【とくしま福祉広報】No.45
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No． 45 昭和47年11月1日発行
とくしま 福祉広報
特集コミュニティづくりと社会福祉
社会福祉法人 徳島県社会福祉協議会
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表紙写真の紹介
軽費老人ホーム千秋園の“おとしよりたち”が自主的
に道路の清掃を実施
写真提供 県広報課
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主西～もくじ→缶
※コミュニティつくりと社会福祉
ことしの目標額は2, 1 0 0 万円・・・3
10 /1 日から赤い羽根共同募金はじまる
コミュニティ形成の今日的意義・・・6
コミュニティ対策の推進匹ついて・・・ 9
民生委員活動とコミュニティづくり・・・14
変動期匠おける地域活動と社協の役割・・・17
変質した地域活動
住民福祉運動をすすめるために！！・・・19
第2 次試案の概況
青少年センクー建設計画成る・・・27
連日満員の青少年野外活動センクー・・・28
住民福祉運動と社会福祉協議会の役割 ・・・30
※小地域の組織活動
社会福祉と部落会活動・・・33
町ぐるみの社協活動・・・36
推進地区指定を受ける匠ついて・・・38
町づくり・・・4 0
※福祉随想
効果的な役員の活用を！！・・・43
社協活動をキャッチフレーズで・・・45
もっと子どものことを考えてぽしい・・・47
老人世話ホームの早期建設を・・・49
「地域社会と保育所」・・・51
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8 9 人の老人に職場斡旋・・・53
県老人相談所一ー年間の実績好凋
徳島県善意銀行の預託と払出し状況・・・55
人事往来・・・57
徳島県厚生課
徳島県青少年婦人課
徳島県社会福祉抱議会
行事予定・・・59
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＝共同募金＝ニ
ことしの目標額は2, 1 0 0 万円（一般募金）
1 0 / 1 日から赤い羽根共同募金はじまる。
徳島県共同募金会
赤とんぼが飛び， もくれんの花が美しく咲き，すがすがしい秋風が吹くよう匹たると，ことしも
また国民助け合いの共同募金運勁がはじまりました。1 0 月1 日から1 2 月3 1 日までの3 か月間，
全国一斉匠この共同募金は行なわれるが，ことしは時匠昭和2 2 年共同募金が発足して2 5 周年を
迎える記念する年匠当り，国民助け合いの積極的な姿熱が福祉国家建設の大きな役割を果すことを
地域住民が十分理解され，本年度の募金目標額を達成に関係者が一層の協力をされることを県共同
募金会では希望している。
合昭和47 年度の目標額
一般募金2, 1 0 0 万円
歳末たすけあい
総額
7 1 7 万4 千円
2.81 7 万4 千円
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＝共同募金＝ご郡市別目標額
三竺一般募金歳末たすけあい
徳島市6,4 0 4,0 0 0 円4 0 0,0 0 0 円
嗚門市1,6 0 0,0 0 0 1 5 0,0 0 0
小松島市1,052,000 1 5 0,0 0 0
阿南市1,533,000 3 0 0,0 0 0
市 計 10 ,5 89 ,0 00 1,0 oo,o oo
勝浦郡311,000 160,000
名東郡9 7, 0 0 0 7 0,0 0 0
名西郡905,000 4 0 0, 0 0 0
板野郡1,856,000 685,000
那賀郡906,000 397,000
海部郡977,000 290,000
阿波郡6 4 7,0 0 0 237,000
麻植郡1,295,000 8 1 0,0 0 0
美馬郡1,613,000 670,000
三好郡1,8 0 4,0 0 0 455,000
郡計1 0,4 1 1,0 0 0 4, 1 74,000
市郡計2 1,0 0 0,0 0 0 5,174,000
N H K 2,000,000 ^ロ 計2 1, 0 0 0,0 0 0
!
7,1 7 4,0 0 0
主な配分計画
ことしも社会福祉施設の整備充実と，施設収容者の諸遇改善を、、まかり，民間社会福祉団体の
活動を促進をする。特に任宅心身障害児（者）や独居老人の援護などにも重点をおいた配分をす
ることしてなっている。
〇保育所、養護、精薄、肢体不自由児（者）、老人施設などの整備充実に…••• 520万円
0 県を単位とする民間社会福祉団体の活動資金、災害見舞金（低所得者の）などに……
210 万円
0 市町村の地域住民の福祉を推進するために…•• •…• •• 65 5 万円
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＝共同募金＝ご
昭和46 年度共同募金運動の結果
みなさまのご協力がこのような結果になりました。
支部名
昭和46 年度共同募金実績額
徳島市
鳴門市
小松島市
阿南市
中央
那賀
海部
阿波麻植
美馬
好
県共募扱い
N H K
小計
預金利息
雑収入
前年度よりの繰越金
小計
A口 計
その他「災害見舞金
2.4 佑<l 施設配分準備金
翌年度運動準備金
保育所
3.2 o/;
支部支会6. 1 o/; _
一般募金歳末たすけあい
7,251,100 円722,885 円
2,618,299 461,100
1,145,259 2 1 7,0 5 0
1,646,610 3 1 3,5 1 0
3, 1 8 3, 1 6 5 2,473,388
941,780 3 6 6,7 4 8
1,0 3 5,1 8 7 371,893
1,989,477 1,047,849
1,7 4 1,5 8 5 1, 1 28,248
1,854,190 5 6 9,8 3 0
426,259
2,2 80,4 1 0
23 ,8 32, 9 11 9,9 52, 91 1
260,977 2,097
7 8,9 4 0 4,91 1
3 3 9,9 1 7 7,008
2 4,172,828 9,959,919
地域福祉事
共募
推進費
已業~7.2 %
\ 1 9.0 %
施設
23.5 %
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l 計
7,9 7 3,9 8 5 円
3,0 7 9,3 9 9
1,362,309
1, 9 6 0, 1 2 0
5,656,553
1, 3 0 8,5 2 8
1,407,080
3,037,326
2,869,833
2,424,020
426,259
2,280,410
I 3 3,785,822
2 6 3,0 7 4
83,851
346,925
3 4, 1 32, 7 4 7
]
I
I
＝コミュニティづくリニニ
コミュニティ形成の今日的意義
徳島大学助教授教育学博士池田秀男
1 コミュニティとは何か
われわれはいろいろの人々といろいろの結びつきをもちながら生活している。コミュニティと
いうのは， もともと地域を仲立ちとする多面的な共同社会を意味していたが，今日の慣用では大
体，生活の場所を同じくする人々の結びつきを意味している。だから日本語におきかえるとした
ら， 「地域共同体」とでも訳出するのがよいよう匠思う。ところが，これでも十分匠言葉の意味
をくみつくせず，日本語匠適切な訳語がないまま，今日では一般匠コミュニティそのままの言葉
が使用されるよう匹なり，その意味内容は不明確。曖昧たことが多い。そしてあるとき紀は「地
域社会」とか，あるいはさら匠地域を限定して「近隣社会」とか言うこともある。しかしこれら
の語は地縁的社会関係は指示しても，そこ紀おける人々の社会的相互作用や連帯性は必ずしも明
示しない。事実，今日よくいわれるコミュニティの形成とか組織化とかいう場合は， 「地域社会」
や「近隣社会」匠おける社会的連帯性の形成や強調を意味していることが多いのである。このこ
とは，地域社会における地域性と共同性との間の離反の事実を何よりもよく示しており，また地
域社会という訳語の限界を暗示する。
欧米でもコミュニティという言葉は非常匠多義的(re.使用されており，概念が混乱している。し
かし地域性と共同性に着目した人間の結びつきをその構成要件として考えている点では大体共通
している。もしこうした本来的な意味で解するなら，本稿匠与えられた表題は「コミュニティの
今日的意義」で十分であるが， しかしそのコミュニティの地域性と共同性とが離反・喪失する傾
向があり， これを統合するところに今日的な意義が求められているのである。したがって表願匠
コミュニティ形成というのは，地域性と共同性との再建と統合への努力を意味している。
2 地域共同体の解体
さて， コミュニティ形成の意義匠ついて考えるためには，まずそれがどのよう匹変貌し解体し
つつあるか，その事実と意味を確認しておく必要がある。
社会関係匠おける地域性と共同性とがもっとも密接に結びついていたのは，村落共同体であっ
た。村落匠おいては，住居，耕地の近接，山林・牧場・用水の共有または共同管理，隣人との頻
繁かつ多面的な接触，共同労働，共同祈願，共同出資，相互扶助，共同娯楽など，地縁関係匠も
とづく種々の共同性が実在しており，その地域匠おける人々は共同体を形成していた。これは今
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＝コミュニティづくり＝ニ
日でも相対的な意味で，農山漁村社会の特徴である。ところが， このような形での共同性と地域
性の結びつきは産業構造や生産様式の変化，交通通信の発達，人口移動の増大，生活圏の拡大な
どによって弱体化され．一方では共同性を喪失して，同一地域匠居住していても単なる地縁的関
係のみを残すものとなり，他方では地域性を喪失して，同一地域匠居住していても単なる一時的
部分的な社会関係のみを残すものと変化した。こうして地域性を媒介とする生産および生活（疋お
ける多面的な共同性は弱体化し，解体化した。これがいわゆる社会の近代化・都市化0 過程であ
り，われわれはこのような村落社会の弱体化し解体化した典型を今日の都市社会匠見出すことが
できる。
このような社会の近代化・都市化匠よる古い地域共同体の形骸化，空洞化は，親密で深い，か
つ多面的な人間的接触ゃ心の交流を疎外する面を伴うので，かってのよき「ふるさと」の変貌を
なげく声が聞かれる。しかしかっての村落社会匹おける地域共同体は，閉鎖的かつ運命共同体的
性格をもち，個人の共同体への埋没を強制するものを内在していたので，その弱体化や解体化は
そうした個人を拘束する足かせから解放し，個人匠自主性と自由を期待させる面があった。この
ため匠，生産および生活面での相互依存の必要性が軽減されると，古い地域共同体は音をたてて
解体してしまった。このよう匠して地域社会の変貌は個人匠自由と主体性を与えたが，その半面
で同一地域紀生活しながらも個々バラバラの人間冗分散させ，原子化させてしまい，相互匠他人
同士というような状況を出現させた。その結果，人々の親密な結びつきや接触は，せいぜいよく
てもマイホーム単位匠閉ざされ，コミュニティは個人個人によって異なる意味をもつものへと変
貌したのである。言いかえると，社会は「孤独なる群集」へと変化したのである。
5 コミュニティ形成の課題と方向
しかし個人は一たんコミュニティ冗おける地域性や共同性から解放されてみると，個人や家族
の力のみでは受けとめることのできぬ諸問題があること匠気づかされた。すたわち，交通問題，
上下水問題， ゴミ処理，悪臭，騒音，煤煙，子供の遊び場，自然保護など生活環境の悪化や破壊
と公害問題，あるいは青少年の不良化，老人問題，婦人問題，防犯問頗など多くの課題は，個人
や家族の努力を越えた問題を含んでおり，これらの解決は地域住民の共同の努力や信頼関係匠ま
つものが多い。人閻の健康Vてして文化的な生活は，それを支えるコミュニティの中でのみ可能で
あることが自覚させられたのである。
こうした自覚が今や地域住民をして，われわれの居住する地域を見直させ，そこ匠おける人々
の新しい共同のあり方を模索させているのである。かっての地域共同体では，生活面および生産
面匠おける必要が人々の連帯性を形作る強いきずなとなっており，その地域的連帯からの逸脱は
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＝＝コミュニティづくり＝「
自己の生活の破滅を宣言するにもひとしかった。これ冗対して今日のわれわれの日常生活匠おい
ては，機能集団の発達，遠隔地への通勤ゃ人口移動の噌大（疋伴い，生活の中の地域性とそこ匠お
ける共同体とは，それほど重要な意味をもたなくなっている。われわれはある居住地域がいやな
ら自由に他の地域を選ぶことができる。しかし，それにもかかわらず，われわれは特定の地域を
のがれて生活することは不可能であり，それぞれの居住地域での生活を高め，充実する努力を怠
ることはできない。われわれはその努力匠応じて，それだけ豊かな地域社会での生活を享受でき
るのである。
今日のコミュニティづくりは， こうした地域住民の自覚に基礎づけられており，個人の主体性
と責任性と匠おいて追求されている価値形成的行為であるところ匠特色がある。このような自覚
紀もとづくコミュニティ形成への努力は，大きくわけて二つの方向で進められつつある。一つは
地域社会匠おける生活防衛のための運動として展開されているものであり， これは主として生活
の場匠おける公害問頓や環境問題の解決匠向けられている。他は地域陀おける社会的文化的生活
