2.理不尽上司だって人間だもの【無料版】

上司が理不尽であればあるほど、その人が憎くて憎くてしょうがないということになりがちです。いや、正直なところ、僕もそういう状態に陥っていたこともありますし、今でも二度と会いたくない人もいます。なかなか、博愛精神を発揮して誰でも受け入れるってことができませんね。ちっぽけだなぁ~と自分のことを思ったりもします。

ただ、憎んでも何もはじまらないし、何もはじまらないということは何も変化せず自分に利益もありません。憎む前に冷静に相手をみた方がよっぽど良いですね。そう、戦いに勝ちたいのならまず敵を知れ、ということです。どんなに理不尽に見えても、クレイジーな思考に見えても、彼らも立派な一人の人間なんです。好き嫌いもあるし、友達も家族もいるだろうし、褒められれば嬉しいし貶されれば悲しい。そして、優しい気持ちもあればどこかに愛もあるはずです。

上司だって自分と同じ人間なんです。これ、実は凄く大事な意識です。だいたい悩んでいたりイライラしたりしているとそういうことを忘れがちで、一時の感情に流されて怒りをぶちまけてしまったり、よろしくない行動をとってしまいがちです。冷静になって考えればわかると思いますが、相手がどんな人だろうが、結局幸せになるためにはうまくやっていくしかないんですよね。

理不尽だから、ヒトデナシだから、部下のことなんかまるで考えてないから・・・と思考を停止してしまっては何も変わりません。理不尽でもヒトデナシでも部下のことを考えていなくても、人間なんです。嬉しいこともあるし嫌なこともあるんです。人間が怒るときは嫌なことがある、不満に思うことがあるからです。嬉しいのは、喜ばしいことがあるから嬉しいんです。ということは、逆算すれば不快な想いを与えなければ変な説教を受けることも無いですし、喜ばしいことをしてあげれば笑顔になるわけです。

だから、理不尽上司に対する苛立ちや憎しみはとりあえず一旦どこかに置いておいて、まずは上司を観察しましょう。どうしたら変な評価を与えられないか、どうしたらコロコロ変わる意見に付き合わされないか。

「そんなこと言ったって、結局いろんな人がいるから難しいし、統一化もできないじゃないか」と思う方、たくさんいますよね。
大丈夫です。もちろん、各々の上司に合った対処の仕方がありますし、それは必ずしも全てを統一化はできません。その都度、相手に合わせて考える必要があるのはそのとおりです。

ただ、これだけははっきり言えます。僕は何人もそういう“理不尽な上司”を見てきましたが、彼らはだいたい同じような人間性を持っています(笑)根本は似たような人だったりするのです。だからこそ、この本でその対処法とその意味を伝えていこうと思っています。全部が全部使えるわけではないですし、全部やれば良いというわけではありません。対処のパターンということで、この中から自分の上司に合わせて組み合わせたりアレンジして使ってもらうのが良いと思います。ただ、少なくともやらないよりはやった方が絶対に良いと思うので、ぜひ試してみてください。

そして、読み進めてもらえばわかると思いますが単純な対処法をまとめたノウハウ本にするつもりはありません。というか、“理不尽な上司”という名の他人様が関わっているわけですから、そう簡単に人間が変わるものではありません。相手を変えるんじゃなく、自分の心持ちをどう持っていくべきかという自分自身のメンタル的な話も書いていきます。そのつもりでこの先を読み進めてもらえると嬉しいです。

とにかく、鍵は「上司だって同じ人間だ」ということです。それだけは忘れないでくださいね。

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