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【とくしま福祉広報】No.123

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とくしま福祉広報No. 123
やさしさの波紋(RIPPLE ・リプル)が大きく広がって行くように・・・
特集山間部の高齢者福祉貞光町いきいきふれあいサロンひと・動き障害を個性として捉えマイペースで生き村上哲史さん
②芦□信贔i祉協議会
遠くに出ていく手段を持たない高齢者にとって何より大切な近所づきあい。近くに住む高齢者同志の世間話の中で地域の人たちの安否を確認でき、その中ヘホームヘルパーが参加することによって新しい情報を提供することができるこの時間は、それだけでも十分意味があるのではないだろうか。「今度B さんも誘ってみようか。」そんな会話を聞くと、少しずつではあるが、人と人とのふれあいの輪が確実に広がっていることが実感できた。
シリーズ②
在宅福祉を考える。山間郡の高齢者福祉
静かな山間にある柴内地区
ふれあいサロンについて貞光町社会福祉協議会事務局長三木徳枝
貞光町には他に誇れるものが沢山あります。その中で特に二つは何処にも負けないと自負しております。その一つは、隣の人が隣の人の安否を気遣う「隣組ボランティア」であり、もう一つは商齢者自身が先生になって各クラブの活動を進めている「貞光町立シルバー学園」で丸その活動はもう二十数年も続いております。しかし、シルバー学園へ入園したくても山間部からのタクシ一代が一往復四千円もかかっては、年金生活の高齢者にはとてもむりな事です。
これらを併せたものが各地域の集会所でできないものだろうか、と言う発想からこのふれあいサロンづくりが生まれました。今はホームヘルパーを中心に実施しておりますが、各地域に住んでいる高齢者の得意とするものを高齢者自身が先生やリーダーになって、その地域で毎日でも寄れるサロンづくりをしていきたいと思っております。貞光町では、ホームヘルパーが訪問する高齢者の家に、近所の高齢者が集まって‘茶飲み話、食事会、創作ごとなどを楽しむという‘ふれあいサロン活動を実施している。現在試み的に行われている二つの地区を訪問してみた。
近くに住む高齢者が集まる楽しい情報交換の場町役場から車で二十分ほど上った山間部にある柴内地区。さわやかな風と鳥のさえずりが心地いい山間の一軒屋‘七一歳のA さん宅におじゃまさせてもらった。若い人たちは町へ仕事に出かけ、残された高齢者たちは、えんどう豆やピーマンなど野菜中心の畑仕事に従事している。午後一時過ぎ、その日は女性ばかり四人、近くに住む裔齢者が集まった。
「こんにちは1 士ホームヘルパーの元気なあいさつで始まる楽しいひととき。お茶とお菓子を囲んで、畑仕0饂gぃきいきサロン事の話、昔話など、話はどんどん弾む。「お弁当作って、みんなで食べたり、世間話したり、とても楽しい。」「仕事を早めに済ませて来ています。月に二回がとても楽しみ。」どの人もみな笑顔で話してくれた。話題が体調のことになると、ヘルパーは、タイミング良く楽しい会話をはさみながら、健康チェックを始める。一人ずつ血圧測定を済ませ、それを記録表に書き込んでいく。山間部に住む人たちは若い時から重い荷物をかついで険しい道を歩いているため、ほとんどの高齢者は足や腰などに持病がある。どの人も個人的に通院は続けているようだが、六月から診療所の医師の巡回も始まり、高齢者にとってはかなり不安が和らいでいるようだ。楽しくおしゃべりしながら血圧測定拘束されない自由な時間を気の合う仲間と楽しむ貞光町江の脇地区には高齢者自身が、自主的に集まり、おしゃべりをしたり、テレビをみたりするふれあいサロン的サークルが三年ほど前から自然発生的にできていると聞いた。お宅を提供しているのは昔から商売をしているという一人暮らしのN さん、七五歳。早速N さんのお宅をホームヘルパーとともに訪ねる事にした。ここに集まって来る商齢者は男性三人、女性三人、N さんを含めて総勢七人。ほとんどが一人暮らし。部屋に入ると毛筆で書かれた会員名の一覧表がまず目に止まる。会長さん以下役員も決まっているようだ。「こんなん勝手に作っとんでよ。もう1 J誰からともなく会話が始まる。