の充実を追求するもので，地域社会における人間的な心の交流や信頼関係を形成し，この面から
地域住民の生活の充実をはかろうとするものである。前者はコミュニティ形成のいわば物的水準
匹関与し，地域住民の生活の容れものの充実匠向けられている。後者は地域住民の人間関係や生
活内容の質的充実を志向している。しかしいずれの場合匠もかかる努力を結実させるため匠は
地域住民の連帯性を前提としており，今日のコミュニティ形成の中心課題は，この地域住民の連
帯性の形成匠焦点づけられているといってよかろう。しかし今日の問匙は，どのようにしたら失
われた地域共同体を再建すること，箕できるのか，またどのような形態が望ましいかが誰匠もわか
っておらず，いま探索されつつある。この場合，はっきりしていることは，地域住民の地域共同
体の形成は地域住民自身の願いと努力匠よって，下から作りあげられなければならないというこ
とである。地方自治体はこの共同体紀共通の課題の遂行を信託された機関であり，この住民の要
請に答えなければならない。しかし今日の地域社会の変貌と複雑化紀起因する行政業務の急激な
増大は，地方自治体の行政能力をはるか匠上回るものがあり，それ匠対応する行政能力の不備は，
これを地域住民自らの努力匠よってカバーしなければ左らない。言うまでもないことだが，これ
は決して行政当局の無力さに対する言い逃れを正当化するものではなく，当局と住民自身の自発
的努力との適切な協力関係の樹立の必要性を強誦するもの紀池ならぬのである。私はこの点で地
域住民のエネルギー匠不足はなく，問題は住民から行政匠信託された指導性を当局がいか匠発揮
するか紀かかっているよう匠思う。
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＝コミュニティづくり＝ニ
コくュニナィ対策の推進について
徳島県総務部地方課
1 コミュニティとは
コミュニティという言葉は，社会学の分野で使われている学術用語で，わが国ではまだ熟した
用語紀はなっていない。自治省では，これを「近隣社会」と名づけて次紀よってコミュニティづ
くりの推進を行たっている。
住民は，快適で安全な生活環境のもとで，健康で文化的な生活を営むことを欲している。しか
したがら今日では，地域住民をとりまく生活環境は悪化の一途を辿っており，身近か左社会福祉
施設，保健施設も極めて不十分である。このままでは，住民は近隣社会匠関する関心を失たい，
人間は孤立化し，地域的な連帯感に支えられた人間らしい近隣生活を営む基盤が失たわれるお、そ
れがある。
このような現状匠対処するため昨年「コミュニティ（近隣社会）対策要綱」を発表し，新しい
コミュニティづくり匠資するための施策をすすめているが，これ匠よると，新しいコミュニティ
づくりのイメージは，地域社会の実態匠よって異るが，おおむね次のとおりである。
(1) 都市的地域応むいては，都市の体質を人間生活本位匠改めるという構想匠沿って，住民が快
適で安全な日常生活を営むための基礎的単位として豊かな個性とまとまりのある生活環境の整
備を進める。このようなコミュニティの生活環境を場とし，杢た，その整備を通じ各稲の自主
的なコミュニティの組織匠よる多彩なコミュニティ活動が展開されることを期待する。
(2) 農村地域匠わいては，集落の整備と配置匠関する長期的な構想匠沿って住民が文化的で多様
性のある日常生活を営むことができるよう匠各種のコミュニティ施設の整備を中心とする生活
環境の整備を進める。このような生活環境を場とし，また，その整備を通じて若い世代も参加
する各挿の開放的なコミュニティ活動が展開されることを期待する。
以上のような考え方のもと匠コミュニティ匠関する対策を確立するためモデル・コミュニティ
地区を選び，新しいコミュニティ形成の実践を基礎としてコミュニティの生活環境整備の方向お
よびコミュニティの組織と施策のあり方を検討することとしている。
2 モデルコミュニティ地区の選定
モデル・コミュニティ地区は，知事が市町村長と協議して選定するが，全国で昭和4 6 年度匠
おいて4 0 地区，昭和4 7 年度匠1 3 地区が選定されている、本県匠おいては，昭和4 6 年度匠
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＝コミュニティづくリ＝ニ
鴨島町飯尾敷地地区（農村型）を，昭和4 7 年度は徳島市東富田地区（都市型）をそれぞれ選定
している。
5 コミュニティ計画について
モデル・コミュニティ地区においては，市町村および地区住民が協力してコミュニティ計画を
作成することとされているが， 1 で述べた基本的な考え方のもと応地区住民の意向，生活環境
の状況， コミュニティ活動の動向等に即し次の事項冗ついて定めるものとする。
(1) 地区の生活環境の整備に関する事項
より広域の生活圏域の生活環境の整備匠関する計画との相互の関連を考慮して，おおむね次
の点匠留意しなから別表に例示するようなコミュニティ施設のうち必要なものの整備等につい
て定める。この場合において，地区匠おける既存の公共施設等の効率的な利用を図るととも(!C,
住民による自主的な施設の管理運営紀ついても検討するものとする。
ァ住民が歩行者として安全に近隣生活を営むことができるよう，交通安全施設を整備するこ
と。
ィ公園，広場，集会施設等からなるコミュニティ・センター，ジョッピング・センター等を
整備すること匠より，住民の近隣生活の核となる地区を形成する。また，地区住民が気軽冗
文化，体育， レクレーツョン活動およびコミュニティ行事が楽しめるように集会施設，小規
模な体育施設等を配置すること。
ウ地域匠おける社会福祉増進のための施設および健康な生活を確保するための施設の整備を
行なうととも(IC,生活環境をよくするため道路および水路の清掃，植樹匠よる緑化，美観施
設の整備その他の必要な事業を行なうこと。
エ老人および児童が，安全かつ快適匠日常生活を営むことができるような環境をつくるため
の施設を整備すること。
(2) コミュニティ活動に関する事項
住民匹よる自主的なコミュニティ組織が，次匠例示するようなコミュニティ活動を円滑かつ
効率的に行なうことができるための諸条件を整えることを旨としてコミュニティ施設の利用の
調整，指導者の養成またはあっせん，技術的援助その他の必要な事項匠ついて定めるものとす
る。
ア交通安全，防犯，消防救急その他の生活の安全の確保の推進
ィ社会福祉の増進，健康の管理
ウ生活環境の清潔，静かさおよび美観の維持等
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エお祭，運動場， ピクニックその他のコミュニティ行事
ォ文化，体育およびレクレーツョン活動
カ市町村行政匠対する住民意志の反映
(3) コミュニティ組織とコミュニティ計画
＝コミュニティづくリニ＝
コミュニティ計画は，地区のすぺての住民および住民が自主的に組織する各種のコミュニテ
ィ組織の参加（てよって策定されるよう配慮するものとする。この場合において各種のコミュニ
ティ組織の連絡調整のための協議機構が設けられたときは，市町村はその協議機構がすべての
コミュニティ組織の意見を反映するととも(IC,個々の組織の自主性を損うことがたいよう匠適
切な助言または援助を行なうものとする。
4 モデル・コミュニティ計画の策定および実施の促進のための措置
(1) 自治省は，学織経険者匠よる技術的な助言等の指導を行なうこととするとともに資料の提供
および関係地方公共団体閻の情報交換のための便宜を図るほか，計画匠基づいて実施する事業
匠要する経費匠充てるため匠起こす地方債匠ついて，優先的左配慮をすること。
(2) 県は，この施策の総合的な性格が活かされるようた指導態嬰を整えるととも匠モデル・コミ
ュニティ計画の策定および実施匠関し，次匠掲げる措置を講ずる。
アモデル・コミュニティ地区における施策Vてついて，コミュニティ計画匠即して適切な調整
をはかること。
イモデル・コミュニティ施設の整備のため匠必要な事業の実施匠ついて優先的な配慮をする
ととも匠， これ匠必要な援助を行なう。
ウ国の関係行政機関等との間の連絡調整を図ること。
5 むすび
コミュニティの形成は，すべての地域Vておいてなし進めて行くぺきことであることはいうまで
もないが，自治省の対策要綱が実施匠移されて約2 年を経た匠過ぎない現在では， コミュニティ
形成匠ついて行政と住民とのいろいろな試みを推進し，その実践を通じてコミュニティづくりの
活きたケースを一般匠紹介するといった段階である。したがって，当分の出］は，このモデル地区
応むけるコミュニティ計画の策定および実施の促進匠全力を傾注して行くこととしたい。
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ニコミュニティづくり＝ご
〔別表〕コミュニティ施設一覧（例示）
施設区分内
1 交通関係施設1 塁旦9夏□屡猛讐：胃，用
街路樹，街路花壇
2 環境保全施設I 緑地帯，公衆便所， ゴミ収集
施設，防犯防火施設，避難広
場
3 文化施設集会所，公民館，図書館，児
童館，研修施設
4 保健施設診療所，健康セソクー
5 社会福祉施設保育所，託児所，老人ホーム
6 スポーツ・レ近隣公園，児童遊園，運勁広
クリエージョン場，体育館，プー）レ，レクリ
施設エージョン農園
7 その他コミュニケージョン
完成真近け腸島町飯竜，敷地
地区コミュニティ・センクー
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＝コミュニティづくりニニ
都市コミュニティモデル
●地区公民館図書館消防署健廉センター警察官派出所
農村コミュニティモデル
歩車道を分懇した幹線
• 地区公民館．図書館．消防哀．閤牒センター、賢察官派出所
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＝コミュニティづくり二＝
民生委員活動とコミュニティづくり
徳島県厚生部厚生課
1 民主委員制度のあゆみ
現在の民主委員制度は，昭和1 1 月1 1 月方面委員令の公布によって全国的な制度として発達
したものでありますが， この方面委員制度は，大正6 年5 月紀岡山漿匠おいて設置された済世顧
問制度と翌大正7 年1 0 月大阪府匠おいて創設された大阪府方面委員制度が始めだといわれてお
ります。
この制度は，他の府県できわめて必要適切な施策として認められ，それぞれ地域の特色を織り
こみながら自主的匠採用され，その育成発展が図られてまいりました。
本県（ておいてもこの制度は，昭和2 年1 2 月に初めて徳島市方面委員制度が設置され，市内に
4 0 名の方面委員が置かれ，昭和3 年1 1 月匹は，県下9 町村匠4 8 名の方面委員が委嘱された
のであります。
こうした中で方面委員制度は，全国的，統一的紀その役割を発揮させる必要があるとして昭和
1 1 年方面委員令として法制化され大きく前進しました。
昭和2 0 年大平洋戦争の終戦を境として時代は大きく転換し，新時代匠即応するよう各分野の
刷新強化が内外から行なわれ社会保障，社会福祉匠関しても昭和2 1 年いわゆる旧生活保護法が
制定されるなど近代的制度への弟一歩が進められてまいりました。
これと時を同じくして民生委員会か制定され，従来の方面委員は，民生委員と名称を新た匠し，
ついで翌年児童福祉法の制定によって全ての民生委員は，児童委員として児童福祉の増進のため
にも活躍すること匠なりました。
このよう匠その職責の重要性が国民に認識されるに従って真に民生委員として適格者を求め，
委員の資質の向上を図るなどの必要I生から昭和2 3 年民生委員法が制定されたのであります。
新憲法のもとでわが国の社会福祉事業も従来の慈善事業から国家責任たよるものへと抜本的な
変革がなされ児童福祉法，身体障害者福祉法，生活保護法と相次いで新法が制定されるととも匠
疇体制も福祉事務所などの専門機関が設けられ，この中で民生委員は，実質的Vて自らが中心と
なって実施する。補助磯関から福祉事務所などの事務の執行匠協力するいわゆる協力機関となり，
本来の使命である地域住民の福祉の増進匠努める民間奉仕者として，あらゆる社会福祉施策の推
進上きわめて重要な任務を果すこと匠なり現在Vこ至っているのであります。
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＝コミュニティづくり＝
2 民生委員の性格
民生委員匠は，社会福祉行政機関の業務匠対する協力活動が義務ずけられ，福祉事務所，各種
相談所等の公的機関と地域住民との間にあって，住民の立場匠たち，いわゆる「かけ橋」の役割
を果すものと民閥の篤志，奉仕者としての自主的活動の二つ匠大別することかできます。
自主的活劫とは，純粋匠社会奉仕への積極的熱意と責任感匠基づく自発的立場から委員が個々
の具体的問題や地域住民の参加を得て地域の問題提起や解消匠取組むもので法律や制度匠よらた
い活勤であります。
5 新しいコミュニティと民生委員の課題
1 9 6 0 年代の経済の高度成長爬伴うわが国社会の急速左都市化の進展は，農山漁村からの人
口流出が過密都市を作り反面，過疎，交通，公害， 自然破壊など幾多の社会悪を生みだしたのみ
たらず，人間疎外という重大な問題も牛じ，個人中心的匠物質的側面をもつばら追求する生活様
式が一般化されるよう匠なりました。
このため都市，地方とも地域共同体意識が
非常匠低下し，地域社会本来のもっている自
然発生的な連帯感やコミ｀ュニティ意識は薄杭，
特に急激な都市化とそれ匠伴う過密過疎の現
象は，人々から人格形成と老後のいこいの場
としてのふるさとを奪い，競争のうずまく過
密都市匠おいては，孤立状態た追いこまれ人
々の心の安らぎ，心のよりどころを失いつつ
あります。
その結果，ひとり暮し老人の自殺や孤独死などの頻発とたって現われています。こうしたこと
