0 0 0 0 1 5.9
チ作業所0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 リその他7 9.9 4 8 3 1 4.3 6 11.1 1 5.9
施設の開放については「集会室や講堂」の開放率が最も高く3 2.4% 次いで「運動場・プール
・体育館等」が1 5.5 %である。その他「リハビリ設備」「入浴設備」を開放しているのが9.9 %
%あるが,これ以外の専門的分野や,専門職員を必要とするような設備の開放はこれからの課超
である。
収容・通所別でみると,通所施設では「集会室や講堂」「運動場・プール・体育館」の開放の
みで他の開放はされていない。又,公立施設も同様で,公立,通所施設の場合,施設の開放には
まだなじんでいないようである。
7 施設利用団体グループ設問8

総数私立公立収容通所

実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イ自治ムコ1 1. 4 1 2 0 0 0 0 1 5.9
ロ婦人ノコ, 12. 7 6 12 3 14. 3 8 14. 8 1 5.9
ハ老 人 会 14 19. 7 , 1 8 5 2 3.8 1 4 2 5.9 0 0 二子ども会1 3 1 8.3 8 1 6 5 2 3.8 1 1 2 0.4 2 1 1.8
ホp T A 3 4.2 3 6 0 0 2 3. 7 l 5.9
ヘボランティアグルーフ0 1 2 1 6.9 7 1 4 5 2 3.8 1 2 2 2.2 0 0 卜個人1 7 2 3.9 1 5 3 0 2 9.5 1 3 2 4.1 4 2 3.5
チその他7 9.9 6 1 2 1 4.8 6 1 L 1 1 5.9
施設を利用している団体・グ)レープは, 「個人」2 3.9 %でトッフ゜,次いで「老人会」1 9.7 %,
「子ども会」18.3 %,「ボランティアグループ」16.9 %,「婦人会」1 2. 7 %の順になっている。
−6−

_________________________________

収容・通所でみると,収容の場合がそれぞれ3 ~5 倍近く開放•利用に供している。収容の場
合, その地域社会の中で生活していることから,地域社会の一つの有力な資源としての役割を
果しつつあると思う。
(施設数)
15
10
5
自治会
婦人会
老人会
子ども会

TA
ボランティア
その
人他
8
専門機能の提供設問9
総数私立公立収容通所
設問
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%

  1. 相談事業 14 19. 7 8 16 6 28 .6 , 16. 7 5 29 .4

  2. リハビリ指導6 8.5 6 1 2 0 0 6 1 1.1 0 0 3. 作業指導2 2.8 2 4 0 0 1 1. 9 1 5.9

  3. 学習指導1 1. 4 1 2 0 0 0 0 1 5.9
    I

  4. その他6 8.5 5 1 0 1 4.8 5 9.3 1 5.9
    施設の専門機能の提供では,延べ2 9 施設で実施しているが, その中で「育児,教育,療育,
    介護等の相談事業」が最も多く, 1 4 施設1 9. 7 %となっている。
    「相談事業」については,通所施設で多く, これは保育所等が育児相談等に応じている現れと
    いえよう。しかし, 「リハビリ指導」「作業指導」「学習指導」等の提供率は低く, まだその体
    制になっていないことがうかがえる。
    −7−

