見出し画像

3分8答のコツ

コツシリーズ第三弾。前回はこちらというか、こちらをもう読んでいる前提で話を進めていきます


はじめに

みなさんは3分1題の生大喜利(マジックタイムあり)で何答できますか? 私は8答することがあります。それで面白いかは保証できないし勝てるわけじゃないですが、やろうと思えばできるという話です

私は自分がやっているこの手の大喜利については「他の人もやろうと思えばできるんだろうけど不安定だわリスクでかいわ等割に合わないからわざわざやらない手法を取っている」という認識でいます

ところが他の人の話を聞いていると「いや、速いよ」「リスクとかじゃなくてそもそもできねぇよ」「お前の尺度で判断しすぎだ」「なろう系の主人公か」などと言われてしまうのです。いや、確かに多答のコツで「そもそも人間は多答できるような頭・心の造りをしていないのかもしれない」と書いたし、【簡単には】真似できないかもしれないけど、いざやってみればできるって人も多いと思うんですよね……(そういう自分も「答えを練る」という大喜利の初歩が全くできていないから説得力がないかもしれない)

というわけで「こうすればできるようになるんじゃないかな」というコツを書き残すことにしました。タネがわかってしまえば多答できる人も増えるかも……このスキルが他の人にとってどれだけ役に立つのかは未知数ですがやってみましょう。「こんな考えをしているやつがいる」というのがわかるだけでも何らかの糧にはなると思いたい

それでもなお誰かに「そんなことできるわけないだろ!」と言われたら「私は無個性である」という考えをちょっと改めようと思います


そもそも3分8答ってどういう配分なの?

3分に8答をどう詰め込むか?
単純な割り算だと180秒÷8答=1答につき22.5秒
……なんですが、そんな単純なわけありません。実際の内訳はこんな感じになります

1答:司会が「スタート」を宣言した直後
2~7答:3分の制限時間の間に答える。特に7答目はマジックタイム突入前に取れれば大きい
8答:マジックタイムのラスト1答

「同じブロックに長回し回答する人がいる」とかでもなければこれで8答はできるかと思います(余談ですが、多答タイプの人が同じブロック内で3人ぐらいだったらあまり時間を食い合ったりはしません。その理由はこの先を読めば何となくわかるかと思います)
この内訳を見れば3分8答をするのにどんな能力が必要なのかわかってきますね

・お題が発表されてから即座に1答を考えてボードに書いて誰よりも早く挙手する
・30秒弱につき1答する
・マジックタイムの間に1答を考えるか、マジックタイムに入る前に1答を用意する

「必要な能力はわかったけど、それを実現するのにどうすればいいんだよ!」と思う人もいるでしょう。順番に汎用的に必要及び部分的に必要な技法・思考法について説明していきます


汎用的に必要な技法や思考法

大喜利において答えを考える・書く・出すという3つの手順は基本中の基本ですよね。長考するにしても多答するにしても絶対関係してくる部分です

私の多答の場合だと

「考える・書く・出すという3つの時間をいかに短くして、出されたお題に対して面白おかしく間違えるか」というゲームに挑んでいる

という感覚で挑んでいます

・考える

ほとんどの大喜利プレイヤーは
お題を見る→お題から要素を見つける→要素から発想を飛ばす→答えを練る
という手順を取っていると私は思っています

【要素を見つける】
答えを考えるのに重要そうなキーワードに目星を付ける
【発想を飛ばす】
キーワードから連想されるものを連綿と考えていく
【答えを練る】
発想を大喜利の答えとして面白くなるように最適な形状にする

私の場合、この考える部分は「素の閃き」にかなり依存しています。「要素を見つける」はギリギリやっていると思うのですが、その後の「要素から発想を飛ばす」や「答えを練る」はあまりやりません。お題全体の雰囲気を見て受けた印象をそのまま利用することが多いです

例えるとしたら、宝石の原石が埋まっている山があって装飾品に加工して売るつもりでいるとしましょう
【一般的な大喜利プレイヤー】
鉱脈を見つけて目星をつけてから原石を掘り出して、その原石も厳選したうえで装飾品のデザインを決める
【特効さん】
なんか原石がありそうなところをでたらめに掘ってみる。なかったら別の場所へ移動する。原石らしきものを見つけたらすぐ拾う。デザインは決めない

そりゃあ早いわけではあります。質が伴わないんですが

・書く

ひょっとしてほとんどの大喜利プレイヤーは細かい言い回しは変えるにしても「考える」の段階でボードに書く文面をある程度は決めているのではないでしょうか?
私の場合はここに「文面を考える」「口頭の内容を考える」の両方が伴います。書きながら考えています。さっき閃いたことを文章として答えの形になるようにしなければならないし、そもそも「ボードの内容と喋る内容が完全一致している必要もない」という考えなので、いかに文字を圧縮するかも考えます。だって書くより喋った方がだいたいは早くなるでしょ。身もフタもないことを言うと、どうせボードを出すタイミングなんてオチ直前がほとんどなのでオチだけ書いていればいいんじゃないですか?