から明らかなよう匠連帯意識形成の場をとりもどすため匠は，新しいコミュニティづくりが極め
て重要な問題であります。、その基盤となるものは，まず地域を中心としたコミュニティであり，
その形成のための条件整備が急がれるわけでありますが，
厚生省においては，地区組織育成事業として推進地区を指定，自治省では，モデル・コミュニ
ティ地区を指定，また文部省は，新しいふるさとづくり運勅地区を指定し，それぞれの行政の分
野応もいて拠点つくりコミュニティづくりを推進し効果をあげているところであります。
また他方では欠陥商品，二重価格など匠対する消費者運動，大気汚染，水質汚濁など公害問題
に基因する住民運動が連帯感（共同体）を育て地域社会の中匠成長して行くのがみられ，地域匠
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＝コミュニティづくり二＝
起る諸問題匠対する行政機関とのキメ細かな調整や住民ニードをくみあげる組織，いわゆる上か
ら与えられる官製モデルコミュニティではなく下から盛り上がった住民組織活動もコミュニティ
の一つであります。
地区組織を作る場合一般的匠は，公立小中学校区を中心として地域コミュニティを建設するこ
とが効果的であるといわれているが，その範囲は，課題紀よって部落単位，町村単位，あるいは
農村と都市が一体になった大きさ冗広がる時もあり，また共通の課題（て関心のある人々が集まっ
てコミュニティづくりをするものもよいと考えられ，いずれの場合も住民として自主性と責任を
自覚した個人および家庭溝成を主体とした地域性と各種の協同的；開放的しかも構成員の信頼感
の集団でなければなりません。
このような地域コミュニティにわいて人的交流を活発化すると共にその間で共通の意識を盛り
上げていくため匠は，その機会と問題を提供しうる人材が必要であります。
このような役割をはたすものは民生委員，学識経険者，地域団体などの人たちであり，中でも
地域の実態を掌握し，中核となっている地域のリーダーとしての民生委員の役割は大きく期待さ
れるわけで先匠述ぺた法律や規則匠よら左い自主活動の一部であると考えます。
民生委員は，大きな社会の変貌の中で絶えず地域住民の生活の実態と社会福祉事業の勅向匠即
した民間奉仕者として多面的な実践活勁を展凋しその発展匠大きく貢献してきたところでありま
すが， 1 9 7 0 年代は， G N P 時代から福祉時代への転換の年といわれ，経済成長第一主義から
国民生活優先へと施策の軌道修正が強調され「日本列島改造論」とあいまち福祉施策は急激な社
会変化と住民ニードの多様化，複雑化匠対応するキメ細い配慮が必要とされてい杢す。
このようななかで地域社会の福祉活動を進める民生委員の役割は，一層重要性を加えると同時
匹新しい状勢冗対応する他面性が要求され民生委員自身の広い社会的視野と人間関係に対する高
い識見と行勁が求められるところであります。
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＝コミュニティづくり＝ご
変動期における地域活動と社協の役割
変質した地域活動
全国社会福祉協議会地域組織部副部長木谷宣弘
1 9 6 0 年代の地区組織活動は村落共同体陀よって支えられてきた農村型の地域活動であった。
その特徴は，とりあげる課題が単ーで狭く，地域ぐるみの活動であった。そして封建性がまだ強く
残っていたため，啓蒙活動という。いわば上から下への伝達が主なものであった。たお，行政と住
民活勃は未文化状態で， どちらかというと行政先導型の活動であった。
ところが，今日では，都市化工業化の進捗紀よって，これまで地域活動が基盤としていた村落共
同体そのものが崩壊してしまったわけであるから， 当然，過去のようなクイプの地域活動をすすめ
ることは，困難となってきた。そこで1 9 7 0 年頃を境として，新しいクイプの地域活動が登場し
てきた。
新しいクイプの地域活動の特徴はおよそつぎのようなものであった。
第1 匠， とりあげる課題が多様かつ広域的なものが目立つようVてなったこと。
第2 匠自分たちの行政まかせ陀しておけない，住民が自らを考え，要求し，行動しょうという住
民自活への志向がはじまったこと。
第3 匠行政と住民活動の役割を明確匠し，住民先導型の地域活勅があらわれたこと。
などをあげること。
コミュニティの形成と社協の役割
以上のよう匠古い型の地域共同体が崩れてゆきつつあるが， これ匠かかわるコミュニティの形成
が注目されるよう匠たった。最近いろいろたコミュニティvc 関する政策が発表されていることはこ
のことを裏書きしているわけであるが，問題は，誰がどのようたコミュニティをつくるか匠ある。
コミュニティは与えられるものでたく住民自身の手によってつくり出されるものであること。
さら匠経済優先のコミュニティではなく，福祉優先のコミュニティをつくるということ匠ある。す
で紀，続発する生活上，福祉上の諸問頴匠対して，問題解決のための共同意識が新しく芽生えよう
としている。
社会福祉協議会はこのような小地域での住民の共同連帯の意識を育て，住民陀よる福祉運動推進
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＝コミュニティづくリ＝ニ
をはかり，それを基盤として，住民主体の社協へと体質改善することが望まれている。推進地区の
活動は，このような点からも新しくとらえなおし，住民によるコミュニティ形成への一役を果した
いものである。
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＝コミュニティづくり＝ご
住民福祉運動をすすめるために
第2 次試案の概況
徳島県社会福祉協議会
社会福祉協議会創立2 0 周年を期して，社協活動強化方策を全社協が中心となり作定すること匠
なった。第1 次試案を全国都道府県社協業務組織部長会議たどで検討する一方，全国社会福祉関係
者（市町村社協等）の意見を結集して第2 次試案が発表された。
この試案は，＂社協活動強化方策»では名称がかたいのと，住民陀したしみやすくするために
可主民福祉運動をすすめるために»と変更した。その内容紀おいても第1 次試案陀くらぺ具体的匠
なっている。この第2 次試案爬ついても全国の関係者から意見をきき，全社協で近くオとめる方針
である。
もりこされた内容としては，はじめ匠住民福祉運動を必要とする根拠を明らか匠し
住民福祉運動の必要性
これからの住民生活と住民福祉運動の課題
住民福祉運動の性格
住民福祉運動のすすめ方（運勅論）
住民福祉運動と地方自治体
住民福祉運動をすすめる体制（組織論）
さら匠， この運動をすすめるうえでの社協の役割として社協活動の現状と発展の方向
社会福祉協議会当面の目標
社会福祉協議会の役割
市町村社会福祉協議会の改善強化
がもりこまれている。ここでは，全文を紹介することはで含たいが，住民福祉運動を必要とする根
拠と必要性，すすめ方匠ついてのみ紹介したい。
◇はじめに◇
戦後すで紀4 分の1 世紀あまりを経過し，わが国の社会福祉の制度やサービスはかたり整備され
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＝コミュニティづくり二＝
た。だが注目しなければならないのは，制度やサービスの進歩と併行して，保健福祉のための地域
福祉活動，特に小地域段階（小学校通学区域もしくは旧町村程度の区域）匠おける住民自身による
協働活動の必要性が，最近社会福祉協議会関係者の間だけでなく，その外部爬おいても次第に強調
されるよう紀なってきたことである。
その社会的背景として考えられるものをいくつかあげてみると，祁市化の急速な進行と過密問題
の発生，その反面紀おいての過疎地域の問題の深刻化，広域行政の一層の進行，公害，環境汚染の
激化とそれ侭対する急激な住民運動の勃興，人口構成の変化，核家族化匠よる老人問題の深刻化，
家庭児童の健全育成施策紀対する要求の高まり，などがある。このような中で，社会福祉のための
自主的な住民の協働活動の必要性が広く認識されてきたことは，わが国の社会福祉の歴史匠おける
一つの転換期を象徴するものであるということができる。すなわち，従来から理論としていわれて
きた治療的施設から，予防的，福祉増進的施策への発展，施設収容保護中心から，在宅者対策への
発展の必要性が，ょうやく実際匠理解されるようになったことを示すものである。このことはまた，
その背景匠社会福祉のあり方，理念そのもの匠ついての一般の考え方に大きな変化があったことを
示しているといえよう。
このよう匠，住民の協働活動匠ついての理解の深まりは，社会福祉の理念や内容の転換，発展の
あらわれであるが， この活動を推進することは，逆厄上Vてのぺた社会福祉の転喚を促進するもの
であること匠留意すぺきである。このような社会的変化，そしてまた社会福祉の理念，内容の転換
のなかで，社会福祉協議会をはじめとして各種の保健福祉の民間団体や，あるいは住民組織は，数
々の活動を展開してきたが，それらの努力の中で，われわれは小地域段階匠おける住民自身匠よる
協働活勁の理念と，その活勅のすすめ方匠ついて多くのことを学び，また今後の国民福祉の向上匠，
この活動が必要欠くぺからざる素要であるとの確信をあらためて深めることができたのである。
この「住民福祉運勁をすすめるため匠」と名づけた要項は，社会福祉協議会が創立2 0 周年を迎
えたのを機会匠，各地の社会福祉協議会が釉上げて含た小地域段階匠おける住民協働活勅について
の各地の経験をもちより，体系化して，広く全国の地域福祉活勅の関係者匠配布し，その活動の一
層の推進をはかり，わが国の保健福祉水準の向上紀役立てるととも匠，この活勅の推進を通じて社
会福祉協議会の活動と組織の一層の進展，強化を実現することを目的としている。
なお，小地域匠おける保健福祉のための住民の協働活動をこの要項では「住民福祉運動」と名づ
けたか，これは表現を簡潔匠するためでもあったか，同時匠この活動は地域住民の福祉問題を解決
するための自主的な住民主体の運動として進めなければたらたい。ということを明確紀するためで
もあったことを特匠つけくわえたい。
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＝コミュニティづくり＝ニ
◇住民福祉運動の必要性◇
小地域段階における住民福祉運動の必要性は，前述のよう紀最近，社会福祉協議会の外部匠おい
ても広く認識されるよう匠なってきた。このことは創立以来の社会福祉協議会の地道な努力のあら
われでもあるが，一面，それ自身が社会匹よって必然的匠要求されているから匠ほかならない。小
地域段階の住民福祉運動の方向と推進の具体的な方策の検討匠入る前匠，まずその必要とされる根
拠紀ついて考えてみたい。
その第ーは，公害問頗紀端的してみられるよう（re, 住民の生活を無視してでも独自の利益，独自の
理論を通そうとするものがふえてきたことであり，これ匠対応するため，生活の論理匠ねざした主
張が，住民の多数の声として強く打ち出されることか，のぞされるよう匠なったことである。事実，
社会の変化匠伴って，交通事故，大気汚染，水質汚濁，騒音，日照権問顆左どの建築公害，自然環
境の破壊たどが各地匠おいて，深刻な問題として提起されており， これらの問題匠ついてー，住民は
生活者としての立場から直接提起しなければならたい。そして， このようた問題提起の活動は，地
域住民紀よる自主的左組織活動紀その基盤を持つとき，最も強い力を発揮することができるのであ
る。
第二は，民主主義の基盤である地方自治制度を真匠そのあるべき姿とするため匠は，小地域の段
階Vておいて，住民自身匠よる生活上の要求，福祉上の要求に根ざした，自治活動が活発陀ならなけ
ればならたいという認識が高まってきたことである。新憲法制定後2 0 年あまりを経て，民主主義
がようやく国民全体匠浸透し，定着するととも紀，地方自治匠対する考え方も進み， 「住民主体の
地方自治」の理念が，広く認識されるよう匠なったが，このことは，政治のあらゆる分野匠おいて，
住民が自ら考え， 自ら発言・要求し，そして必要匠応じて自ら行動することを意味する。福祉の分
野は，このような「住民主体の自治」の活動がもっとも必要とされるところであり，自らの福祉の
増進のため匠，住民か自ら考え，自ら発言し，自ら行動する中で，地方自治体，ひいては行政全体
の福祉陀ついての責任を明確化し，又，住民自身の果すぺき役割を明らか陀してゆくことが期待さ
れているのである。
第三は，保健福祉や文化・レクリエージョンについての人々の要求水準が急速匠高まっている匠
もかかわらず，行政施策がそれ匠充分対応できないことである。また，これVてこたえるため匠は，
公の制度やサービスのみをもってしては不可能で，どうしても行政サービスと併行して住民の自主
的協働活動が必要である。このことは児童健全育成や環境衛生，環境美化をどの分野匠おいて，特
陀はっきりとあらわれている。
第四は，老人や心身障害者の福祉を守る見地からの要請である。これらの人たちの福祉を守り，
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＝コミュニティづくリ＝ニ
高める前提は，まず地域社会がこれらの人たちを温く受入れ，援助してゆくことが基本となる。最
近は，公のサービスが在宅の老人や心身障害者にも及んできたが，これらのサービスが真の効果を
発揮するため匠も，隣人としての地域住民の理解と具体的な援助活動がどうしても必要である。，
第五は，以上四項目の総括としての新しいコミュニティ形成の要請である。上匠あげたことは，
いずれも新しいコミュニティ形成の契約となるものであるが，同時たこのような住民の自主的協働
活動は， コミュニティの形成が進んでいるとこでは比較的容易匠行われ得る。コミュニティ形成の