_________________________________

9 施設訪問ボランティアグループ設問10
1
2
3
4
5
6
7
8

総数私立公立収容通所

実数 % 実数 % 実数 % 実数 % 実数 %
邑子 生 生 徒 38 53 .5 24 48 14 66. 7 36 66. 7 2 11. 8
勤労青年2 1 2 9.6 1 5 30 6 2 8.6 1 8 3 3.3 3 1 7.6
婦人2 7 3 8.0 2 1 42 6 2 8.6 25 4 6.3 2 1 1.8
老人1 4 2 0.0 1 0 3 0 4 1 9.0 1 4 2 5.9 0 0 宗教団体1 0 1.4 4 8 6 2 8.6 1 0 1 8.5 0 0 自治会等有志3 4.2 3 6 0 0 3 5.6 0 0 個人24 3 3.8 2 1 42 3 1 4.3 20 3 7.0 4 2 3.5
そ の 他 13 18. 3 7 14 6 28 .6 13 24. 1 0 0
施設にどんなボランティアグループが訪問しているかについては, 「学生・生徒」が最も多く,
5 3.5 %,次に「婦人グループ」3 8 %, 「個人」3 3.8 %,「勤労青年」2 9.6 %,「老人」2 0 %
となっている。
収容・通所別では. 「収容施設」の方が圧倒的に多くボランティアの訪問を受け入れている。
「収容施設」では,学生・生徒・婦人・個人・勤労青年の訪問がそれぞれ3 分の1 以上を占めて
おり,ボランティアの訪問活動は,収容施設を中心に展開されている。
全体では, 5 7 施設(全体比8 0.3%) が204 グループ 4, 3 5 1 人のボランティア及びボランテ
ィアグループを受け入れている。ボランティアが全然訪問していないのは保育所に多くみられる。
10 ポランティア活動の内容設問1 1
1
2
3
4
5
6
7
8
設問
総数私立公立収容通所
実数形実数% 実数% 実数% 実数%
利用者との交流 34 47 .9 21 42 13 61. 9 34 63 .0 0 0 介護介助等4 5.6 4 8 0 0 3 5.6 1 5.9
'
おむったたみ・修繕等5 7.0 4 8 1 4.8 5 9.3 0 0 施設整備・清掃等1 7 2 3.9 1 1 22 6 2 8.6 1 4 2 5.9 3 1 7.6
書道・茶華道等の指等1 5 2 1.1 1 1 2 2 4 1 9.0 1 4 2 5.9 1 5.9
理美容23 3 2.4 1 4 2 8 , 4 2.9 2 3 4 2.6 0 0 邑子習指導4 5.6 4 8 0 0 4 7.4 0 0 その他5 7.1 3 6 2 9.5 2 3. 7 3 1 7.6
ボランティアが,施設でどんな活動をしているかについてみると「利用者との交流」が最も多
く47. 9 %,次に「理・美容の技術提供」3 2.4 %, 「施設の整備・清掃等の労力提供」2 3.9 %,
−8−

_________________________________

「書道・茶華道・舞踊・詩吟・手芸等の技術の提供」2 1. 1 %となっており,介護・介助,学習指
導のボランティアは少ない。
億設数)
35
30
25
34 カ所ボランティア活動の内容
20
15
10
5
公立13
23 カ所
交流利用者との
介護・介助
修繕等
おむったたみ
清掃等
施設整備
等の指導
書道・茶華道

美容
学習指導
その他
11

ポランティアにどんなことを期待するか。
活動モラルに関する希望
設問12
・ 定期的に継続的な活動をしてほしい。(児童・収容)
・子供達との交流の時間を多く持つような訪問であってほしい。(児童・収容)
・活動目的を明確にしてほしい。(精薄・収容)
・小人数,短時間でよいから同じ人が度々来てほしい。(児童・収容)
・施設利用者にあわれみをもたず,身近かな気持をもって活動してほしい。(老人・収容)
・物品による慰問よりも,精神的な訪問を望む,心のふれ合いを重視したい。(老人・収容)
・ボランティアの中に中心的役割をする指導者が必要と思われる。(児童・収容)
・収容児童・障害者に対する正しい理解。(精薄・収容)
②ボランティア活動の内容に関する希望
・理・美容の技術者,施設の補修等の援助。(児童・老人・収容)
・書道・絵画・踊・手芸等個人の生きがいを見つけられるもの,演芸等明るい雰囲気を作る
−9−

