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【とくしま福祉広報】No.46

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No.46 昭和48年10月10日発行
とくしま 福祉広報
特集 ボランティア活動と社会福祉
社会福祉法人 徳島県社会福祉協議会
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・表紙写真の紹介
県子ども会連合会ジュニアリーダー研修会において,
テント設営の説明を受けるボランティアたち
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もくじ
•ボランティア活動と社会福祉
赤い羽根共同募金運動はじまる・・・2
ボランティアの思想的性格・・・5
ボランティア活動の積極的な推進を・・・14
青少年の育成とボランティア活動・・・17
•ボランティア活動への提案
福祉施設とボランティア活動・・・19
ボランティア活動に期待する・・・21
民生委員とボランティア活動・・・23
ボランティア活動とコミュニティづくり・・・25
ボランティア活動として地域子ども会活
動ととりくむ・・・29
•県社会福祉大会
コミュニティづくり運動を推進しよう・・・31
•世帯更生資金
世帯更生資金の借入申込急増・・・39
•善意の預託・・・41
三宣
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袋袋共同募金紺蕊
IIIIIIIIII赤い羽根共同募金運動はじまる
ことしの目標額2,500万円IIIIIIIIIIII
徳島県共同募金会
さわやかな秋風とともにことしも10月1日から12月31日までの3ヶ月間,全国一斉に
『国民たすけあい共同募金運動』がはじめられている。
国民の善意を基盤とした純然たる民間運動として昭和22年からはじめられた「共同募金運動」
は26年目を迎え,福祉国家建設のため,ますますその重要性が認識され,期待されている運動
である。また,地域住民の社会福祉に対する理解を深めるうえからも大きな役割をはたしている。
口ことしの目標額
一般募金
歳末たすけあい
総計
25,000,000円
7,682,500円
32,682,500円
阿波美人も共同募金に一役
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••••
袋袋共同募金紺蕊
..昭和48年度郡市別共同募金目標額一…一…血m
ロ一般募金歳末たすけあい昭和48年度目標額
(A目標額)(B目標額)(A+B)
徳島市7,745,000450,0008,195,000
鳴門市1,920,000150,0002,070,000
小松島市1,246,000150,0001,396,000
阿南市1,810,000300,0002,110,000
市計12,721,0001,050,00013,771,000
勝浦郡362,000170,000532,000
名東郡113,00075,000188,000
名西郡1,079,000400,0001,479,000
板野郡2,225,000760,0002,985,000
那賀郡1,079,000435,0001,514,000
海部郡1,138,000299,5001,437,500
阿波郡!767,0口ooI
228,000995,000
麻植郡i1,437,0810,0002,247,000
美馬郡1,977,000950,0002,927,000
三好郡2,102,000505,0002,607,000
郡計12,279,0004,632,50016,911,500
市郡計25,000,0005,682,50030,682,500
•主な配分計画
ことしも社会福祉施設の整備充実をはかり,民間社会福祉団体の活動を促進する。
特に在宅心身障害児(者)やねたきり老人の援護などにも重点をおいて配分される。
1.施設の整備充実に・・・..............................7,332千円
保育所,養護,肢体不自由児(者),老人施設などの整備充実
2.県下全域の福祉活動に•••……………………2,300千円
県を単位とする民間福祉団体の活動資金災害見舞金(低所得者)など
3.地域住民の福祉水準向上に…………………7,550千円
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袋袋共同募金蕊袋
•昭和47年度共同募金運動の結果
地域住民の善意と協力がこのようにみのりました。
ロA一般募金B歳末たすけあい募金
目標額実績額目標額実績額
徳島市6,404,000円7,687,000円400,000円544,879円
鳴門市1,600,0002,714,536150,000435,800
小松島市1,052,0001,134,025150,000162,000
阿南市1,533,0001,695,154300,000406,750
中央3,169,0003,199,9371,315,0002,377,616
那賀906,000932,409397,000518,892
海部977,000979,910290,000459,460
阿波・麻植1,856,0002,109,645997,0001,152,135
美馬1,699,0001,705,973720,0001,377,360
.好1,804,0001,804,000455,000766,160
県本部338,822
NHK2,000,0002,836,241
^ロ計21,000,00024,301,4117,174,00011,037,293
{
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恕恕ボランティア活動袈袋
ボランティアの思想的性格
横須賀基督教社会館館長阿部志郎
1.ボランティア問題の視点
ボランティア問願がクローズアップされてきたのには,それなりの理由があり,そのいくつ
かを指摘して問題の背景を明かにしておきたい。
急激な社会変動によって派生した多様な福祉ニードに,既存の制度のみでは対応できないと
いう実情と,他方では,余暇を用い自分の力を生かして奉仕したいという青年や婦人達が増加
している傾向。これを調整し,育成を図る善意銀行,ボランティア・ビュロー(近く奉仕銀行
が加わる)の活動が活発になってきたが,その方向づけに迷っていること。施設の限界が論ぜ
られ,施設職員の養成の立遅れが目立つとともに,対象の拡大化,多様化に伴って,コミュニ
ティ・ケアが注目を浴び,コミュニティ・ボランティアが求められていること。それにも拘ら
ず,依然として施設ボランティアが多く,地域ボランティアは育っていないこと。ボランティ
アと行政との関係,社会福祉における市民参加の位置づけが,未だ体系化されていないこと。
さらに,ボランティアの内面的問頴として,ボランティア活動に対する懐疑論が拾頭してい
る。二つの疑問が提出されている。ボランティア活動は,社会福祉の後進性を温存し,社会革
命への前進を阻害するのではないかという,社会志向型から発せられる疑問と,自分自
身の人間形成が目的となり,対象者を自己啓発の手段化してはいないかという,いわば自
己志向型の反省とである。この懐疑は,実践活動の中から生れたボランティアの問題提
起という点で,貴重である。
これらの問題に,ボランティアの理念,今日的意義,今後の方向が問われていると同時に,
これは,共同募金や民生委員制度に対する批判,さらに広く,民間社会事業そのものの存在理
由と無関係ではないといわなければならない。
全社協の「ボランティア育成基本要項」(昭和43年)の作製に参画した一人として,そこ
でのボランティアの機能,育成についての意見を確認した上で,小稿では,ボランティア活動
を機能的にではなく,「ボランティアとは何か」を本質的に考察してみたい。その上で,ボラ
ンティアとしての民生委員の問題に触れることにする。長い歴史をもち,制度的にも安定して
いる民生委員については,全国民生児童委員協議会内部でも検討課頗となっているが,ここで
はボランティアの日本的形態として民生委員のあり方に言及してみようと思う。
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袋袋ボランティア活動蕊恕
2.「仕える者」ーボランティアの原型
ボランティア(volunteer)の語義は,「神に選ばれた者」の意であるという。この言葉
は,相対的場における単純な自己選択としてではなく,ニードに直面する自己の意志を「召命」
として理解し,自主的な決断のもつ重さを強調しているのであろうか。ある意味で,ボランテ
ィアのもつ本質をこれほど的確に言い現わした言葉は他にないかもしれない。用語上からも明
白のように,歴史的には,宗教概念に根ざし,思想的には,ボランタリズム(voluntaryism
またはvoluntarism)と深く結びついて発展してきた理念なので,既成概念としての「奉
仕者」では捉えがたい要素が包含されているといえよう。
自己の自由な決断にもとずいて,他者に奉仕する行為は,必ずしも,昔から尊ばれていたわ
けではない。プラトンは,「対話篇」に,「もし人がだれかに奉仕しなければならないなら,
いかに人は幸福でありえようか」と述べているが,それは人間として「威厳に欠く行為」なの
であった。「理想国家」として描いた社会においても,プラトンは,「奉仕」を考慮していな
ぃ。君と臣,主人と僕の身分的秩序にあっては,他の人間に奉仕することは,人間的に苦痛で
あり,不幸であるとともに,それは,仕える者が仕えられる者を支配する社会的ヒェラルヒー
を破ることを意味する。奉仕は,自主的な行為ではなく,奴隷に課せられた「義務」であった
から。
ボランティアの概念は,「仕える者」と「仕えられる者」との間に成立する身分階層的関係
の壁を,まず人間的に乗り越えようとするところに目標が設定される。これを可能にしたのは,
キリスト教の出現であった。イエス・キリストが,突如として,「わたしはあなたがたの中で
給仕する者のようにしている」といい,自ら弟子の足を洗い,「もしわたしがあなたがたの足
を洗わないなら,あなたとわたしはなんの係わりもなくなる」と説いたことは,客人の足を洗
う仕事を卑下していた当時の社会の人々にとって,大きな驚きであったに違いない。イエス
は「仕える者」として自らの存在を位置づけ,さらに,「互に足を洗い合いなさい」と勧める。
互に奉仕し合うことによって,階層的秩序を超えた新しい人間関係が生れることを指し示そう
とした。「仕える者」(diakonos)に,ボランティアの原型を認めたい。
ィエスの生き方と,その教えとは,今日でも意味を失っていない。人間の状況は,イエスの
時代も今日も同じだからである。誰れしも,僕に足を洗わせる身分になることを望みこそすれ,
他人の足を洗うような行為は避けたいと願う。しかし,「他人の足を洗う」のがボランティア
活動であり,福祉の内実であるのに,社会は依然として,他人の足を洗うことを嫌い,福祉を
自らの問願として能動的に受けとめることを拒否する。ここに,福祉の宿命があるとともに,
ボランティアのもつ深い存在意味が隠されているのではないだろうか。
ィエスの人間観は,「わたしがきたのは,人をその父と,娘をその母と,嫁をそのしゅうとめと
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袋袋ボランティア活動蕊蕊
仲たがいさせるため」であり,「誰れにでも,わが父の御意をおこなう者は,すなわち,わが
兄弟,わが姉妹,わが母」である(マタイ福音書10~12章)につくされている。すなわち,
父も子も,夫も妻も,家族共同体の一員である先に,神の前に一人の人間にすぎず,しかも同
じ罪人であるとの根本観念に立つ。血縁家族としての肉親のつながり以上に,人間を一個の
人格的存在として規定するのである。ここに家族への愛よりも「隣人への愛」が先行する根拠
がある。隣人を愛することは,自己と等しく神のペルソナを抱く他人格との共同と同義である。
サービスとは,本来,神礼拝を意味する。時間も空間もすべて全知全能の神に属し,人間は神
からの委託を受けてこの世にあるので,その神からの「隣人を愛しなさい」の招きに応える人
が,「神に選ばれた者」,すなわち,ボランティアと解釈するのではあるまいか。ということ
は,逆に,ボランティアに非らざる者は,神の選びにあずかれない人になる。ベバリッヂが,
社会保障制度を立案した際,民間社会事業を調査し,ボランティア活動が社会進歩の原動力で
あると考え,その経験を尊重して福祉国家を構想したことは,よく知られている。彼が社会保
障法案に添えて提出した「民間活動の報告」(TheEvidenceforVoluntaryAction,
1949)の中で,民間のボランティア活動に携る者の数は多くはないが,しかし,活動に参加し
ていない人は,活動していないことに「罪意識」をもっていると鋭く指摘し,「われわれは,お互に自分自身の
家族の生活が最低に保障されるならば,他の人々,他の家族に対して,何ものかを分かち与え
るべきである」と発言したのは,このような文脈において読み取るべきなのであろう。
「すべて人にせられんと思うことは,人にもまたその如くせよ」との倫理的主体の内側から
する要請を基本的性質とするところに,ボランティアの自発性,自主性を裏付ける思想的特色
がある。この理念はキリスト教を背景とするとはいえ,キリスト教の世界において,奉仕の概
念が徹底していたわけではなく,中世の時代には,修道院に委ねられていた趣がある。けれど
も,中世時代に,封建社会の枠のなかで,有機体的協同思想(コルプスの思想)が育ち,近世
の社会連帯主義の萌芽となったことは忘れられない。社会を「一体」とみなすコルプスの思想
が,後のボランタリズムの根幹をなすからである。
中世から近代への移行によって,時代の重心は協同体から個人へ,秩序から進歩へと変化し
た。ヨーロッパは,封建社会を崩壊させながら,その否定者として近代社会を誕生させたが,
その底流には一貫してキリスト教人間観が横たわっている。民主々義は,「人間は一人として
数えられるべきであって,一人以上のものとして数えられてはない」という,J'ベンタム
の言葉に示されるように,個々人の人格の権威の上に成立し,個人と個人を横の連帯関係にお
いて結ぶ近代社会の原理に発展した。一人の人間のもつ価値が個の自覚の基礎であり,個が他
者とかかわる社会関係が市民社会の土台となった。
マスという数が揃わねば無力であるとのみかたに対して,ボランティアには,一人の力を信
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袋袋ボランティア活動蕊毬
じ,一人ひとりが自らをみつめて生きてゆく人間像が描かれる。これが自主の意味であり,社
会的距離を超えて人間が他人格と共同しようとする行動の根拠でもある。
われわれの場合には,一人で責任をもって問題を処理することが不得手で,むしろ集団の中
に身を置き,多数に依存することに安定感を見出すことが多いが,一人の人間と一人の人間と
が人格的に相対する(persontoperson)ことに,福祉アプローチの基本があるとすれば,
ボランティアはこの態度を象徴している。特に,現在のような大衆社会化状況のもとでは,ご
利益のあるものには関心を寄せるが,わずらわしい人間関係はできるだけ避けて,群集のなか
か,ないしは,マイホーム主義のなかに埋没することによって自己を守る傾向を強めているの
で,ボランティア理念が育成される基盤は薄弱であるが,それだけに,ボランティアの意義を
鮮明にしておかなければならない。
5.東洋倫理と福祉国家の思想
日本の社会は,ヨーロッパとは,その発展過程を著しく異にする。ヨーロッパは,血縁によ
る家族社会に優先して,生活共同社会を建設しようとした。それに対して,日本社会は,封建
社会を内包しながら,近代社会を形成してきたことに特徴があることはマックス・ウェバーの
「宗教社会学」の分析をまつまでもない。
東洋社会は,超越的,倫理的な神に対する信仰を欠如していたため,人は見えざる絶対者な
る神の前に立って責任を問われる意識がない。「人の命は地球全体よりも重い」とする,自然
をも手段化してやまない透徹した人間価値の主張はとらないで,人間と自然が合ーするという
人間相対化の道を選んだ。人と人の関係を規制するものは,自然的,社会的な上下関係であっ
た。君臣,父子,兄弟,師弟,長幼等が秩序の中心であり,上役や年長者への「恭順」がその
主たる倫理の内容となる。そのなかで最も強いのは「家族的恭順」である。しかし「恭順」の
態度は,共同体内に限り,外に対しては無力となる。対内倫理と対外倫理は区別され,共同社
会の外では,「旅の恥はかきすて」というような,反って,無倫理的な世界を形成することに
なる。公徳心の稀薄さもここに由来する。
倫理の基準は,内面的な人格と人格の関係ではなく,身分的な縦の人間関係として成立し,
そこで重んぜられるのは,「恩」である。天地の恩,師の恩,親の恩であり,忠や孝は「恩」
に対する代償の性質をもっていた。報恩である。恩のないところには,人間の相互関係が働く
余地がない。このような社会では,経済価値と労働能力をもたない社会的弱者は脱落する外は
ない。心身障害者も「因果応報」で切り捨てられてしまう。
秩序への服従,そこから生ずる権威に対する無力感は,「依らしむべし知らしむべからず」
の官尊民卑の意識を培い,制度は常に上からつくられるものであって,下から盛り上げるもの
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蕊恕ボランティア活動袋袋
ではないとの上意下達的体質を養ったと考えられる。制度に対する恭順さは,非主体化に通じ,
結局,制度を実体化させないことになる。「人間は社会に,社会は人格に服従する」のヨーロ
ッパの格言に現れるような,社会を服従せしめる原理をもたないのである。
福祉の思想は,慈善救済から権利保障にまで発達してきたが,権利と義務を保障する社会契
約は,人間の相互信頼を前提としている。換言すれば,外面的には,基本的人権にもとずく権
利保障となるが,内面的には,人間の相互奉仕によって支えられる。福祉国家の特色は,制度
的に整備された社会にではなく,制度と国民意識が表裏一体となった構造をつくり出すところ
にある。国民の社会意識を代表しているのがボランティアであるとみてよい。福祉国家にとっ
て,ボランティアは公的保障に包摂されるべきものではなく,民間責任のシンボルであって,
ボランティア活動の消長は,福祉国家の盛衰を左右するといっても過言ではあるまい。ボラン
ティア活動が拡充されて,初めて国家の制度・施策も息づいてくるであろう。
国家は自己背定的性格をもつ。ミュダールは,福祉国家も決して例外でないと,警告を発す
る。国家が自国民に対する公的責任を果たしつつ,なお,世界の他の国家群と共同するのは容
易でない。自己的な国家をして,他の国家へ奉仕せしめるには,その内側に他目的なボランテ
ィアに表現されるエトスを,よほど深く内在させていなければならない。それが国家に対する
内部規制力として働くであろう。この場合,ボランティアとは,自己保存本能を克服して,自
分の生活の範囲で,自発的に他者にかかわり,自主的に行動を起こすことによって,共に生き
る決意をする人間を指している。このようなボランティアによって社会福祉の歴史が切り開か
れてきたことは疑いを入れない。
個人的レベルのボランティア活動が,直ちに国家活動に反映するのではないが,ボランティ
アの層の厚みとその活動経験のつみ重ねが,国の責任をよび起し,制度をつくり,また,改変
するエネルギーとなることも否定できない。福祉国家にとって,ボランティア活動は本質的に
不可欠なのである。
4.ボランティアの思想的性格
ボランティア問題からいささか逸脱した感があるが,小稿は,べつにキリスト教の弁証を試
みているのではない。ただキリスト教をぬきにしてボランティアの概念は把握できないことを
明らかにしたのである。問題は,ヨーロッパ社会のキリスト教から発想されたボランティアの
理念を,いかにわが国に根づかせるかにある。日本の儒教的,仏教的な精神風土と,官尊民卑
の社会構造の中で,果してボランティア思想を受容することができるであろうか。
ボランティアの背景にある宗教的要素をそのままとり入れることは困難であるばかりか,あ
まり意味もない。宗教思想のみが,思想的立脚点なのではない。ボランティアは,宗教的起源
__________________________________

