夜のクラゲは泳げない コミカライズ版1巻感想・アニメとの比較

 カバー裏に隠されたプロフィールと……(ダイイングメッセージ「君たちも買って見ろ」)

売り切れ?

 コミカライズ。アニメ本編とどういう違いがあるのか、滅茶苦茶気になりますから、迷わず買いました。仕事終わりにゲマズに行ったら「売り切れ」という悲しみと「売り切れるくらい人気」という事実に震える。

 敢えて購入特典がない別の店で購入出来たので良し。…でも…

「でもやっぱ……特典付を買いたかったわ……」
「そりゃあ買いたかったでしょうよ……」
「ちゃんといえたじゃねえか……」
「ボマー(転売ヤー)に気を付けろ」

購入した率直な感想

 必読。アニメ本編と基本は一緒で、補完ないしは削られたり、或いは全く別の魅せ方になっているので見るべき。特にまひるの妹の出番が削られているのが結構デカい。つまりは下着でかがむまひるを見ることが出来ないエラーがあるため……あのシーンの破壊力はとてつもなかったから期待したけど尺の都合上仕方ない。

 因みに本作に収録されている話は全部で4話+おまけマンガ。アニメで言うと1~3話(前半ちょい過ぎ)くらいのボリュームになっています。

※以下、コミックスのネタバレを含む感想になります。さっさとコミックスを買うんだ! あと比較メインになります。

1話の違い

・妹ちゃん不在
 マジでいない。いなくても話委は成立するのはそれはそうなんだけど、何だか本編にも関わってきそうなんだよなーとか思っちゃう。プロフィールに妹の事は書いてあるけど、自宅内でも出番なし。

・みー子との接触と発言内容
 本編だといつの間にかライブやっているし、2度もライブの邪魔されたりして若干不憫ながら鋼メンタルのみー子。しかし漫画だとクラゲの壁画前でライブ準備中にまひると接触。会話とか発言内容が「なんか感じ悪?!」で困惑しかなかった。

・距離感のバグ
 とにかく花音がまひるにグイグイと来る。「イラストを描いて」のシーンも、アニメだと距離感があることを絵面で表現するために離れていたけど、こっちは手を握ってくる。両手でだぞ?! まだハロウィンライブ前だぞ!! そしてハロウィンライブ後もだいぶ距離感バグっているんだよなあ! もしもアニメがこっちを採用していたらそれはそれで好スタートを切ったかもしれんけど、5話の衝撃はなかったと思う。

・感情が少し乗りやすいまひる
「花音ちゃんにはわからない」の場面、まひるが涙を浮かべている。アニメよりも「必死にやってたのに嫌いになるしかなかった悔しさ」が前面に押し出されている。量産型に成り切れていないのでこっちはこっちであり。

・サンドー脱退時に殴った相手の名前
 あの超ぶりっ子のメロちゃんを殴ったってのは雰囲気や話の流れで分かるのですが、明確に文面で表示されている。しかも2021/12と年月まで表記。

・「あいつ」
 ハロウィンライブ中のみー子を見て「あいつ」呼ばわりのまひる。みー子への好感度が低すぎる。ワザと炎上かバズを狙ってのカラフルムーンライト歌唱と、強かを通り越して何だかやーな感じ。このあとアニメではポスターを破くのですが、漫画版だと剥がして回収するだけに留めているので、アニメ6話の展開に行かない世界線かな?

・木村ちゃん

 アニメだと動画を見てから特定する2話からの参戦だが、クリフハンガーとして最後にちょっと登場。夜の渋谷に普段の格好でいた。

2話の違い

・むせない木村ちゃん
 いきなりやって来るのは同じでも、ドリンクを飲まないので「いつもの」が出来ない。

・「指示厨」
 厄介なファンだ! ではない指示厨、「橘ののか」を押し付けようとしているため迷惑加減では同一。

・最後の貢ぎ
 ここが何か少し違和感……再出発するなら死ぬまで推すとかではなく最後というのはどういうこと?