ためには，住民会館、などコミュニティ施設の整備をはじめとする基本的諸条件の整備が住民福祉運
動と併行してなされる必要があるが，当面の課題解決のため匹住民を結集しょうとする住民福祉運
動はコミュニティの形成匠大きな役割を果すものである。
◇住民福祉運動のすすめ方◇
この運勅は，①住民のかかえている問題（要求）を明らか尻し，②解決のための目標や計画をた
てて，③それ匠もとづいて実践する，という過程をとってすすめる。この過程匠そって，運動のす
すめ方，その方法を示せば次のよう匹なる。
〔1〕問題（要求）を明らかにする一調査。広報
住民福祉運動を実践する組織は，たえず地域社会と住民の生活問題匠関心をはらい，あらゆる
機会を活用し，各種の問題把握（豆周査）の方法を駆使して，的確匠問麺の所在を明らか匠し，広
報しなければならない。
(1) まず調査舌皇力を実施する
激しい地域社会の変化，都市化のなかで，住民のかかえている生活問題（要求）も複雑で多
様匠なってきておヽり，客観的，科学的に問題の把握を行なう調査活動の役割は，ますます重要
匹なっている。
小地域における問題把握，すなわち品査の方法としては，住民の話しあい，アンケート調査，
地域の観察踏査，既存資料の利用など各種の方法をとりいれること。
(2) 調査の役割を重視する
住民福祉運動のなかで行たう調査は単た問題（要求）の所在を明らかVでするという役割のみ
にとどまらず，住民自身が調査活動に加わることを通じて運動へ参加することにつながること，
あるいは調査過程そのものがすでに広報の過程であり，住民が相互匠問題を理解しあう過程で
あること，また住民が共通の目標を見出す源であり，運動匠科学性と高い説得力を付与するも
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＝コミュニティづくり＝ニ
のであることなど多くの重要な役割をもっている。
(3) 機関紙の発行
少なくとも何百人，多い場合は何千人，何万人という住民がいっしょ匠活動を行なうのであ
るから，住民福祉運動を成功させるため匠は広報活動がきわめて大切である。特に機関紙を発行
することは，調査とならんで，住民福祉運動を進めていく上で欠くことのできないものである。
機関紙は単侭情報を提供するだけでなく，住民を運動匠組織するうえで非常に大きな力を発揮
することができる。
内容は常匠住民の声を反映した身近かなもの妃すること。住民の中から編集委員をつのって
発行体制をつくり，定期化し，回数を多くし，また，できるかぎり全世帯匠配布することが必
要である。また運勅の展開紀応じて随時チラ、ンや臨時機関紙の刊行も必要匠なる。
(4) 機関紙以外の広報も大切（こすること
問題ごとのパンフやリーフレットの発行，地域掲示板の利用，あるいは運動を広げるため匹
地方新聞などのマスコミを積極的に活用することなど，機関紙以外の広報媒体の活用をはかる
こと。またそうした媒体とは別応住民との話しあい活動が調査の有力な方法であると同時匠，
広報活動としても重要な役割をはたす点に留意すること。
(2] 運動の目標・計画の策定
調査活動などで明らか匠なった問題（要求）は，役員会や問題別委員会などで検討すると同時
応再び住民の話しあい匠返すなどの方法匠より，できる限り全住民が納得のいく民主的な手続
きで共通の目標をさだめ，また目標を達成するための計画づくりを行なわなければならない。
(1) 住民の共同企画としてつくりあげること
目標の設定や計画づくりの過程には，できるだけ多くの住民が参加し，あるいはたんらかの
形で意思表示する漁会を保障し，納得のいくもの紀すること。その際，直接問題（要求）をも
っている住民もしくはそのグループの意見を大切匠すること。
(2) 重点課題を明確にすること
住民の多くがもっとも解決してほしいと望んでいること，緊急を要するもの，みんなでやら
なければ解決の困難なもの，住民がもっとも一致して運動しやすいもの，など幾つかの基準を
手がかり匠運動の重点課題を明確匠して望むこと。
(3) 目標に応じた実行のための計画をたてること
取りあげる問題（目標）の性格匠応じて，運勅の期間や必要な役割，経費たどを明らか匠し
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＝コミュニティづくり＝ニ
た実行計画をたてること。
5] 運動の推進
住民福祉運動の推進過程は，役員会や問題別委員会など中核となる人々を中心（疋，あらゆる人
と社会資源を動員し，問題解決にせまる過程であり，住民の創意とエネルギーを結集する過程であ
ある。
(1) 問題にとりくみながら体制をつくること
住民福祉運動は， リーダーができ，資金もでき，すべての準備をととのえてから始めるとい
うものではない。まず問題たとりくみ，運動をすすめながら協力者・ボランティアをみつけ出
し，体制をつくりだしていくという考え方をとるべきである。また運動を通じて，多面的な住
民要求を総合的にとりあげることのできる体制をつくり，課題も受身のものから積極的なもの
に発展させ，住民による町づくり，地域社会づくり匠まで発展させる。
(2) 問題解決に必要な社会資源の活用、造成にとりくむ
問題の解決に必要な制度・施設。機関・人・金など社会資源をみつけだし，問頗解決のため
匠活用する｀社会資源は，住民が積極的に利用し，活用する立場をとったとき，はじめて生き
た制度や施設として，その効果を発揮する。また，既存の社会資源が不十分であったり，欠け
ている場合紀は，それをつくりだす運動が必要であり，住民福祉運動はその役割を担うもので
あるへ
(3) 住民福祉運動への住民の積極的参加を促進する
住民福祉運動は，たえず多数の住民が運動匹参加できる方法をとりいれ推進するととも陀，
住民が積極的に参加するようたえず働きかけることが重要である。
① 問題匹応じてたえず学習活動を行なうこと。住民のなかVている専門家あるいは各種専門分
野の関係者の協力を受けること。同じような問頗をかかえて運動している他地域住民と交流
学習すること。
②広報活動を系統的匠行なう。
③ 婦人や青年層などの地域のボランティアの参加を得ること，あるいはポランティア育成に
積極的匠とりくむことも重要である。
(4) グループ•団体の協力の促進を（まかる
地域の種々の機関ゃ団体匠住民福祉運動をいっしょにすすめる，あるいは協力してもらうよ
う働きかける。
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＝コミュニティづくリニ—
(5) 小規模な住民の運動を支援する
小地域紀は，住民の切実な要求の実現をめざす，小規模な住民運動が数多く起っていること
が多い。住民福祉運動を実践する組織は，これらの運動を地域住民匠よる問題提起としてとら
ぇ，小さく力の弱い運動を巾ひろい住民運動紀していくよう積極的匠支援する。この場合，こ
れらの住民運動をまるがかえしたり，単なる代弁者たなってしまわず，支援し，いっしょに運
動をしていく態度をとること。
(6) 問題別の活動を活発にする
住民福祉運動を実践する組織は，その必要陀応じて，特定の問題や専門分野の問題匠とり＜
むため，問題別に委員会や部会をつくることが効果的である。問題別委員会や部会は，住民の
ニードを敏感匠つかみ，それを綿密に研究して，運動推進の索引車の役割を果すよう匠する。
またこのような活動を通じて住民リーダーを養成すること匠つとめる。
(7) 対策協議会
過疎地における交通の確保，広域の福祉此疱設設置の要求，あるいは公害問題など，その解決
匠大きな力を必要とする場合は，住民福祉運動をすすめる組織が，広く地域の他の団体，機関
など花よびかけて対策協議会をつくり，問題にとりくむことも必要となる。大きな問題匠はそ
れ化対応できる大きな力をつくって運動をすすめるのが賢明たやり方である。
(8) 運動の評価を行なう
適当な時期に運動であげた成果や問題点を整理し，評価をしておくことは，その後の運動の
すすめ方，計画を考えるうえで非常匠重要である。評価は，住民リーダーが行たうと同時匠，
住民自身がどのよう匠評価しているかについて，たえず注意をはらわなければならたい。
〔4〕活動の推進を円滑にするため
(1) 活動の拠点を確保する
住民福祉運動にとって，よりどころとなるセンクーや住民会館を持つことは非常匠大切であ
る。地域福祉センクーや住民会館のある地域では，その運営匠積極的匠参加し，協働活勁の拠
点として住民中心の施設運営が行なわれるよう努力する。地域福祉センクーや住民会館のたい
地域では，公民館，児童館，老人福祉センクー，老人いこいの家左どを積極的に活用する。農
村では，保育所，ぉ寺，学校などの活用を行なう。
活勅の拠点冗なる場のない地域では，住民の運動による住民会館づくり匠とり（む。
(2) 専門家の協力を得る
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＝コミュニティづくり＝ニ
住民福祉運動に助言や問題提起をしてもらい，住民福祉運動の主張や論拠や啓発匠客観性，
科学性を与え運動を科学化する役割をはたしてもらうようにする。この場合，住民が専門家に
従がったり指導されるのではなく，あくまでも住民が主人公であり専門家を活用するという立
場をとることが必要であるし，そういう住民の立場で協力してもらうことのできる専門家をさ
がしだし，あるいは運動を通じて専門家にそういう立場（てたってもらうよう応することが大切
である。
住民のなかの医師や教師などの専門家Vて運動の中で力を発揮してもらう。また保健婦，農業
改良普及員，公民館主事など直接住民匠接し，住民匠サービスを行なっている専門家との連絡
や協力関係をつくるよう努力する。
なお民生委員は，問題を多く持ちながらも，住民福祉運動匹積極的匠参加することのでき匠
くい低所得階層の代弁者として重要な役割を果す人たちであり，運勁推進に当っては，積極的
匠参加・協力を求めるべきである。
(3) 政治的中立を守る
住民福祉運動は，主義主張をこえ，住民の具体的な生活問題（要求）にもとづいて，その解
決のための住民の自主的・自発的な運動をおこしすすめるのであるから，どんな政党を支持し
ている人でも， どんな思想をもっている人でも，要求で一致できるなら住民福祉運動匠参加す
ることを保障すぺきである。
また組織としては，あくまでも政治的中立を保つことが重要である。選挙には関係しないこ
とを明記し，代表者紀はなるべく議員でない人がなる配慮が必要である，｀しかし， このことは
政治と一切無関係でなければならないということではない。問題解決のために必要な場合にぱ，
住民が主体となり超党派の協力をえる立場で，政治への働きかけを積極的に行なうぺきである。
(4) 市町村社協との結びつきをはかる
住民福祉運動は，小地域を基礎に住民が協働して，生活問題（要求）の解決Vてあたる組織的
な運勁である。しかし，住民の生活問題（要求）のなか匠は，当然その地域だけでは解決困難
な問題や他の地域と共通する問題も少なくない。そうした問題を解決するうえからも市区町村
社会福祉協議会との活勅上，組織上の結びつきをはかり，問題の解決にあたることが必要とな
る。ま如運動をすすめみうえで必要な知識ゃ調査の技術，情報の収集，あるいは社会資源の
動員など， さまざまな側面侭おいて，市区町村社会福祉協議会の能力を活用し，その援助をう
けることが住民福祉運動を一層効果的Vですすめること紀なる。
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＝コミュニティづくり＝ニ
青少年センター建設計画成る
徳島県厚生部青少年婦人課
徳島県ではかねてから，県下の青少年の殿堂として青少年活動の拠点となる青少年センクーの建
設計画をすすめて来たが，このほどその設計図が完成し，まもなく着工することとなった。
この青少年センクーは徳島市城ノ内旧東警察跡，寺島川埋立地4, 8 9 O m2のうち3, 3 9 Dm2 を利
用して建てるもので，県下の青少年たち匠，グループ活動や，レクリエージョン活動ができる機会
と場を提供し，健全な余暇活動と仲間づくりを推進するととも紀，青少年団体活動の育成と青少年
指導者の養成をはかろうとするものである。
青少年センター建設計画
敷地面積3, 3 9 0 m2
建設事業費約9 億円
建物の規模
鉄筋地下1 階地上6 階延9, 4 9 4 m2
地下1 階温水プール，脱衣ヽンャワー室，監視室，機械室，電気室，地下駐車場(3 2 台）
地上1 階管理室，団体連絡室，ロビー会議室，印刷室，警備品室，保健室，休養室
2 階大体育室，小体育室，卓球室，健康美容トレーニング室，ジャワー，ロッカー
室，食堂
3 階大会議室(3 0 0 人）倉庫
4 階図書資料室，セミナー室（2)，凋理教室，会議室，講師室
5 階美術教室，音楽室，視聴覚室，会議室，暗室
6 階リハーサル室，和室，茶華道室，休養室，講師室エ期
昭和4 7 年1 0 月着工
昭和4 8 年1 0 月完成予定
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＝コミュニティづくり＝ご
連日満員の青少年野外活動センター
県下の青少年が豊かな自然環境の中で，キャンプなどの野外活動を通じて，共同，自主の精神を
養い立派な社会人としての成長を期待し，徳島県下の自然環境に恵まれた地域匠青少年野外センタ
ーを設置している。
既に設置している鷲敷，神山では8 月末現在
む昨年を上廻る利用状品であり，本年5 月開
所した由岐キャンプ場もフル回転の状況で，ど
この施設も夏休時期は忙しさ匠悲鳴をあげてい
る。
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こういった青少年の希望に応えるため昭和
4 7 年度紀は池田町雲辺寺山と美馬町竜王山
