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【とくしま福祉広報】No.39

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No. 39 昭和40年1 月1 日発行
とくしま福祉広報
年頭の

徳島県知事


社会福祉事業関係者の皆さん明けましてお目出度うございます。
昭和40年の新春を迎え皆様方におかれましては,さらに決意を新た
にされてそれぞれの業務に益々意欲を燃やして居られることと思いま
すが,本年も社会福祉事業にとってよりよき発展がありますよう心か
ら祈念致します。
最近の社会福祉事業は,ともすれば経済発展の急激な波に押し流さ
れそうな形勢にあり,今年もその波は続くことが予想されます。経済
発展もつきつめて行くとその目的は, 「住民のしあわせ」以外にない
と確信します。経済発展と社会福祉は両輪の輪の如くあらねばならな
いということを社会福祉事業関係者は十分に理解し,これに対応する
心構えを持つことが必要であると思います。県としましても,これら
の事を行政の中におりこんで積極的に社会福祉事業進展に取り組んで
行き度いと思って居ります。どうか本年も益々お元気で「住民」のし
あわせ」を旗印にかかげて,本県社会福祉事業発展にこ‘尽力あらんこ
とを切望して,年頭のご挨拶に代えさしていただきます。
昭和40 年1 月1 日
原菊太郎
謹んで新春の御祝詞を申し上げます
新しい時代に即応した社会開発を,人間福祉向上のため,今年も
地域ぐるみの社協活動を推進したいと考えます。
関係者各位の暖かい御支援と御協力をお願いします。
昭和4 0 年1 月
徳島県社会福祉協議会長
副会長
副会長·
副会長
事務局長
伊森田万町
東本処野
董八治ヱ

種栄ハ弥
徳島市万代町1 (県庁内) 社会福祉法人徳島県社会福祉協議会
_________________________________

くもくじ>
I 第8 回県社会福祉大会開かる・・・5
世帯更生資金の償還実績向上に努力しよう・・・4
心配ごと相談所連絡会開く・・・6
小松島市社会福祉会館が落成・・・ 7
毎月5 日子どもの日(小松島北校地区社協)・・・8
みんなで明るし)お正月を・・・9
那賀郡町村長ら滋賀県を視察・・・10
昭和39年度の共同募金に憶う・・・10
中央児童福祉審議会保育制度特別部会報告・・・12
老人福祉施策に関する社会福祉審議会中間報告・・・14
_________________________________

社会福祉事業の社会的地位を向上しよう
一~8 回県社会福祉大会開かる一一^

  • 5 -
    昭和39年度,第8 回徳島県社会福祉大会は, 11 月18 日,徳島市徳島ホールで、急速な経済成長に伴
    う新しい家庭福祉と地域福祉のあり方、を大会主題に約800名の関係者が集って開かれた。
    大会は,まず物故社会事業関係者に対して黙祷をささげたあと,大会名誉会長(武市副知事)の式
    辞,大会長として伊東県社協会長浜名県共募会長の挨拶があり,続いて表彰並びに感謝状の贈呈が
    行われた。
    合名誉大会長表彰

  1. 民生(児童)委員功労者(5 名)
    小松島市井上皆太郎
    ” 郡有信
    牟岐町中西幸
    土成町坂東猪市
    日和佐町谷ステ子

  2. 保育事業功労者(1 名)
    阿南市花本妙子

  3. 模範母子家庭(2 名)
    徳島市博田ハルヱ
    穴吹町山田アサヱ

  4. 優良団体(1 団体)
    徳島市佐古少年補導センター
    *大会長表彰

  5. 社会事業功労者(1 名)
    東祖谷山村藤本富助

  6. 民生(児童)委員功労者(28 名)
    徳島市山本真一外27名
    ふ保育事業功労者(5 名)
    徳島市福岡久子外4 名

  7. 模範母子家庭(3 名)
    _________________________________

4 -
徳島市吉岡マツノ外2 名
5. 優良里親(2 名)
小松島市本間マサエ外1 名
6. 社会事業協力者(1 名)
徳島市板東米子
7. 優良団体(1 団体)
阿波町伊沢長寿会連合会
合大会長感謝