・出す

「書く」で圧縮した部分を口頭で補完します。ここの時間を長く取り過ぎるのは自分にとってもほかの回答者に取っても基本的にはよくないかなと思っています。できれば5秒以内に収めたい。長く回してウケを取る力があるならいいんですが私にはないです
余談ですが、もし長めの答えを出すとしたら初答が一番いいかもしれませんね。マジックタイム突入時じゃないの?と思うかもしれませんが、私だったら真っ先に手を挙げて他の人が考える時間を埋めるためにやるかなぁと思います

ある一つの具体例を用いて説明してみますか

【お題】
ヤリサーとして名高いテニスサークル内での恋愛模様を描いた月9ドラマ『庭球ラブストーリー』はこんなだ
【考える】
ヤリサーから「ヤっている」
テニスから「パコンパコン(球を打ち返す音)」
を連想する
→この二つは謎かけみたいにうまいこと言えそうだ
【書く】
「どっちの意味だ?」というツッコミを口頭で入れよう。となると会話形式かな?
ボードにはこの二つのワードを書くだけで充分に伝わるのでは?
【出す】
口頭:「おーい、やってる?」「やってるよ!」パコンパコン「どっちの意味だ?」
ボード:ヤってる パコンパコン

さすがにこれはあまりにも上手く行き過ぎたケースなのですが……そういうこともできるロマンがあるよね~ということで


部分的に必要な技法や思考法

大喜利全体でなんとなくやることはつかめたとして。じゃあ要所要所ではどうすればいいか?

・お題が発表されてから実際に大喜利が始まるまでの間に1答を考えてボードに書いて挙手する

お題が発表され、復唱されてからスタートが宣言されるまでがだいたい6秒ぐらいですかね?その間に挙手までやれというのはさすがの私も少し無理があると思います
じゃあその6秒の間にどこまでできればいいかと言うと、答えのようなものの形がある程度頭の中にある状態にできればいいと思います。「発想を飛ばす」「答えを練る」はこの場面ではいったん止めて、1つの閃きかつ端的な表現で成立する回答を作れるようにしましょう
このやり口は初答以外でも有効になる場面はあります。例えば平たい答えが通りそうな気配がした時にすかさず出せるとか……加点だと特に重要になってくるかな?

【平たい答え】
あまりボケとしてはひねられていないような、直球すぎる答えのこと
(例)
お題:プールを監視する時のあの長い椅子を買ったそうですね。使ってみてどうでしたか?
答え:海を監視する時にも使いました

・30秒弱につき1答する

まず、これはあくまで時間を回答数で割ったらそうなるというだけです。そんなコンスタントかつペース通りにできるとは限りません。相手が答えたり挙手が溜まっている時の時間を無駄にしない、相手が止まっていそうな時に畳みかけるという考えを持って動きましょう
そもそも「30秒で1答を考える」自体が難しい……という人でどんな訓練をすればいいんだと思う人がいましたら、まず「お題に対して正解を出さず間違えるゲームをクリアし続ける」ところからやってみたらいいんじゃないですかね。あとは30秒大喜利の会に参加してみるのもいいかもしれません。圧縮に対する勉強にもなりそうだし

【30秒大喜利】
すり身さんが考案した紙とボールペンを使った車座型?の大喜利
紙にお題を書いて、隣の人に渡す。回って来た紙に対して30秒以内にボールペンで回答を記入して、次の人に回す。これを自分の紙が戻ってくるまで繰り返し、自分のお題に対するベストアンサーを決める

・マジックタイムの間に1答を考えるか、マジックタイムに入る前に1答を用意する

基本的には回答を温存して最後に出せるならその方がいいです。けど、マジックタイムの時点で考えて出せるようにもなった方がいいです
最後に出す答えがめちゃめちゃ面白い必要があるかと言うと、多答の場合は実はそうでもありません。「相手にリードされていて最後に巻き返さなきゃならない」だって? だめだよ、多答の人間がそんな負け確の状況作ったら。答えられるうちに答えて勝っておいて逃げ切りなさい
なので最後はリードを取っている状態で悪印象が残らないように畳みたいところですね。「なんとなく良い感じ」に終わらせるとなると上手いことを言う回答も通りやすいです。特効さんが一時期なぞかけ回答をしていたはそういう理由もあります。短い時間で考え付きやすいのもメリットですよね


3分8答して何が得られるの?

「見ている人からの反応を人より多く受け取れる」
これが一番大きいと思います。生大喜利の一番大きい要素は「見ている人からの生のリアクション」であることは間違いないので、それを一番味わえる行動をするのは自然というものでしょう。何がウケるのかの勉強にもなりそうですし
初心者ほど多答から初めて、少しずつ自分に合うペースに合わせていった方が楽しくなると思っています

はい、私は多答のコツについて書きました。これで皆さんもできるようになると思います

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?