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成田先生感傷日記(9/1〜9/7)

9月1日(金)

テレビで「ヒロミ・指原の恋のお世話始めました」を見ながら作業する。にゃんこスターのスーパー三助のビジュが良い。ランジャタイの配信にゲストで来てた動画めっちゃオモロかった。

ずっと漫画を描き続けて狂ってくる。何回も外に出る。ストレスが溜まるとめちゃくちゃ食べてしまうからダメだ。昨日からモンスター3本飲んでる。朝になって山中美容室と通話しながらまた作業を進める。もう漫画描きたくない!! 狂う!! 

昼過ぎて14時頃にすべての作業が終わる。疲れ果ててコンタクト付けたまま寝てしまう。起きたら22時だった。スーパーでパスタとおにぎりを買ってきて相席食堂の青田買いSP後半を見ながら食べる。リリースペイシーが元気で良かった。調べたら地元が一緒でびっくり。

9月2日(土)

YouTubeで音楽を聴きながら夏目房之介『あの頃マンガは思春期だった』の続きを読む。ドレスコーズ「襲撃」めっちゃ良い。山戸結希の作るMVすごい。しばらく読んで、散歩して、『闇動画5』を観る。冗長な割にあんまし。最後の話で1箇所声出してビビった。

(いつの間にか寝てた)

起きてごはん食べて小島信夫『月光/暮坂』を読み切る。開店時間になったので近くの美容室へ。縮毛矯正かけてもらう。茶髪のギャル男みたいな人でなんかちょっと嫌だった。3時間くらいかかったけどサラサラになってご機嫌。カット込みで8000円以下はかなり安い。

帰ってごはん食べて洗濯回して干してまた出かける。電車の中で夏目房之介『あの頃マンガは思春期だった』を読み終わる。読みやすくて房之介入門によかったかも。この人自分のことが大好きなんだろうなーって思う。おれも自分のこと大好き!だから分かる。時間間に合わなくて講義行けなかったけど次は行きたい。

山中美容室と池袋駅で合流してガストへ。軽く打ち合わせしながらご飯を食べる。しばらくして針金マキから表紙のデータが送られてきて、すぐに印刷所へ向かう。

製本が間に合いそうにないので山中美容室の部屋に行って2人で綴じていく。文化祭前夜っぽくて超楽しい。作業しながら延々と社会とセックスの話をしてた。

9月3日(日)

1時半を過ぎてようやく全部終わる。そのまま就寝。山中美容室が「コミティア行きたくなくなってきた、今すぐ漫画描きたい」と言い出して、こいつ職人すぎる…とビビった。

5時に起床。すぐに家を出て自分の部屋に向かう。着いたら窓開けたままエアコンつけっぱにしてて絶望。ご飯食べてシャワー浴びて色々準備して9時過ぎに家を出る。11時をちょっと過ぎて着いて、サークル入場口から中に入る。ららら古墳群のブースに行ったら針金マキが弁当を食べてた。

とりあえず今井新『フラッシュ・ポイント』と藤井夏子『↓↓AB←→↑』を買いに行く。

ずっと映画を流してた

映画見ました!とかnote読みました!とか言ってもらえるの嬉しい。1人、僕のところだけ目当てに来てくれた漫画家さんがいてめちゃくちゃ嬉しかった。オススメを聞かれたので買った本2冊を紹介したら実際行ってくれたらしく、藤井夏子先生がツイートされててびっくり。

ぼちぼち売れていって1時半には完売した。ありがとうございました。「もう終わったんですか?」って聞いてくれたり物欲しそうに何も無い机を見て去っていく人がいてもうちょっと多めに刷っておけばよかったなと思った。反省。

マキさんに恋バナしたらめっちゃ笑ってくれて嬉しかった。マキさんも漫画みたいな恋バナしてくれて面白い。15時頃に高校のときの先輩が来てくれた。茶髪になって日焼けしてチャラくなってる。お菓子とJILLSTUARTのヘアオイルをもらった。その人とごはん行くことになったのでお先に失礼。ビッグサイトにあるマックに行く。先輩もマックで働いてて、そろそろマックから脱出したいと言っていた。たぶん初めてフィレオフィッシュを食べる。先輩はハンバーガー2個食べてた。なんでもないようなことを大げさに話すので話してて楽しい。最近ブッダの本を読んでるらしい。

