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【猫とお菓子と赤塚と】vol.2 なんで赤塚?

赤塚は、東京23区の北東部、板橋区にある町の名です。最寄駅の東武東上線の駅名からとって「下赤塚(しもあかつか)」とも呼ばれます。
ここに暮らして約20年。はじめて自分の意思で住むことを選んだ場所でもあります。
よく聞かれるのが「なんで、赤塚に?」ということ。
ちょっと歩けば埼玉県、人気エリアでもなく、縁もゆかりもなかったこの街に住むことになった理由について、今回はお話します。

妹の一言がきっかけに

今から約20年前、当時私は離婚をすべく、千葉にある夫の家を出て、実家の近くで一人暮らしをしていました。
実家は、世田谷の古くからある住宅街にあります。母親は「自分の都合で勝手に戻ってきたのだから、家には住まわせない」という考えで、私も、親と同居するつもりはありませんでした。

しかし場所柄、家賃は高く、その割に部屋は狭い。
当時私は、写真エージェンシーでのアルバイトで生計を立てていました。数カ月後、契約社員になり生活が安定したことを機に、引っ越しすることに決めました。


赤塚にある東京大仏。町民の自慢?(photo:小林写函

川の近くに住む生活に憧れ、実家がある沿線の多摩川沿いのエリアなど、いくつか物件を見に行きましたが、なかなかピンとくるものがありません。勤めていた会社は、JRまたは東京メトロ有楽町線の市ヶ谷にあったので、そこから通いやすい有楽町沿線の豊島区内もさがしましたが、想像していたより家賃が高い。

そんなとき、妹は言ったのです。「板橋区の赤塚は?昔ながらの商店街があって、公園が多くて緑もたくさん、のんびりした住宅地で、私たちが育った場所の雰囲気に似ているよ」と。
赤塚には東武東上線だけでなく有楽町線も通っており、市ヶ谷からは25分程度の場所です。
妹は、この町にある「区立美術館」を訪れて、そう感じたようでした。


都立光ヶ丘公園。練馬区ですが「赤塚口」という入り口もあります(photo:小林写函

次の週末、まずは街の下見だけでもと思い、東武東上線下赤塚駅と地下鉄赤塚駅周辺を歩いてみました。

確かに緑は多い。ですが、育った世田谷とは、雰囲気も、人々の様子もかなり違います。それでもなぜか違和感はなく、心地よく感じました。休憩のために入った「ドトール」でコーヒーを飲みながら、行き交う高齢者や子どもたちの様子を見ながら、私は「ここに住もう!」と決め、その足で、不動産屋に向かったのでした。

赤塚(お隣の徳丸も)は、階段や坂が多い(photo:小林写函

第2の人生の舞台

赤塚では1DKのアパートの賃貸住まいからスタートし、古くリーズナブルなマンションを購入、仕事もフリーランスの編集ライターとして独立。正式に離婚が成立し、新たなパートナーとの2人暮らしへ。
いきつけのお店も、知人や友人も増えました。

猫を飼うようになったのも、この町に来てからです。

はちだよ。僕、昔は外で暮らしてたんだ(photo:小林写函

さらにコロナ禍やら、病気で入院したことやらが重なって、この街から出て都心に出る機会がぐぐっと減り、それでも、それがまったく苦にならず、出ていくのがめんどうくさい、というか必要なく感じる。

次回は、なんでそんなに赤塚がいいのか?について、だらだらとお話したいと思います(たぶん)。

↓こんな本、出してます。この猫も、赤塚出身。

↓朝日新聞社運営の犬猫ウェブメディア「sippo」で
「続・猫はニャーとは鳴かない」連載中です。https://sippo.asahi.com/feature/?key=11033899


↓インスタグラムもやってます。

https://www.instagram.com/tokomiyawaki/?hl=ja

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