匹それぞれ1 カ所づつ2 0 0 人定員の野外活
勁センターを建設し，池田町は8 月3 1 日に
開所し9 日から利用を開始してlハる。
＝コミュニティづくり＝ニ
野外活動センターの設置状況
開設名称I 設置場所定数設備
45. 7.31 鷲敷野外活動センクー那賀郡鷲敷町百合
人
本館286 吋附属棟，野外便所200
野外炉，野外洗場テント200人分
P—
4 6. 5. 1 神山fl 名西郡神山町府殿200
本館 422 吋駁山附属小棟， 野外便所2
野外炊事場舎3
テント200 人分
47. 8.31 雲辺寺山” 三好郡池田町雲辺寺山2 0 0
本館489m寄外便所2
野外炊事場2 テント20 0 人分
建設中竜王山fl 美馬郡美馬町竜王山200
本館2 9 2 m2, 山小舎6 棟
ケビンふ野外炊事場3
4 7. 5.2 4 由岐キャンプ場海部郡由岐町小伊座利100 本館1 5 3 吋野外便所，野外炊
事場
一笞一
＝コミュニティづくリニニ
住民福祉運動と社会福祉協議会の役割
四国学院大学教授西脇勉
1 コミュニティ解体の歴史性
中世紀的コミュニティ崩壊の起源は，産業革命とこれに伴う資本主義生成発展の時期にさか
昇らねばならないが，普通いわれているのは第1 次世界大戦を境としてコミュニティの様相が
いちじるしく変化して来たということである。勿論この歴史的事実は欧米の場合の話であろう
が，わが国匠おいても明治以降， 時期のずれこそあれ，資本主義の発展段階紀したがっ
て，徐々に昔のような連帯感匠溢れた社会が影をひそめていったということができよう。とこ
ろで現代日本のコミュニティ崩壊もこのような歴史の流れにそったものであることは勿論であ
るが，又同時Vてそのテンポの速度， これを受けとめる住民意識の問題，社会的背景としての文
化基準，価値観の葛藤等，凡ゆる面Vておいて「崩壊」の病根が複雑かつ多岐にわたっている。
わたしたちがこどもの頃よく唱った童謡， 「夕やけ小ゃけで，日がくれて，山のお寺のかね
がなる。ぉ手々つたいでみな帰ろ」といった牧歌調的情感冗満ちたコミュニティが現代日本の
どこ紀残存しているだろうか。
公害問題は人間の肉体をむしばみつつあるだけでなく人間の心まで疎外状況に追い込んでい
る。しかし今や，古きよき時代のコミュニティヘの郷愁匹ひたってばかりはいられない。われ
われはこのような「解体」の歴史性をふまえた上で共に手をたずさえて奪起し，この難問に対
処しなければなら左い。「人間」を忘れた経済がこんなにまで人間社会を汚染し，むしばみつ
つある時，社会福祉はその体制を強固にし，真匠住民主体の測紀立つぺきである。そのために
はまず，住民それ自体の中紀，問題意識か確りと根を下し，そこから運動や，その組織化が芽
生え，政治をゆり動かさねばならない。ここからあらゆる地域福祉活動の基本構想が生れる。
2 経済開発とコミュニティ
飽くことを知らない資本の利潤追求の姿が戦後最も顕著になりだしたのは，昭和3 0 年前後
であって経済成長社会の様相はいわゆる「経済開発」紀よりコミュニティを波壊して行った。
それが経済のための開発であり，人蘭のための開発でなかったことを今や歴史が証明しつつあ
る。それはいわゆる「物」本位の開発であり，人間社会を忘れた開発だった。
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＝コミュニティづくり＝ニ
コミュニティを構成するすぺての住民が，真に幸福をかち得ていく基本構想が，そこVてはなか
った。「人間社会」の幸福を前提としない「開発」はそれがたとえ繁栄をもたらしても「人間社
会」の繁栄をもたらすのではなくむしろ人間を滅亡に追いこんでいくものでしかなかった。政治
が経済匠追随し，国民の生きていく権利と福祉が忘れ去られ，経済優先の原則が住民1 人1 人を
無祝して行ったところに開発の禍根があった。そして社会福祉は今日も尚，経済繁栄の後仕末的
役割を負わされている。
それ冗しても政府なり，地方自治体がいわゆる「開発」の計画を進める際匠どうして住民のた
めの福祉的配慮を織り込もうとしなかったのだろうか。社会福祉協議会の代表意見をとり入れ，
これを活かそうとしないのだろうか，開発計画の当初からそ＼そも福祉的構想を眼中Vておかず社
会福祉紀対しては問題が起きてからの事後処理的役割しか期待していたい。これは昔ながらの社
会福祉観であり又，その社会的役割位置づけ匠ついても根本から問い直されねばならたい問題
を提起している。
日本の或る有名な学者がいった「社会事業は資本主義のどぶさらいである。」ということばを
思い出す。今ゃ社会福祉は凡ゆる社会施策の中でもっともっと前面に押し出されるぺきなのであ
る。日本列島改造の最先頭匠踊り出て住民を守らねばならない。
5 住民福祉運動といわれる政治活動
物本位の開発が経済開発ならば人間本位の開発こそ，あえて社会開発と呼ぶことができるであ
ろう。住民一般のくらしと健康を中枢にしてコミュニティ全体の進展を願う嬰発であってこそ真
の地域開発，社会開発といえるだろうが残念ながら日本列島の各地域で今日余りVても人間無視の
開発がまかり通っている。
住民福祉運動はこのような開発に対する反発ないしは抵抗の形で住民自体の内側から噴出して
いる。そしてこのような反発なり抵抗の運動はともすると政治的に利用され得る危険性をはらむ
ことが予想される。この点住民福祉運勅は単なる住民運動と区別されるべきであり，あく迄も福
祉的専門領域をふまえた住民参加の運動であるべきだ。今回発表された全国社会福祉協議会の「
住民福祉運動をすすめるために」（第2 次試案）においても活動の推進を円滑紀するためにもあ
えて政治的中立を守る立場を強調している点は注目に値する。社会福祉涼議会が住民福祉運勅の
中核体としての役割を果そうとするならば，協議会自体の本質的立場，すなわち住民一般を土台
とする無色透明の中立性が欠くぺからざる基本線としておかれることは当然である。むしろその
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＝コミュニティづくリ＝ご
方が運動として切迫感に満ちたアピー）レとなり住民の中に浸透していくだろう。
住民という「生活」そのものに立脚した草の根をふまえ，人間らしい社会の回復を目指した組
織活動は政治的イデオロギーをこえたものである。住民それ自体の極めて生活実体的な現実に根
ざした緊迫感は住民の怒りや願いをいわゆる「政治運動」匠もち込まれ易いが，それはあく迄も
住民一般の生活感情ないし生活意欲を基準としたものであるぺきであって政党の行なう政治活動
とははっきり区分せられねばならない。社会福祉協議会は本来，政治的には中立性匠立った団体
であることをわきまえねばならない。
4 住民福祉運動の先頭に立つ社協
今日，地域住民がかかえている問題は，極めて多様性をおびてはいるが，おしなべてその根元
は生命と生活に直結する福祉問題匠他ならない。時に福祉の問題は余り（／ても身近すぎて住民の意
識に上ってこないことすら考えられる。この場合，問題をいち早くキャッチしてその内容と性質
を分析解明し先づ住民匠知らせなくてはならない。このことは今日いわれている「福祉教育」の
一環として重要な意味をもつ。
住民福祉運動のための組織化の前提として住民の意識化が必要であるが，そのための啓蒙開発
活動をいわゆる福祉教育の一環として考える時，今まで単純匠考えられていた組織化の方法も教
育とかね合わせてこそその効果が得られることを知るぺきである。
社会福祉協議会はその本質的機能である組織化活動において従来， 「福祉教育」導入の具体策
を余りにも欠いていたと思う。それは単なる啓蒙宣伝ではなくあくまでも住民に対し主体的紀「
福祉」を学ばせることから始められなければたらない。そしてそのための教科や資料を社会福祉
協議会が提供すべきである。すなわち住民教育を徹底させながら組織化を推進させていく。むし
ろ組織化は福祉教育が充分行なわれる土壌の中からは自然匠起ってくるものである。この点につ
いて住民福祉運動をリードせんとする社会福祉協議会は従来のように唯，組織化を叫ぶだけでな
＜，その土台固めのための準備教育にも大い匠意を注がなくてはなるまい。
広汎にわたる福祉問頗へのアクックの仕方，起ち上る住民をどのようにオルグしていくべきか，
行政当局への問題提起の方法， さら花組繊化の方向ないしは推進の手順等，社会福祉協議会の果
すべき機能に今日期待するところ多大である。協議団体からさら匠運動団体に大きく移行かつ脱
皮せんとしつつある社会福祉協議会は今大きく羽ばたかんとしている。国民の側陀立ってコミュ
ニティ再建の意欲を燃やしている社会福祉協議会は今こそ真価を発揮すべきである。
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＝小地域の組織活動＝ニ
社会福祉と部落会活動
美馬町社協事務局長藤本正芳
(-)
現今世相の混乱が，せっかく築いてきた共存共栄の生活基盤をおびやかしていることは今では常
識となっている。そこで私達自身でともすれば，孤立的，閉鎖的紀なろうとしている生活を地域連
帯意識で結び，生活環境を美化し，部落が直面する各種の問題を協働活動によって解決し，行政へ
も積極的匠参加し快適な日常生活ができる地域， これをつくることが急務となっている。
このコミュニティーづくりのすすめは各方面からなされているが，私たちは社会福祉協議会こそ，
その機構匠おいても，その目標の共通性しておいても，運営においても，また広い包含性にないても，
コミュニティーづくりの中核的存在でぱたいかと考えている。
（二）
そこで美馬町では，社協の再出発（てあたり次の基本方針で組織をすすめた。
イ社協は町内の各福祉団体，文化団体，社会教育団体の連絡調整をはかる場であることr
ロ明る＜健康で住みよい町づくりを結集する機関であること。
ハしたがって各団体のお互の研磨向上の場であり，社協自身は執行機関とたるよりも，むしろ
濶滑油的，剌激活力剤的役目を持つものであること。
ニ各団体がそれぞれ提携しつつ，福祉の向上をはかるのであるが，町民の現状は住民全部が何
らかの団体匠属して，その活動に参加する状態ではたいので，部落会を組織して各自のつなが
りを持たせること。
ホ部落会は各団体の方策が住民の個々身辺にまで及ぶ場であり，また自主的な住民運動の起点
でもあること，つまり各福祉政策が縦横経緯自在匠浸透する場とすること。
ヘ協働のエネルギーはサーク叫舌動をもって最とするものであろうが，総ぐるみ体制をとるこ
ととし，全戸加入の網羅組織とすること。
ト行政の関運も考慮し住民の行政への積極的参加も行なうこと。
（三）
以上のようなことで美馬町社協の，理事会も評議員会も，階層別，機能別の団体代表で成り立っ
ているか，眼目としての部落会は歴史的，自然的に住民が形づくって来た生活範囲を基準として組
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＝小地域の組織活動＝＝
織ができた，戸数は3 0 戸4 0 戸程度を包含している。
部落会の中には，総務部，老人部，婦人部，青少年部，厚生部，共済部，等を置き部分で企画立
案実践し，また総会では全体が話し合い，町づくりの歩をすすめている。また老人部，婦人部，青
少年部等はそれぞれ町の団体の支部を兼ねて，組織の浸透性をはかっている。網羅団体，包括的組
織ま，その成立後早々と，空洞化，形骸化が始まりやすいのであるが，また行政サイドからの育成
で出発したものは御用団体となりやすいが，これはお互が自省して運営しているいまた町当局の
まことに理解のある行動で今のところ，正常して運営されている。
（四）
運営状況としては，各団体はその独自の使命に基づいた活勁計画をたて，それを連絡調整し，共
通の活動目標は，社協が中心となっていわゆる協働活勅とし，また社協大会においては，住民の声
を結集し，全社協の共通目標を審議して，その年の活動目標をたててそれを各団体，部落会匠降し
ていくという順序をとっている。
（五）
部落会の組織，役員の選任など，行政サイドからの働きかけ，指導はあったが，方法手順として
は，気長く，民主的に住民の納得の上でということにしたので，全部洛の結成匠は2 年以上を要し
た。今美馬町では6 3 部落あるが，部落活動の指針左ど，バンフレ；；トの配布とか，現地の集会指
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導部落長会や部長会などで，一種のボランテ
ィア啓発を行ない，基準的な活勅はどの部落でも
も行なっており，住民の側でも，行政の側でも，
今や部落会は確固たる存在となっている。また
社協用語で言えば地区社協紀等しい小学校区の
別の連合会が続々と誕生し本年度中紀は全地域
結成の見込である。
＝小地域の組織活動＝ニ
（六）
私は本年度初めに事務局長に就任したのであるが要は，やれ社会開発とか，福祉運動とかの看板
も，要はその本質，その中身が一番大切なので，就任以来，足で成果をかせぐ，方針をとり，掛声
爬終りがちな目標の深徹をはかり，また住民の生の声に接しているが，環境美化とか，献血グルー
プの結成とか，青年の地についた活動とか，いろいろ嬉しい反応が見えて来たことを， 自己の活動
のエネルギーとして，これからも懸命の努力をしょうと考えている次第である。
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＝小地域の組織活勤＝ニ
町ぐるみの社協活動
鳴門市社会福祉協議会
事務局次長如休喜一
社会福祉抱議会の設も根元的な機能は，住民主体の組織活動をすすめていくことにあると思いま
す。社協匠とっては，心配ごと相談事業や世帯更生資金貸付事業などの福祉サービスも大切ですし，
また団体の育成ゃ援助のための活動も必要です。しかし何よりも大切なことは，地域の住民が，自