先輩と駅で別れてららら古墳群の2人と新宿のバーミヤンで合流、ビールを頼んで反省会を開催する。明らかに針金マキが疲れてて、山中美容室がコミティア・ハイみたいになってテンション上がってた。かなり時間があったのにギリギリになってしまったこと。毎日毎日マンガのことを考えて生きなければいけない。

解散して帰宅。疲れ果ててご飯食べてからすぐに寝落ちしてしまう。

9月4日(月)

一日中気絶してた。水道局から給水停止するぞみたいな紙がきてたので電話して事なきを得る。口座を見たらいつの間にか11万しか入ってなくてショックを受けた。ほんとうに働きたくない。酒を飲んで寝る。

9月5日(火)

昨日ちょっとお化粧したからか起きたら肌がさらさらだった。シャワー浴びてごはん。コミティアで買ったマンガを読む。藤井夏子『↓↓AB←→↑』すごい。このモノローグとセリフが交互にシームレスに連なってる感じ真似したい。色々見たり読んだりしてる人のセリフ。セリフが本当にすごい。
「…なあ  お前は結局何がしたいんだ?」「あー  それは  まあ  恋だね…」「……  そか…」「↓↓AB←→↑で告白したらゲームは終わっちゃうから  エンディングの後のことが知りたい」「じゃあ俺にはなんで…  主人公になれ、とか」
これが落選するトーチ漫画賞、レベルが高い…。

『闇動画6』を観る。相変わらず美術に力が入ってる。同じところに何回も行く反復行為が児玉ホラーの醍醐味なのかもしれない。

スーパーで買い物をしてきてS・クレイグ・ザラー『デンジャラス・プリズン―牢獄の処刑人―』を観るが、途中で眠過ぎて寝てしまう。起きて再開。北野武みたいな暴力映画でオモロい。カット数の少ないアクション、顔面破壊、速すぎる展開。牢獄物なのに場所が変わっていって歩く移動を繰り返してるのすごく嬉しい。ザラーは全部観よう。

起きたあとすぐ家出れるようにシャワー浴びて髪乾かして、ごはん食べながら天竜川ナコンの縛り旅3を見る。終盤の一人語りがめちゃくちゃ熱くて感動した。


9月6日(水)

9時に起きて準備して家を出る。珍しく時間に余裕があるのでゆっくり駅へ向かう。電車で小林私『原作』を聴きながら室井光広「あんにゃ」「かなしがりや」(『おどるでく』)を読む。小島信夫読んだあとだと尚更、半端な文章の上手さが退屈で、何かが起こりそうで何も起こらないのがつらい。電車を降りて映画館に向かいながらTwitterで話題になっていた羊文学を久しぶりに聴く。食わず嫌いしてたけど結構良い。

デヴィッド・クローネンバーグ『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』。めちゃくちゃ退屈でしんどかった。奇妙な脚本に安住するのもう辞めませんか。バストショットの切り返し、設定と世界観の説明、ひたすらその繰り返しで全く面白くない。黒沢清なら、、と考えてしまうが途中で『ドレミファ娘の血は騒ぐ』みたいなシーンが出てきてハッとした。キューブリックとかベルイマンを信仰して育ったような幼稚さがキツい。

次の映画までだいぶ時間あるので図書館に行って時間つぶす。

CDは適当にジャケで選んで借りた。ケリー・ライカートの唯一観てなかったやつあった!ほんとうにありがたい。席に座って室井光広「かなしがりや」の続きを読む。大江とか小島信夫とか磯﨑憲一郎みたいなクセのある文章ならまだしも普通に上手く整った文章でぎっしりタイプはきつい。