  1. 社会事業協力者(37 名)
    徳島市木村勝外36 名
    *共同募金会長表彰並びに感謝

  2. 個人の部(13名)
    徳島市田村泰浄外12 名

  3. 団体の部(12 団体)
    川島町JI I 島婦人メコ入外11 団体
    5 . 感謝状個人の部(8 名)
    徳島市梅田と声にコ子外7 名

  4. 感謝状団体の部(16 団体)
    徳島市勝占東部婦人会外15 団体
    なお,大会は午後,低所得階層の福祉対策など当面する5 つの課題について全体討議を行い,大会
    宣言,大会決議を採択したあと, 日本社会事業大学教授,谷川貞夫先生の記念講演ヽ社会福祉の世界
    的動き、を聞き午後4 時閉会した。
    |――世帯更生資金の償還実績向上に努力しよう一__」
    住民のしあわせを高める運動として,低所得階層に貸付する世帯更生資金は,昭和30年発足以来本
    年12 月末現在で3,977 世帯, 131,677,494 円が貸付されている。
    ところが,この償還については,次第にその成績が悪くなりつつあり,昭和39年12 月1 日現在では
    51 %と全国平均76%をはるかに下廻り,県厚生課から今後の償還指導を強化するよう指示されてい
    _________________________________

  • 5 -
    る。
    県社協は昭和39年末(昭和40年1 月~ 5 月)に各市町村へ償還督励指導に出向くほか,各市町村社
    協,担当民生委員にも貸付後の指導を強化し,悪質者には適当な法的措置も考えており,関係者のご
    協力をお願いしている。
    世帯更生資金市町村別償還状況表(昭和39年12 月1 日現在)
    市町村名I イ貨還計画額償還済額1 償還率II 市町村名1 償還計画額I 償還済額1 償還率
    徳島市l 10,253,277 4,160,482 40.57 藍住町221,675 117,925 53.19
    嗚門市1,862,076 991,694 53.25 板野町315,964 150,559 47.65
    小松島市3,173,179 1,666,848 52..52 上板町375,040 243,250 64.85
    阿南市1,525,798 826,975 54.19 吉野町90,000 57,500 63.88
    土成町313,835 198,563 63.26
    四市計16,814,330 7,645,999 45.47
    板野管内計 3,837,994 2,159,183 56.2:
    勝浦IIIJ 523,120 473,246 90.46 市場町482,725 292,695 60.63
    上勝町169,690 162,779 95.92
    阿波町508,430 293,390 57,7(
    佐那河内村140,700 124,450 88.45
    鴨島町1,002,455 415,888 41.48
    国府町409,000 193,000 47.18
    川島町696,952 355,417 50.99
    石井町399,687 169,098 42.30
    山川町315,600 116,925 37.04
    神山町328,560 241,070 73.37 美郷村49,170 24,170 49.1~
    勝名管内計1,970,757 1,363,643 69.19 木屋平村139,490 92,255 66.E
    那賀川町525,520 171,615 32.65 管阿波内麻植計3,194,822 1,590,740 49.7S
    羽ノ浦町693,470 473,909 68.33
    脇 町 21' 〇 ,870 155 , 570 63.2~
    鷲敷町51 5, 751 144,489 46.05
    美馬町895,646 479,737 53.56
    相生町31,395 10,340 32.93
    半田町145,970 128,270 87.87
    上那賀町50,675 45,675 90.13
    貞光町59,200 32,950 55.65
    木沢村10,000 ゜ ゜ 一宇村145,175 107,7031 74.18
    木頭村110,175 102,520 93.05
    穴吹町228,660 135,270 59.15
    那賀管内計1,734,966 948,548 54.67 美馬管内計1,685,521 1,017 ふ00 60.3:
    由岐町281,855 127,502 45.23
    三野町311,925 140,401 45.01
    日和佐町322,562 169,958 52.68
    三好町582,305 293,088 50.33
    牟岐町I 377,340 287,191 76.10
    池田町1,146,128 761,775 66.46
    海南町546,573 215,205 39.37
    山城町249,165 101,740 40. 85
    海部町362,250 105,629 29.15
    井川町1,028,823 399,706 38.85
    宍喰町55,000 28,336 51.52
    三加茂町427,780 202,712 47.3t
    海部管内計1,945,580 933,821 47.99 東祖谷山村1,509,263 801,747 53.1,
    西祖谷山村35,000 30,000 85.71
    大麻町1,498,054 978,218 65.29
    松茂町 445,578 305,281 68.51 三好管内計 5,290,389 2, 75 1, 1 69 51.6,
    北島町168,598 106,937 63.42
    応神村9,250 950 10.27 市町村計36,074,359 18,390,403 50.97
    _________________________________