七人のメンバーは毎日、午前中はここで過ごしているらしい。遠くに住む家族や、ホームヘルパーたちには、安否確認ができ、ありがたい場所になっているようだ。「三日来んかったら死んだんかと思って心配するわ」少々乱暴な冗談も飛び出す。それを聞いてみんなが笑う。ぽんぽんと屈託のない会話が飛び交い、実
チラシを使ってくず入れを作る表情は真剣そのもの
その日は簡単な創作活動にも挑戦してみた。ヘルパーが準備してくれたチラシを折って作る<ず入れだ。真剣な表情で折る高齢者の姿がとてもほほえましい。二時間ほどの楽しい時間が過ぎた。「今度は、土瓶敷き折ろうな。」次回訪問の約束をしてヘルパーはAさんのお宅をあとにした。
今年一月に、こうしてホームヘルパーが訪問するようになるまでは、この地区の高齢者たちには、ほとんど交流の場所がなかったらしい。ヘルパーは、このようなふれあいサロン活動の内容についてはまだまだ思案中で手探り状態だと言う。しかし、
村上さんの油絵作品[隠岐1]
障害を個性として捉えマイペースで生きる

N さん手作りのおはぎを囲んで、にぎやかに会話が弾む
シリーズ②
祉を考
に心地いい。「腹の中にあるもん全部しゃべるけん、ほんまに楽しいんでよ。」と女性の一人は言う。気の合う仲間同志でなくてはこうはいかないだろう。ここでみんなが絶賛するのは、N さんの面倒見の良さである。毎日のようにおいしいものを作って、もてなしてくれるらしい。この日もおはぎを作って待っていてくれた。「これが私の生きがいやけんな。」そう言いながらもN さんはくるくると実によく動く。それにしてもメンバー全員の個性がうまく調和して、自然に役割分担ができているのには感心してしまった。しかしこれも、与えられたものでなく自主的な集まりだからこそ成り立つものだろう。「拘束赤を基調とした原色が印象的な油絵作品、抽象画に添えられた味わいのある俳句。今年六月「ひのみね三人展」に出品された村上哲史さんを、ひのみね療護園に訪ねてみました。全身を揺さぶるようにして、力強くキャンバスに向かう村上さんは、生まれながら重度の障害を持っています。高等部卒業後、ひのみね療護園の関政明さんに指導を受けて油絵に熱中するようになり、それ以来、創作活動を続け、陶芸、俳句など何でも意欲的にこなしています。今では園での生活のほとんどの時間が創作活動にあてられているそうです。とにかく明る<屈託のない笑顔がすばらしい村上さんは、園の中でも哲ちゃん、哲ちゃんと人気者で、周りには協力者もたくさんいます。「けど、今の状態になるまでには大変だった。」そう言いながら現在までをふりかえります。子どもの頃からずっと施設での生活しか知らないので、一度施設を出て新しい生活をしてみたいと真剣に考えた事もあったといいます。でも、「苦労する生活より、安定した生活を選び、その分、自分の好きなことをやっていくほうがいい。」と、いい意味での諦めを決めてからはずいぶん楽になったそうです。県展に入選した頃から、障害を持った村上さんが描いた作品ということで話題になり始め、マスコミ関係の取材も増えてきたことについて、「マスコミでも何でも利用できるものは利用したい。それによって、少しでも自分の絵を見てくれる人が増えればそれでいい。障害を持っていることは僕の個性だから。」ときっぱりと言ってのける。周りに惑わされることなく自然体で、何事に対してもプラス思考で生きているからこそ、言える言葉でしょう。「何かやりたいことがあったら、いろいろ考え込まず、とにかくやってみればいい、案外うまくいくもんですよ。」とにつこり。じる
生活指導員の島義雄さんも「彼は、実に個性的でこんな考え方もあるのかと教えられることもしばしばです。彼には毒をませても薬にして哲ふ店竺可ヵがあるん喜墨思いま究園の人士市み県知み入中って、いい目標になっ悶口5gし催寸品開ます。」と絶賛。
村上さんは、今また、インターネットでホームページを開き、自分の作品をPR するという新しい夢に向かって準備を始めているそうです。生まれた時に、家族に「こいつは何かやってくれる。」と思わせた、という村上さん、これからもどんどん周りの人たちを感動させてくれることでしょう。
