いつものわたし、あたらしい表情
【天狼院書店ライティング・ゼミ】
課題記事掲載
蝉も鳴けなくなるのではと思うような暑さが嘘だったかのように突然涼しい風が吹き始めた秋の始まり、私のもとに一本の口紅がやってきた。初めて挑戦する、ブラウンリップだ。
男性は口紅というと赤やピンクのイメージが強いかもしれないが、実は唇を彩る色にはオレンジや紫、ブルーにブラウンと、様々な色がある。
少し大人びた印象に映るブラウンリップは、これまで私にとって「老けて見えそうな色」だった。手に取ることも試してみることもなく、「いつかおばさんになったら……」とぼんやりとした思いで自分から遠ざけていた。
そもそもブラウンリップに挑戦してみようかと思ったのは、8月の終わりに自分の顔を見飽きてしまったからだ。
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