6 -
[参考) 全国平均,並びに四国四県別貸付償還状況昭和38年度
I 貸付額!償還計画額償還済額I 未償還額!償還率
徳島98,611,494 39,030,724 24,929,404 14,101,320 62.c
香JI! 120,393,635 53,443,851 41,600,393 11. 843,458 77. (
愛媛262,866,000 109,448,933 88,081,880 21,367,053 80.:
尚. 知198,785,300 100,638,057 74,581;086 26,056,971 74.C
全国平均9,409,998,840 4,425,830,477 3,399,840,822 1,025,989,655 76.E
(数字は累計)
「ー心配こ疇と相談所連絡会開く__」
昭和39 年度は24 地区に県費補助
住民の悩みごと,心配ごとを気軽るに無料で相談をうけ,社協の第1 線活動として喜ばれている心
配ごと相談所の連絡会が県下24 ケ所の主任相談員,担当事務職員50名が集って12月21 日午前10時から
自治会館で開かれた。
本県は県厚生課の努力ですでに18 ケ所に国費補助交付対象の心配ごと相談所の外に6 ケ所単独県費
助成金が支出されることになり,この24 ケ所の関係者に当面する指示連絡並びに相談所運営上の諸問
題についての協議研究が行われた。

  1. 相談所が設置された市町村(補助金交付対象のもの)
    合国並びに県費が交付される相談所(18 ケ所)
    徳島市,鳴門市,小松島市,阿南市,牟岐町,日和佐町,鷲敷町,羽ノ浦町,国府町,勝浦町,
    神山町,大麻町,) I i島町,山川町,脇町,美馬町.三加茂町,東祖谷山村
    *県費のみが交付される相談所(6 ケ所) (昭和39年度の指定)
    由岐町,相生町,上勝町,土成町,三野町,三好町

  2. 心配こ・と相談所運営上の諸問題について(全体討議で集約された事項)
    (1) 相談所の設置場所,私宅相談の可否について心配ごと相談所は公的助成金が支出され,お役所
    の第1 線連絡機関であるから.立てまえとしては公的な場所におくべきである。しかし民間活動
    としての自主性を保っために,役所内はでるだけ避け,公民館,社協会館などにおくことだ。来
    談者が希望すれば,自宅で相談をうけることも考えられるが,チームワークによる相談活動の成
    果をあげ,秘密を守るためにも,極力自宅相談は避けたい。相談室は,お粗末な方がよいように
    思う。畳の上で座って家庭的な雰囲気で相談をうける。
    _________________________________

-7-
(2) 相談員の職務と相談事項の限界について相談員は心配ごとの相談をうけることが職務であり,
相手方を呼び出したり,調停類似行為もしてはならない。
心配ごとは, 「相談」と「事件」に区別される。事件は専門機関へ斡旋をし,相談についても
専門家の意見を聞き,来談者の身になって問題解消に自己能力を開発するよう努力すべきであっ
て,相談員が変って解決するための指示などは与えてはならない。但し相談員は常に研究し,法
的限界,裏付を知り,専門家の意見により相手方が了解すれば調停のための努力は,見透しがあ
ればしてもよいのではないか。
(3) 継続指導の期間はどうか
専門機関へ行きたがらない来談者もあり,ある程度長期間の継続指導を必要とする場合もあ
る。心配ごと相談所を信頼し,お役所につながる窓口として,時間が解決への道であるケースも
多いと考えられる。
(4) 公的助成金を打切られた場合の運営について心配ごと相談所は,社協活動の主軸であり,公的
助成金が打ち切られても,これを中止するわけにはいかない。
市町村理事者に十分理解されるよう働きかけるとともに,社協の自主財源を造成し,共同募金
の地域配分なども今後増配分されるよう要望する。
|――ー小松島市社会福祉会館が落成オ5 回社会福祉大会など開かれる―-|
本県の先進地区社協として,常に積極的な活動を推進している小松島市社協は,小松島市日開野町
に立派な社会福祉会館を新築, 12 月16 日午前10 時から酒井市社協会長ら500 名の関係者が集って盛大
な落成式が行われた。本県でこうした社会福祉会館を建設したのは小松島市がはじめてで,この会館
は,総工費5,600万円(1 部年金融資),鉄筋5 階建2 棟(2,043平方米)で, 600 人を収容する大ホ
ー)レ,大小の会議室,社協事務局,料理講習室,結婚式場などをもつ超デラックスなもの。近く同会
館敷地内に保育所,水泳プールなども設置される予定である。
16 日落成式のあと,こけら落しとして長唄の会をはじめ,生け花,名石展があり, 17 日から3 日間
は,市老人クラプの演芸大会や青年団のノド自慢大会などの記念行事が行われた。
また12 月20 日には第5 回小松島市社会福祉大会が関係者500 名が集って開かれ, 新産都市指定に伴
う産業開発に即応した住民の福祉向上について,特に社会開発の研究討議が活発に行われ, 、福祉
市小松島、として地域ぐるみの社協活動推進のための話し合いが午後4 時まで続けられた。
_________________________________

