The function of the anconeus muscle.

Thomas F et al:Clinical Orthopaedics and RelatedResearch 192 : p147-148, January 1985.

肘筋は肘関節の安定化を図る筋肉として知られています。野球肘症例において関節不安定性の報告が散見されることから、臨床で肘筋の機能を重要視しています。しかし、肘筋の機能は不透明なことが多いのが現状です。
今回、紹介する論文は、前腕回内外に伴う肘筋の機能を明らかにされています。

方法・結果


方法は、健常者肘に単極の1インチの針を埋め込み、筋電図を計測されています。被検者は肘関節屈曲90°と伸展位の2肢位において、安静、橈骨頭と小指を軸とした回内外(小指軸)、橈骨頭と示指を軸とした回内外(示指軸)の3条件を計測されています。
結果は、屈曲位より伸展位で収縮が大きく、小指軸より示指軸での回内外で強く収縮していました。

感想


橈骨頭と小指を軸とした回内外は尺骨を中心に回内外し手関節は橈屈位となります。一方、橈骨頭と小指を軸とした回内外では手関節は尺屈位となります。投球での最大外旋から手関節は橈屈位から尺屈することで、ボールリリースをむかえることが知られています。このことから尺屈角度が大きいボールリリースの選手は腕橈関節や近位腕尺関節に加わるメカニカルストレスが大きいことが推測できます。また実際の患者さんや選手で確認をしてみようと思います。

報告者:中井亮佑

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