アニメーターの収入を増やす方法 (作画系)

日本のアニメーターの給料の低さは長年の課題となっています。
年収が200万円以下のアニメーターが非常に多いのですが、支払い側(会社他)への給料アップを訴えてもその改善は難しいでしょう。

その一方で、近年の色々な環境変化により、「アニメーター個人の頑張りにより、自分の年収を増やす事もそれほど難しくはなくなってきた」というのもあります。

twitter,fanbox,clubTなどのオリジナルグッズ販売サイト、そしてkindle、これらの三つか四つを上手く使う事で、人にもよりますが、年収を今より100万円以上増やせるアニメーターもわりといると思われます。

pixiv fanbox自体はアニメーターの中にはすでに利用して稼ぎを増やしている人も多いのですが、もっと稼ぎを増やすためにclubTやkindleなども使う事も含めて、「アニメーターの収入を増やす手順」をわかりやすく記載したいと思います。
アニメーターで作画系で仕事をされている方や、自分はアニメーターではないけど家族や知り合いがされている方は、よければお読みになってください。
 


・まずは導線作りが大事


pixiv fanboxは毎月一定額をファンに支援してもらうという感じです。(支援額は月数百円の価格設定が多い)
一部のアニメーターやイラストレーター、漫画家などがよく利用しており、人にもよりますが人気があると月あたり数十万円(年数百万円)をfanboxだけで稼いでいる人もいます。
そこまでいかなくても、月8万円以上(年100万円以上)fanboxで稼いでいる人はわりと多いです。

fanboxを始めても、そもそもそれがより多くの人に知られないと支援者の数は知れています。
そのfanboxの導線としては今は「twitterで定期的にラフでも魅力的なイラストを投稿し続ける」というのが良いでしょう。
版権キャラクターのイラストでもいいし、オリジナルキャラのイラストでもいいので、ラフでもいいので「なんかちょっとグッとくるイラスト」を、1~3日くらいに一枚は投稿を続け、その際にfanboxもやっている事、そのfanboxへのリンクも毎回記載するようにします。

ラフでも魅力的なイラストを描ける人は定期的な投稿をtwitterで続けるとじょじょにtwitterでのフォロワー数が増えていき、それにともないfanboxの支援者数も増えていきます。
アニメーターの場合はtwitterで文章で何かつぶやく暇があったら、イラストを描く時間に使うようにしましょう。

また、そのアカウントでは政治的なつぶやきはしない方が右寄りの人、左寄りの人両方からファンを獲得しやすくなります。政治的なつぶやきをすると、片方の人しかファンを獲得できません。
基本的にfanboxの宣伝用のtwitter IDではたんたんとイラスト投稿を続けるなり、つぶやく場合も敵をつくらないつぶやきだけをするようにしてください。
 

・fanboxではどういうイラストを専用で公開すべきか?


fanboxでは価格設定にもよりますが、月数百円取るならファン側としては「ラフでもいいので月に10枚くらいは何か専用の絵を投稿して欲しい」と思っています。

fanbox用に投稿する絵はラフイラストでもいいし、モノクロでもしっかりペン入れしたイラスト、時間に余裕がある時にカラーイラストを投稿します。
カラーイラストでも塗り方によっては比較的短い時間で描けるのもあるでしょう。

しっかりしたカラーイラストの場合は確かに時間がかかりますが、後述するように「clubT用のシャツやスマホケース、マグカップ他の画像素材になる」というメリットがあります。
モノクロでしっかりペン入れしたイラストも同じくグッズ用の画像素材となります。
グッズ用の画像素材イラストは、場合によっては一枚につき一万円以上の収入増にもなります。

fanboxの方で描く物については、版権キャラクターイラストでもいいし、オリジナルのキャラクターイラストでもいいでしょう。
オリジナルのキャラクターイラストの場合は後述のようにグッズ展開で儲けを増やせるのと、さらにkindleの方でも儲けを増やせる利点があります。

内容については、18禁エロに抵抗が無い場合は18禁エロイラストでもいいとは思います。
しかし、別に18禁エロでなくても「水着やちょいエロなどのソフトな色気のあるイラスト」だったり「かわいい女の子のイラスト」、女性向けには「女性やLGBT向けのぐっとくる男性キャラやかわいい男の子のイラスト(18禁でないけど色気あるやつとかかわいいやつ)」とか、「なんか癒されるイラスト」とかでも良いでしょう。

絵については「ファンが喜ぶようなイラスト」をきちんと意識してください。
この意識があるかどうかでfanboxの支援者の継続率や新規獲得の数が違ってきます。
twitter用のイラストも、fanboxのイラストも「魅力のないイラスト」では駄目です。

漫画が描ける人は、短いページ数でもグッとくる内容の漫画(絵はラフ気味でも良い)でも良いでしょう。

twitterで導線を作り、twitterの方で魅力的なラフイラスト他でフォロワーを増やすとfanboxの方でもじょじょに支援者が増えていき、人にもよりますが月5~10万円くらいやもっと収入アップもいけると思います。

さらにこれから書く以下の事でももう少し収入を増やせます。
 

・clubTなどのグッズ販売サイトも利用する


画像を登録すると、その画像をプリントしたTシャツやマグカップ、スマホケース他をユーザーに販売してくれるサービスがあります。
clubTが有名ですが、他にも色々なサイトが同様のサービスをやっています。