  • 8 -
    毎月5 日は子どもの日
    ふ交松』:ママさんたちのP.Rパレード
    小松島市の北校地区社協(会長,井内長三郎)の役員.地区の父兄たちは11 月4 日, 、毎月5 日を
    子どもの日運動:::を全世帯が実施するためのP.R フ゜ラカードをかかげて市中パレードを行った。
    県社協は本年度第1 回児童福祉部会で, 5 月5 日のゞ子どもの日、だけでなく,毎月5 日を子ども
    の日として,各家庭で子どもを中心とした楽しい話し合いの場をもち,青少年の健全育成と不良化防
    止をめざして県民運動を呼びかけしたが,早速にも阿南市,大麻町社協がこれをとりあげ,今回は小
    松島市の北校地区でこの運動をはじめたもの。
    この日,北校小学校の児童100 名の鼓笛隊を先頭に父兄50名が市内をパレードし,各世帯に『5 日
    は子どもの日』と書いたはり紙と,趣意書を配布して協力を呼びかけた。
    合子どもの幸せのために5 日(毎月)を子どもの日にきめました
    みなさんのお子さんがほんとうに幸せに,心も身体もすこやかに育つように•••と北校区社会福祉
    協議会では:::ご家庭でみんなが子どもを中心として楽しく話し合い,温い眼で子どもをみつめよ
    う:::という運動をはじめました。
    ご承知のように子どもの成長は非常に早く,ときにはこんなしっかりした立派な考え方をしてい
    るのかと驚ろかされることがありますが,その反面未熟な知識や経験で判断して行動し知らず知
    らず非行を重ね,.不良化する恐れもあります。子どもの人格を尊重し十分理解してやってこそは
    じめて親のつとめが果せるのではないでしようか。
    明るい家庭,幸せな家庭をつくるためにも,みなさんが一つになってつぎのような事を実行して
    下さい。
    ご家族全員で
    楽しいふんいきの中でお互いに子どもさんの話を十分きいてやり頭から叱ったりめんどうくさ
    がったりしないよう。
    おとうさんは
    5 日の日を忘れずに夜にわたる集会や仕事などは他の日に繰り替えて,まっすぐお家へ帰って
    下さい。どうしても不在になる時は電話,はがきなどでお便りをして下さい。
    おかあさんは
    5 日にはみんながそろうようにご主人やご家族をひきとめましょう。
    ときには好物のおやつをこしらえて優しいおかあさんぶりを発揮しましょう。
    _________________________________

  • 9 -
    すべてのおぜん立ては母の腕一つです。
    子どもさんは
    信頼できる愛情深いあなた方のおとうさんやおかあさんにどんな小さなこともかくさずに話し
    ましょう。きいてもらいましょう。
    5 日の日は特に家族のみなさんがゆっくりと十分きいて下さるでしょう。
    はづかしがったり,こんなことと思わないで・・・
    地域の人は
    どなたのお子さんも温い愛情と理解をもって,良い方へ導くとともに地域が明る<住みよい町
    となるようにご指導とご協力をお願いいたします。
    北小松島校区社会福祉協議会
    みんなで明るいお正月を./
    恵まれない人々に幸せおくろう
    高度経済成長,消費生活の向上といえばきこえはよいのですが,その経済生活の圧迫から恵まれざ
    る境遇にあるひとびとは決して少なくありません。これらのひとびとにとってきびしいオ末を,みん
    なの助け合いで,そろって明るいお正月が迎えられるようにと,今年も12月1 日より25 日まで中央共
    同募金会とNHK の共催によって全国的にオ末のたすけあい運動が展開された。
    本県では,例年のとおり,県, NHK, 徳島新聞社,県共募,県社協の共催により運動を展開,県
    民の暖かい義捐金品がぞくぞく集まり,クリスマスフ゜レゼントとして,県下の社会福祉施設等62団体
    2,987 人を対象に贈った。
    唸12 月24 日現在の寄託額
    NHK 109,201 円
    徳島新聞社183,538 円
    県厚生課500,000 円
    日赤
    県共募
    県社協
    11,340 円
    61,931 円
    4,621 円
    _________________________________

