暴太郎戦隊ドンブラザーズ40話「キケンなあいのり」感想

前回のドンブラザーズ!

 今日も宇宙の何処かで、ドンキラーとドンキラーキラーは戦い続けています。悪いのは全部金庫をかってに開けた3人です。

教官殺しの鬼頭ハルカ

 18歳になって車の免許を取りにいけるようになったハルカ。「人生助手席がいい!」という彼女だけど「既に申し込んどいた、答えは聞いてない」とおばさんに言われて渋々教習所へ。しかし荒っぽい運転の数々に教官たちがムチウチなどを起こしていく様が『教官殺し』だとしてその異名は知れ渡っていく。金庫破りの次は教官殺し、次は騎士団長でもやっちゃいそうなノリだな。

 正直誰もが匙投げるほどやばいハルカ。この道30年の熱血教官が「運転のセンスがない」と評したほど。見た目は荒っぽい教官だが、ギプスを巻いて付きっきりで教えを叩き込んでくれるのは師弟関係あっていいな。何でハルカさんの師匠っていつも変な人なんだろうって思うけど、まともな人はハルカに付いていくのが無理なんだろうよ。

「バックします」おおう、クウガ……!

貴方の愛の源泉

 一方そのころの犬塚はvsドンムラサメ戦の緊迫状態。クソみたいなギャグ(褒め言葉)の裏で超シリアスなことしている。少女漫画の封印中にパワーを思い切りチャージできたムラサメの強さは、ドンモモタロウの居ない状況下では勝ち目など無い。

 高所から落とされてしまった犬塚は重傷で、それを見たソノニ様は介抱ではなく「苦しまぬよう」介錯を試みるが、出来ない。挙げ句ムラサメから逃がす真似をしたため、ムラサメからのターゲット入を果たしてしまった。

最初は嫌いだった

 重傷のためか、耳鳴りと急激な視力低下に陥った犬塚はまともに戦うことが出来ない。どころかソノニ様を夏美と誤認する始末

「引き裂かれてもなお途切れぬ、犬塚翼の愛が知りたい」と思うソノニ様。ムラサメから逃げるには人混みと、いい感じの料理店にて夏美への愛を聞き出そうとする。

「最初は夏美が苦手だった。ツンツンしていて。でも、舞台に立ったお前は輝いていた。眩しくて見れないほどに。俺は。手探りで少しずつ、お前に近付いていったんだ」

 最初は犬塚が苦手だったソノニ様からすれば、この話は

夏美(ソノニ)「今と同じね」

 その愛の理由は何かと問われた犬塚は、「理由はない」と。ソノニ様は困惑の面持ちだったが、犬塚は続ける。

犬塚「理由はない。理由とは何だ? お前が優しいからか? 綺麗だからか? じゃあ優しさが消えたら、綺麗じゃなくなったら……だからといって俺はお前を嫌いにならない。好きでいられる

「愛を知りたい」と願い続けたソノニ様は、犬塚の示し続けた優しさや高潔さ等が獣人に姿をコピーされて損なわれた後でもなお、気になって仕方がなかった。彼が眠りの森に囚われていると知って諦めるわけでもなく。

 自分自身が何故ここまで犬塚翼の愛を知りたいのか。突き進んだ先には、愛ではなく「彼の想いを知りたい」が先行し続けて、ようやく得心した。

 この気持こそが紛れもなく愛なのだろう。誰に教えられるわけでもなく、その一端を理解できただろうソノニ様の願いが叶った瞬間だ。そこに、ムラサメからの一撃を食らう。更に獣人の刑事が来てムラサメの最優先対象が変わる。

君の意思はいらない

 その頃。雉野はみほに仕事に行ってほしくないと懇願し。「みほちゃんには僕だけを見て、僕のために生きてほしいんだ」とラブコールを送った。

 みほにはみほの生活がある。みほにとって雉野は大きな存在だが、全てではない。恐らくほとんどの人がそうだろう。全てになり得るものに出会えたら喜ぶべきなんだろうか。……いや、視力が極端に落ちている犬塚以上に視野狭窄している。みほのプライベートに土足で踏み込んでいる。これは愛ではない。これでは人形に語りかけていた頃と何の変わりもないのだ。相思相愛であると自分の中で完結しているならそれでいいという、共依存でありたいと願うだけの小市民。今の雉野はただ痛々しい。

この命の限り

 ドンムラサメの魔の手から、夏美だけでも逃がそうとする犬塚。犬塚だけは死んでも助けようとするソノニ様。最早ここまでと思わず抱き締めた瞬間に「夏美ではない」と弾き飛ばした犬塚。

11話「いぬのかくらん」で、折り紙により高熱を出した犬塚にハルカが夏美のふりをした際は体の全てがダウンしていたから抱きついただけでは夏美でないと理解出来なかったが、抱き締めた感触をつい先日味わったばかりのため一発で看破、超自力で視力を取り戻す。