袋隙ボランティア活動隙恕
をもつとはいえ,すでに,思想的にも発展し,宗教性のいかんにかかわらず社会福祉の中に定
着している。さらに,「心をもって身を下して他に仕える」(仏陀)の教えは,ボランティア
に類似したものであろうし,他の立場もありうる。どのような社会でもボランティア理念を適
応発展させてゆくことはできるはずであるが,それには,ボランティアの基本的性格を把握す
ることが先決である。その上で,受容のあり方が検討され,独自な表現形態が展開してゆくの
であろう。
ボランティアの機能については,1)制度化促進活動2)制度充実活動3)コミュニティ形成
活動と,中田氏は定義している。これは,先駆性,補完性,媒体性とおき代えてもよいのであ
ろうか。このような一般的に承認されている役割を機能させる思想的性格を,1)主体性2)連
帯性3)無償性の三つとして理解し,説明を加えてみよう。
(1)主体性福祉立法が充実し,各種制度が整備されてゆくことは喜ぶべきことである。しか
し,制度化が福祉対策の目標であるとの解釈には異議がある。
「法律は善人のために作られるのではない」(ソクラテス)。「法律がふえれば正義は滅
びるものだ」(ドイツのことわざ)。「日本ほど法律の多い国はない」(羽仁五郎「都市の論
理」),しかし,「日本ほど法律の守られない国もない」(例えば2月2日朝日新聞投書)が
語っている側面を顧みなければならない。立法は政策遂行の手段という一面をもっているの
で,立法の背後にある政策と,その根底にある思想に目を注ぐことが必要である。立法は目
的化されてはいけない。法律によって擁護される国民の権利を「不断の努力」によって守り,
制度を維持し,適切に修正してゆくことが要請される。行政施策に依存し,政府の責任を追
求するだけでなく,国民の権利意識の高まりによって福祉政策を遂行させることが重要であ
る。法によって規定され,制度によって守られる権利を享受する人間は,同時に,自ら権利
を獲得し,福祉施策を実現する担い手として社会的責任を重んずる市民的態度の持主である。
この主体的人間がボランティア像なのである。ボランティアは,主体的にニードに応答する
自主の確保を基本条件とする。従って,ボランティアの自主性をそこなうことなく,かえっ
て,主体性の確立を援助することに努めるのが育成機関の課題となる。
何ものにも強制されることなく行動する自発性に立ち,権力にこびらず,行政に甘えず,
真の「自立」を獲得しようとするボランティアは,対象者の自立を尊重してやまない。ここ
に連帯が芽生える。
(2)連帯性ボランティアを志す動機が,宗教的なものであるか,センチメンタルな同情であ
るか,自己啓発のためか,社会理論に導かれてか,あるいは,「愛他主義」か「自己関心型」
か「社交型」か(「イギリスのボランティア」全社協訳・刊行),にかかわりなく,それは
第二義的問題にすぎない。むしろ,ボランティア活動を通して,他者とのかかわりがどれだ
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恕袋ボランティア活動隙袋
け深化され,共同体意識に目覚めるかが中心課題なのである。自己のためのみに生きようと
する人間の本性を,他者との同一化において超えようとするのがボランティアだからである。
他者とのかかわりは,社会正義への志向を導き,社会悪に挑むことをいとわない。ここにコ
ミュニティが成立する。連帯ということは,コミュニティ形成への主体的参加に外ならない。
ラテン語のconnnunereは,その原義において人間相互のかかわり合いを意味している。
コミュニティの語源がコミュネレであることは,社会そのものが基本構造において互に重荷
を背負い合う人間の集団であることを示している。元来「主体」は,対象があって成りたつ
概念であり,主体的ということは,あらかじめ他者の存在を前提としている。主体的な結合
によって,はじめて連帯はつくられる。自主性を確認した上で築かれる相互依存のことを連
帯とよぶが,その基底には一体性(corpus)がある。ボランティアと対象者,ボランティ
アと地域住民,ボランティア同志の連帯の拡大が,制度化を促進し,充実させ,コミュニテ
ィを形成させるのである。
ボランティアという用語は,福祉・教育の分野以外に,軍隊で使われる。軍隊用語として
は,徴兵に対する志願兵をいう。米国の軍隊の歴史において,初期には,ボランティアとよ
ばれる民兵組織の上に,正規軍が位置していた。その比率は民兵%に,正規軍人%であった。
すなわち,正規軍が常に3倍のボランティアによって支えられていたのは興味深い。これは,
ボランティアと専門職,ないしは,制度との関係を示唆しているのではないか。
(3)無償性制度化されているか否か,財政的保障があるかないかに関係なく,守るべきもの
を生命をかけて守るのがボランタリズムの精神であるが,公が手をつける前に,なすべき真
の福祉課語を発見して,それに挑み,他人がしたがらないことに取り組むのがボランティア
に望まれる姿勢である。福祉の活動は,本来,何等の物質的報酬を期待しないでなされる無
償性を重視する。それが奉仕というものであろう。
すべてのものが金銭をもってはかられる経済社会において,ボランティア活動は単なる
「ただ働き」なのではない。内発的な意志と自由な行動内容を,物質的に,数量的に,換算
されることを拒否するのである。これは,ボランティアの交通費,実費弁償費をどう扱うか
という次元の問頗ではない。「自分のパンを求めることは物質的であるが,他人のパンを求
めることは精神的である」(N・ベルジャエフ)。ボランティア活動は,「精神的」なもの
であり,「人格的」なものであることを強謡しておきたい。
現在の福祉を動かしている思想の中で,「今日は人の身,明日はわが身」,「情けは人の
ためならず」,が大きな部分を占めている。明日の善意の還元を期待して,今日,恩を与え
ておく,といった反対給付を想定してなされる行為は,福祉の論理からは帰結されないはず
である。このような考え方から脱皮した,新らしい福祉の思想の構築を,ボランティアの中
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蕊袋ボランティア活動恕袋
から引出したいものである。
福祉は,「価なくして受けたのだから,価なくして与えなさい」に,根底があり,この理
念を活動経験を通して実現してゆくところに,ボランティア存在の価値があると思う。
5.ボランティアとしての民生委員
上記の思想的性格は,ボランティアを過大評価し,過剰な期待をかけているとのそしりをま
ぬかれないかもしれない。かねがね必要性を感じていたのでボランティアの本質の追求を試み
てみたのである。しかし,思想は状況に応じて,フレキシプルでありうるので,問題は「応用
篇」ということになろうか。そこで,最後に,日本的「応用篇」として発展してきた民生委員
の問題を,ボランティア思想に照らしながら考えてみたい。
民生委員制度は,西欧的発想にもとずくボランティア理念の典型的な日本的形態とみてよい
のではなかろうか。わが国の独創的な構想であるが,発展の過程において,ボランティア思想
の影響を多分に受けたという意味で,西欧思想の妥協の産物といっても誤りではないだろう。
民生委員制度は,すぐれて日本的なものであるが,今後どのように展開するかは,ボランティ
ア問題を展望する分岐点ともなる重要な課題であると思われる。
公的扶助との関連で,名誉職の地区委員はヨーロッパではすでに過去のものとなっている。
今日,日本で民生委員制度が発展拡充の途をたどっていることは,生活保護制度の矛盾ともい
える。しかし,民生委員の活動は,何も生活保護に限定されているわけではないし,その意識
において,福祉六法の枠を出ていないとはいえ,活動分野は多様である。また,多くの可能性
をもっている。
民生委員が厚生大臣の辞令を受け,その活動も都道府県知事の指導監督,市町村長の指示の
下に置かれ,福祉事務所長への協力を義務づけられているので,公的制度に組み込まれている
ことは判然としているし,推薦制にも改善の余地が多分に残されていることはいうまでもない。
民生委員制度そのものは,ボランタリーな組織ではない。にもかかわらず,民生委員はボラン
ティアでありうると思う。
民生委員が自ら,50周年の強化要綱において,自主性,奉仕性,地域性の原則を打ち出し,
「地域を担当する奉仕者として……自覚にたった自主的活動の実践につとめる」と申し合わせ
ているのは注目すべき,ボランティア宣言である。
現状は,福祉事務所の末端機関化しているが,民生委員が大臣委嘱を契機にして,いかに主
体的に地域のニードに対応してゆくかにある。特に「地域性」がこれから目指すべき方向であ
ろう。民生委員の名誉職を一歩すすめて,非常勤公務員として位置づけるなどは,まった<論
外である,民生と児童委員との分離が必要である。
民生委員がこれから果たすべき役割を列挙すれば,次の通りである。
1)福祉は,権利の保障にあるという思想を,住民に普及させ,行政に協力しながら,その行
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袋袈ボランティア活動隙袈
使を援助する。特にそれを必要とする者への適切な援助に努める。
2)「福祉」とは何か,を実践を通して地域に問題提起してゆく。権利主体者としての住民の
責任を深め,問題を受けとめうる地域に育ててゆく。(そのことが,専門性のもつ独善化へ
のチェックともなる。)
3)福祉の制度・機関についての情報を住民に提供し,説明する。
4)調査活動を通して,地域のニードを把握し,これを地域活動に結びつけ,福祉機関・施設
を活用するとともに,その機能の充足を計る。
5)ニードに対する住民の責任を喚起し,問題解決のための対策行動の核となり,問題に応じ
て民協,社協を通して運動にまで高め,あるいは,行政への架橋の役割を負う。
要は,生活保護家庭を「点」として捉え,行政につなげてきた従来の活動から,ニードを堀
り起し,その解決のために地域を巻き込む,「面」としての地域活動の展開へと,体質を改善
することである。地域に同一化しながら,民協・社協を通して地域の客観化に努力し,地域に
「動き」を起すことが大切である。それには行政とは一歩距離をおき,自主性と地域性を活動
の中心に据えることが肝要である。
いずれにせよ,民生委員活動は曲り角にさしかかっている。行政従属の末端機関化するか,
自主的ボランティア活動に活路を見出すかの分れ道に立っている。
それぞれの地域で,地域福祉計画の中で民生委員の果たす役割を読み分けることを望みたい。
これは,民生委員だけでなく,これからのボランティア活動は,それがいかに自主的なもので
あるにせよ,公的保障のもとで地域を総合的に判断し,自らを位置づけてゆかねばならない。
これからの社会福祉は,コミュニティ中心へと移行してゆくであろうが,民生委員に潜在し
ている巨大な福祉エネルギーを動員することによって,地域活動の組織化のいと口が見つけら
れると確信する。ここに日本の社会福祉におけるボランティアの将来が暗示されているように
思われる。
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緑隙ボランティア活動袈袋
社協活動のなかで
ボランティア活動の積極的な推進を
県社協組織部
•ボランティア活動のキャッチフレーズとして善意銀行の発足
徳島県社協が全国に先がけて善意銀行を開設したのは昭和36年9月であった。『善意』と
は`よい心’'でありまた更`人のためを思う心’'を意味し,これを銀行のシステムにのせて,広
く住民の善意を受け入れ,これを福祉に欠ける人々に払い出ししようとするもので,ボランテ
ィア活動のキャッチフレーズとして,いわゆる社会福祉の仕事を社会化・大衆化したものが善
意銀行の発想であった。これを理論的に整理すると次のことが考えられた。
1.善意銀行の意義
(1)善意銀行は社会福祉に対する住民参加のための意欲(善意)を具体的なニードに結びつ