  • 10 -
    那賀郡町村長ら県外社協活動視察
    伊東県社協会長は県下市町村社会福祉協議会の活発な活動を期待して特に,①市町村社協に専任又
    は専従職員を配置してもらいたい。®共に心配ごと相談所をどの町村にも設けてほしい。⑧年一回は
    社会福祉大会を開催して埋れた功労者の発掘と顕彰,その地域のニードの発見とこれが対処,など明
    るい町ぐるみの体制を整えてほしい。
    以上三つの重点目標を掲げて曝下市町村長に強力に働きかけているが,その実現の第一歩として,
    まず,那賀郡内町村長さんらに呼びかけ先進地視察を一との誘いをかけたが,その間,中西那賀福祉
    事務所長の尽力も効を奏し昭和39年12 月3, 4 日滋賀県社会福祉協議会,同甲賀町社会福祉協議会を訪
    ね, 特に甲賀町の社協活動の実態をつぶさに調査研究することができ, 一行一部町村議員も含めて
    11 名,今後の市町村社協運営に大きい指針と心構えができたことをお互に確めあった。
    共同募金運動に憶う
    みんなのしあわせの年に,共同募金の運動がはじまったのは昭和22年も押し迫った11 月中旬であっ
    たが,この18年間多くの善意と批判が寄せられつつとに角県下民間社会福祉事業の根幹として大きな
    共同募金に成長したことは静かに省みるとき只感激のほかない。
    此の間に集められた共同募金の総額も2 億円を上廻るようになった。但しこの成果の蔭には歴代の
    市町村長をはじめ第1 線で苦労せられた多くの奉仕者の方々の血の滲む御努力があった事も忘れては
    ならない「ローマは1 日にしてならず」という諺のように18年間の歴史の中の共同募金の苦しみ悲し
    みの一番大きなものは何といっても台風による災害であった,これは台風銀座というべき四国の各県
    の宿命かも知れない。
    ジェーン,キジア台風より5 年前の第2 室戸台風に至る。災害被害に共同募金運動は幾度か立ちす
    くんだ事だろう。当初270 万円の目標額さえ達成出来なかった共同募金運動が,今日つぎの表のよう
    に1,850万円完納の年を終ろうとしている。18 年の年輪を刻んだ共同募金の幹も県民の協力による
    水,肥料を与えられ,立派な枝菓を茂らせ,社会福祉の美くしい花を咲かせ実りを見せているが,こ
    れもみんなが育てたものである,新しい年を迎えるに当りよりよき花を咲かせ,よりよき実りの為に
    新しい年も共同募金運動,社会福祉活動の幹や根に御協力のこやしをそそいで下さること祈って止ま
    ない。
    _________________________________

  • 11 -
    昭和39 年度共同募金実績表(昭和39年12月17 日)
    郡市別l 目標額l 実績額I 96 -f郡市別1 目標一額1 実績額I %
    徳島市
    鳴門市
    小松島市
    阿南市
    勝浦郡
    名東郡
    名西郡
    那賀郡
    海部郡
    4,252.727
    1,078,416
    811.736
    1,211,699
    280,949
    347,135
    722,634
    875,495
    892,445
    2,000,000
    1,078,416
    600,000
    1,211.699
    280,949
    347,135
    722,634
    875,495
    892,445
    47 板野郡
    100 阿波郡
    74 麻植郡
    100 美馬郡
    100 三好郡
    100 県本部
    100 県厚生課
    100
    100 計
    1,772,603
    540,176
    1,039,281
    1,406,229
    1,718,475
    50,000

