空開

空開
卍型の大きな飛行物体が空に見えるのです、
その飛行物体はいつもお札のようなものを出してくれます、
それには意味不明な記号やら数式やらで、
私には何の事かさっぱり分からんのです、
ある日そのお札を一生懸命眺めていると、
ドンと近付いてきて眼前に現れました、
と言うよりも私が飛行物体に近づいたのでしょう、
さあ突入ですかね、飛行物体の中に入りましょう、
でももう既に入ってしまった様です、
劇場みたいになっております、
自分劇場なのでしょうか?
第一幕でしょうねえ、これは、、、

第一幕 中間生物
二階にリビングのある家で私はネズミの様な害虫の親子をスプレーでやっつけてます、
早く楽になって欲しいと願いながらも子供は動かなくなりました、
親の方は弱りながらも瀕死の状態で外に逃げて行きました、
私は父親と蟹を食べる約束がありましたので母には何も言わず出かけました、
毛ガニならちと小ぶりで食べるのが面倒です、
タラバガニならちと大味です、大味すぎるのです、
なので私達は越前ガニを選んで食べました、
身がプリッとして美味い、非常に満足して私は帰宅したのです、
母が言うには留守中子供の仕返しにやって来た害虫が物凄いスピードで自ら罠に入って死んだそうです、
そうですかあ、
でもさっそく旅行です
いやはや第二幕への移行とでも申しましょうか、
でも待ってください、害虫の親子ですかあ〜?
虫は卵からでしょ、?
ネズミは哺乳類だから母親から、、でしょ?
ならばこの害虫は?
もしかしてその中間の生き物?
卵生の生き物と胎生の生き物との交配で作られた生き物?
まあいいかあ、第二幕、未開の国への旅ですよ、

第二幕 神々のオルゴール
未開の国、ある式典に呼ばれている様ですね、
古い学校の校舎みたいなホテルに居ます。
何やら戴冠式みたいです、
一応親戚のおじさん?らしき人から式典の説明を受けまして、
「まあ大人しくしていれば良いのだろう」と言う結論に達しました、
面白いから外に出てお散歩です、
草原の中にポツポツと昔の官舎みたいな平屋の建物があって、
でも人は一人たりとも見かけません、
建物の鍵は鎖状の物を使っています、
ふと坂道を降りると海が現れました、
船も人も波すらもない海でした、
面白いのでホテルに戻って友達を誘い出しました、
しかし同じ場所に行っても海はありませんでした、
草原の中に官舎があるだけでした、
それにしても本当に人は全く見かけませんでした、
さあて式典会場に向かいます、
そこは古い体育館みたいなところでとても戴冠式をやる様な場所ではありません、
パイプ椅子に座って前の方を見ると、
大きな箱から我々の二倍位の大きさの人間が4体上半身をだしたり、
又ある時は何体かは箱の中に姿を隠したりを繰り返していました、
髭を生やしていたり、髪がチリチリだったり、と様々な姿をしておりました、
これは面白い、と近づいて箱の中を見ますと、
ゼリーの様な液体が入っており、
そこから彼等は出たり潜ったりしていました、
さあ戴冠式の様な式典が始まります、
しかし周りが騒がしい、
そう、、
会場に蛇が紛れ込んでいる様です、
その姿を見ようとしましたが、
どうも見えません、
いや、見えていたのかもしれません、
まあ良いでしょう王様の登場、の前に
もう一度箱を見ましたところ蓋が閉まっておりました、
でも何かのスイッチを入れたら又開く様です、
スイッチに近づいた時それは4つあって、
そのうちの一つらしいのです、
押し間違えたら何か嫌なことが起こりそうなのでやめときました、
さあ第三幕前に少し考えてみましょう、 
そもそも箱と蛇が何か関係しているのではないか?
蛇信仰とかあるけど、
ギリシャ辺りにに胴体が蛇で頭が複数の人間の彫刻があったような、、、
こんな疑問が残るのですが、

では三幕です。

第三幕「トリトットとトットリト」
今日はこれからライブなのです、
もちろん演奏するのです、
雑居ビルと飲食店が立ち並ぶ商店街の地下にあるライブハウスで行われます、、
ここでは、知り合いも、フリーで入って来るお客も、この世の人ではないお客も観に来るのです、
私達は女の子のボーカルのバックバンドをつとめます。
楽器は打楽器と弦楽器の合体型で以外と奏でやすい楽器でした、
さあ楽屋でバンドのメンバーと本番前のミーティングです、
私はボーカルの子に「曲は何やるの?」と訊ねました。
「トットリットの唄よ。」とぶっきらぼうに答えました。
私は「トットリットの唄?トリトットの唄じゃあないの?」と返したところ。
「私が唄った後にトットリットはトリトットになるのよ。」
「では同じ意味ではないの?」
女の子は少し考えてから、
「例えば暗闇がある様に白闇があるみたいな、見えない事に関しては同じなのだけれど、
白と黒で色が違うだけ、とか、そんな感じかな。
でも私が唄えば暗闇が白闇になるとか、そんな意味でもないのよ、、」
「へえ、よく分からないなあ。」
まあライブも上々の出来で終わりました、
でも途中で帰る人はいましたがね、
やはり音というものはこの世の人でない方には、
我々と違って特別辛い人には辛いのでしょうねえ、
まあそれはそうとライブハウスを出ますと、
すっかり街が古いレンガ作りの建物が並ぶ風景と変化しておりました、
ここで常世の我々は地下鉄の駅まで歩かねばなりませんが、
そうでない方々は方々に散って行きました、
夕方の薄暗いレンガ作りの建物の街並を見て、
私は「トリトット」が「トットリット」に転移した事を理解したのです。

さあ一応きりが良いのでとりあえず第三幕で終わりましょうか。
でもヤミ、漢字では闇、門の間に音が入ってますでしょ。


先ずは劇場から出ましょうか、
私は知らん間に地上にいて、
卍型飛行物体は消えて行きます、
空が割れてその中に吸い込まれて行きました、
ドアが開く様にです、其の向こうはもっと明るいみたいですが、
まあ続きはあるのでしょうね、

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