_________________________________

もの。(老人・収容)
・利用者との交流・介護・介助・労力の提供は入園者の生活に変化を与える。(身障・収容)
・施設の行事に積極的に参加して理解を深めてほしい。(精薄・通所)
・園生と一緒に遊べる(若い人)の来園を希望する。(精薄・収容)
・人形劇やスライド,パントマイム,手芸等子供達を楽しませるもの。(保育所)
・童話や奇術など子どもが関心をもてるもの,学生の方が人気がある。(保育所)
・慰問という形だけでなく,気軽に来て老人と話したり,手芸や碁等,自分の得意とする分
野のことを教えたり,友人や家族のようなかかわりあいをしてほしい。(老人・収容)
・貸農地の面積(3 a 位)がほしい。(生活・収容)
③ 社会福祉の現実から学び,世論を喚起する社会的役割
・ボランティア活動を通じて,対象者の理解と施設の社会化をはかる。(精薄・収容)
・入所児と一般社会との交流をより広くもっためのパイフ゜役をお願いしたい。(児童・収容)
・踊り等慰問的なものでなく,老人に対する処遇が高度化・専門化するにつけ,間接処遇で
ある清掃や,オムツの縫製等の人員不足が出ており,これがボランティアに対するニードに
なりつつある。(老人・収容)
・多くを期待しないが,施設の理解を高め,交流に欠かせない要素である。(老人・収容)
・現在交流しているボランティアグループでは,活動範囲が狭く,施設偏重の傾向が強い。
活動も同情から発した単発的なものが多く,老人との対等で人間的な接触の姿勢に欠けてお
り,善意の押しつけや,自己満足的な活動が多いように感じる。これからは,地域と施設を
結びつける重要な役目として,ボランティアの充実を望んでいる。(老人・収容)
12 地域住民との交流活動設問13
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数% 実数形実数%
イ 盆 踊 り 11 15 .5 8 16 3 l4 .3 , 16. 7 2 11. 8
口ノゞザ1 7 2 3.9 1 5 30 2 9.5 1 4 2 5.9 3 1 7.6
ハ運動メコミ3 2 4 5.1 2 4 48 8 3 8.1 24 4 4.4 8 4 7.1
二納 涼 」コ 15 21. 1 11 22 4 19 .0 11 20 .4 4 23 .5
ホ文 化 祭 8 11. 3 5 10 3 14 .3 8 14 .8 ゜ ゜ ヘ映 画 Aコ 4 5.6 3 6 1 4.8 4 7.4 ゜ ゜ 卜クリスマス会1 3 1 8.3 1 0 2 0 3 1 4.3 1 2 2 2.2 1 5.9
チひな祭り2 2.8 2 4 ゜ ゜ ゜ ゜ 2 1 1.8
リ七夕1 l. 4 ゜ ゜ 1 4.8 1 1.1 ゜ ゜
−10−

_________________________________


総数私立公立収容通所

実数形実数% 実数形実数% 実数形
ヌマラソン大会0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ル球技大会7 9.9 4 8 3 1 4.3 6 1 1.1 1 5.9
ヲ 講 演 Aコニ 4 5.6 3 6 1 4.8 2 3. 1 2 11. 8
ワ祭礼1 4 1 9. 7 1 1 22 3 1 4.3 1 2 2 2.2 2 11.8
力その他1 0 1 4.1 8 1 6 2 9.5 , 1 6. 7 1 5.9
地域住民との交流活動のベスト3 は, 「運動会」4 5.1 %,「バザー」2 3.9 %,「納涼会」2 1.1
形である。
収容・通所とも,第1 位「運動会」であるが,収容の場合「バザー」「クリスマス会」「祭礼」
「納涼会」も多いが,通所では「運動会」が圧倒的である。
地域住民との交流活動について「公立」より「私立」が, 「通所」より「収容」の方がより積
極的に取り組まれている。
(施設数) 地域住民との交流活動
32
30
20 17
11
10
15
ノゞ踊ザ