    17,OOO,OOO
    1,772,603
    540,176
    1,039,281
    1,406,229
    1,718,475
    212,9861
    10,673
    14,709,196
    1001001001001100
    86.s:
    市町村別j目標額!実績額II 市町村別I 目標額実績額
    佐那河内村 79,692 79,692 市場町 I 265, 385260 265,35C
    国府町 267,443 267,443 阿波町 274, 274 ,.t82
    勝浦町 175, 539573 175,593 鴨島町 446,986 446, .t98
    上勝町 105, 105,357 川島町 154,786 154 , 78(
    石井町410,618 410,618
    山川町270,087 270,087
    神山町312,016 312,016
    美郷村72,654 72,65 1.
    木屋平村94,768 94,768
    羽ノ浦町154,825 154,825
    脇町406,39L
    那賀川町223,920 223,920
    406,392
    鷲敷町88,735 88,735
    美馬町213,746 213,74c
    相生町128,035 128,035
    半田町196,872 196,872
    上那賀町130,230 130,230
    貞光町203,903 203,90.:
    木沢村67,805 67,805
    一宇村119,539 119,539
    木頭村81,945 81,945
    穴吹町265,777 265,777
    由岐町118,871 118,871
    三野町126,700 126,70(
    日和佐町190,981 190,981
    三好町141,690 141 ;69[
    牟岐町196,960 196,960
    山城町212,700 212, 70C
    海南町187,054 187,054
    池田町569,090 569,09[
    海部町94,955 94,955
    井川町191,040 191,04C
    宍喰町103,624 103,624
    三加茂町204,320 204,320
    東祖谷山村150,800 150,800
    大麻町260,100 260,100 西祖谷山村122,160 122, 16C
    松茂町139,503 139,503
    北島町 261,900 261,900 徳島市 4,252,7271 2,000,00[
    応神村131,100 131,100 鳴門市1,078,416 I 1, 078, 41t
    藍住町176,700 176,700 小松島市81 1, 756 600,00C
    板野町 239,800 239,800 阿南市 1,211,699 1,211, ;s69
    上板町226,900 226,900
    吉野町 166,700 166,700 県本計 部
    50, :塁223,65'1
    土成町169,900 169,900 17,000, 14,709,222
    _________________________________

  • 12 -
    ::::いま保育所に必要なもの::::
    ー一中央児童福祉審議会保育制度特別部会一——
    中央児童福祉審議会保育制度特別部会では昨年7 月「保育問題をこう考える」と願する中間報告を
    行ない,それにひきつづいて「保育所その他の諸制度の当面の対策」についての具体的検討を行なう
    ため,広く分野から研究員の参加をもとめ, 「保育所の制度」「保育所の内容」「保母の身分制度」
    の3 つの研究会を設置していましたが,今回, 「いま保育所に必要なもの」と題してそれぞれの研究
    会での審議の結果をまとめた第2 次中間報告を発表しました。ここでは紙面の都合でその概要を照会
    しますが,今後,昨年の第1 次中間報告とあわせて保育行政にどういかされてくるか期待したいもの
    です。

  1. 保育制度について
    保護者が労働または疾病などのため,その監護すべきこどもの保育が欠けると認められるとき,児
    童福祉法は市町村長がそのこどもを保育所に入所させて保育することを原則としている。この制度が
    発足してから,逐年,保育所は必要とする地域に設置され,児童福祉の理念を実現することに大きく
    貢献してきている。しかし,保育に欠ける幼少なこどものおかれている状態をみるとき,保育所の現
    状は未だ十分なものとはいわれない。保育に欠けているこどもがいるにもかかわらず,保育所の設置
    されていない地域がかなりの数にのぼっているのはその一端であろう。保育に欠けているこどもを,
    一人の例外もなく,適正に保育するためには,現行制度を国民のために最大限に運用するよう,国お
    よび地方公共団体はより一層の努力を注ぐことが必要である。
    また,保育所を始めとして,へき地のこどものために開設されているへき地保育所,季節的に開設
    されている季節保育所など保育に欠けるこどもを保育するに要する費用は,施設の数が増すとともに
    その内容の充実が望まれることによってかなりの額に達するであろう。しかし,この問題は,真に国
    および地方公共団体が保護者とともに,こどもの福祉をまっとうしようとする限り,避けることので
    きない基本的な課題であって,その適正な保障にこそ万全の策が樹立されねばならない。これら一連
    の問題に正しくたちむかい,真に保育制度の一層の充実,刷新をはかるために,次の諸点について考
    慮することが必要である。
    (1) 保育所のない町村をなくすべきである。
    (2) 保育所の運営に必要な経費の適正化を検討すべきである。
    (3) いわゆる無認可保育所に対する正しい指導が必要である。
    _________________________________

  • 13 -

  1. 保育内容について
    保育所は,母親の勤労その他の条件によって保育にかけるこどもを保育するところにその目的をも
    っている。そして保育所によって勤労母性の援護を行なうとともに,その保育の対象であるこどもを
    順調に,健全に,そして調和的に発達させるようにつとめることによって,明日の民主的社会人とし
    てのこどもの人間形成を行なうところに,その基本的使命をもっている。すなわち保育というのは,
    積極的な人間育成の営みであるから,保育所は人間育成の場として最適のものとならなければならな
    い。したがって保育内容についても,上のような積極的な考え方からの設定と編成がなされなければ
    ならない。そこで,これを受けて,さらに積極的に進めるために,次の諸点について考慮することが
    必要である。
    (1) 保育所保育要領(仮称)を作成し,保育内容の充実をはかるべきである。
    (2) 保育所の整備充実をはかるべきである。
    (3) 保育指導制度を確立すべきである。
    (4) 保育所査察指導を適正化すべきである。