けるための事業である。即ち,善意の活用のために取りつぎサービスを行なうもので,ボ
ランティア・ビューローそのものである。
(2)ボランティア育成の仕事は,もともと社協本来の任務であり,これを遂行する上に善意
銀行,ボランティア・ビューローの設置推進は極めて意義のある企画であるといえる。
(3)一方,これらの事業は社協の専売特許ではあり得ない。実際の取りつぎサービスの機能
を果たし,かつ社会的信用を保ち得るものであるかぎりは,どのような機関・団体でこれ
を行なってもさしつかえない。
(4)善意銀行,ボランティア・ビューローは,あくまで自発的なボランティア活動を促進す
るのがねらいであって,これによりボランティア活動を支配統制し,あるいは参加を強く
勧誘するなどは,その目的から逸脱するものといえよう。
ことに善意銀行の『金品口座』が金品募集に転化され,これを重視することは行きすぎ
である。
2.善意銀行の運営
(1)市町村社協にその設置を促進するに当り,特にその主旨の徹底をはかり,労力口座,技
術口座,金品口座をつくり,この中で金品口座のみに重点がおかれたり,金品募集の活動
に転化することのないよう留意する必要がある。
(2)県社協はこの善意銀行の運営について
(イ)各市町村社協の善意銀行の連絡調整(口)全県的なニードの予約と払い出しい)ボ
ランティア活動の推進一—この3つの機能を果すべく努力しなければならない。従っ
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袋袋ボランティア活動翁袋
て善意銀行運営委員会等を設置して,これらの諸問題について常に研究討議をすべきであ
る。
(3)この善意銀行は都市型,農村型のあり方について研究する必要があり,また都市農村に
おけるボランティア活動のそれぞれの特色についても研究すべきである。
(4)預託金品の受け入れ,払い出しについては,特に慎重を期し,共同募金会との協力関係
を一層緊密にする必要がある。
(5)技術・労カ・金品いずれもの口座も一般に『預け入れ』よりも『払い出し』にいろいろ
困難な問題がある。社協の事務能力をも関連して検討する必要がある。特にアフタサーヒ‘‘
スの強化,専任職員の配置へと積み上げすべきである。
(6)ボランティア団体及び住民組織からの技術・労力,金品の預託は社協本来の活動の関係
で考慮されなければならない。
(7)この善意銀行運営の経費について
(イ)公的な補助金,委託費,(口)共同募金の配分金(ハ)社協の一般会計(二)金
銭預託などが考えられるが,公的資金,共募の配分金などは社協活動の中でボランティア
活動を推進するための助成金とし,また金銭預託されたものは,預託者の趣旨を十分に尊
重して,直時払い出し,この銀行に要する経費は社協一般会計予算から支出されるべきで
あろう。
•ボランティア活動とは
『ボランティア』という言葉そのものの意味は,篤志家,篤志奉仕者,民間奉仕者などと訳
されているが,最近では原語そのままを使用する場合が多い。社会福祉事業に限って考えるな
らば,ボランティアは社会福祉事業を理解し,援助するため,社会福祉事業あるいは社会福祉
事業施設,団体に対し自分の能力と時間を自主的に無報酬で提供する人々である。初期の社会
福祉事業は,すべてボランティアの手に委ねられていたといってもよい。しかし戦後の専門社
会福祉事業家の職域の拡大に伴ない,ボランティアの地位は低下したが,その割合は依然とし
て大きい。アメリカでは,ボランティアの組織的な活動が行なわれており,その団体としてボ
ランティア・ビューローがある。現在日本では,学生や青年がセツルメントまたは子ども会等
においてかなり活発な活動が行なわれており,例えば全国に先鞭をつけた愛媛県のVYS運動
は青年のボランティア活動である。日赤奉仕団もボランティア活動を行なっている組織である。
このほか,民生委員や保護司などは``制度化されたボランティア’'として今後の活動が期待
されている。
ところで福祉国家の建設,福祉社会づくりは国民のすべてが要望することであるが,福祉国
家は単に公の制度やサービスを充実してゆけば建設できるというものではない。よく云われる
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隙袈ボランティア活動紺蕊
ように真の福祉国家を建設し維持してゆくためには,国民の側に制度を作りあげようという意
欲がなければならず,さらにまたその制度を効果あるものとするための国民自身の努力が必要
とされる。このような国民自身の意欲や努力は,制度やサービスの改善,創設を求める市民運
動一社会行動―ーとして,また地域の福祉問頗を自主的に協働的に解決しようとする地
区組織活動が推進されなければならない。これがボランティア活動であり,この活動の具体的
な推進方策については,住民福祉教育,善意銀行運動,ボランティア・ビューローなど幅広い
事業が考えられる。
•ボランティア・ビューローの機能を高めよう。
今日のボランティアの育成機関として考えられるのは,県社協,市町村社協の運営する善意
銀行,ボランティア・ビューローをはじめとし,報道関係のもつ厚生事業団,日赤,日本青年
奉仕協会などがあり,それぞれの特色を活した活動を展開している。しかしその多くはボラン
ティアの募集と紹介に重点がおかれ,育成機関の主たる役割はボランティアの積極的な開発・
育成にあり,単なる善意の取りつぎに止まってはならないことが強調されている。今後,育成
機関はその役割と任務に対する共通の理解を深めるとともに,相互の連けいを強化し,特に県
社協は今後ボランティア・ビューローの設置とその機能を高めるため一層の努力をしなければ
ならない。
•ポランティア・ピューローの機能(ボランティアの斡旋機関)
l.地域社会がどのようなボランティア・サービスを必要としているかを,常に把握する。
2.物心いずれにせよ,サービス提供を希望するボランティアの発見,把握につとめる。
3.ボランティアの募集,訓練,適性諷査,組織化につとめる。
4.ボランティアを適当に斡旋する。
5.施設,機関,団体に対し,ボランティアの受け入れ,監督の方法につき指導する。
6.ボランティア・サービスについて,住民に対し教育,広報につとめる。
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袈袈ボランティア活動蕊恕
青少年の育成とボランティア活動
県青少年婦人課長高田勇
「自分の趣味にあったくらし方」「その日その日をのんきに」というのが七割,「清く正しく」
「社会のために」「金持になる」は三割に満たない。また「スポーツや趣味」「仲間といるとき」
に生がいを感ずるものが大半を占め「社会のために役立つことをしているとき」は一割に満たない。
これは昭和四十六年に総理府が全国十六万人の青少年を対象として行なった意識調査の結果で
あるが,今日の青少年の生き方として自己中心的な自分だけが楽しくくらすことが出来ればいい
といった考え方がうかがわれる。スヒ°ード・変
化・多様化が求められ,全てにおいて合理化の
現代社会を生きてゆく青少年にとって,こうい
ったものの考え方は当然の結果とも考えられる。
しかし,今日の青少年はただ物質的な富や安
楽な生活だけを求めているのではなく,たえず
新しい何かを索しもとめている。私が青少年行
政にたづさわる様になって接して来た多くの青
少年は,今日の社会を冷静に見つめ自分たちの
役割を自覚し,進むべき方向を見定めながら,日ごろのグループ活動や,奉仕活動に意欲をもや
している。
今日の青少年育成の課頗として,さきに発表された青少年問題審議会の青少年に関する行政施
策の基本的な考え方の中で「①青少年自身の個の充実②創造力を伸ばしかつ発揚する③社会に主
体的に参加がする④連帯意識を養い,すすんで社会的に連帯の輪を広げていくこと」があげられ
ており青少年が身近なところで参加と連帯などを体験することができるグループや団体の育成と
その活動の促進が最も必要であるとしているが,
本県に於いても昭和47年1月策定したコロナ
・プランの1つの柱として「青少年団体の組織
づくりと活動の促進」をあげ諸施策の積極的展
開をはかっているところである。
最近「青年の社会参加」が青少年間題の大き
な課題として取り上げられている。これは,管
理化,組織化が進行し人間疎外が随所に見られ
"町を美しくする青年ボランデ―イ--アたち”る現代社会に背を向けようとする青少年に社会
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袋袋ボランティア活動袋翁
的役割を自覚させ,自らの存在を確認し,自己のエネルギーを十分発揮し,自分自身の充実をは
かってゆくといったねらいをもつもので,この社会参加を促進させるものとしてグループ活動へ
の参加が呼びかけられているのである。
現在県下で,団体・組織・グループなどに加入している青少年は全体の三割であるが,これら
の青少年はそれぞれの日常の活動の中で自己研鑽や明るい社会づくりをめざしている。このよう
な青少年の諸活動が地域社会において新しいコミュニティづくりや,地域社会の福祉活動に深い
つながりを持ち,青少年自身がボランティアとしてその推進力となることを期待している。
県下で,青少年活動を行なっている団体のなかで,BBS会,日赤青年奉仕団など奉仕活動を
中心としたものがあり,その他の青少年団体においても,福祉活動,環境美化,子ども会育成など
の奉仕活動が取り入れられているが,これらの活動が,団体内のみの活動に限定されてしまっ
たり,継続性のないものになっている場合が多い。今後,青少年の奉仕活動を活発にするため,
コロナ・プランでは,関係機関・団体との連けい,青少年団体相互の連けいを深めるための組織
化などをはかるため,①ボランティア研究集会の開催,②ボランティアスクールの開設,③ボラ
ンティア活動の広報,④ボランティア活動の組織化をすすめることにしている。
ヨーロッパやアメリカでは最近急増してきた余暇時間を,何らかの社会的な奉仕活動に参加す
ることに生の充実感を求めようとする傾向が顕著になっているといわれる。我が国の青少年の間
にも何らかの社会奉仕的な活動をやりたいという希望を持つものが増えているという。こういっ
た青少年の意志を社会が積極的に汲み取ることが出来る様に諸条件の整備と,青少年活動に対す
る理解と協力をすすめてゆかなければならない。そういった意味で県では,本年度から青少年の野
外活動や,レクリェーション活動のボランティアを養成するため,特技指導者養成講座を関設し
ているが,これは県下各地で青少年のグ)レープ活動を育成してゆく上で最もその発展の障害とな
っている地域の指導者不足と若い人々のボランタリーの発くつをねらって取り上げたもので,現
在40数名の人達が熱心に受講している。今後この受講者たちを県の中級指導者として位置づけ
し各地の青少年活動の指導に巡遣することにしている。こういった青少年活動のボランティア養
成は,野外活動や,レクリェーションのみでなく,今後は巾広い活動分野での養成をはかってゆ
きたいと考えている。
逃浄逃逸逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃逃
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袋袋ボランティア活動への提案蕊蕊
福祉施設とボランティア活動
草の実学園長奥尾貞雄
現代社会福祉事業に占めるボランティアの役割と,意義は非常に大きいものがある。
しかし,本来奉仕活動の発生が,人間愛に基づく善意活動であったから,今日に到るまでの過
程をみても,いろいろな変遷や起伏もあった。殊に住民に対する福祉教育のあり方が明確にされ
ていない日本の場合,篤志家が特定対象のために奉仕する形態のもとで成長してきた関係もあっ
て,民生児童委員を除いては,未醗酵のまま過ぎてきたともいえる。
このためボランティア活動そのものも,思いつきであったり,自己陶酔と迷惑がられた時もあ