13 交流活動の問題点涼

運動会
13 14
4 □ 2
「―1 10
8 7
コCJ □ 亡
文映筐)
ひ球講
化画ス
な技
演の
マ祭大
祭ムコスりメコ入メコエ礼他
設問14
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数形実数% 実数% 実数彩
イ財政上の問題2 1 2 9.6 1 7 34 4 1 9.0 l 9 3 5.2 2 1 1.8
ロ職員の労働条件2 6 3 6.6 1 8 36 8 3 8.1 2 1 3 8.9 5 2 9.4
ノ‘ 専門職員の不足1 5 2 1.1 1 0 20 5 2 3.8 1 5 2 7.8 0 0 二施設設備等の不備3 0 4 2.3 23 46 7 3 3.3 24 4 4.4 6 3 5.3
._,.
ホ利用者の人権3 4.2 1 2 2 9.5 3 5.6 0 0
−11−

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設問
総数私立公立収容通所
実数形実数形実数% 実数% 実数%
へ地域の無理解l 5 2 1.1 I 0 2 0 5 2 3.8 1 5 2 7.8 0 0 卜行政の無理解4 5.6 2 4 2 9.5 4 7.4 0 0 チその他5 7.0 3 6 2 9.5 3 5.6 2 1 1.8
地域との交流活動をすすめていく上での問題点は,第1 位が「施設・設備等の不備」4 2.3 %,
第2 位「職員の労働条件」3 6.6 %,第3 位「財政上の問題」29. 6 %が多い。
「公立・収容施設」では,第1 位が「職員の労働条件」をあげ, 「私立・収容施設」では,第
1 位「施設・設備等の不備」,第2 位「財政上の問題」をあげており,公・私で問題点に相違が
みられる。
14 交流活動への希望設問15
郵ロ又問
総数私立公立収容通所
実数形実数% 実数% 実数% 実数%
イ地域担当ワーカー2 4 3 3.8 1 6 3 2 8 3 8.1 2 1 3 8.9 3 1 7.6
ロ 設備・資源の整備 31 43. 7 24 47 7 33 .3 24 44.4 7 41. 2
ノ‘ 財源の援助23 3 2.4 1 7 3 4 6 2 8.6 20 3 7.0 3 1 7.6
地域との交流活動をすすめる上での希望については, 「設備・資源の整備」に対する要求が最
も強く, 4 3.7 形で「私立・収容」の場合5 0 %もみられる。
15 広報活動設問16
設問
総数私立公立収容通所
実数% 実数% 実数形実数% 実数%
イ新聞等のマスコミ利用1 1 1 5.5 , 1 8 2 9.5 1 I 2 0.4 0 0 ロ施設独自の機関紙発行, 12. 7 8 16 1 4.8 6 11. 1 3 17. 6
• -
ハパンフレット等の配布1 6 2 2.5 1 3 2 6 3 1 4.3 1 5 2 7.8 1 5.9
二地域掲示板の利用2 2.8 2 4 0 0 1 l. 9 1 5.9
ホ 広報していない 40 56 .3 24 48 16 76 .2 28 51. 9 12 70 .6
施設が,地域住民の理解をうるために広報活動をしているかについては, 「広報していない」
が全体の5 6.3 %に達している。
交流活動への希望では多くの施設が, “住民がもっと社会福祉施設について理解してほしい.
と訴えている。しかし,住民の理解をえるために広報している施設が3 0 施設4 3 %となってお
−12−

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り,施設側の一層の努力が求められる。
広報活動では「パンフレット等の配布」が2 2.5 %,「新聞等のマスコミ利用」1 5.5%であるが,
「公立・通所」については,いずれも低い。
16 地域の自治組織設問17

総数私立公立収容通所

実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イ自治会・町内会に加入1 2 1 6. 9 1 1 2 2 1 4.8 , 1 6. 7 3 1 7.6
ロ子ども会に加入4 5.6 3 6 1 4.8 3 5.6 1 5.9
ノ‘ 老人クラブに加入 6 8.5 1 2 5 23 .9 6 11. 1 0 0 二( ) に加入0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ホ特別に加入していない4 9 6 9.0 35 7 0 1 4 6 6. 7 3 6 6 6. 7 1 3 7 6.5
施設が地域の自治組織に加入している状況についてみると, 「特別に加入していない」のが全
体の6 9 %である。
加入しているのは「自治会•町内会に加入」が最も高く,民間施設では2 2 %が加入している。
施設が地域の自治組織に加入するということは,施設がもっているといわれる閉鎖性や隔離性を
克服し,地域住民との接点をつくっていく第一歩と考えられる。
17 地域住民の施設参加設問18

