見出し画像

息子が成人するって


2004年に彼は生まれた。
生まれた時はまだ20歳が成人年齢だった。
「この子が20歳になったらわたしは…歳かぁ」
なあんて考えてた。
ずーっと先のことだと思ってた。

あっという間にその時はきた。
しかも2年も早まって。

毎年誕生日には生まれた日のことを思い出すが
昨日何食べたかも忘れてるような自分が
はっきりくっきりと覚えているんだ、あの頃のことは。


なかなか子ができず寂しさを紛らわせるようにねこを招き入れた2003年。(この子たちはもう虹の橋を渡ったが共に育児してくれたと言っても過言ではないほど支えになってくれた。ありがとう、ねこたち)
体調の変化を単なる不調だと思うくらいには全然期待もしていなかった。
そこに、彼はやってきた。
切迫流産、前置胎盤もどき、逆子…
予定日を少し過ぎて大きめの男の子が生まれた。

何もかも初めての経験。
大変だったなあ、でもかわいかったなあ。


小学生になったら…
中学生になったら…
高校生になったら…

どれも全部ずーっと先だと思ってたのに
あっという間だった。
彼が中学生の時に成人年齢が20歳から18歳に変わる事が決まった。
え、もうすぐじゃん!ちょっとびっくりした。

夜も寝ないでオムツ替えてミルクをあげたなぁ。
保育園ももうすぐ終わりという頃にあの大きな地震があったね。まだ覚えてるって。怖かったよね。
大きなランドセルの小さな背中を初めて見送ったときは自然と涙があふれてきたよ。
生意気にいつの間にかわたしの身長を追い越したりしてさ。
制服を着て自転車で颯爽と出かける後ろ姿に頼もしさを感じたなぁ。
色々あって学校を変わったけど、
なんとか卒業できそうでほんとによかった。

いや、ほんとは卒業とかどうでもいいんだ。
あなたが、あなたさえ元気でいてくれるなら。
あなたはわたしのいのちなんだ。


昨年彼は運転免許を取得した。
慣れるようにと毎日車に乗っている。
わたしも助手席に乗せてもらうのだがなんだか危なっかしくていつも右足に力が入ってしまう。
これからは外でお酒を飲んだら息子に渋々迎えに来てもらおうかな〜なんて考えてみたり。

生まれてきてくれてありがとう。
成人の日を迎えてくれてありがとう。
母はこれからもあなたのしあわせを
ずっとずっとずーっと祈ってるよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?