  2. 保母の身分について
    保育所の普及と充実が望まれれば望まれるほど,保育を担当する保育従事者が量質両面において適
    正に用意さればならない。とくに,乳幼児期の保育の適否がパーソナリテイ形成において与える影響
    の大きいことが明らかにされている今日においては,その集団での指導には専門的な知識,技術の取
    得が必須であり,専門職としての地位の確定が必要である。
    他方,一般産業のいちじるしい発展は労働力,とくに若年労働力の雇用を至難なものとしている。
    このため,保育従事職員に人をうるためには従来以上に,その職務が広くひとびとの間に魅力ありか
    つ重要なものであることが認識され,これに従事しようという意欲をもたせるよう,各般の改善が早
    急にはからねばならない。当面,このために次の諸点について考慮することが必要である。
    (1) 保母の社会的評価を高めるべきである。
    (2) 保母の職務遂行の高度化をはかるため,現任訓練の実施を拡充するとともに,研修所を設置す
    べきである。
    (3) 保育所職員の勤務の合理化を進め,勤務時間など勤務条件の改善をはかるべきである。
    (4) 保母の給与等待遇の改善を強力に行なうべきである。

    _________________________________

  • 14 -
    老人福祉施策の推進に関する意見
    一中央社会福祉審議会中間報告—―
    中央社会福祉審議会では現下の老人福祉施策の推進にあたっての諸問願につき検討を加えた結果,
    次の事項について是正,改善,又は検討を要す結論に達した,大要次の通りである。
    ①社会活動への参加
    ■ 就労対策の促進
    老人の就労は,単に老人の所得の増加を図るためだけでなく,多年にわたって習得した知識と
    経験を社会に役立たせることによって,精神生活に張りを与えるために,きわめて重要な意味を
    持つのである。したがって,今後は老人の雇用機会を増大せしめるための積極的な方途を講ずべ
    きである。このためには,老人の能力及び経験に応じて教育,訓練等の施策を講ずることも必要
    であろう,また雇用に適さない老人についても老人の就労が持つ特別な意味にかんがみ,老人に
    適した仕事を開拓,斡施し,あわせてワークショッフ゜等の施設の整備につき検討する必要があろ
    う。
    • 老人クラブ活動の援助
    老人クラブは,老人がその活動を通じて心身の健康を保持し,積極的に社会活動に参加するた
    めの自発的な集まりであって,老人の孤独感を解消し,社会的適応性を持たせるうえから,きわ
    めて有効なものといえる。この活動を援助するため,老人クラプに対する助成の途が開かれ,ク
    ラプ数は,逐年増加の傾向にあるが,今後は特に指導者の養護,訓練にも努めクラプ活動の内容
    の充実を図るべきであろう。
    ② 所得保障
    わが国における所得保障制度は,その内容において他の社会保障制度に比し,特に著しく遅れて
    いるといえる。被用者保険については,目下いわゆる1 万円年金の構想のもとにその改善が進めら
    れていることは,時宜を得たものであり,早急にその実現を期すべきである。国民年金については
    発足以来日も浅く,いまだ不充分の点も少なくない。特に最近における消費表物価の上昇を考慮す
    るとき,現行の給付額は余りにも低きに過ぎるものといわなければならない。かくては,この制度
    に対する国民の理解と熱意がそこなわれ,折角のこの制度の意味が失われることとなるであろう。
    したがって,少なくとも最低生活を維持するに足る程度以上に給付額を引き上げるべきであろう。
    また,現在,年金の積立金を原資として行われている還元融資等についても,老人福祉事業に対
    して,より積極的に行なうよう改善すべきである。
    _________________________________