ウェス・アンダーソン『アステロイド・シティ』を観る。第一幕まで頑張ったけど退屈でしんどくて途中退場してしまう。死ぬほど不自由。シネコン映画しばらく控えよう。

失意の帰路につき、ポケットをまさぐると鍵がない… 鍵かけるの忘れたのかなと思ってドアをガチャるも鍵はかかっている… どっかで落とした……!  なんなんだマジで、散々すぎて泣くに泣けない。雨も降ってるし…
とりあえず管理会社に電話すると時間外で対応してもらえず、行った映画館に電話しても無く、最寄り駅で聞いても無く、途方に暮れていたところ、そういえば図書館に行ったんだということを思い出して電話してみたら届けられてたみたいですぐに取りに行く。

本当に良かった…。少し安心して室井光広『おどるでく』表題作を読む。

あった…… 届けてくれた人、図書館の方、世界のすべてにありがとう… 多謝多謝… 明日はユスターシュ観に行こうと思ってたけど疲れたから家でおとなしくしてることにした。

9月7日(木)

起きてカップラーメンを食べながら『闇動画7』を観る。妙にタイトルがかっこいい「非在の視線と不在の視線」、配達員が部屋に入ると固定カメラがあって部屋の奥から女性の声が聞こえ、荷物そこに置いといてと言われる。ずっと固定カメラの映像が続いて配達員側からは映されないのが面白い。『ブンミおじさんの森』観てから作ったのかな?

今日は家でおとなしくしてようと思ってたけど児玉和土監督のインタビュー見返してたらユスターシュの名前が出てきたのでやっぱり観に行くことにした。ceroを流しながらシャワーを浴びて金持ちみたいな気持ちになる。

履歴書を書いて、今井新『フラッシュポイント』を読む。Twitterでも書いたけど河野太郎が車で迎えにきたところが舞城王太郎の『阿修羅ガール』で石原慎太郎が車でやってくるところに重なって嬉しかった。『天気の子』も意識してるんじゃないか。

電車に乗りこんで「おどるでく」を読む。池袋から渋谷へ。ヒューマントラストシネマ渋谷へ着いてジャン・ユスターシュ『ぼくの小さな恋人たち 4Kデジタルリマスター版』を観る。開始10秒ですごい。ビクトル・エリセみたいな鬼ヤバ撮影。トリュフォー『大人は判ってくれない』と話は似てるけどもっと、捻れた恋愛観とか劣情が強い感じ。とにかくひたすら歩くところと誰かが誰かを見てるところをずっと撮ってる。1つの歩行移動を同じような構図で数カットに分けて繋げるという歩くことへの異常なこだわりがすごい。

『ママと娼婦』も観たかったけど220分はさすがにダルいし絶対寝ちゃう…と思って帰ることにした。池袋で降りてジュンク堂に履歴書を渡して、働くことを考えてめちゃくちゃ憂鬱になりながら駅へ向かう。なんで働きたくないのに働かなきゃいけないんだろう。

電車の中で室井光広「おどるでく」を読み終わる。ボルヘスとか乗代雄介の数倍カロリーが高いペダンチックなガチ奇書でオモロい。この回の芥川賞で同時受賞したのが笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」なの凄まじい。古井由吉がうろたえてるのも頷ける。三浦哲郎が"これはエッセーであろう"と書いててナンセンスだなと思った。

記憶のフィールドでは「やあやあ吾こそは記憶されるべき者!」と過去の亡霊たちが互いに存在を主張しつつ駆け巡っている。だが亡霊の前後関係は脱落し「そこ」だけが「それ」だけが浮上する。記憶の主体である「やあやあ吾こそは」の首はあっという間に斬り落され、もののふはもののけに戻って消してしまう。過去に関して予兆という言葉を用いるのは言語矛盾となろうが、「そこ」と「それ」だけをつないで何事かを語ろうとする露文氏のやり方は、過去からの虫の知らせとでもいう他ない。

ムズすぎる。また色々読んで出直します…。

帰って『闇動画9』を観ながらごはんを食べる。いきなり「告白」でガチビビり。同じ映像が繰り返されるとき、分かってはいてもちゃんと怖い。「消失点」YouTuberの顔と喋り方が絶妙で面白い。児玉演出が光る。「振り込め詐欺」タイトルとは全く関係ない怪異。全然その必要がないのに夜に1人で行くのバカバカバカバカ!って思ったけどセオリーだからね。

そのまま寝落ちした。


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