 何故騙したかの理由よりも騙していた事実に激高する翼だったが、切り傷による出血や泥と雨にまみれて満身創痍のソノニ様を見「俺をかばって?」と超速理解。執拗に追うムラサメに立ち向かおうとするソノニ様を抱き寄せて逃げることを選んだ翼。息を呑む展開だ、このままではどちらかが死にそうである。

バーストモードハルカ

 シリアスな雰囲気の中、教官と共に教習所から出たハルカだが、ハイスピードを出してハイになる。暴走する車。完璧にラリっているハルカはヒロインがしてはいけない顔を…………これまで何度もしてきたな。まあいいか!

 しかしシリアスな雰囲気が一時的に壊れると思いながらもっとやれと思っている私。ある事に気付いた。そうか、もしかしてこれは重傷の2人を病院に運ぶという感動のエンドかな。そうに違いない!

 一方

「何故夏美のフリを!?」「すまなかった。だがどうしても知りたかった」
いつもならバッテリー充電に戻るだろうムラサメはまだまだ追いかけてくる。これ以上はもう逃げられない。それでも回り込まれ、絶体絶命の大ピンチ。そこに

クルマジックパワー(クラス:バーサーカー)

 轢き殺しアタック!!!!

 教え子に轢き殺しをさせたと見て教官絶叫!! 跳ね飛ばされたムラサメはよろめきながらも立ち上がる。ハルカもムラサメ認識して自動的に変身で、教官は更に混乱。

マザー「あの女も敵です」そりゃそうでしょうねえ!!

 そのまま降りて戦うかと思いきや車で戦いを始めるハルカ! 正義のヒーローが「バックします」で轢殺に拘るとは、戦う交通安全さんここです!! クルマジックパワー使ってないのにハイになっている!

 暴走する車に走って追いつくムラサメだったが、スピードを出したのが仇となりサイドドアアタック&急停止鉄塊衝突でムラサメ遂にダウン。車に負ける敵……いつも通りの撤退をするムラサメだが、そこに獣人の刑事が現れて掴んだ! 剣を握ってにじり寄る獣人に犬塚は変身、戦いを選択。

 そして教官は「ハルカの運転」「轢き殺し」「わけわからんヒーローの対決」と自身の30年間が揺らぎ揺らぎ、心の動揺からヒトツ鬼になった。う、うん……すみません、何だか本当、すみません!!! アンタは全く悪くないのに!!! これも全て鬼頭ハルカって奴の仕業なんだ!!

ハルカ(?)「教習所の車じゃ。わしのせいじゃない」

この芽生えの理由こそが

 剣に耐えて「夏美に会うために」獣人の腹に突っ込む犬塚。しかし眠りの森には行けず、変身が解けただけ。ソノニ様が射撃で剣と獣人を引き剥がし、咄嗟に剣を手に取って一閃する犬塚! 鶴の獣人の言い分が本当だったら、図らずもその手で刑事の命を断ってしまった。まあ色々な事情を知らないのでセーフ(?)だろう。

 ムラサメは犬塚を、助けてくれた恩人として「貴方の剣になる」となつく。マザーはまるでスーパーではしゃぐ子供に「それは買いません戻してらっしゃい」みたいなお母さんムーブで微笑ましい。犬塚が剣を持ったらまるで主人公じゃないか……。

ソノニ様「その剣は唯一、獣人を倒すことが出来る。獣人の夏美を倒せ。そうすれば戻ってくる」

 ………………………あれ? 鶴の獣人曰く「獣人殺したらコピーされた方も死ぬ」のではないか? どっちが嘘をついているんだ? ソノニ様は愛を知って更にその先の「犬塚翼が欲しい」になり、「この世から夏美を消す以外にない」って思考に移ったのか? 恐ろしい子! このままでは獣人スレイヤーになっちゃうので誰か止めて!

知らなかったか? オニシスターからは逃げられない

 超シリアスの裏で堂々と免許取得の喜びを示すハルカ。しかしボロボロの車を見て、ドライブに誘うハルカから太郎も猿原も雉野も逃げる、「バックします」で追いかけるハルカ、トランクをまるで口のように開けるなああああ!

 以上、ドンブラザーズ40話感想でした。改めて思うけど「ヒロインがヒロインムーブしないで敵を車で倒そうとする」とか前代未聞(もしかしたら他にあるかも)過ぎる。40ですよ、もうあと10話程度しか無いのか、長いけどあっという間だった気がします。恋愛模様が複雑に拗れ始めて「誰が幸せになる」のか「誰も幸せにならない」のか気になってきた。まあ最悪雉野はみほちゃんのコピー体でも用意したらそれで納得しそうだけど。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。