らの考えを持ちより，自ら行動することによって，自らの問題を解決しょうとする活動を組織化し
ていくことだと思います。
「地域」といっても市全体では広すぎる。そこで私たちは，小学校の校区や旧町の区域を一つの
単位として，いわゆる「地区社協」を設定しました。市社協と地区社協が，それぞれの機能と責任
を明確紀し，ぉ互いが協力分担しながら活動をすすめ，市全体の住民福祉活動を推進しょう一—こ
れが昭和4 2 年度以降鳴門市社協の最重点目標になっています。そして5 年目，地区社協も漸く市
内のすみずみまで結成される匠至りました。
私たちは，地区社協v'C 3 本の柱を立てました。その1 «私たちが主人公です» 2." 人の和と協
カn 3. tt話し合いと実践の場です。》》そして全戸加入で町内会を基盤（Iてして組織づくりを呼びか
けました。民生委員，各種団体の代表も参加して，一つまた一つと地区社協の結成ができました。
地区社協は，私たちが問題を持ちよって解決する場ですから， «関店休業»では意味がありませ
ん。毎月定例会を開いて，活動する社協をめざすこと紀しました。そうなると役員は本当に大変で
す。ただでさえ忙しい仕事や役職を持っておられる方々が多いのですから，会長ゃ事務局長といっ
た特定の役員だけではどうにもなりません。そこで通知や会場の準備，また事業の計画や実践を，
役員みんなが分担し，協力すること『C しました。さら匠；活動のための資金ふ会費を出し合うこ
とにしました。こうして， 「活動する地区社協」の体制が，住民自身の創意と努力匠よって次第匠
ととのえられていきました。
地区社協は，市社協の支部ではありません。独立した組織体です。その性格や機能は，社会福祉
協議会基本要項（全社協策定）紀，明確に示されていますので，地区社協と市社協は，それぞれの
立場を正しく理解し合い，協力提携して住民福祉運動をすすめることVC しました。
実際的には，地区社協は実践的側面が多いので， 「実践団体」として位置ずけし，市社協は，企
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＝小地域な組織舌動＝ニ
画・広報・連絡調整・協力援助などの役割を持つこととした。
4 年前に，黒崎地区社協は野犬をなくする運動を取りあげ，薬殺・犬の登録・つないで飼うを柱
紀して成果をあげましたが，いまでは，殆んど全地区の社協が野犬と取り組んでいます。決して自
慢にならないことですが，野犬対策に有効な手段がないとしたら，生活防衛的な見地から， これよ
り没かに方法はありません。しかし，地区社協に住民が結束して，野犬をなくするため匠活動した
こと紀よって，住民は理屈ではなし応地区社協の実際的左有用性を，肌に感じとりました。それ
は薬殺の成果以上に大きな成果だったといえます。一つの協働活動が，自信と確信を与え次にはそ
れが，新しい問題解決えの勇気と意欲をもたらせ咤した。
市社為は， こうした地区社協の活動， とりわけ汗を流し，骨惜しみし左い住民一人一人の考えや
活動を正しく理解し，それを支え，さら匠活動の輪をおしひろげていく努力をしなければなりませ
ん。
市長が社会福祉に理解があり，熱心たので，社協予算の大部分が市費で賄われている。事務局職
員も市職員が専従している。「市所丸抱え」といった社t弱ですが，地域の住民ととも陀考え，活動
する中で，社協本来の姿を，少しづつではあるが確か左もの匠してきているといえをす。法人社協
への脱皮も，そう遠く左い。その日のため紀私たちはいま懸命の努力をしているのです。
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＝小地域の組織活動＝ニ
推進地区指定を受けるについて
鴨島町社会福祉協議会事務局長馬赳： 正： 一
足のない社協活動を充足するために
本町匹於ても任意団体（社協）が昭和3 1 年1 0 月発足以来住民の福祉向上匠寄与してきました
が，行政の補助機関的色彩が強かったために，地域匠応じた住民主体の福祉活動が不十分であり，
国の福祉施策の進展紀も拘らず，地域社会匠残された諸問題が余りにも多いために，これまでの成
果に再検討を加え， より以上地域住民の理解と支持を強め，社協の基盤を強化するとともに，社会
的信用度を高め高率的に福祉活動を強化してゆく必要に迫られておりましたところ，時たまたま町
政担当者の改選期にあり，現川真田町長の出現となり，従来の町政のあり方に再検討を加えられ「
住民生活優先の原則」が豊かな生きがいのある生活を築く基本的な考え方として提唱され，行政面
匠於ても地域社会への接近の意欲と方法に，大胆な発想紀基く（その時点では）軌道修正が行われ，
町政のキャッチフレーズも「福祉の町鴨島の建設」と改められ，更匠関係方面の要望に答え，町社
協法人化の計画となり，昭和4 4 年6 月頃より事務手続きを隔始，同年1 2 月1 6 日，厚生大臣認
可，明けて4 5 年1 月2 6 日登記手続完了発足したものであります。爾来3 年有半未熟組織ではあ
るが地域福祉関係団体の強い支援のなかで，民間福祉団体として，住民サイドに立って社会福祉活
動を推進し相当の成果をあげていることは関係者の等しく認めるところでありますが，現町社協運
営上にも幾多の問題点のあることを認識するに至りました。即ちコミニティづくりの未完成であり，
したがって， 「国民生活優先の原則」が十分機能していないことであります。これはとりもなおさ
ず高度成長の歪みが限界に達しつつあり，我々の生活の場においても，生活を豊か匠する。基本的
条件が整っていないことを如実Vて物語るものであります。今日青少年婦人を始め住民の価値観が変
り，生活上の意識変革が急速匠進んでいることによるものでありましょう。ここに於て機能集団で
ある。地域社会（コミニティ）形成への役割が重要なものとなる要因があります。ここでわが鴨島
町社協を展望するに現況は理解度の高い有志の集い的一部識者のみの社協の様祖を程し，すべてが
地についていない。いわゆる足のない社協といえましょう。住民参加とか地域ぐるみなど程遠いも
のに感じられる訳であります。例えば環境保全と町美化運動<J`)一環として，不法投棄塵埃の清掃奉
仕を呼びかけても，社協没戚員行政担当職員，青年団，婦人会の指導者階級のもののみの活動匠終
り，社会連帯感に基く地域ぐるみの活動とならたい等の悩みがあり，すぺてはうわすべりの福祉活
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＝小地域の組織舌動二＝
動となってしまい所期の目的とはかけはなれたものになりがちであります。もしこれが連帯意識匠
基く地域ぐるみの福祉活動となれば，不法投棄の清掃作業も一度か二度で町も清く美しくたり河川
の荒廃汚染も一掃されるであろうか住民参加の実をあげていないため，不法投棄もあとを断たない。
これではいつまでたっても堂々めぐりでは成果はあがらないが，その真因は地域連帯意識の欠除と
いわざるを得杢せん。もっとも本町匹おいては，こんな繰返しを見るにみかねた町建設業会が奮起
して社協青年1司婦人会の手を煩することなく，建設業界あげて経済力機動力労力放出による総動員
でボランティア活動匠よる処理作業が続けられているので不法投棄の一掃も近き将来にあり，今後
不法投棄したい運動を盛り上げなければたらないクイムリミットの段階にあり，これらを推進する
細抱組織である地区社棉の必要性を痛感するものであり在す。本町匠於ても発足以来毎年社会福祉
大会を開催し第1 回主題「地域ぐるみで社会福祉の向上をはかろう」第2 回「健康で明る＜美しい
町づくりのため匠」第3 回「住民自らの手で福祉活動を実践しょう」など毎同討議され町民全体の
具体的実践方策を明らかにし行動指針をうちだしているものの大会としては実りあるものとたるが，
実践活動が地匠つかない。想ふ陀町社協の足にたる細抱組峨が未完成であるためといえ杢しよう。
そこでチームワーク（グループワーク）による地域の組織活動を通じ社会開発を行う役割を負う訳
であります。地域社会（コミニティ）形成の基本的段階として小学校区を想定しているようですが，
これは今後の社協活動推進の上に見逃せな傾向といえましょう。幸い本町も森山小学校区が地区組
織推進の指定を受けましたので，これまでの実跡と悩みをふまえ反省を加え，急速た地域社会の変
動に対処し生活福祉上の諸問顆に敏感に対応してゆける地区組織に拡充強化したいと念顧しており
ます。関係方面の限りなきご指導とご支援免。
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＝小地域の組織活動＝ニ
町づ
<
り
土成町社会福祉協議会事務局長荒； ~ 弘章
土成町で、＇ま，昭和4 0 年頃から交通災害を始め，不時の災害並びに外科的，内科的疾病による病
人，けが人などに輸血を必要とすることが増加し始めた。
(1) ちょうど，昭和4 1 年度の会費を町内の各評議員方へ依頼に廻っている際，各所の住民から
「こん日のように事故，病気などで，輸血が特にひどくなってきたとき，町紀おいて輸血対策
が樹てられないものだろうか，いや是非その計画を樹てて欲しい」といが強い要望があったの
である。
(2) 時期を同じくして，心臓障害児を持つある父親から， 「子供が心臓の手術を受けなければな
らないが，その際多量の新鮮血を要するとのことですが，その血液を確保するの紀大変苦慮し
ている。社協の方でも協力を願いたい」と依頼された。
晒和4 1 年5 月の理事会で，当該年度の事業計画の一つになっていた「血液たすけあい」の制度
について再検討した結果，前述（1)(2)の世論，要望，世想などから判断して早くこのたすけあい制度
を確立するよう改めて決議がされ，同年7 月， 8 月の2 ヶ月を通じて血液型判定を実施するよう紀
なった。
その第1 回の目の型判定の対象者は，仕事の上で危険度の高い消防団員を始め，一般住民の比較
的若い人たちに呼びかけて血液製判定を実施，結果6 6 9 人の人たちが塑判定を受けた。
そして， 1 0 月1 日開催の第1 回土成町社会
福祉大会に，わいて， 「土成町血液互助会」を結
成したわけである。
この互助会匠加入した者は1 6 8 名で，これ
を契機として土成町血液たすけあい運勅が始切
しかけた。
その最初のたすけあいとして，昭和4 1 年1
2 月7 日，心臓障害児N 君の手術紀要する新鮮
血たすけあい運勃を展開した。
即ち， 1 5 7 名のB 製の人たち応趣旨を伝
え依頼したところ， 4 1 名の人たちから同意を
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＝小地域の組織活動＝7
得て，予診―ー採血(3 2 名大学生を含む）送血しi岡山県の榊原病院において大手術を終えること
ができた。
同じく心臓害児u 君の手術も，前者同様昭和4 2 年1 2 月1 日，成功裡に手術を終えたのである。
その後お二人の健康状況は至って良好で，現在元気に通学されている。この鮮血たすけあいによっ
て，一般住民の間には「血液たすけあい」の理解と芽ばえが部分的とはいえできてきたのである。
遂年交通事故，病気などが激増し，社協備え付けの「血液型台帳」を利用する町民も漸次多くた
り，現在までにこれを利用した数は2 5 件余匠上っているが，全体的匠云ってこの制度の活用は市
だまだであって，今， どうやら形づけができたに過ぎそいのである。
従って， これからは，（ 1 ）住民一人一人がこの血液製判定を必らず受けておくこと。(2洛血液型台
帳を町内7 4 支部の評議員宅たそれぞれ送り備え付けてわいて，いっ，いかたる場合匠おいても直
ちに適切た「町ぐるみの血液たすけあい」ができるよう，その態勢を整えつつある。
昭和4 7 年9 月1 0 日現在の各血液型判定者の数，内訳は次のよう紀たっている。
一般＝ A 型5 5 0 名B 型2 7 0 名O 型3 1 0 名
A B 型1 1 0 名計1, 2 4 0 名
消防団員＝ A 型9 6 名B 型4 8 名O 型4 8 名
AB 型2 8 名計2 2 0 名
中学生(4 3 年度より現在まで） 2,967 名以上のような経過で現在に至っているが， この町ぐ
るみの血液たすけあい運動を展開する冗当って，いろいろな問題紀ぶっつかりながら今日に及んだ
ことも見逃がせない事実であり，研究課顆も又幾つかある。
血液不足から起きた売血時代があって，正常な献血へと移り変った現在の献血制度も，一般住民
からそう喜ばれるものでなかったし，理解度も低凋なものであったと思うし，現在においてもそ
の障害があることはいなめない事実で，わが土成町たおいて「血液互助会」の制度を設けた直接の
原因も，輸血後匠出てくる肝炎の問題で，或いは退院した者から，手術後肝炎Vて苦しんでいる。他
方，新鮮血を輸血した人は，手術後の回復が非常匠早い，など一—とVてかく，鮮血が欲しい訴えが
各地方で聴かされ，要望されたことである。
第2 vては，本町の会長がお医者さんであるため，新鮮血の供給制度が一番望ましい一ーと云うこ
とを確認したこと。
もう一つの原因は，終戦後の民情ぱ，遂年人閲性を失い，薄情となり，利己主義となり，社会人
としてのモラルは日一日と減退し，われわれ地域社会の福祉発展を阻害するような時点をむかえた
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＝小地域の組峨活動＝ニ
ことであった。
このような社会環境から，一つの福祉増進の策として，町民直接の「血液たすけあい」によって，
尊い生命を守ると同時に， 「血を分ちあったお互いは，親子，兄弟，姉妹の関係となったのである
から，何も可も肉身同様である。この思想，信条によって，わたしたち「土成の町」と云う地域社
会のすぺての問題は，ぉ互いが自覚，尊重，協誨しあって「しあわせ」をつかみあう。つかみあい
