私たちは13話を見て、3話ラストに到達したのだ。【マギアレコード感想】

 まどか☆マギカ外伝マギアレコード。ゲーム版は一度も触れず、アニメ版だけの知識で楽しませていただきました。12話まで、本家のまどマギとは物語性を大きく変えてきたなという新鮮な印象で視聴していたのですが、13話を見てそれらは全て蒔餌であったと思い知らされます。

「私たち騙されていたの!!」と慟哭したマミさんのような心境です。無論まどマギのアニメ本編と、劇場版まで見た私にとっては満面の笑み零れるニクい演出でしたが。

※ここから先はネタバレ含めますので、マギアレコード最後まで視聴していない方は「私の戦場はここじゃない」して下さい。

1:ハイブリットキリングマシーンマミさん

 13話にて精神汚染されたマミさんは白装束になって気分はすっかり天使か教祖様。馬鹿げている火力、殺意マシマシのイッた目。正直無茶苦茶強いし、マギレコ勢も満身創痍抱えて撤退するのが精いっぱいの有様。そんな無敵マミさんと言えば、まどマギ本編の3話と10話が印象的です。

 3話で脆く弱い自分を打ち明けた上でまどかに受け入れてもらい、「もう何も怖くない」モードになったマミさん。動きのキレは格段にパワーアップしたのでしょうけど、注意力が落ちたせいであっさり死にました。この打ち明ける構図は、ヤチヨさんが今回やってましたね。ただし死んだ(?)のはイロハちゃんでしたが。

 10話では魔女と魔法少女の真実に触れたことで、発狂して皆殺しにしようとするマミさん。後で知りましたが、発狂していても頭はクリアなようで「瞬発力に優れる杏子ちゃん」→「時止め出来るほむらちゃん」→「自分を攻撃できないであろうまどか」の順番でヤろうとした辺り、理性を伴った狂気を晒しています。

 今回の無敵マミさん(Twitter界隈ではホーリーマミさん略してホミさんともっぱらの噂)は、「魔女化への絶望で死ぬしかないじゃない」と「でもドッペル化出来れば助かる、もう何も怖くない」の両方を併せています。その結果どうなるかと言えば今回の惨状ですよ!

 たった一つの道標に目をくらませてしまったがために、それ以外の道へ行くのは背教者であり、救いの道を閉ざす異端児であると見てしまう。さやかちゃんであろうとそれは変わらず。一瞬意識は取り戻したものの、生来のメンタルの弱さに宗教を混ぜれば狂信者いっちょ上がりです。マギウスの邪魔者を皆殺しにしてくれる、スーパーキリングマシーンになる。

 最後は穴に落ちて死……いや、こういうのじゃあ死なないなマミさんは。マミさんオマージュなのか、ヤチヨちゃんが物凄くいきなり食われたのはやっぱり3話をリスペクトかな?

2:颯爽登場銀河美少女さやかちゃん

 消火器が宙を舞いあがっちゃってますねえ! 剣も添えて華麗に推参、圧倒的美少女さやかちゃん! まさかのタンク&ピール役!! 自己回復能力をこうやって肉壁に使うとは驚き。本編だとこんな戦い方していなかったから猶更ビビった。

 いや、してたか。本編で自身の気持ちが曇った時のヤサグレモードで。自分の体が傷つこうが突貫して戦う無鉄砲で破滅的な戦法だったなあ。しかしこのさやかちゃんは強い。銃撃でアウトレンジから一方的ガトリングマスケットを喰らいながらも立っていられる。

 このさやかちゃん、劇場版のカバン持ち状態かなと思いましたが、これは本編とは違う世界線なので没。数々の世界線を旅したほむらちゃんが立ち寄った、1つの世界なのでしょう。でもそれだとマミさんが「そうだ、カナメさんにも伝えなきゃ」と言った場面で、ほむらちゃんの名前が出ないのもおかしい。もしもループしていたのだとすれば、ほむらちゃんはいの一番にまどかに駆けつける。

 そしてほむらちゃんがQBの企みを知った後の状態なら、ここでマミさんがまどかの名前を出すのはおかしい。魔法少女になることを徹底的に阻止するはずなので。

 となるとこれは……眼鏡ほむらちゃんが出るのか!? 最初から突っ込んだら行けないと控えめに見守る、眼鏡ほむらちゃんが出るのか!? 楽しみだ!

 おっと、話が逸れました。ともかく、このさやかちゃんには迷いがない。前進する勇気がある。仲間のために盾になる愛がある。まるで主人公じゃんか、舞い上がっちゃいますね!! 恋人のことはもういいのだろうか? 真実を知ってないのか? 答えは2期か劇場版に持ち越し!

 ところで「恐怖と向き合う」云々マミさんが言ってましたが、それってヒトミがさやかちゃんに言った台詞のオマージュ?

3:マギレコ1期は、まどマギ本編における1~3話

 マギアレコードは丁寧なアニメだ。いろはちゃん筆頭に、1人1人の問題を解決し、絆を深め、時に反目し、助け合い、支え合う仲間たち。こんな優しい雰囲気があれば本編も癒し全開だったと思う。

 だが本編も、1~2話までなら間違いなく平和だった。3話の後半、マミさんが死んだことで全てが変容し、挙句EDに流れた「Magia」で一気に雰囲気を変える演出。OPで演出した数々のほのぼの魔法少女ライクはどこへ消えた!? 脚本家の名前で全てを疑っていた人には「ああ…」という感想で終わったかもだけど、そうでないと心が破壊される衝撃です。

 マギアレコードには件の脚本家がいないから大丈夫……大丈夫だよね? そう恐る恐る進む先にあるのは、儚くも感動できる物語に、フェリシアちゃん可愛いな展開だったり、概ね大満足な仕上がりで、「ああ、これだよ、これが欲しかったんだ」と喜んでいた。

 13話という、本編における3話を見るまではなあ!!!! 楽しかったぜぇ、お前らとの友情ごっこぉおおお!!!!

 マギウスの下に集う幾百の魔法少女たち。その中には、真実を知ってしまった仲間たちが。あんなに楽しかった日々の笑みが一切ない完全闇落ちでラストって、どんだけ絶望の底に叩きつけるのだ……。しかも怖いのは、マギウスの野望を打ち砕いたとしても、まどかの円環なしには誰も救われない元の木阿弥になるという二重にヤバい状態。

 更には狂気のマッドサイエンティストが興味なさげに集会場をあとにし、「早く来ないかなー? ワルプルギスの夜」とワクワクしながら放った台詞。そうでした忘れていた、まどマギである以上避けられない、奴との決戦!!!

 まどマギにおける有名な魔女と言えば、シャルロッテ、オクタヴィア、そしてぶっちぎりに「ワルプルギスの夜」だともっぱらの噂。

 必ず現れるからほむらちゃんも悠長に構えていられない。ていうかほむらちゃんハヤクキテー!! ハヤクキテー!! でも今回はマギウスの少女たちがいるなら、案外倒せるかもしれない! 絶望的なEDと展開で、本編3話同様に畳みかけてくるけど、恐れることはない。

    「魔法少女たちの力をみせてやる!!」

 2期がどうなるかさっぱり分からないが、きっといろはちゃんが、マギウスの翼をやっつけると信じて!!(完)


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。