アニメーター側は「画像をアップロードするだけ」でよく、販売はサイト側にまかせっきりで良いので手間はあまりかかりません。
売れた時に手数料を勝手に取られているので、登録料もかかりません。

clubTなどのグッズ販売サイトの注意点としては、「オリジナルのキャラクターイラストでないと駄目」という事。
アニメや漫画などの他の人が著作権を持っているキャラのイラストはグッズ販売サイトでは画像登録はNGです。

また、「売れ行きはそれほどは期待しない」方が良いです。
この手のグッズ販売サイトは基本的に大きくは売れないと考えておいた方が良く、「clubT用に専用のイラストを描く」みたいな事をしてしまうと、実際はほとんど売れなくて手間だけかかった気になるでしょう。
clubT用にイラストを描きおろすのではなく、「fanbox用に投稿したイラストをclubTにも画像登録する」のが良いのです。

fanboxでカラーのイラストやしっかりペン入れした漫画イラストなどを投稿した時は、その際に「この絵をプリントしたTシャツやスマホケース、マグカップ他のグッズをclubTで購入できます」と宣伝すると、fanboxで絵を気に入った人が「この絵をプリントしたTシャツやグッズを買ってみたいなぁ」と思って買ってくれる人もわりと出てきます。
fanboxの支援者の中には結構金銭的に余裕のある人もわりといて、そういう人が気にいった絵をプリントしたグッズをそこそこ買ってくれます。
(一気に数万円分のグッズを買ってくれる人も)

人にもよるでしょうが、月あたり1万円以上はclubTで収入が増える人もわりといるので、アニメーターで年収を増やしたい人はfanboxに加えてグッズ販売サイトも利用した方が良いでしょう。

・kindleでも収入を増やしてみる


今は誰でもamazonのkindleで電子書籍をリリースできる時代です。

fanboxで投稿したオリジナルのキャラクターイラスト(モノクロやカラー、ラフイラスト)をある程度のページ数(100ページくらい)まとめた物をkindleで「なになにイラスト集 vol.1」「なんとかart works vol.1」みたいな感じで、一冊400円か500円くらいの買いやすい価格で出してみるのをおすすめします。

kindleもclubTと同様、「他人の著作権を侵害しないオリジナルキャライラスト」である事は注意してください。

fanboxで支援した人の中にも、「kindle版で色々なイラストをまとめて見れる」ならそっちも買うという人もいるでしょうし、fanboxで支援していない人の中にも買う人もある程度いると思います。
余裕があるなら、「kindle版には描きおろしイラストをいくつか収録」もやってfanboxやtwitterでイラスト集の宣伝をすると良いでしょう。

イラスト系のアートワーク本は電子書籍だと2000円以上するのが多いですが、一冊400円や500円の方が衝動的に買いやすい価格で売れやすいです。
知名度が高い人ならともかく、そこまでない人が2000円以上するアートワーク本を出してもさっぱり売れないという事がほとんどです。

kindleでオリジナルキャラクターのイラスト集を一冊400円か500円で出し、年に1冊か2冊ペースでシリーズ化して出していくと、人にもよりますがkindle本で年収を20万円以上増やせるでしょう。
イラスト集は時々はunlimitedで読めるようにしたりも。(unlimitedで試し読みした人が気にいって、価格が安いからという事で買ってくれたりします)

アニメーターの話とはずれますが、3DCGでオリジナルキャラやオリジナルメカのCGをtwitterやpixivで良く投稿されている方は、kindleで3DCGをまとめたイラスト集を一冊400円か500円くらいで出すと、そこそこは小遣い稼ぎできると思います。
 

・休む事も忘れないように


上記のように、twitterでこまめに導線用のイラスト投稿を続け、fanboxで専用イラストを投稿、それをグッズ販売サイトで画像登録、ある程度オリジナルキャライラストがたまったらkindleで値段の安いイラスト集を出すという事をすると、年収を100万円以上増やせる人もわりといるでしょう。

しかし、「頑張れば頑張るほど収入を増やせる」と思っても、どうかこまめに休む事はきちんとしてください。
特にアニメーターは腕を酷使する事が多く、腱鞘炎予防も考えて腕をしっかり休ませる時間をこまめに設けないと、腱鞘炎になって本業のアニメ作画にもかなり影響が出てきます。


 

以上、「アニメーター(作画系)の収入を増やす方法」でした。
うまくいけば100万円以上年収が増える人もわりといるでしょうし、そこまでいかなくてもやはりある程度は年収が増えるので、給料が少なくて苦しい生活をしているアニメーターは是非これらをやってみる事をおすすめします。

若い頃から稼げるうちに少しでも多く稼いでおかないと、将来病気や加齢などで体が思うように動かせなくなった時に苦労するので、体力がありまだ体がきちんと動くうちに、時々は休むのもきちんと織り交ぜつつ年収を増やすと良いでしょう。

twitterやfanboxで「より魅力的なイラストを描く」ほどtwitterのフォロワー数やfanboxの支援者数(収入)が増える事につながるだけあって、「魅力的なイラストにするには?」を日々強く意識するようになります。
それはアニメーターとしての作画スキル向上にもつながるので、「アニメーターの鍛錬になりつつ、収入も増える」というメリットがあるでしょう。