った。殊に福祉施設の場合では,その無計画さ,無目標,相手かまわずといった点で,生活リズ
ムの混乱,従事者負担の増加などと,時には敬遠せられたり,押しかけ女房さながらにみられた
ことも否定できなかった。
ボランティア活動が流動的で継続性に乏しかったのは,このような相関関係が作り出した未熟
現象ともいえよう。
だが,福祉施設の性格,施設利用者の特質,施設目的,運用管理上の考え方等により相違のあ
ることは勿論であるが,心身障害児者施設,特別養護老人ホームなど,入所者の社会的行動半径
が狭まかったり,社会生活に対する経験意識の低い施設にあっては,ボランティアによってなさ
れる開発と,施設サービスの補完的な役割は大変大きいといえる。
ボランティアとの人間交流が,ややもすると愛情の飢餓状態に陥りやすい人達の,心をなごま
せ,生きがいと生きる喜びを与えたことの功績は大きい。殊に視聴力に乏しく,また積極的に実
社会を知る能力が低い,利用者にとってはボランティアとのかかわりあいが,極くありきたりの
普通のことであっても,会話を交し,身近かに接触するということだけでも,何物にも勝る心の
糧となったのである。特に精神薄弱児者の場合には,従事者によってなし得られない教育的成果
が期待できるのである。
これ等はほんの一例に過ぎないが,こうした直接的成果のほか,社会の福祉意識の開発,優秀
な福祉従事者のアプローチ,施設の社会化促進といった間接的成果も見逃がすことができないの
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袋袈ボランティア活動への提案袋袈
である。
ボランティアは,近代社会福祉の理念及び形態からみても,理念的に大きく成長するよう期待
するものである。即ち,人間本来の,「不幸な人には何かしてあげたい。そうすることによって
自分も慰められる」といった前近代的な感覚から脱皮し,住民参加による福祉国家建設のために,
自分を何か社会に役立てるといった意識,税金を負担することによって間接的に参加してきた社
会開発,社会改良,社会福祉に,自分の能力にあわせて直接参加するといった福祉感覚が,ボラ
ンティア活動の底流として育成されることが肝要であろう。
そのためには,ボランティアが公的機関等によって機能的に養成され,また組織化される必要
がある。こうして養成されたボランティアが,特技,趣味,奉仕タイム,地域性を勘案して細胞
化され,それを社会福祉協議会のビューロー的役割のもとで,指導調整され実践活動に導入する
といった,奉仕の体系化が大切であると思う。
また,こうした奉仕構造を通じて,住民に奉仕の慣行化を図ることも閑却できないものである。
自分の生活する社会へ,自分を少しでも役立てるといった新鮮な時代感触を素通りしてきた過
去と,必要意識は充分もっていながら,積極的に思考しなかった行政反省もこの際あっていいと
言えるのである。
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袋袈ボランティア活動への提案袋緑
「ボランティア活動に期待する」
徳島児童ホーム園長佐藤孝義
現在わたしたちのホームは,いろいろなボランティアの援助を受けている。近くの床屋さんは,貴重
な休日の時間をさいて子供たちの頭をカッコよくきれいにし,カトリック教会その他婦人ボランティア
は,衣類の補修,洗濯など助け,徳大学生ボランティアは毎週の定期訪問の他に,交替で泊り込んで学
習指導をし,またサイクリング,キャンプ等の行事を主催したり協力してくれている。
その他,不定期のボランティア活動,招待行県訪問による行事などいろいろの形で最近では非常に多くなっ
ている。
ボランティアとは,一般には暇のある人が善意から無報酬で社会福祉事業に奉仕することであると考
えられていたが,わたしたちは決してそのように考えてはいない。
そもそもすべて社会福祉事業というものは,ボランティアの活動から始ったものである。まず社会的ニー
ド,たとえば身寄りのない孤児や病人がいて,それに対して何とかしなければならないと気がついた人
が対策をこうじ,困窮者を保護している。それはとても個人的な善意や努力のみではとても負いきれな
いから,他の人々に協力をうったえたり,やがて社会全体がそのことを考え,制度化するよう要求され
るのである。そのようにして法律が出来,制度が出来て,施設や専門職員が社会的ニードにこたえるよ
うになるもので,児童福祉の場合,社会的養護が児童福祉法によって制度化し,国の負担で行なわれる
ようになったのは,戦後になってからでそれまではほとんど民間のボランティアによって担われてきた
といえる。
そして,ある社会的ニード(必要)に対して制度が出来ても,次々に新しいニードが生じ,
ニードそのものも変化していくものである。たとえば現在は孤児はほとんどなくなり,家庭崩壊
など悪い環境の中で,ひずみを受けた児童の保護や老人問題などが新しいニードとして対策をせ
まられている。
したがって,ボランティアは,役割がなくなるどころか,いっそう複雑化していく社会の中で
ニードを正しくとらえ,福祉の重要な担い手として活動しなければならないと思う。
わたしたちがボランティアに期待することを具体的に書きますと次のようなことがある。
(1)ボランティアは,単に人手不足を補なう奉仕者でなく,専門職員と共に事業を推進する両輪
のうちの一方,かけがえのない役割を担っているという自覚をもつこと。(アメリカの社会施
設は仕事の半分以上はボランティアが受持っている。)
(2)施設に継続的に入り込むことによって,とかく閉鎖的になりがちな施設と社会のパイプ役を
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袋袋ボランティア活動への提案袋袈
つとめ,施設の実状を社会に知らせること。新しいボランティアを誘うこと。
(3)施設のおくれや不備を改善するために,専門職員とともに考え,努力し,社会にうったえて
いくこと。
(4)そして最終的には,ニードの発生そのものを防止するようなはたらき,つまり,不幸な児童
が出ないような社会をつくるようにすること。
このように,施設はボランティアに大いに期待し,一緒に働いてくれることを待っている。貴
重な時間や能力,特徴をいかして社会活動をすることによって,ボランティア自身も,有意義な
生活を実現出来るのではないかと心から期待するものである。
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袋袋ボランティア活動への提案紺袋
民生委員とボランティア活動
県厚生課社会係長湯浅清二
ご承知のとおり,民生委員法は昭和23年7月に制定公布され既に25周年を迎えた訳である
が,今もって民生委員は如何にあるべきか,又,その果すべき役割はどうなのか,と論議されて
いるのが実状である。これは,急激に変動する現代社会の中で,社会福祉のニードというものが,
目まぐるしく変ぽうしているために起きている問題の一つのようにも思うが,これは日本の社会
の人々(市民)が,「自らは社会のために何をなすべきか」ということを考えずにきたために今
だに問題とされているものと考えられる。これを別の言葉で言えば,民主主義の歴史の浅い日本
では「社会というものは,自分たち自らの手で,豊かな住みよいものにしてゆかなくてはならな
いものである。」という自覚に欠けているせいであるように思える。
このような,日本の社会という土壌や,民生委員法にいうところの職務はさて置いて,民間人
で,その道における専門家である横須賀基督教社会館の阿部志郎館長は,民生委員の果たすべ
き役割について,
「1.福祉は,権利の保障にあるという思想を,住民に普及させ,行政に協力しながら,その行
使を援助する。特にそれを必要とする者への適切な援助に努める。
2.「福祉」とは何か,を実践を通して地域に問題提起してゆく。権利主体者としての住民の
責任を深め,問題を受けとめる地域に育ててゆく。
3.福祉の制度・機関についての情報を住民に提供し,説明する。
4.調査活動を通して,地域のニードを把握し,これを地域活動と結びつけ,福祉機関・施設
を活用するとともに,その機能の充足を計る。
5.ニードに対する住民の責任を喚起し,問題解決のための対策行動の核となり,問頗に応じて
民協,社協を通して運動にまで高め,あるいは,行政への架橋の役割を負う。であって,要は,
生活保護家庭を「点」としてとらえ,行政につなげてきた従来の活動から,ニードを堀り起し,
その解決のために地域を巻き込む「面」としての地域活動の展開へと,体質を改善することである。
地域に同一化しながら,民協・社協を通して地域の客観化に努力し,地域に「動き」を起すこと
が大切である。」
と述べている。
しかし,私は,この5項目の総てが,民生委員のみのボランティア活動であるとは,受け止め
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袋袋ボランティア活動への提案蕊裕§
ていない。民生委員がコミュニティつくりに果す役割は,極めて大きいものがあると思うのであ
る。
民間福祉活動の推進母体とも考えられる社会福祉協議会の,福祉活動の消長を左右す
る民生委員の諸活動というものは,わが国の社会福祉増進への大きな原動力となると同時に,市
民の社会福祉に対する自覚を促す契機ともなる重要な役割を担うものと思うのである。
少々,民生委員に過大な期待をかけ過ぎているとのそしりをまぬがれないかも知れないが,この
ような期待は誤りであろうか。
民生委員のボランティア活動を積極的に推進すると同時に,わが国における国民に対する社会
福祉教育を,もう少し強化されてよいと考える。
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袋袋ボランティア活動への提案緑怒
ボランティア活動とコミュニティーづくり
美馬町社協理事牧田茂
コミュニティーづくり,コミュニティーづくりへと,草木もなびく時代である。いままで民衆
の幸福とは何かということを忘れて,経済の高度成長にひたすら突進してきた結果が,公害の氾
濫であり,自然の破壊であり,そして人間疎外であった。そこでコミュニティーの復権を願い新
しく正しいコミュニティーづくりによって,仲間とともに人間の幸福を築こうとする流れは当然
であるし,連帯感,自主性,社会生活のルールの確立,などに世間の目が集中していることは今か
らでも遅くないという感である•O
•社協はコミュニティー形成の中核
コミュニティーづくりについては,県下でも四系統の機関,団体から指導助成が行なわれて
いるし,行政からは市町村役場,保健所,福祉事務所の援助がある。いまこの紙面でその指導
体系方針の重複,非能率な面などについて記述する余裕は持たないが,住民の主体性を培かい,
その力を結集し,協働によって,総ぐるみのきめ細かな活動をするためには社会福祉協議会が
中核とならねばならないと考える。
•社協の活動基盤は部落会
コミュニティーの基盤となるものは,身辺生活における,向う三軒両隣りから始まる部落会
(町内会)である。さらにこれを大きくして,いわゆる人的識別の範囲,生活のワンセットを
具備する小学校単位の地区社協のまとまりが必要である。
•社協とボランティア
ところが例えば建築というものは完成の日が老朽への出発であり,組織も,それがいかに整
然と組立てられたものであっても,組織の発会式の日から,形骸化,空洞化,惰性化への傾斜
が始まるのである。いま私たちの周囲には高山の枯木のごとくに晒されて,活動を停止した団体
をいくつも見ることができる。このような事にならないために,組織に活を入れ,鮮血を注入
して不老不死の生命力を与えるものは,ボランティア活動である。
ボランティアの定義とか資格とか,活動内容は地域活動研究誌第6巻第2号によって明らか
であるが,しかしこの条件を完備した人材を私たちの周囲から見出すのは,天二物を与えずの
諺の通りで,きわめて難しい。
