成田先生感傷日記(8/25〜8/31)
8月25日(金)
挫・人間を聴きながら木尾士目『げんしけん』二代目を読み出す。最初はあんなにホモソーシャルだったのにいよいよ百合アニメみたくなってきた。ゴミを出して散歩しながらKISS THE GAMBLER『私は何を言っていますか?』を聴く。最高すぎて繰り返し聴く。帰ってからクリスタを弄るが使い方がちんぷんかんぷんで嫌になり、ふて寝する。
起きてご飯を食べてマリオ・バーヴァ『血みどろの入江』を観る。カメラワークが自由でめちゃくちゃ嬉しい。人物の横移動ショットで毎回前方に木とか植物を被せていたり、ズームとパンニング(うねうねする)を多用していたり、ほんとに楽しい。序盤からしてすごいのだけど、1人老婆が殺されて、老婆を殺した男も何者かに殺されて、それまでセリフが一つもない。出てくる人物が次々に死んでいってストーリーもよく分からない、でも後半ようやく主軸となる物語が顔を出してからは失速してしまうので、物語は要らないのかもしれない。そしてラストがマジですごい。意味が分からなくて興奮した。
またご飯を食べてダラダラ。何もやる気が出ないのでまたモンスターを買いにいってしまう。この日記を書いて、本を読む。
8月26日(土)
日付が変わった。KISS THE GAMBLERを聴き続けている。去年からずっと読みかけだった小島信夫『月光/暮坂』、後期の作品は特に読むのに体力がいるが久しぶりに読むと面白かった。小島信夫の小説は読んでいる間は面白いのだけど読み終わると何も覚えていない、だから何度読んでも面白いのだけど(最高やんけ)。
本当に何もかも分からない。異常論文を企画・編集している樋口恭介も小島信夫を熱心に読んでいるし、そういうことだ…。
YouTubeで挫・人間のMVを見まくる。挫・人間聴きながら散歩3回くらいした。うだうだしてたらいつの間にか朝に。寝る。
昼過ぎに起きてパスタ食べながら小栗康平『泥の河』を観る。無。自分にとってどうでもいい映画だった。恐らく宮本輝が悪いんだろうけど場所が固定されてしまって移動があまりない。それにしたって子供の話なんだから監督の演出でいくらでも動かせるでしょ。まあ宮本輝は一生読まないと思うけど小栗康平はもうちょっと観てみよう。
挫・人間を聴いて散歩して帰って、小島信夫「暮坂」を読む。
小島信夫もこう言ってることだし… とは言いつつ締切がヤバいので原稿に取りかかる。
8月27日(日)
この3日間何もしてないような気がして焦ってきた。今更『ぼっち・ざ・ろっく!』を見ながら作業を進める。が、しばらくして黒田硫黄のマンガを取り出しパラパラめくると自分の原稿とあまりにも差がありすぎて嫌になってきた。ネームを読み返してみても空間と運動が全く出来ていない。面白くないわけではないけど、もっと出来る、というかこのネームが許せなくなってきた。なので締切直前にしてイチから描き直すことに。泣。例のごとくウダウダして散歩したり音楽を聴いたり大江を読んだり、時間が過ぎてゆく…。スーパーに買い物へ行くと歩いている内にアイデアが湧いてきた。家に帰ってすぐメモ。
心霊ビデオみたいな話にしようと思ってプロットを考える。息抜き&参考になればと噂の『流出封印動画5』を観る。すごい。ナレーションが無いの斬新だし、無駄がなくて全部が速くて最高。「死の鬼ごっこ」4人の男女がカメラを持って鬼ごっこをする。画面が4分割されて同時に映される情報量の多さと、その全ての画面に意識を向けるので怖さも倍増する。あと皆走ってるのでずっと映像が動いて景色が変わって面白い。特に最後の「怨霊病棟」がマジでヤベーくて興奮した。入院した女性が彼氏に頼まれて深夜の病院内をカメラで撮影する。まず彼女役の女優がとんでもなく美人で、立ち振る舞いとか言動、反応のリアリティがすごい、ので驚く時のリアクションとかも凄まじく怖い。1日目2日目、とどんどん前の怖さを超えていくし、とにかく速くて一時も気が抜けない。暗闇の中の判然としない映像サイコー…。
続けて『闇動画17』を観る。「ナビゲーター」のリアル感おもろい。みなさん褒めている「魔窟2 分離」はなるほど「邪教」を彷彿とさせる心霊スポット突入POVで、やはり音の演出が怖オモロイ。ラストも急で最高。
いつの間にか寝てて、起きたら20時だった。ご飯を食べて、うだうだして、ららら古墳群の2人と通話しながらプロットを練る。
8月28日(月)
プロットが終わってネームに取りかかる。1ページはなんとか描けたけどそこから進まない。YouTube見たりダラダラしてシャワーを浴びて、カップ焼きそばとストゼロを買ってきて休憩する。すぐにくらくらしてくる。めちゃ気持ちいい。洗濯回して干して寝る。
お酒飲んだのは完全に失敗だったかもしれん。頭がクラクラして怠い。ウーウー言いながらなんとか起きた。ZONE飲んで気合い入れる。ネーム描きながら『ぼっち・ざ・ろっく!』をやっと最後まで見る。ネガティブユーモア、自虐ネタが本当にキツい。お前全然ぼっちじゃねえじゃん。脚本に中原昌也を投入したらめちゃめちゃ面白くなると思う。