されないからいい。自由に集まれるのがいい。」ここに集まる高齢者は口をそろえてそう言う。こういう自主的なサークルに社協はどのようにかかわっていくべきなのだろうか。現在は、ホームヘルパーが時折訪問して雑談の中に健康管理の話などを加えたり、さりげなく健康チェックをしているのが状況のようだ。今、何を望みますか?との問いに「今、会費を五百円ずつ集めているけれど、補助金が出ればうれしい。将来退職した高齢者がまだまだ増える可能性があるし、人数が増えると、設備も不十分になってくるだろうから。」と答えてくれた男性の半ば諦め気味の表情が印象に残った。
同行したヘルパーの岡崎さんはメンバーの役職名が書き込まれた会員一覧表「ニーズの引き出しもいいけれど自由に生きたいと言う積極的な前向きの気持ちからできた集まりだから、ヘルパーはあまり深く入り込まないほうがいいような気がする。」そして「高齢者の自主性を尊重しながら、見えない所で居心地のいい場所作りのお手伝いをしたい。」と言う。せっかく築き上げてきた、自主的ふれあいサロンを陰で支えていくこと、それが福祉関係者に与えられた役割りではないだろうか。そういう意味では、貞光町社会福祉協議会の積極的な活動ぶりを見ると、どんと大きな気持ちで守ってくれそうな安心感がある。これからもますます高齢者の気持ちを大切にした住みやすい町になっていくことを期待したい。
とくしまホランティア8
推進センターヘの預託CH
◇こどもミュージカル劇団「ぴいたあぱん』代表、梶ヶ谷佳恵](徳島市南沖洲二丁目)からミュージカル公演に社会福祉施設入所者を招待
◇株エイワ[代表取締役会長ヽ糟谷三郎文新居浜市多喜浜字東浜)から県内の社会福祉施設・市町村の社会福祉協議会へ車椅子・歩行補助車35台
◇株三和銀行の「地域社会福祉口座・ボランティア」の預金者の利息の一部から金一封
◇財徳島新聞社社会文化事業団(徳島市中徳島町二丁目)から選抜阿波踊りに社会福祉施設入所者を招待
◇仲須賢様(鳴門市撫養町岡崎)から金一封
◇徳島県経済農業共同組合連合会代表理事会長、山瀬博}徳島県農協米需要拡大運動推進本部[本部長、山瀬博](徳島市北佐古一番町)から社会福祉施設ヘパールライス
◇サンエイ薬品株[代表取締役社長、浅尾健二(徳島市中吉野町一丁目)から社会福祉施設ヘリクライニング車椅子15台
◇ソールドアウトミュージック(徳島市南昭和町一丁目)からウェルネスコンサートに養護施設の児童を招待
◇株全日本司厨士協会徳島県本沸冨長、内海滋三(徳島市一番町三丁目)から社会福祉施設へ料理提供
◇徳島交響楽団(徳島市川内町鶴島)・徳島県トヨタ販売店グループ
徳島トヨペット株[代表取締役社長、玉置潔文徳島市昭和町八丁目)から社会福祉事業へ金一封
◇自動車総連共済福祉局から社会福祉施設ヘワゴン車一台
◇社団法人徳島県宅地建物取引業協会(徳島市万代町五丁目)から社会福祉事業へ金一封
◇徳島信用金庫(徳島市紺屋町八)から宮沢賢治・生誕百周年記念企画長編アニメーション映画「賢治のトランク」に社会福祉施設の児童等招待
こ協力をお願いします。
赤い羽根
五十年目の
.'.
ありがとう
みんな_緒に生きていく。
一人じゃない、
共同募金運動50周年記念
第40回徳島県社会福祉大会
とき/平成8 年11 月12 日(火) 10時~ 12 時30分
ところ/徳島県郷土文化会館1F大ホール
[記念講演]元、大相撲呼出し・三郎さん
「土俵を裏方からささえて」
長年親しんできたスタイルを替えることには勇気が必要であり、不安もいっばいです。
今年度から、「とくしま福祉広報」が「りぷる」(波紋)に生まれ変わりました。
皆様からのご意見やご指導を頂けますよう、よろしくお願い申しあげます。
編集室、かnら
とくしま福祉広報
I) ぷる::f;8~16王5::4年6ば晶芦2;:`関::~(~言:嵐し]:…県立総合福祉センター内徳島県社会福祉協議会

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