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隙緑ポランティア活動への提案袈蕊
•ボランティアビューローヘの志向
そこで新谷先生の論ずるごとく,コミュニティーづくりとは,私たち自身で,私たちの社会
を住みよくしていく,わが身のまわり明る<心豊かにしていくものであるという見地から,
ボランティア活動も,その道の専門家はもちろん必要であるが,もっと身近に,ボランティア
活動とは,「身がまえて,特別に奉仕することでなく,きわめて日常的なものである」という
自覚が必要である。私たちの体験によっても危機に瀕した地域内部の人間関係を,さして高い教
養を持たぬ素朴で平凡な人の活躍によって,円満に調整された例をしばしば持っている。
それぞれ個々には弱い力ながらも,阿部志郎先生の言のように,権力にこびらず,行政に甘
えず,真の自立を獲得するボランティアが,ささやかでも自己の力を,みんなのものへとボラ
ンティア・ビューローに結集するとき,1人1人がたいせつにされる住みよい社会ができると
思うのである。重ねて言うとボランティア活動とは,専門家だけに任すものでなく微小な存在
の自己もその資格を持つという自覚が必要で,そこからボランティア・ビューロ_の充実もで
きると考える。さらに結言したいことはボランティア活動はコミュニティー形成の活殺の鍵を
にぎるものであるということである。
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袋袋ポランティア活動への提案袋袋
"児童福祉に情熱をささげる
青年ボランティア・クラブ'’
鳴門市
鳴門市に,子ども会活動の育成を通して,児童の健全育成を図り,児童福祉の面に貢献しよう
として,鳴門市青年ボランティア・クラブが結成されたのは昭和46年8月12日である。この
日は,児童福祉を主目的とする青年のグループが鳴門市に誕生した記念すべき日なのである。
鳴門市青年ボランティア・クラブというのは,友愛,協同,奉仕の精神で,青年社会福祉事業家
として,子どもの幸福のため誠意をもって奉仕するグループで,青年が持っているあたたかい善意
を横につないで,子ども会の指導にあたろうとする25オ未満の若い人たちのグループである。
第1期生の結成に参加したのは,男子2名,女子17名の計19名であり,大学生11名,保
母5名,市職員1名,OLl名,家事手伝い1名という多彩な顔ぶれで,平均年令20オという
若い人たちばかりであった。
青年ボランティア活動は,先ず自己研修から始められた。鳴門市子ども会連合会と緊密な連携
をとり,8月28日~29日の2日間,技術研修の為のワーク・キャンプをはじめとして,ゲー
ム・パーティ・ハイ
キングなど,会員相
互の親睦を図りなが
ら,プログラムの中
で,子ども会の直接
指導者としての技能
を習得していったの
である。
第1期生の最初の
サービス活動は,各
子ども会のクリスマ
スのつどいに対する
奉仕で開始された。
12月11日,三俣
子ども会での人形劇
徳島県子ども会連合会総会での
人形劇上演の奉仕活動
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緑袋ボランティア活動への提案怒袈
上演を皮切りに,18日,19日,23日,24日,25日と6日間にわたり,1日,2つの子
ども会の訪問をする日もあり,8つの子ども会で,ゲーム,ソングの指導をしたり,人形劇を上演
したりして,地域の子どもや指導者から感謝されたものである。
その後,人形劇の練習,ゲームの研修など毎月,第一日曜日の午前9時からと,第三月曜日の
午後6時からの2回の定例会の中で指導技術の積み上げをしていったのである。
幸い県社協のご好意で,徳島県子ども会連合会総会の席上や,施設の子どもを招待する子ども
のつどいの場で,人形劇の上演をさせていただき,日ごろの努力が発揮でき,充実した喜びを味
わうことができた。
続いて,47年10月8日,第2期生が9名入会した。
この年度の活動内容は,実に拡大され,子ども会ジュニアリーダー研修会での講師助手として
の参加,各単位子ども会の教育キャンプヘの指導者としての活動などより重要な指導者のスタッ
フとして参加する機会が多くなってきた。
里浦子ども会へ定期的に出かけていって,継続指導する活動もこの年から始まった。特に,本
年度,特筆すべきことは,鳴門市で毎年開かれている,子ども会指導者の研修講座である「杉の子
学校」の講座の1つを講師として担当したことであった。
更に,48年8月10日,3期生が入会した。男子5名,女子6名である。
現在では,定例会は毎週土曜日の午後6時から青年会館で開くようになっており,毎回のつど
いは10数名であるが,機閲紙の発行,人形の製作など地道な研修活動を続けている。
継続指導する子ども会も四ケ所となり,ますます忙しくなりつつあるし,更に,この10月21
日には,老人ホームを慰問しようというので,みんな歌の練習にいっしょうけんめいになってい
る。
まだ,生まれて3年目,未熟ではあるが,純粋な青年の善意の活動は除々に育ちつつあり,将
来が期待できる奉仕活動団体である。
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袋恕ボランティア活動への提案紺蕊
ボランティア活動として,地域子とも会活動ととりくむ
貞光社協事務局長楠本利光
1.本年度社協大会計画の背景
貞光町は昭和44年を第1回として,毎年社協大会を開き町民ニードの把握と,町福祉事業
に功労のあった方々の顕彰につとめてきたが,本年は第5回目を迎え当社協の重点目椋が「青
少年の健全育成」となっているのでその手はじめとして,年度当初から全町内に子ども会づく
りを推進することになり,当社協は町内各学校,PTA,町民協児童委員,部落会長,補導警
察等関係者に呼びかけを行なった結果,子どもの活動組織についての方向づけが示され,先ず
子ども会活動には「豊かな遊びと環境」だ。現代っ子にはもっともっと自主性,協調性,創造
性,そして体力づくりが必要である。これがためには学校や家庭以外の地域社会での集団の遊
びの場の中から,こうしたものが育成されなければならない。そしてその指導や運営も一本の
線に結ばねば効率的でないので,従来の行き方を統制して,子ども組織の窓口はやはり民間団
体としての町社協が担任すべきだということに落ちつき,本年6月18日貞光町子ども会連合
会準備会が,当社協会長(町長)によって招集され,町内各種団体の長をはじめ関係者約60
人が出席し徳野県子連副会長を迎えて指導をあおぎながら,連合会規約,事業計画,予算が審議
決定されこれを当
町子ども会連合会
第1回総会にその
場で切り替え,更
に地区子ども会の
組織,規約,年間
計画の例示まで検
討ができた。そこ
で更に去る7月6
日県子連の徳野副
会長の来町を求め,
部落会長会議の席
上で部落子ども会
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隙袋ボランティア活動への提案袋絞
の結成促進を提案これを決議した。
その結果は予想以上に全町内の父兄の関心が高まり約2ヶ月足らずで,全町に部落子ども会の結
成を見るに到り8月30日,更にまた徳野先生の指導を得て,子ども中央委員(部落子ども会代表)
と,理事(育成会の代表者)との合同会議を開催して次の事項が確認された。
(1)子どもたちのボランティア活動としての発表の中から
㋑大北町子ども会は8月19日,加茂愛育園長外51名のお友だちを招いて,ボーリング
や風船割,のど自慢大会などを聞いて交換歓迎会を実施したと発表
㋺浦山引地わ桝ま子ども芸ま「ふるさと便り」第二号を発刊して,部落出身の出稼ぎ者その他に発送し
たと発表
㋩太田校区子ども会連合会は各部落ごとに神社やお寺の清掃奉仕,花だんの整備と花ーぱいの種
まき,としよりの憩いの場のベンチの設定,或は子ども主催の敬老会を実施して老人はもとより
父兄からほめられたと発表
㋥皆瀬校区は9月3日に総会を開き,校区の月別計画や今後の計画内容について発表があった。
(2)育成会(おとな)の協力状況
㋑町内篤志家5人はt常市,谷兼ー,永井淑則,西尾秀蔵,武岡義博)より子ども会連合会発足
に伴う活動基金として,23万円が社協の窓口に贈られた。これは全町の子ども1人当り150円の
少額だが,子どもを励ます大きな心の糧となっている。
㋺中山部落は子ども会の結成を祝って,部落ぐるみで野外テントを部落を離れたところに張り,飯ごう
炊はん,映画会(敬老と団らん)をして一夜を明かした。
「孫や,となりの子どもと,こんなに面白く話したり笑ったことは,72年の人生の中ではじ
めてだ。こんなうれしい行事は是非またしておくれ」とは部落の長老のことばであったと発表された。
㋩各部落の部落会は,子ども会が結成されて以来すべて子どもの集りを中心に部落会が開催され,
その中で部落の当面する事がらや年間行事がそれぞれ協議されていると発表されている。そして
その出席率も80%以上を示しているということである。
(3)決議事項の中から
㋑理事(おとな)の要請として,本年度の第5回社協大会においては,町内子どものしあわせを
図るため,研究委員会を組織してその研究結果を大会当日発表するようにしたい。
㋺中央委員(子ども)の要請の中から「私たちの代表を町内3地区はi光,太田,端山)より選
び,私たちの考えや意見を,町内のおとなの人に聞いてもらってはどうか,という提案があった。
この要請と提案は去る9月7日の当町社協理事会で直ちに認定決議を見たので,いよいよ本年
度大会で実施する運びとなった訳である。
2.子どもまつりの触れ込みの本年度社協大会計画について
前段申し述べたようその大会計画の背景が子どもの,福祉を求めての一点にしぼられ,首題も「明
るい町づくりのための児童福祉活動のあり方」とさだめられ,去る9月21日には県社協藤原次長の
来町を得て,首題に対する研究委員会(掲載写真)が開催され,委員会は三分科会に分れ熱心な討議
が交されたが要は大会当日の成果もさることながら,大会開催までの,こうした過程の中に社会福祉
への研究があり,人間関係の開拓があることを知るとき,福祉大会開催の意義は大きいことが今更の
ように感ぜられるのである。
本年度の大会C10月21日)は,貞小校区子ども会の吹奏する鼓笛隊の入場にはじまり,表彰
(子どもたちの善行,金婚者),子どもたちの作文発表,記念講演(山口厚生政務次官)などが内容
となっており,本町子どもまつりの融れ込みの第5回大会が,ほんとうに子どものしあわせの上にみ
のり多い大会であることを祈りながら筆をおく。
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袈隙県社会福祉大会恕紺
コミュニティつくり運動を推進しよう。
8月22日23日の両日,第17回県社会福祉大会開催される。
ことしは老人福祉法が制定されて10周年を迎えるに当り,これを品念する第17回徳島県社
会福祉大会が8月22日,23日の両日開催された。特に本年度は4つの研究委員会がもたれ,
全国共通テーマについて熱心な研究討議が行なわれ,この結果は23日の総会に報告され,また
11月上旬に開催される全国社会福祉大会に積上げされることになっている。
第2日目,8月23日の総会は,午前9時50分から約1,000名が参加して郷土文化会館で開
催され,大会名誉会長・武市県知事,大会長・伊東県社協会長,西岡県共募会長のあいさつで
はじまり,表彰並びに感謝状の贈呈などが行なわれたが,特に"老後の生きがい’'と題して,横
須賀キリスト教社会館長・阿部志郎先生の内容充実した記念講演には,参加者一同に深い感銘を
与えていた。
第17回徳島県社会福祉大会
研究委員会で熱心に討議する
各委員
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県社会福祉大会のプロローグ
として吟詠する谷口恵子さん
果社会福祉大会
研究委員会の結果
•第1研究委員会
委員長県社協事務局次長藤原

