セールで買ったFM音源ソフトシンセ opsix nativeの感想

korg gadget3のリリース記念でこれを書いている今現在korgのソフト音源が色々セール中。
ハードウェアFMシンセサイザーopsixのソフト音源版であるopsix nativeもセールで一万円くらいと半額になっている。
以前から気になっていたソフト音源だったので勢いで買ってしまった。
ハードウェアのopsix は最近mkIIという新型が発表されたが、このopsix nativeもそれにあわせて将来有料アップグレード版が出るかもしれないけど。

本題の感想に入る前にまずセール価格について。

実はkorgのソフト音源は海外との為替を無視した日本人向けにかなり大サービスした価格になっている。
opsix nativeは海外では通常価格は200ドルくらいでセール価格は100ドルくらいだが、日本での価格は通常価格が2万円くらい、セール価格は1万円くらいとだいたい1ドル100円換算で販売してくれているという。
korgは日本の会社なだけあって日本人にはかなり大サービスな価格設定にしているのかもしれないが、これが今後も同じように続くかは不明。

多くの他の企業同様にある日突然価格改定のプレスリリースが出されて、たとえばこのopsix nativeも通常価格が25000円以上、セール価格が12000円から13000円くらいと値上げされる事もありうる。
だからもしこのFM音源のソフトシンセが以前から欲しかった人は価格改定される前にさっさと買ってしまった方が良いのではと思う。(機能追加のmk2版が後で出る可能性もあるけど)

ここからはopsix nativeの軽い感想を。

まずプリセットで収録されている音色(テンプレート含めて320種類くらいある)は綺麗な音色が多くて一般的な音楽を作るのには適していても、音色のクセが強いようなゲーム音楽を作るには適していないのが多いかなぁという感じ。
ゲームに向いてそうな音色も一部あるにはあるけど。
音作りの自由度はかなりあるので、自分で少しずつゲーム音楽に適した音色を作っていくしかないようだ。
ノイジーだったり歪んでたりとlo-fiな音色も作れるので昔の音が汚かった時代のFM音源の音楽も作れるだろう。

このopsix nativeは6オペレーター式のFM音源だが、同じ6オペ式のplogue社のchipsynth OPS7みたいに2レイヤーは使えないので6オペのを2レイヤー重ねて音作りできないという点では劣る。
ただ、フィルターが一レイヤー、エフェクトが三レイヤー使えるので音を加工してより多彩な音色作りができる。
エフェクトの種類も30種類くらいある。

オペレーターではサイン波と他にも色々な波形があわせて20種類使えるし、ノイズ用の波形も三種類から選択できるので、これでも色々な音作りがしやすい。

各オペレーターは波形がリアルタイムで見れるので、この点ではchipsynth MDやchipsynth OPS7よりかなり使い勝手が良い。
サイン波が変調によってスクウェア波やその他の色々な形に変わっていく様が見れるのは面白くかつ実用的である。
DAWソフト側で波形表示ウインドウのプラグインを使わなくてもスタンドアロンでopsix nativeを起動している時に波形を見ながら音作りができる。

6つのオペレーター毎にフィードバック(FB)のスライダーがついているおかげでより多彩な音作りができる。
同じパネル上には波の幅を100%から下げていけるwidthスライダーも付いていて、これでもまた音を色々加工できるようになっている。

プリセットの読み込みが若干遅いのはちょっと気になった。
曲を再生しながらプリセットを次々変えていく際にこのもっさり具合が残念に思う人もいそう。

ハードウェアの方のopsixの実演動画がkorgの公式のyoutube動画でいくつかアップされているが、日本人が担当した解説動画で「FM音源は綺麗な音色をいかに汚く加工するかが肝」みたいに言ってるのがあった。
実際に昔のFM音源のゲーム音楽は音色が綺麗な物で構成されたのもあるが、やはり音色が汚くよりクセが強く個性的な音色の曲の方がFM音源の曲としての印象が強くなる。
このopsix nativeは昔のFM音源の曲作りに適したノイズや音の割れた汚い音色も作りやすいので、レトロ感のあるFM音源の曲作りをしたいという人も満足できるソフト音源なのではと思う。

このopsix nativeはデモ版がインストールできるのだが、デモ版をインストールするにはkorg software passというソフトをまず先にインストールしないといけない。
このソフトをインストールする時にデフォルトのフォルダパスでインストールせずに自分で作ったフォルダにインストールしてしまうと認証作業がうまくいかないようだ。
自分はデモ版を試してから購入しようと思っていたがkorg software passの認証がうまくいかなかったので結局勢いでデモ版を触らずに買ってしまった。
購入後にデフォルトのフォルダパスでkorg software passをインストールしなおすと認証作業があっさりうまくいったので、「korg software passでの認証作業がうまくいかない」(ブラウザに飛ばされてokボタンを押してもそこで止まってしまう)という人は試してみると良いだろう。