・すんなり見つかるICレコーダー
 アニメでこれを見つけた時の無音演出は漫画では不可能。よってバッサリ切ってすぐさま聞く方向にシフトしたのは良い。そうしたことで向かい合ってのイヤホン分けというとんでもない距離感を見せ…いと、ありがたし。

・2度目の抱き着き
 無音演出がなくなったことで生まれるもう一回の抱き着き。ありがたし。

・自力で思い出す
 個人的にこの改変はとても良い。アニメだと汁が生徒証にはねて偶然ついたから「あの子は木村ちゃん」と気付けたが、若干ご都合主義観はあった。些細なセリフのヒントで名前や約束を瞬時に思い出すことで「ファンを見捨てない」説得力が激増する。

・ふへキャン
 くっ、やはりこれは若干キモいから削除か! でもそのキモさ含めて木村ちゃんは推せるのに!

・演奏中の涙
 アニメでは無言の過去回想で、涙も演奏中は一切なしで進んでいたシーンだが、「ハロウィンライブで花音ちゃんが歌っている場面に遭遇し、特定した瞬間に涙を流す」シーンが追加されていて無事私は成仏した。いかなる姿になっても、悪名に押しつぶされそうになっても「負けない」そんな約束をしっかり守ってくれていたことに感激している。これも良い。

・ここでようやくキウイちゃん
「いっちゃったと思ったよ」
「とんでもねえ、待ってたんだ」

3話の違い

・バイト先で練習しない
 モップのない、私服花音ちゃんとのまひるダンスレッスン。良い…。

・よいよいJELEEちゃん
 イメージ的に動くJELEEちゃんが可愛い。中身に花音ちゃんの魂をインストールしたような不思議な動きと表情。

・いじめっ子キラー
「渡瀬キウイであること」に誇りを持っていた描写はオミット。単純にいじめっ子から守ってくれたヒーローであることが強調されている。

・3Dじゃない!
 ノクスの体が3Dではなく平面っぽい。人気Vtuberは3Dの体も持っているけど、主にゲーム配信であるなら2Dで全く問題ないのリアル。アメコミっぽさがより色濃く出るのは間違いなくアニメの方。

・重症
 タテキタ生徒がたくさんいるシーンで吐きそうになるキウイちゃん。動悸だけと思ってたから、この拒絶反応は意外だった。

・かわいい花音ちゃん
 超かわいいシーンが追加されているのでこれは漫画で見て欲しい。

・「でも」
 嘘ついていたことはショックでも「それでも持っているスキルや、それを十全に使ってVtuberやる」のは生半可な技術やトーク力では不可能だ。出来ているからマジですごい事を伝えたいと心がけるシーンが良い。

おまけマンガ

 3種のコスプレをするまひろ。

1つ目:めっちゃ執念深く追ってきそうだ! コワイ!
2つ目:モフモフの中にへそを!? あまりにもスケベ過ぎない?
3つ目:ふ ん で く だ さ い

んで選んだのは日和りまくって

 一線を超える。まひるが変わる。

総評

 やはり演出や音楽面が充実しているアニメの方が私はしっくりくるけど、2話の木村ちゃんに気付くくだりはこっちの方が好きまである。ノクスのVtuber体が3Dじゃないのもある意味リアル。アニメみたいにリアルタイム配信で動きまくりのVtuberってそうそういないのではあるまいか?

 残念ポイントはこの漫画版のみー子、現時点だと全く推せない。出会い方が違うせいか印象が180度違い過ぎて受け付けない。

 絵が素晴らしい。アニメだと私が見たら皆美顔だからイマイチ分からないけど、漫画だと本当に花音ちゃんの顔が良いと分かる。そこはかとない色気も抜群だ。

 オマケ部分も充実している。皆、紙媒体の方で読もうぜ!

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。