副委員長羽ノ浦町社協事務局長厚:田貞友
<テーマ>『地域福祉対策の確立とそのすすめ方』
“コミュニティつくり運動を積極的に推進し,地域社会福祉関係予算
の確保に努力しよう,9
I地域福祉活動の現状と問題点
①社協活動の某盤は小地域(町内会,部落会)である。社協の目標としては,法人化を促
進し,優秀な職員を確保するとともに,社会調査を徹底し住民のニードにあった福祉活動
を展開する必要がある。また行政の福祉サービスも最善の努力をしているが,行政の中味
が画ー的,均衡,平等でなければならない。
問題点
①社協会長は民間人がのぞましいが,過度期でもある関係から市町村の首長が多い。
②社協職員の人材が乏しく,社会福祉は,切実感がなく使命感に乏しいので,特に事務
局長は優秀な専任職員を配置すべきで,また職員の身分,給与も改善すべきである。
③住民主体の協働活動を進めるため社協の機構機能を点検する必要がある。
④よい企画よいアイデアと住民のニードを適確に把握し行政にもちこむ姿磐が大切であ
る。
⑤行政の行なうプロゼクトチームの中に民間及び専門家を入れ,新しい開拓的な社会福
祉のビジョンをつくり,むだのない福祉サービスの実施が望まれる。(長期福祉構想の
樹立)
I住民主体のコミュニティづくリ
コミュニティづくりの前提として地域があり住民がある。このことをふまえ,住民の連帯
意識の昂揚,すなわち住民の意識改革の必要性がある。
①ボランティア活動の推進
ボランティアの開発育成と住民福祉教育はこれからの社会福祉活動の基本となる。
このなかで制度化されたボランティアとしての民生委員制度があるが,この民生委員の
問題として①地域をはなれて民生委員は存在せずコミュニティづくりの推進役となり,ま
た社協の中核的存在であるべきである。◎民生委員は決して報酬を求めていない。この際
活動費実費弁償費を十分支出する。◎民生委員法の抜本的な改正を早急に行ない民生委員
と児童委員をきりはなし,地域における第1線指導者として委員の近代化と若返りを図る
べきである。
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袋恕渠社会福祉大会蕊憑含