総数私立公立収容通所
吾n几又
実数% 実数% 実数% 実数% 実数%
イ自治会•町内会代表8 1 1.3 8 1 6 0 0 6 1 1.1 2 11.8
ロ婦人会代表6 8.5 6 1 2 0 0 5 9.3 1 5.9
ハ民生委員8 1 1.3 7 1 4 1 4.8 8 1 4.8 0 0 二医師1 1 1 5.5 1 0 2 0 1 4.8 7 1 3.0 4 2 3.5
ホ社協代表, 12. 7 8 16 1 4.8 8 14 .8 1 5.9
ヘその他5 7.0 4 8 1 4.8 5 9.3 0 0 卜参加していない40 5 6.3 24 48 1 6 7 6.2 32 5 9.3 8 4 7.1
地域住民が,どんな資格で施設の経営や運営に参加しているかの問いには「参加していない」
が全体の5 6.3 %を占め,「医師」「社協代表」「民生委員」「自治会•町内会代表」としての参
加が,それぞれ1 5 %~1 1 %程度であり,施設への参加はまだ少ない。
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18 施設と市町村社協設問19

総数私立公立収容通所

実数% 実数粥実数% 実数% 実数%
イ社協より助成2 7 3 8.0 1 8 36 , 4 2.9 2 4 4 4.4 3 1 7.6
ロ.:アl: /‘ 同事業4 5.6 3 6 1 4.8 3 5.6 1 5.9
ノ‘ ボランティア活動1 9 2 6.8 1 5 3 0 4 I 9.0 1 8 3 3.3 1 5.9
二社協の会員1 6 2 2.5 1 5 3 0 1 4.8 1 2 2 2.2 4 2 3.5
ホあまり関係ない25 3 5.2 1 5 3 0 1 0 4 7.6 1 7 3 1.5 8 4 7.1
施設と市町村社協との関係をみると「社協より助成を受けている」が2 7 施設3 8 %, 「ボラ
ンティア活動などで連絡をとっている」2 6.8 %,「社協の会員になっている」2 2.5 %みられるが,
「公立・通所」施設では「あまり関係ない」と答えているのが4 7 %もあり,今後は連携に留意
する必要がある。
19 社協に希望すること設問20
施設の社協に対する希望は,①社協の機能に関すること,②金品の助成要望,③社協の事業内
容に関すること等さまざまである。が列記すると,
・地区社協の仲介·育成0 地域住民に対する啓発活動。(児童・収容)
・地元社協の組織の強化,特に実際的な活動家の組織加入を多くしてもらいたい。
施設から職員代表が地元協議会の役員として参加し,地元社協と施設の協力体制を強めたい。
(身障・収容)
・社協内に施設の実態や近況をよくしってもらい,地域とのパイプ役となってもらいたい。
(老人・収容)
・ 社協活動の積極性(老人・収容)
・ 娯楽用の映画フィルムの貸出しを希望。(老人・収容)
・ 技術及び労力等の提供(老人・収容)
・ ボランティアのあっせん。(老人・収容)
・ 作品展示会等開催についてのPR 活動。(生活・収容)
・ 社協で行事を計画し,事業で共同できるものがあれば参加したい。(児童・収容)
・ 地域福祉施設としての関心度が薄いように見られる。入所者の大半が他市町村の出身者とい
う条件で地域根性の現れではないか,地域内福祉施設という認識を望む。(老人・収容)
・ 地域福祉の増進に積極的に取組む社協になってもらいたい。ボランティアの育成にしても,
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用,地域関放は一にかかって,自治組織と地域社協の協力によるボランティア団体の育成強化
による。(老人・収容)
Ⅲ まとめ
地域福祉・在宅福祉サ_ビスの拡充とその体系の確立こそ,これからの社会福祉の方向であると
いわれている。こうした大きな流れの中で改めて社会福祉施設の果すべき役割を明確にすることが
今日的課題となっている。
その課題解決の重大なカギは,今日進められつつ施設の社会化である。社会化の基本となるのは
運営管理の社会化,利用者処遇の社会化である。すなわち,施設内での保護という考え方から,広
く地域社会の一員として位置づけ,入所者の主体性・自立性を促進するために,処遇の場を地域社
会にまで拡大すること。また施設の専門的機能を地域社会に提供し,施設が地域の有力な資源とし
て位置づけられるまでにその役割を拡大することである。
しかし,施設といってもその成立過程や地域環境,建物,設備,職員構成,利用者の年令や援護
の状態,経営主体などの諸条件により,社会化のとり組み方や活動内容が異なってくる。
今回の調査は,これらのことをふまえながら,今日実際にとりくまれている施設と地域住民との
交流活動を,施設を通して調査したものである。
その状況を要約してみると,