たいと云う考え方に外ならないのである。
少し慾ばりとは思うが，何とかこの地域ぐるみの「血液たすけあい」の輪が，早く各地域に広が
って，徳島県はもちろん，全国に，心からの「たすけあい」が展開されるようVてならないものか，
と希望しながら土成の「血液たすけあい」運動を続けている。
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＝福祉随想＝
効果的な役員の活用を！／
徳島県社会福祉協議会理事今· 津忠能
日本列島改造論に端を発して，社会改造論，企業改造，はては人間改造論まで飛びだす改造プー
ムの昨今である。この筆法で社会福祉協議会の改造論をぶっつもりではない。が，激動する社会に
対応しての社会福祉の諸問題は益々重要性をおびてきた。私は日頃社会福祉協議会のあり方につい
て思索していたことどもについて機会を与えられたので申し述べたいと思う関係者各位のご批判を
仰きたい。
• 原点をさぐる
徳島県社会福祉協議会発行昭和4 7 年度版＂社会福祉の窓»社協の項で『社会福祉協議会の基本
的機能とは～コミュニティ・オーガニゼージョの方法を地域社会紀たいし総合的匠適用することで
ある．．．Jと説いてある。住民福祉を増進することを目的とする自主的た組織であるならば社協活
動が地域住民Vてもっと巾拡＜滲進しなければたら左い筈のものである。現社協の実態の多くが財源
の都合もあらうが行政の分室みたようで本来の目的，性格にそっていたいと疑問をもつ。｛）とより
官民一致の路線はよいとしても，むしろ社協が原動力となって行政を動かすとともに地域住民福祉
運勅匠地域たあった独自の発想で推進すべきものだと思う。
◎組織
県下で法人化されていない市町村社協が6 3% もあるという。一日も早く法人化されるよう望み
たい。
次に役員構成であるが溝成基準にのつとつて選出されているものの名を採（と）り実を欠ぐ嫌い
があるが，社協発展を左右するポイントである。一考すべき課題である。
• 事業計画と役員の参画
事務局が立案会長の決済を得て理事会評議員会を召集，大いに討議する場合もあるが，おおむね
型の如くおわりしかも短時間で片づけてしまう。役員といえども計画案が素通りしてしまうことが
多い。そこで一段階前の設置を提唱したい。
没員はそれぞれ福祉関係のプロであり実践家である筈だ。部会をもうけ代表者が相集い地域住民
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＝福祉随想＝
がい杢がてをのぞんでいるか資料をもちより事業計画をねり事務局が運営可能と考える意見統一を
して実哉に運ぶという方法をせられることが良しと思うがどうであろうか。要は事業計画が作文だ
と非難されるのを防ぐためである。
• 最近思うこと
先日那賀郡木頭付長が，ある村民との会合席上で『当村は自然環境匠恵まれている。来年度は自
然を生かした子どもの遊び場をつくりたい。昔は子どもにとって山は労働の場でしかなかった。た
とえば薪とりもそのうちの一つである。山あるが故に里の子とらがった苦労をした。山を子どもの
遊び場紀変えたい，具体的紀いうと山の項上へ幾本もの遊歩道路をつくる。時としては子ども（疋山
登り競技させる四季変化の草木の名も教える。道路開拓については必ず予算計上するので皆さんは
労働力を提供して下さい」居並ぶ父兄は大拍手で誓った。同席していた私は心温まるものを覚えた。
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＝福祉随想＝
社協活動をキャッチフレーズで
徳島県広報課課長哺佐 佐 坂 武 男
世の中はどんどんと変ってゆきます。経済発展・過密化・過疎化，核家族化・老年人口の増加な
ど，その他いるいろ……と。
いずれ紀しても変化していることは事実ですから，社会福祉活動もこれ匠対応したものでなけれ
ばなりません。そこで，思いつくまま匠，ごくありふれたお願いる一つ。
xx xx xx xx
社協活動を親しみやすいキャッチフレーズで表わしてぱどうでしょうか。
「コミュニティづくりと社会福祉」などと云われても，一般住民紀はピンときません。もちろん，
地区組織活動匠あたってわられる住民指導者や民生委員さんは，……地域共同（本うんぬん•••…とい
うことぐらいはおわかりの吐ずです。しかし，そのわかっている指導者層から，地区住民（Iて，本当
の意味が充分ゆきわたっていないようた思えてなりません。社協活動の強化方策しても述ぺられてい
る「……住民主体の運動であるということを明確Vてする意味紀ないて，以下住民福祉運動と呼ぶこ
と冗した。……」ということは，非常匠わか・りやすくて良いのですか，．．…•その主体であるべきは
ずの大多数住民には， これでもまだ，ハッキリしないのではないでしょうか。
社協活動の流れ方は，従来， どうも指導者層のみたかセよっていたような気がします。
いっそのこと思いきって，たとえば，……「OC文）の街づくり運動」とでも， ひとことに統一し
てしまってはどうでしょう。従来からよく社協指導者層でのみ使われている専門用語（？）的な言
葉は， このさい，いっさいやめてしまうのです。「街づくり運動」に，各市町村ごとにそれぞれの
特色をもたせた「000 」を冠したキャッチフレーズの中には，その地区社協活動の調査・計画・
広報。実践・分析などの必要事項をすぺて含めてしまいます。要するに， 「000 の街づくり運動」
という呼びかけだけで， 「ああ，社協の活動だな，ょし，それじゃ参加しょう。…．．．」ということ
Vてなってもらいたいものです。
まとそのしまうが，とかくせまい範囲の活動に考えられがちな社会福祉を，変りゆく時代た即応
した広い範囲の分野をも含めた活動に， イメージチェンジする効果も果すと思います。一例ですが，
長野市では， 「みどりのこだま」というキャッチフレーズで，市民からの市役所への注文をすぺて
統一しており，大成功しているそうです。市政への市民総参加方式を，このような親しみやすい言
葉まで表わしたものです。その内容も， 「みどりの発言」（市民が意見を述べる会） °「みどりの
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＝福祉随想＝
テープル」（市政を語る市民のつどい）……などと，すべて「みどり」で統一しています。全く新
らしい応聴制度であり，変化する時代に対処した面白い方法だと，感心しました。
これと同じように「000 の街づくり運動」が，その地区住民の社協活動一ー即，自主的住民活
動とまでなるように親しまれてこそ，民閻福祉活動の一番最初の一つの前進となるのではないでし
ょうか。
ごくありふれた提案ですが， どなたか， もっと親しまれそうな良い「言葉」を見つけてくれませ
んか。
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＝福祉随想＝
もっと子供のことを考えてほしい
徳島児童ホーム園長佐藤孝義
ホームで生活している子供は，み、たそれぞれに特徴があり，個性的で将来が楽しみである。5 年
生のY 君は魚釣りが好きで，ホームの前の運河で暗くなるまで糸をたれている。ヘドロや洗剤で汚
濁した河でも，ボラやハゼときVてはうなぎなどが釣れるものだから，夕食Vておくれてしかられても，
やめられない。
1 年生と3 年生の兄弟S とD は，方向感覚と健脚紀おいて抜群である。彼らがホームヘ来てすぐ
夏休みになった。つかまった亀がしばらくして手足を伸ばし， もがいて逃げようとするように， 2
人はホームにたれてくると自由がほしくたった。特に山がこいしかった。はるかに見える眉山が彼
らを誘った。2 人は歩いて眉山山頂へ遊びに行き，それ以来しばしば無断で遠くへ遊び紀行った。
こんな子供たちが，学校ではどうもう杢くいかたい。Y 君ぱ1 時間の授業も我慢出来なくて，他
の教室へ遊びVて行ったり，屋根に上ったり自由奔放（Iてふるまっている。受持の先生があきらめて注
意も出来ないお気持を察するのである。S は気紀入らないとよくすねるのであるが，そのすねかた
がひどい。初めて登校した日に，自分のカバンの中味をほうり出したことから，学校ではS にたい
するイメージを固定させたようである。「この子もY のように，問題児である」と。
学校では，両親が揃っているの匠親が責任を果さず，地域も拒否して，子供たちが施設匠入って
転校してくるといった事態に困惑している。無理も左い。静かで落付いた住民地の児童が集り，秩
序正しい学級運営をして，教育効果をあげているところへ，常識からはみ出た子供が聞入するのだ
から，迷惑な話である。「何でよそでう杢くいかない子供をうちが面倒みたければいけたいのか」
といった問題が起るのは当然であろう。私たちは，子供をかばう気持から，子供の問題行動や背景
匠ついて充分説明したいことがある。「子供は悪くない」というこちらの気持が正しく伝わらない
で不信感を喚起することにもなる。
学校でl吋る子供は，とりもなおさずその地域から拒否されることである。先生方がどんなに教育
的情熱をかたむけて受け入れようとしても，学習活動を妨げる子供の存在を，p (親）は決して許
さないだろう。
養護施設に入って来る子供はたしかに行動の面で問題があるかもしれない。しかしそれは子供の
環境をつくり，正しく養育し訓練することで失敗した親の無責任，無能力を告発しているととれな
いだろうか。又親の失敗は本人の責任以外に，個人の力を越えた大きな問題，社会問題と関連して
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＝福祉随想＝
いる。私たちはもっと子供を理解し，子供のことを考え，受け入れなければならない。
子供の面倒を見きれない程日本の社会は未熟ではないはずだ。
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＝福祉随想＝
老人世話ホームの早期建設を！！
特別養護老人ホーム和光園事務長井川敏
石の上にも3 年といいますが，県下ではじめての施設で寝たきり老人を収容する特別養護老人ホ
ームとして発足以来3 年と7 月，職員はすぺて未経験者，事務も給食も老人処遇業務も全く手さぐ
りではありましたが， 3 年たった現在ではようやく軌道匠乗った感じで先進府県なみの体様をとと
のえて参りました。現在9 0 名の不遇な老人を収容しておりますが，この人達の生活歴をみます匠，
特養へたどりつくまでの長い人生ぱ誠匠多難多様多様で， 9 0 名のうち約7 0 %が直接家庭から入
所しており，内容を大別すると4 つの型紀分けられます。(1)若い時から家族を捨てしたい放題の末
身よりもなく又あっても省りみられたいもの。(2) 家族はあっても生活苦から世帯の重荷となりうと
まれて入るもの。(3) 自分の性格から家族と不仲となって入るもの。(4)心身の老化から家族単位では
面倒がみきれなくなったもののとなりますが，核家族化の進むにつれて一人暮らしの老人が次第（／て
増加し，昭和4 5 年1 0 %, 5 5 年1 5 %, 6 5 年1 8 %となる老令人口の諸問題と共紀，大きな
課題とされております。国及び県では施設の拡充或いはワンセット・ジステム化等が計画され，又
市町村紀は老人家庭奉仕員もおかれてはいますが，残念ながら現状では臭い物匠ふたをする式の感
を禁じ得ません。田中首相の列島改造匠さきがけて，せめて老人問顆だけでも，何とかなる抜本対
策はないものだろうか。
幸いこの1 0 月匠山梨県の民間施設で老人世話ホーム第1 号が， 1 1 月紀は大阪市の第2 号が涎
生する。誠に喜こばしいことであるがこれからの老人問顆は一部民間の社会事業家や篤志家やボラ
ンティア活動で解決できるものではなく，国をあげて社会全体の力で取りくまねばならないもの，
そこで一言申したい，現在の施設拡充計画と併行して，各市町村に老人専用居宅，いわゆる世話ホ
ームを早急に作れ左いものだろうか。その筋では一人7 坪の居宅を考えているようであるが，この
際思いきって，一人1 0 坪， 8 畳1 間押人，台所，風呂，便所，玄関付き鉄筋2~3 階建の住居が
建築できれば解決するのではないでしょうか，健康な間は老人専用居宅で，家庭奉仕員も助かりき
す。居宅から養護老人ホーム～特別養護老人ホームヘと，ワンセット， 、ンステムと同じ効果があげ
られます。最近よく報導される1 人暮らしの老人の悲惨た事故も，なくをるであろうし，施設へた
どりつくまでの本人なり周囲の人達の悩み，不安，苦労もなくなります。現在の社会慣習を打ち破
って， ある一定の時期，年令に達したならば一人暮らしの老人は或いは老夫婦でも老人専用居宅に
何の抵抗もなく，当然入居することができるような，精神的社会環境作りをも，併せて行たい，次
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＝福祉随想＝
第に増加する老人達が，安心して平和な老後を迎えられる時代の，一日も早やからんことを，念願
してやみません。
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＝福祉随想＝
地域社会と保育所
光の子保育園長黒田保郎
小学生のインタピュー
昨年の事，近くの小学生が，保育所について， 1 0 数人も聞きにきました。社会の教科書厄住
民の要望，議会の働らきなどにより，保育所が増設される過程がのせられてありました。それで実
地に聞きに来たわけです。
ともかく，母親の就労の増加などによって，保育に欠ける子が多くなって，保育所増設と云う筋
書です。その主題は，住民の要望が政治を動かし，民主主義の原理を教えようとしていました。
社会の教科書に，住民の要望実現の例に， 1呆育所があげられている程，福祉の分野で，地域社会
と，密接に結びついているのが，保育所と云えるからでしょう。
地域社会とは