社協活動体制の刷新強化
激変する社会に対応するため,これからの社協活動は「限界なぐして尺度なし」といわ
れるごとく幅広い活動が要求せられる。そのために社協活動の果す役割を明確にする必要
がある。その方法としては,①社会調査を徹底し住民のニードを十分に把握した地域福祉
計画を樹立する。◎社協活動の拠点として地域福祉センターを建設する。◎福祉関係予算
をいかに確保すべきかを検討する。@社会福祉と社会教育の接点について前向きの研究と
討議が望まれる。
I
地域福祉サーピスの充実とその総合化

地域福祉センターの役割
地域住民の話しあいの場であり,福祉活動の拠点となる地域福祉センターを早期に建設
し,そのなかで老人福祉,心身障害者対策,隣保館活動等の機能を果たすことが大切であ

(••@
る。
地域福祉関係予算,財源の確保
地方交付税の県,市町村社協の算定基礎を大幅に引上げるよう努力する。
社協の法人化を促進し専門員の増員と給与,身分等の改善を図る。
県,市町村に対し福祉関係予算の公費導入を要望する。
49年度予算要求については,強力な予算対策運動を推進する。
•第2研究委員会
委員長
副委員長
副委員長

立乳児


県社会福祉施設協議会長
徳島児童ホーム園長
大藤佐
滝代藤
武男
治之一
孝義
<ラニーマ>『これからの社会福祉施設の機能』
“社会福祉施設の機能の近代化と施設従湘職員の確保と処遇の改善
を図ろう"
社会の進展に対応した利用者処遇のあり方
最近における地域住民の福祉運動のあり方においても見られるように,県民ひとりひとり
の基本的人権の擁護に関する意識は,きわめて高いものになっている。
このような社会的な背景の中で,施設利用者の実態を見てみると,利用者の人権は,必ず
しも十分に尊重されているとはいえない現状にある。
われわれ施設関係者は,利用者のサイドに立って,あらためて,次のような事項について
考え直してみる必要があることを確認した。
ー.
利用者のプライバシーが守られ,生がいのある生活が保障されるよう配慮される必要が
ある。
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袋恕渠社会福祉大会蕊蕊
2.特に,児童福祉施設においては,自律的社会人に成長するために利用者の個性を尊重し
た処遇を必要とする。
3.個別的処遇を効果的に行なうために,措置費の体系を根本的に検討する必要がある。
I福祉施設最低基準の検討と改善の方向
社会福祉施設最低基準は,何れも,その後の著しい社会情勢の変動にもかかわらず,未だ
に抜本的な改正がなされていない。特に,各施設種別に共通して,
1.職員の配置基準
2.利用者の居室の面積等設備基準に問題があるので,社会福祉施設最低基準を実状に見合
うものとするよう抜本的に改正する必要がある。
I福祉施設と地域社会との関連
施設の社会化が叫ばれてから既に久しいが施設の現状をみるに必ずしも十分な効果を挙げ
ているとはいえない。
われわれ施設関係者は社会化の意義やその重要性を再認識し,次の方法で社会科を進める
ことが重要である。
1.地域住民の福祉参加を促し,又施設の地域参加など積極的に進める必要がある。
2.施設は,その地域における福祉センター的な役割を果せるよう人員や設備を整備する必
要がある。
IV社会福祉職員の確保対策
最近,全国的な傾向として社会福祉施設職員の確保が,ますます困難になりつつあるが,
本県においても,その例外ではない。
このことは,社会福祉事業を推進するうえで,きわめて深刻な問題であるので,優秀な人
材を確保するために,施設職員の給与と労働条件の改善を図り,魅力ある戦場づくりを推進
する必要がある。
v施設の機能的系列化について
各関係法の施行後相当の年数を経過した今日,社会的ニードの変化とともに,施設の対象
者も大きく変わっている。
したがって,現行法規によって定められた法的機能と現在の施設が果している機能,また
は今後果すべき機能との間には,大きな開きと矛盾が生じている。
施設の法的機能を対象者のニードに即したものとするよう,法規を整備し,施設の機能的
系列化について再検討の必要がある。
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袋袈渠社会福祉大会翁恕
•第5研究委員会
委員長鳴門市福祉事務所長仲須賢
副委員長徳島県老人相談所業務係長厚美本
<テーマ>『老人福祉活動推進のあり方と課題』
“明るい豊かな老後をみんなで考えよう"
I在宅老人のための福祉活動の現状と問題
ひとりぐらし老人やねたきり老人等要援護老人に対する施策の充実は今日の急務である。
現行施策としては,老人家庭奉仕員派遣事業をはじめ,介護人派遣事業や日常生活用具の給
付のほか,県独自の新規事業として在宅老人巡回相談員派遣事業があり,対象者数は県下で
約7,000名余りにのぼっている。
問題点
①ひとりぐらし老人やねたきり老人の実態は流動的であるところからとくに,総合的科学
的なニード把握が十分なされていない。
②ひとりぐらし老人は,疾病時の介護者の有無に著しい不安感があるが,このひとりぐら
し老人の需要に対応する十分な介護体制がない。
③高令者世帯等が増加の傾向にあるが老人住宅の建設または,公営住宅の老人世帯優先入
居の措置の枠の拡大の必要性がある。
④ひとりぐらしやねたきり老人の対策として関係各機関が,各自に訪問活動等を行なって
いるが地域における相互連繋によるチームプレーに,より効果的活動の必要性がある。現
に,その効果をあげている実例報告がなされた。
I老人福祉施設の整備の近代化
在宅老人の利用施設として老人福祉センターや老人憩の家などがあり,収容施設としては
養護老人ホーム,特別養護老人ホームや軽費老人ホームがあり,現在その計画的整備がなさ
れつつある。
問題点
①老人の利用施設である老人憩の家は老人の生活圏単位に整備の必要性があるが,法令上,
社会福祉施設とされていないため国庫の助成制度がない。その必要度からも国庫補助の制
度化の必要性がある。
②長い老後をどう過ごすかは老後問題の1つの課題であり,そのためにも老人休養ホーム
は県下にも設置する必要がある。
③老人ホームが計画的に整備されながらもそれに即応した老人自らとその家族の老人ホー
ムに対する理解度が不十分である。と同時に老人ホームにも,ホーム内のみでの閉鎖的活
動から地域社会への積極的交流を行なう必要がある。
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恕袋渠社会福祉大会隙恕
I老人の生活保障はどうあるぺきか。
年金制度は,社会保障としての厚生年金,国民年金等の無拠出の福祉年金に大別されるが,
現在この年金制度の画期的改善について国会で審議中であり,就業構造の変動なり扶養意識
の低下等により,老人の年金制度の改善は切実なものがある。
問題点
①わが国の年金制度が未熟であるため,年金額の水準が低い。年金は,老後の生計維持の
基本であり,引上げが望まれ,同時に福祉年金における所得制限の徹廃の必要がある。
②年金制度上の陰路として,現在67歳~69歳のいわゆる年金谷間の老人に対する制度
改善の必要性がある。
③税制面における老人扶養控除制度の創設が望まれる。
④有病率の最も高い65歳~69歳の老人に対するいわゆる老人医療公費負担制度の年令
引下げの必要性がある。
⑤老人の健康保持対策の一環として老人のスポーツの普及の趣旨から老人スポーツ教室を
開設の必要がある。
•第4研究委員会
委員長県児童福祉審議会委員長今津忠能
副委員長県ボーイスカウト事務長来見正明
<テーマ>『今日の児童問題の現状と今後の課題』
“地域ぐるみで子どもの人権を昂めよう,'
1現代の子ども像
現代社会における子どもは,高度経済成長のひずみの中で現われた現代社会の被害児であ
り,ともすれば,社会や家庭から置きざりにされがちである。
その結果,次のような子ども像がみられる。
(1)自然に親しむことを知らず,家の中に閉じこもりがちである。
(2)自分で創造する遊びの楽しみを知らず親しい友達がない。
(3)母親のリモートコントロールの範囲内でしか活動ができない。
(4)情緒不安定,耐久力のない子ども及び肥満児が多い。
I家庭の役割
家庭とは,両親の疵護の下で,子どもを育てる場である,にも拘らず激動する現代社会に
おいては,とかく本質を見失い,子どもを私物化し,放任あるいは,過保護化する傾向がみ
られる。
従って,本来の家庭機能をとりもどし,地域ぐるみで家庭教育を進める必要がある。
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袈蕊渠社会福祉大会恕恕
lI社会の役割
社会連帯感が薄れつつある現在,そのことに原因する種々の問題を生じている子ども達の
生活の場は,家庭,学校,地域社会と広がり,複雑多様化の現象である。いかに困難であっ
ても社会的問題として地域ぐるみで,子どもの健全育成を進めるべきだと考えられる。
そのためには,愛の一言運動,子ども達の団体活動の理解と協力,子どもの事故防止,安
全な遊び場づくり及び地域指導者の発くつ等を社会の役割として推進するものである。
結び
子どもは,生まれながらにして,保護養育される権利があり,両親は,それらの義務を有し,
ここから正しい親子関係が生まれる。児童福祉の基本理念は,子どもの人格を守ることから始
まる。最近,世評で物議をかもしている虐待,遺棄,親子心中等の陰さんな現象は,甚だ,遺
憾であり,このことは,人権無視から生まれる産物である。今こそ,おとな1人1人が,児童
憲章を再認識し,明るい未来を託するたくましい,子どもを育てるため,家庭と,地域社会と
が一体となって,努力していかなければならない。
7