  1. 社会化・開放の必要性についてみると,全体の8 割強が認め,その中でも民間収容は9 割以上
    が必要性を強調している。
    必要と思わないは全体的には少なく,保育所などの通所施設である。

  2. 問題点としてあげているのは「施設・設備の不備」が第1 位で,続いて「職員の労働条件」「財
    政上」「専門職員の不足」「地域の無理解」となっており, 「利用者の人権」「行政の無理解」
    をあげたのは少数であった。従って社会化・開放・交流活動には,これらの諸条件が解決すれば
    大巾に活動の前進がみられることが伺える。

  3. 施設の開放は,集会室,講堂,運動場,フ゜ール,体育館などが圧倒的で,これを利用している
    のは,個人,老人,子ども会,ボランティア,婦人会の順となっている。専門的な設備(リハビ
    リ設備,入浴)も少し利用されるようになってきたが(作業所,給食,診療設備)は,各施設に
    それだけの機能がなく,開放はこれからの課題であろう。

  4. 交流活動については,まずボランティアの受け入れが大きく前進している。全体で8 0 %が受
    け入れ,その中でも収容施設が圧倒的に多くボランティアの訪問による交流活動を進めている。
    −15−

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活動では「利用者との交流」が最も高く,次に技術提供,労力提供の順である。
5. 一方,地域住民との交流では,運動会,バザー,納涼会などが最も多く,さらに文化・伝統的
行事などで施設を利用したり,地域の施設を活用し実施している。
交流活動には,職員の理解や協力が不可欠であるが,職員が一体となって取組んでいるのが一
3
弱で,取り組む姿勢はあるが,体制がととのわないとするのも一弱である。これからの方向とし
3
ては,すべての施設で施設長・職員が一体となって交流活動に取りくむ方向が強く望まれている。
6. 地域団体・社協との関係についてみると.地域の自治組織への加入が1 7 形しかなく,なおこ
れからの課題は多い。また老人クラブ,子ども会などへの加入も未だ前進をしていない。
地域社会との関係では,市町村社協より「助成を受けている」は4 割近い施設数であるが,「社
協の会員」となっているのは,全体の一弱である。
4
今後の地域福祉・在宅福祉活動の強化ともあわせ,また利用者処遇の社会化推進のためには,
地域社協の「会員」となり,ともに共同事業,連帯活動を強化することが是非とも必要である。
7. この調査結果では,全体を通じて通所より収容施設が,公立施設より民間施設の方が,すべて
の項目を通じて,地域との連帯交流活動を,また施設の開放に努めていることがわかる。とりわ
け,民間施設では地域との交流なくしてはその機能を発揮しえない。むしろ地域の施設としての
位置づけへの努力が伺える。公立の場合は,施設長はじめ職員の入れかわりもあり,若干施設の
社会化・開放になじみにくい状況のようである。
以上
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