地域社会とよく云われますが，その意味する事が， よく理解されているでしょうか。
戦前，家族制度のうち匠，封建的な部落意識に支えられた社会構造は崩壊しつつありさすの地区
のお祭りふ統合されたり，簡素化されて，昔の面影が少くなりました。おみこしをかつぐ若人が
いない社会状勢は，変化に拍車をかけてさえいます。
その地域社会の変化にどう対応しているのでしょう。婦人会，子供会，老人会等の活動も， リー
ダーのいるところはまだしも，政治がからんで来ると，低迷している状態ではたいでしょうか。
戦後， コミュニティと云う言葉は，共同募金紀よって一搬化されたと思います。スイスの山村の
牧師が， 「与えよ，取れよ」と書いた木箱（チェスト）を謹いたのが起源とか。富者は金を入れ，
貧者は金を引き出した。割当とか，街路での募金ではなく，共同意識，自発性，無償性が木箱の本
質でした。
この木箱の精神がコミュニティを，本当匹支え，生命と活勁を与えると思います。
保育所のビジョン
私はこのごろ，大人はやり直しがきかぬので，幼児匠希望を託し，平和で明るい，生きがいのあ
る地域社会づくりは，幼児よりと申したいのです。
社会の変化と共に，保育に欠ける子の増加は当然ですが，親らしさ紀欠ける親が増えている今，
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＝椙祉随想＝
保育所の使命は大変重いのです。
又地域社会の幼児，家庭のセンクー的役割を担うぺきと云う意見もあります。現在の保育所の体
制では，すぐには応ぜられぬのですが，無視出来ぬ意見です。地域社会づくりの根本である。家庭
や幼児の相談や，研修などの出来る内容が整ったすばらしい事です。
そのためにも，保育所自体も，意識の変改が必要です。刑務所に通ずる吋所»でなしに公園，
花園に通ずる。＂幼児の楽園»にすぺきです。一層地域社会のために，共同意識， 自発性，無償性
の精神がにじみ出る保育園になる必要があると感じています。
、Cゾ
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＝老人相談所＝
8 9 人の老人に職場斡旋
県老人相談所一年間の実績好調
徳島県老人相談所
昨年7 月1 日発足した県老人相談所は，関係行政機関，団体，マスコミ等の積極的なこ＾支援をう
け，本年6 月末日までの1 年間の実績は，求職者数2 5 2 名，求人数2 5 2 名， この中で各職場へ
紹介したものは2 0 8 件，めでた＜就職が決定したのは8 9 件となり，開設以来順調な運営がなさ
れている。特に4 7 年度から職員が1 名増員され，専任3 名，兼任2 名で相談業務に当り，徳島市
以外の老人の相談をうけるため4 7 年1 0 月から鳴門市，小松島市，阿南市の3 市でも毎月1 回出
張ポ目談を行なうこと（たなった。また徳島市福祉会館内匠この相談所を開設していたが本年5 月1
日から事務局を県庁内南の木造別館に移転している。
• 1 年間の実績
業務取扱い状況
日日
10
3
7 ハAi
67[
44
昭昭
自至
¥ 男女計摘要
新規求人数19 7 55 252 1 求人男女比男78% 女2 2 %
新規求職者数 2 14 38 25 2 |2求 職 ” 男85% 女 1 5%
紹介数18 3 2 5 208 3紹介匠対する就職率43 笏
就職者数8 0 , 89 4求職者紀対する就職率35 %求職者の年令別
I
I
区分男女計率
6 0 ~ 6 4 オ96 26 1 2 2 48 %
6 5 ~ 6 9 オ73 , 8 2 33
7 0 ~ 7 4 オ35 3 38 1 5
7 5 オ以上1 0 ゜ 1 0 4
計21 4 38 252 I 100 oJi
求職者の最高年令は8 3 オ（男）であった。
なお，求職者を居住地別にみると徳島市内在住者が7 4 ％と最
も多く，名東郡，勝浦郡を除いて眼下各郡市から申込みがあった。
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＝老人相談所＝ご
3. 就職者の状況（年令別）
区分男女計
6 0 ~ 6 4 オ34 7 4 1
6 5 ~ 6 9 オ33 2 35
7 0 ~ 7 4 オ1 3 ゜ 1 3
7 5 オ以上
計80 , 89
就職者の最高年令は7 4 オ（男）であった。
• 相談所の事務局移転
昭和4 7 年5 月1 日から
県庁，南木造別館内匠移転
0 場所―ー徳島市万代町1 丁目
0 電話―-0 8 8 6-2 2-9 2 0 5
県庁内線22-1111 （内線5 9 6)
• 出張相談の実施
昭和4 7 年1 0 月から
率
46 笏
39
1 5
1 0 0 %
毎月鳴門市，小松島市，阿南市へ相談員が出張して相談をうけます。
毎月
第2 火曜日午前9 時～午後3 時鳴門市社協
第3 水曜日" 小松島市社協
第4 金曜日,, 阿南市社協
＜註＞ この日が休祭日の場合は繰下げて実施しますので
電話等で各市社協または県老人相談所へお問合せ
下さい。
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＝善意銀行＝＝
徳島県善意銀行の預託と払い出し状況
＜預託者＞
徳島市昭和町
阿南市富岡町
徳島市富田浜
徳島市中通町
徳島市南田宮
徳島市国府町
徳島市応神町
徳島市栄町
徳島市東新町
徳島市佐古一番町
麻植郡鴨島町
徳島市富田浜
徳島市新内町
徳島市幸町
徳島市北前川町
板野郡松茂町
徳島市佐古1 番町
徳島市北島田町
徳島市昭和町
芦屋市竹園町
徳島市栄町
徳島市昭和町
徳島市中昭和町
(S 4 7. 4. 1~9. 3 0)
四国日の出バラスKK
宇川エキノ氏
県営駐車場職員一同
徳島東ロークリークラプ
2 0,0 0 0 円
3,0 0 0 円
5,0 0 0 円
5 0, 0 0 0 円
四国コカコーラボトリングKK コーラ， ファンク1 7 D 本
玉屋製バンKK
，，ヽレルャ製菓KK
主婦の店キョーエイ本店
ニコニコ玩具店
明治乳業四国支店
寿し辰
徳島相互銀行本店
谷口記平
ペン4 40 個
金長杢んじゅう 3oa 1固
菓子2 a a 袋
おもちゃ80 点余
ワッペン1 50 個
おでん原料労力奉仕
紙カプト帽子3 00 枚エンピッ250 ケース
プロパンガス， ボンペ， コンロ提供
四国放送KK E P レコード1,1 3 D 枚
近藤チマ子衣類20 点
岡芳夫バンド演奏
原晴（香典返しにかえての寄附） 1,0 0 0,0 0 0 円
三星ポウル施設児童をボーリングに招待
藤原普（病気全快祝に替えて） 2 0,0 0 0 円
鎌円久男（香典返し紀かえての寄附） 2 0 0, 0 0 0 円
主婦の店キョーエイ菓子袋52 0 袋
岡京子2 0,0 0 0 円
県立母子福祉センクー座布団8 点布団2 5 点毛布4 点
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＝善意銀行＝ニ
＜払い出し＞
5/ 2 徳島県自立会厄作業衣購入補助として1 0,0 0 0 円
5/ 5 "こどものまつり» 心の里親会が中心となって施設の児童11 0 人と里親4 0
人を招待して，各方面のご協力をいただき徳島公園の千秋閣で1 日，奇術や人
形劇と楽しんだ。
5/ 19 あさひ学園の誕生会紀岡さんを中心として4 人のバンド演奏払い出し
5/ 26 家庭奉仕員総会に補助
5/26 婦人相談所へ， ドイツ館見学補助
6/ 5 盲児施設徳島ライトホーム紀衣類3 0 点払い出し
6/ 12 軽費老人ホームにつき，プロローグ紀水木流舞踊
7 / 7 肢1本不自由児施設・ひのみね学園と曝立乳児院に原さんの香典返し（てかえての須
託のうち， 3 0 万円ずつ 2 カ所侭指定払い出しぅ..
7 / 29 養護施設野球大会に助成
8/ 3 徳島市内の施設児童5 0 人を三星ボウル紀招待，善意銀行賞を出す。
9/ 8 敬老県民の集い厄生田流箪曲を
9 / 15 県療養者連合会の6 0 才以上の老人5 0 0 人余にクオルと菓子袋を贈呈
9 / 19 第6 回全国盲ろうあ者体育大会へ派遣補助
9 / 27 徳島市立徳島母子寮へ布団2 5 枚，座布団，毛布， マット等を払い出し
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＝人事往来＝ニ
年今～ 人事往来至今ヤ
＜県厚生課の異動＞·
※転入
4 7 年9 月1 日付厚生部副部長
4 7 年4 月1 日付厚生課長
”
主
幹
"
庶務係長
”
社会係長
”
援護係長
※転出
47年8月31日付神奈川県衛生部衛生室技幹伊達和男
（厚生部副部長）
47年4月1日付農林水産部参事
”
馬詰和夫
（厚生課長）
立石昌雄
（庶務係展）
', 青少年婦人課課長補佐佐原芳明
監査事務局監査補佐
清久敏亮
（兼公衆衛生課長）
提康
（県教委総務課）
田中春男
（脇町福祉事務所）
若松福已
（中央福祉事務所）
山崎武男
（同和対策課）
二木元昭
（鳴門商業高校）
（社会係長）
,( 同和対策課課長補佐板東和幸
（援護係長）
※退職
4 7 年6 月1 日付主幹沢田富雄
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＝人事往来＝＝
＜県青少年婦人課の異動＞
※転入
4 7 年4 月1 日付青少年婦人課長椎野宏
（林政課）
” I 課長補佐中Ill 守
II （監査事務局）
" " 課長補佐佐原芳明
（厚生課）
※転出
4 7 年3 月3 1 日付厚認社会保険庁医務保険
部健 保佐船険課員 斉藤治美
課長補保険課課長補佐
” 架橋対策室長谷崎貞
fl 公害課課長補佐和田利春
” 広報課事務主任松原浩
＜渠社協の異動＞
※採用
4 7 年6 月1 日付事務局長大塩利延
4 7 年7 月2 日付老人f目談所総務係長千棒富三郎
※退職
4 7 年6 月1 日付事務局長町弥
" 老人相談所総務係長梶本良雄
＜県共募の異動＞
※昇格
4 7 年7 月1 日付事務局長岡川正道
（事務局次長）
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＝事業・行事予定＝ご
苧～行事
予
定→～
第2 回青年国際交歓のつどい
とき4 7 年1 0 月2 0 日～ 2 3 日
ところ徳島県下
内容ト・イツ青少年団を迎え，本県青少年とスポーツ，討議等の交歓を通じ国際感
覚を高め次代を担う中堅青年の育成をほかる。第1 回徳島県老人体育大会
とき4 7 年1 0 月2 9 日
ところ鳴門総合運動公園
内容老人の健康和呆持し，老後の生がいを高めるため，老人に適したスボーツを
普及する。全国社会福祉大会
とき4 7 年1 1 月1 日
ところ東京都久保講堂
内容共動募金運動2 5 周年を記念して表彰を中心とした大会
古市町村社会福祉協議会役職員研修会
とき4 7 年1 1 月2 1 日・2 2 日
ところ嗚門市旅館＂水野»
内容社協の基本的な問題について計議し，今後の活動指針をみいだす。
講演住民福祉運動をすすめるために全社協地域組繊部長河田正勝第1 6 回徳島県社会福祉大会
とき4 7 年1 1 月2 9 日
ところ徳島県郷土文化会館
内容共同募金運劫2 5 周年を記念した表彰中心の大会
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＝事業・行事予定＝ニ
記念講演精神の長寿慈恵医大教授新福尚武
＊第2回保育まつり
とき48 年2 月1 1 日
ところ徳島県郷土文化会館
内容未来を創造する豊かな人閤性をもった子どもに育てるための保育者の集い。
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編集後記
徳島県社協では，広報活動の一環として『とくしま福祉広報』を年2 回発行しているが，今回は
＂コミュニティづくりと社会福祉»を特集した。
現在，住民が真に健康で文化的な生活を営むことのできるコミュニティづくりを各方面から大き
くとり組もうとしている。
本県Vておいても地方公共団体（県や市町村）を始め各民間団体が，この課縣をとりあげているが，
目的は同じてあるのに各分野で推進する方法は違い，各関係機関，団体の連絡調整が不充分であり，
また住民主体の自主的な住民福祉運勅が積極的紀推進されないと真のコミュニティづくりの成果は
期待できないと考える。
今回発行する＂とくしま福祉広報»庇45 のなかでは，
コミュニティとはなにか
コミュニティづくりはなぜ必要か
コミュニティの今日的な意義
コミュニティづくりと取りくんでいる各機関，団体の活動
小地域の地区組織活動
"福祉随想»
各分野からの社会福祉と社会福祉協議会に対する提言
等を主としてもりこみ◇機関紙としての伎割をはたすととも匠◇社会福祉関係者の研修資料
匠活用する。そしてなおかつ◇福祉随想で社会福祉協議会の活勅指針を見い出そうと大変よくば
った編集を行なった。
この広報が効果的匠活用され，今後の社会福祉を進めるうえでの参考紀なればと念願するもので
す。（松永）
とくしま 福祉広報 No. 45
発行日昭和4 7 年1 1 月1 日
発行所徳島県社会福祉協議会
徳島市万代町1 丁目
TEL 0886-54-4461
発行者大塩利延
昭和47 年度
社会福祉の窓（役職員録）
徳島県内の市町村社会福祉協議会の役職員
社会福祉施設の職員
社会福祉関係団体の役職員
関係行政機関の職員
定価500 円
発行徳島県社会福祉協議会
シンボルマークを美しくデザイン
社協バッチ
製作ー全国社会福祉協議会
昭和47年6月制定
定価450 円
県・市町村社協の役職員は
全員このバッチをつけましょう．I
申込みは・・・徳島県社会福祉協議会
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