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袈袈県社会福祉大会袋蕊




1.市町村社協法人化を促進し,専任蹴員の増員と戦員の給与,身分,勤務条件の改善を図られ
たしヽ。
2.社協活動の基盤となる,住民主体のコミュニティづくり運動を積極的に推進しよう。
3.地域住民の話し合いの場となり,福祉活動の拠点となる地域福祉センターの建設を促進しよ

{つ
4.福祉施設の最低基準を現在の実状に見合うよう,職員の定数増や施設の整備薬準を抜本的に
改正せられたい。
5.最近における福祉施設の従事者不足は深刻となっている。優秀な人材を確保するために専門
戦化を図り,職員の給与と労働条件の改善を図るとともに,身分保障制度を確立されたい。
6.福祉施設の法的機能と現在施設が果している機能には大きな開きと矛盾があるので,施設の
法的機能を対象者のニードに即したものにするよう法規を整備されたい。
7.老令福祉年金の大幅増額と,所得制限を撤廃されたい。
8.老人医療費公費負担制度の対象年令を,65オまでに引き下げられたい。
9.市町村における児童館の設置義務化を図られたい。
10.児童遊園の整備を促進する施策を構じられたい。
11.児童遊園での遊びを指導する指導員を配置されたい。
昭和48年8月23日
第17回徳島県社会福祉大会


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袈袈世帯更生資金袋袈
世帯更生資金の借入申込み急増
9月~11月は償還督励月間とする
住民のしあわせを高める運動の一環として,低所得世帯並びに身体障害者世帯に貸付している
世帯更生資金は昭和47年度末で,6,767件,8億2,046万円余の貸付けが行なわれている。
昭和48年度は1億5,700万円の予算に対して借入の申込が非常に多く,このままでは借入需
要を満すことができない見通しで,誠に残念ながら本年度は10月,11月分の貸付を停止し,
補助金の増額要望と償還督励に努力することになった。
•昭和48年度の貸付予算額
補助金75,000,000円
償還金81,817,000円
欠損補てん繰入金1,000,000円
繰越金2,366円
計157,819,366円
•貸付の状況(4月~9月)
申込321件98,285,000円
決定283件85,452,500円
•貸付の停止と償還の督励
本年度の10月と11月の2ヶ月間は,貸付資金不足のため貸付を停止し,全市町村にわたっ
て償還を督励し,特に償還悪質者に対する指導を強化することにしている。
__________________________________

袋袋世帯更生資金恕蕊
世帯更生資金0)貸付業務
貸付実績(S.30~47年度)償還成績
市町村名民生委員数世帯数金額序人誓り委件§ミ・47.3ご汀窺在s.49•3.31現在
ロ恵島_向308名1.237115,577,381円一生0__72.09形______J__1.8立豆
嗚門市10750944,210,7604.882.7780.46
小松島市6oL_ss_7_l__77.622.sooI9.3I-~
阿南市126I4s1L74.32s.oooI3.sI-~
四市計ao1I2.1a4I311.135,e41I4.aI14.51I____1___Q__.___
•---
勝浦町_ーー•24--.__]Q_3----.A3.851,500.-」立二69-7.5074.24
上勝_町__L§38•-3上エ9も立gg---2.193.3185.52
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石井町47I74I9,283,000I1-6I87.62I88.27キ•--
神山町4sI16sI19,s24.sooI3.7I9s.83I9s.97
松茂町11I43I4,672,oooI3.9I78.3sI7o.85
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北島町22I55I8,384,000I2.5l65.15I61.13.--キ•-
藍住町22I20I1.533,926Io.9197.62I98.73
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板野町30I58I9,917,500I1.9I86.55I82-57
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上板町22I•-9-•0I13.324.000キI•-4-1I96.62I85.04•一
吉野町199117,762,0004.891.6383.67
土成町19I128I15,002,000I6.7I100.00I99.38---
中央福祉計2911,101151,444,4L-6ー···"―3.891.9.083.28-•
那賀川町198113,785,0_0_04.369.8159.79
羽ノ浦町16_I94I8,484.000I5.9I93.30I86...Q_J
鷲敷町14769,l55,9465.49し』ー294.10
相生町14182,973,0001.394.8_080.78
上那賀町16253上記凶_9_ooo.1.680.7482.69
木沢村10I51I7,984,000I5.1I90.30I87-25
木頭村15I67I8,322,000I4.5I96.98I81.70
-------•一・ー・一•那置提竺吐_ー—-="彗人ー412---l4土認“0-----しし―-9もい._.....-.-―•8_4土ーに
由岐町15I39I5,649,000I2.6I89-85I92.10
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55I5,732,752
521I63,151,252
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3.4

2.8
ロ1.2
3.5
一3.—4
2.4
6.0

4.3
L
l.9
3.3
三野町12I111
三好町15I146
池田町53I177
山城町24I147
井川町18I94
三加茂町22I74
東祖谷」し村15.255
西祖谷山村14I32
畔福目17311,036i総]丁□石汀[五□I
3731240303
ご]
8s.82
70.89
9.o61
67.48
93.4-4
41.65
83.8?=
84.52
9o.74
83.24
91.17
82.20
82.54
84.45
86.02
71.65
86.20
8s.53
94.07
79.86
9o.66
§8~
93.88
85.95
マ9=—··--
82.6

87.57
76.88
87-49
73-05
94.1_1
6s.49
も土3立
工也ユ立
79.73
94-64
8s.10
96-57
90.35
86.50
し3ニ
72-76
82.94
84-02
94.20
80.18
8』立4
84-72
90.12
84.14
ー・・・
75.7

__________________________________

翁隙善意銀行袋蕊
昭和48年度善意の預託
預託金の部
月日
6/9
7/24
7/25
8/13
9/11市吉
預託物品の部
月日頑託考名
住所
4/17匿名
5/17匿名
6/15福徳永畠市憲不動司西町4丁目
7/27匿名
7/31K.徳K島.鵡市佐(古代2番石町田3林七)
8/13西徳岡島市礎中徳峰島町2丁目
預託奉什の部
I
者名
E|
/岬木函クラプ(代古庄
17徳6番町4の1
5/ひまわり会(代吉田幸子)
22徳
6/小松島乗馬クラ
8小松島市坂野町
6/ひまわり会
8徳市南新地11番
6/オーシャンフェリーK.K.
27徳
7/ヤングマリン:;;.•A.I.,._・
7徳島市問屋町4
l
金額
200,000円
2,000
200,000
100,000
100,000
昂名
衣類10点
衣類20点
味噌20Kc;入30個
衣類15点
運動靴310足
バトミントンセット
奉仕内容
乗馬招待
美容,理容
乗馬招待
美容,理容
船見学招待
水泳招待
__________________________________

配分
特別養護老人ホーム5ケ所
阿波老人ホーム白寿園他

婦人相談所
II
小鳴門荘他29施設
婦人相談所
児童ホーム他11施設
奉仕を受けた施設
阿波国慈恵院他
和光園,福寿荘
宝田寮
白寿園,吉野川荘

面桑園,阿波国慈恵院,児童ホーム
常楽園,徳島ライトホーム
__________________________________

編集後記
『とくしま福祉広報』を発刊するにあたり,関係機関団体の代表で構成する編集委員会を開催
して検討協議した結果,これからの民間社会福祉事業を進めるうえから,ボランティア活動は不
可欠の要件である,との意見が大多数をしめ,今回のNo.46は,『ボランティア活動と社会福祉』
を特集することにした。
ボランティアの役割として
①福祉問題と対策との時間的なずれをうめる役割
②制度の不完全なところをおぎなう役割
③制度と一般住民の橋渡しとしての役割
等,社会福祉協議会の機能と類似しており重要な役割をもっている。
この特集のなかでは,ボランティアの基本的な理念を社会福祉関係者に正しくご理解願い,実
際に小地域でどのような活動を展開しているかを関係者の方々からご投稿いただき,これをもと
にして編集しました。
この広報が効果的に活用され,民間社会福祉事業をすすめるうえで参考になればと念願してお
ります。(松永)
とくしま福祉広報No.46
発行日昭和48年10月10日
発行所徳島県社会福祉協議会
徳島市万代町1丁目
TEL0886-54-4461
発行者大塩利延
__________________________________

老人福祉シリーズ全5集
家族や老人クラプの話しあいて,大いに役立っ"おとしより読本'’


•佐
田老藤
老人と食生活
•佐
•下
藤老斗老
松人恒恒人米人
男と信信と傑と
シリーズ
家庭
シリーズ
シリーズ
シリーズ
1.
家庭づくりは,あなたの生活革命から
2.
まちがった常識を破る食生活百科
3.
健康
仕事
病気の不安よりまず健康を考えよう
4.
生きがいは価値ある仕事のなかから



正、ンリーズ
老人と地域社会
5.
あなたは近隣から孤立していないか
一\三集ともB6判・各一―l-0円
〒55円
第二集
起ちあがる住民たち
激動する地域の問題にとリ組む
住民の姿を浮きぼりに。
第一l一集
明日をつくる人びと
ボランテァ活動とその育成をよ
リ具体的に。
コミュニティ・オーガニゼーシ
ョン早ゎかリ。
第一集
まちづくりの原理
民生委員必携(第16集)
老人と子どものための蝿域活動・五0円
〒55円
翡”ぜ活動の新しい展開
四00円・〒80円
民生委員必携(第15集)
目で見る社会揖祉・六0円・〒55円
お申込は徳島県社会福祉協議会
TEL 54-4461
シンボルマークを美しくデザイン
社協バッチ
製作ー全国社会福祉協議会
昭和47年6月制定
定価500円
渠・市町村社協の役職員は
全員このバッチをつけましょう.I
申込みは・・・・・・・・徳島県社会福祉協議会TEL54-4461
70年代の福祉をみんなで考える雑誌
月flJ福祉
A5判•76ページ1部130円/年1,560円
「福祉」はあなたの問題です。新年より誌面
を大刷新し、福祉の‘総合誌’'として漸新な
企画をとりいれました。広く一般の方々のご
購読をお推めします。
論文•特集・リポート・ルポ・情報等記事満載
振替・東京40669
麟『摩門全国社会福祉協議会出版部

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