ダラダラ描いて半分くらいまできた。シャワーを浴びてリュックに充電器やら着替えやら詰めて家を出る。いざ、名古屋へ…
池袋で降りてカツカレーを食べる。外国人の女の子が食べたあと布巾でちゃんとテーブル拭いてて可愛かった。
有楽町線に乗って銀座一丁目駅へ。ダッシュでバスターミナル東京八重洲に向かう(なんでいつもこんなギリギリになるんだ…)。3分前くらいに着いて電灯が消えるまで夏目房之介の『あの頃マンガは思春期だった』を読む。19歳の時ウェイトレスの女性が気になって見てたら目が合ったので「俺に気がある!」と思い込んでマッチの箱に「今は君のことを考える余裕がありません」と書いて彼女の見えるところに置いたとかいうキモエピソードおもろい。
6月29日(火)
一旦寝たのだけどバスの冷房が寒すぎて起きる。サービスエリアに着いて運転手さんに「寒いので冷房止めて頂くことって可能ですか?」と聞いたらそれは出来ないけど一度だけ温度を上げてみる、と返ってきた。ちょっとはマシになったかもだけど1番後ろの席で風が直接当たるのであまり変わらない。どんな姿勢でもしんどくてせわしなく動いてたら僕のせいか分からないけど隣の人がめっちゃうなだれてて可愛いそうだった。もしかしたら僕のことを嫌がってるのかもしれないと考えるとちょっと嬉しくなってくる。
サービスエリアでフランクフルトを食べる。めちゃくちゃ美味くてテンション上がった。
その後もほとんど眠れずひたすらSpotifyで挫・人間を聴いて、6時頃に名古屋駅前に着く。朝から開いてる店が少ないのでマックへ入る。この日記を書きながらベーコンエッグマックサンドを食べて、すぐネーム。捗って1時間くらいで終わる。プロットとかネームするとき家じゃなくて出かければいいのか。マックを出て向かいにあるスタバに入り、『あの頃マンガは思春期だった』を100ページまで読む。マジでずっと女の子の話してるし、友達の別荘行って遊んだりしててめっちゃ楽しそう。一旦閉じて蓮實重彥 江藤淳『オールド・ファッション 普通の会話』を続きから最後まで読む。100ページくらい? 薄くて面白いから一瞬で読める。
11時頃に友達と合流して味噌カツを食べに行く。端っこの方が脂乗ってておいしい。どぶどぶにソースかけられてビビったけど丁度よかった。カラシつけると更にうまい。
その後まんだらけに行きAmazonマケプレ値で7000円以上する謎アンソロジーを1000円で購入し完全勝利する。歩いてたらロケをしていた峯岸みなみとすれ違った。ふらっと入った古本屋で西村賢太の『棺に跨がる』を250円で手に入れる(Amazonマケプレ3000円超え)。
ホテルのチェックイン時間まであんみつ食べたりカラオケ行ったりして時間を潰す。ホテル入ってダラダラしてたら寝てしまい、あっという間に1日が終わっていく(原稿は…?)。
8月30日(水)
起きる。ホテルチェックアウト。近くのブックオフへ行き、佐藤究『サージウスの死神』と松浦寿輝『半島』と堀江敏幸『燃焼のための習作』を購入。挫・人間の新曲が流れてて嬉しかった。次に普通の書店にも行って堀江敏幸『その姿の消し方』、『熊の敷石』、笙野頼子『海獣・呼ぶ植物・夢の死体』を買ってしまう。今年は堀江敏幸と笙野頼子を読んでいきたい。
昼は台湾まぜそばを食べて、サイゼリヤへ移動して作業。2時間以上いたけど1ページの半分も終わらなかった。まずい。電気屋に行って有線イヤホンを買い、電車で移動してクレープ屋に向かう。
またカラオケに行ってバスまで時間を潰す。もう原稿をする元気はない…(山中美容室さんと針金マキさん本当にすみません…)。
出発場所に着く。地べたに座ってあぐらかいてお酒飲みながらおにぎりを食べていると浮浪者っぽいおじさんに「ちゃんと帰れる?」と声をかけられた。「タバコ持ってる?」と聞かれたので持ってないですと答えたら、あんた女じゃなくて男か、と言って残念そうに去っていった。キショ怖!
トイレ行ってたら時間ギリギリになってしまって全力ダッシュ、なんとか間に合う。食べてばっかでほとんど原稿進まなかったけど結構楽しかった。明日がんばる…
8月31日(木)
帰って疲れ果ててすぐ眠りにつく。ちょっとだけ仮眠…と思ってたけど起きたら18時で絶望する。パスタを食べて原稿に取りかかる。作業しながらYouTubeでラジオ冬瓜の不死デスクゲスト回を聴く。いいなあ、自分もラジオやってみたい。3人はギリいけるけど4人以上となると絶対に黙ってしまい話せなくなるので大人数で話せる人ほんとすごいと思う。
賞味期限の過ぎた牛乳をガブ飲みする。なんで締切ヤバいのに焦れないんだろ。こまめに休憩しながら呑気にだらだら描いている。
頭がかゆくなってきたのでシャワーを浴びて挫・人間を聴きながら髪を切る。後ろとかどうなってるのか分かんないけど適当にジャキジャキ切ってく。美容院行くかどうか迷う。というか本当にこんなことしている場合ではない。漫画描かねば……
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