  • 15 -
    ⑧ 医療保障
    ■ 健康診査の充実
    老人は一般に対して抵抗力が弱く,罹患率が高いにもかかわらず,所得が少ない等のため,診
    療の機会が阻害されている実情にかんがみるとき,老人福祉法において健康診査の制度を設けた
    ことは,きわめて適切な措置であったといえよう。
    しかしながら,現在の健康診査の実情をみるに,その実施はきわめて不徹底に終っているので
    全老人に漏れなく診査を実施するよう措置すべきである。また精神機能の診査の実施についても
    検討する必要であろう。
    ■ 医療保険等の整備
    戦後,国民皆保険の制度が確立され,医療保障の途が講ぜられたのであるが医療費の給付率は
    現在いまだ十分とはいえない。一般に老人性疾患ば慢性の経過をたどるものが少なくなく,その
    治療は長期にわたるものが通常であるが,所得の低い老人層にあっては,療養費の自己負担に困
    難をきたすため,受療を回避し,又は,中止する等の傾向が少なくない。したがって,現行の給
    付率の改善にあたり老人の特性を配慮し,少なくとも老人につき特別の措置を講ずるか,又はそ
    の医療費の自己負担分について必要に応じ公費負担の措置を講ずる等,老人が安んじて十分な療
    養を受けることができるよう検討すべきである。
    ④ 居宅老人に対するサーピス
    ■ 老人住宅の健設
    戦後の住宅事情の悪化は,,家族内葛藤の一因ともなっているが,`老人の心身の安定のために
    その特性を配慮した構造設備を持った居間,住宅を低廉な家賃で供給し,あるいはその建設に対
    して融資等の援助の措置を講ずることが必要であろう。
    ■ 老人家庭奉仕事業の充実
    老人家庭奉仕事業は, 心身の障害のため日常生活を営むのに支障がある居宅老人に対し, 家
    事,介護等のサービスを提供するために設けられたので.その効果については,各方面からきわ
    めて高く評価されている。しかしながら,現状においては,その配置が一部の市町村にとどまっ
    ているので早急に全市町村に配置するよう措置することが必要である。また,この制度の重要性
    にかんがみ,国庫補助率の引上げを行なうとともに,近い将来国の事務として実施することも検
    討することが必要である。
    ョ 老人福祉施設の整備
    ■ 施設の増設と専門的分化
    _________________________________

  • 16 -
    老人のための福祉施設としては,現在,養護老人ホーム,特別養護老人ホーム,軽費老人ホー
    ム等の牧容施設と,老人福祉センター等の利用施設とがあるが,いずれもその需要をみたすには
    十分でない。特に特別養護老人ホームはこの制度が始められてから日が浅いこともあって,その
    設置は,きわめて一部の地域にとどまっているので,その増設が急務と考えられるが将来は老人
    病院の設置についても検討すべきであろう。
    なお,老人福祉施設についても整備の促進を図ることが緊要である。一方老人のニードは,心
    身のハンディキャップに応じてはなはだしく異なるものであるから,今後は,そのハンディキャ
    ップに応じた施設の専門的分化の確立を図り,被措置表の分類収容を行うことが肝要である。な
    お近年における, リハビリテーション医学の発展には目ざましいものがあるが,老人についても
    リハビリテーション訓練を行なうことの必要性が認識されるに至った。このことが,直ちに,老
    人の社会復帰を意味するものではないとしても,老人が自力で日常生活の用を年じ,介護の手を
    必要としなくなる程度にまで回復することは期待できる。このことは,老人に生活意欲を起こさ
    せ,生活の健全化を図ることになるので今後は,この方面の整備拡充に意を用うべきであろう。
    ■ 施設職員の確保と資質の向上
    経済の高度成長に伴って,若年労働力は,一般産業に吸収されることとなる結果,最近におい
    ては施設職員の確保が困難な状況にあり,将来の見通しについてもきわめて悲観的であるといわ
    ざるをえない。したがって,対策として施設が魅力ある職場となるよう身分制度の確立を図り,
    待遇改善に努めることが必要である。また,これにあわせて,職員の養成訓練を行ない,その資
    質の向上を図るべきであろう。
    ⑥ 老人福祉に関する調査.研究
    老人福祉を推進するにあたっては,総合計画の樹立が必要である。このためには,基礎資料の
    整備を図ることが肝要であるが,その実態ははなだ不十分なのですみやかに全国的規模における
    基礎的調査を実施するとともに,各般にわたる資料の整備を急ぐ必要がある。また,これとあわ
    せて中央に老人問願研究所を設置し.老人問題の綜合的調査,研究を行なうことが必要である。
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全国で初めて生れた徳島の善意銀行が3 年の歩みを顧み
て反省と今後の方向づけをした福祉読本です
B
5
版1 3 0 頁





5 0 0 円





全国社会福祉協議会会長
前厚生省児童家庭局長













記==








徳島県社会福祉協議会会長


容。善意銀行の生れるまでの過程
。県下各支店の紹介
。予託者の横顔など
。善意銀行の方向づけの座談会
。各界知名人の温かい批判集
。マスコミの声など
玄発
一丁
,1


徳島市万代町1 丁目(県庁内)
徳島

県社会福祉協議会





。恵まれない人たち,又はその施設に働く人たちの特別手記

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