暴太郎戦隊ドンブラザーズ49話「さいごのおもいで」感想

前回のドンブラザーズ

 ソノイを残して全員消えたが、最後の最後に大逆転! 新生ドンブラザーズの結束を固めるために打ったタロウ渾身の猿芝居でめでたしめでたし!

とっくんバラバラ

 チームの強さ底上げのために特訓。点呼でもひと悶着なドンブラザーズ。雉野は指輪跡を見て消沈、ソノニ様は犬塚の隣に行くのをソノイに邪魔されるなど最早デレを隠さない。犬塚さえいれば何処へでも付いていきそう。

行くぜ編集長!

 連載が決まったハルカに大喜びのソノザ編集長。短編が長編になる……というのは現実でもよくある話だが、「短編の設定のほうが良かった」事例によって打ち切られる作品もあって……(それ以上はいけない!)

全てを忘れたい雉野

 引っ越し準備のために帰るという雉野、を追いかける犬塚、に付いていくソノニ様。犬塚はあれだけ雉野に色々散々な目に合わされたのに尚も気にかけているの善人度合いがカンストしている。そりゃあソノニ様でなくとも付いて行きたくなるよ。

俳句

 いつも通りである。

奇襲

 残ったのはタロウ、親友のソノイ、シン・ジロウの3人。ぶっちゃけ他の面子いなくても強いエースしかいない。この3人にいきなり奇襲を仕掛けたソノシゴロクだったが、前回の意趣返しで目隠しをするタロウたちに超あっさり返り討ちにされるのだった。細かい部分だけどジロウの首を軋ませる動作が「一体化」したことを如実に示していて感動します。

縁は簡単に断ち切れない

 みほちゃんとの愛の巣だった場所から引っ越し、職場からも離れて全てをやり直そうとする雉野。色々あった部長からは「ああせいせいするよ」と言われもするが、嘘はつけず。愛着が湧いている部下を強く抱きしめるという感情爆発で周囲を驚かせた。

 本当は雉野が一番欲しいのって、みほちゃん個人とか、自分のステータスであるみほちゃんとか……そういうのを超えて

「誰かに愛されている自分でいたい」のだろうかって思ってしまう。雉野は犬塚以外の友人がいる描写が無かったし、母親とも上手くいってなかっただろうから。そんな彼のもとに来たみほちゃんは人生観を激変させるには十分すぎた。絶対に手放したくないと思っていたからこそ束縛した。見栄もはった。かっこ悪い姿も晒した。

 獣人リストを見たときから足元の幸せが崩れるのを余計に恐れた。唯一友人の犬塚を警察に売ったり、犬塚と決闘をして物理的に消そうとするなど凶行にも手を染めた。「自分を愛してくれる存在・必要とする存在・愛されるにたる能力」をもう何も持っていないと思ったからこそ、雉野は全てを捨てようとしたのだろう。

「でも世の中そんな簡単に出来てない」。部長という存在はとても視野の狭かった雉野に、想いだけでこの言葉を伝えたのだ。「つよしくんは出来る」と何編も言葉にするよりも心の奥底に響いただろう。全てを失ったと思っていたのは雉野だけ。あとはどう立ち上がって進むか。

 失うものが本当に無いからこそ、かけがいのないものを探しに行ける。彼の物語はここからはじまるのだ。

 その一方でジロウも、ようやく彼自身の人生を歩むことを始めた。ルミちゃんが作ったとされる煮物の謎も解けて、彼はめでたしめでたしでしょう。彼については前回感想で語ったので割愛いたします。

喫茶店の悲劇再び?

犬塚「お前にはみほを忘れて乗り越えてほしいんだ。以前の優しいお前に戻って欲しい」

 お前聖人君子かよ!!!!!!???(台パン)

 夏美を雉野に会わせて「みほはもういない」現実と向き合わせることで、本当の意味でこの問題を解決したい犬塚。獣人に狂わされた彼の人生をどうにかして支えてあげたい。そしてまた彼と本当の意味で友人になりたい。彼の素朴な願いは簡単なことではないが、真っ直ぐな想いは今の雉野に刺さるのだ。部長からの熱い抱擁を経て気持ちに余裕が生まれている。

 心が切羽詰まっていた雉野ならここで怒声の一つでも浴びせるし、聴きたくもない現実から耳をふさごうとする。犬塚が掴んだ腕を振りほどこうと暴れただろう。しかし彼は一見理不尽な犬塚の行為が、優しさから成るものであることを重々理解できている。だからそれをしない。

 なんてドラマを繰り広げていると巡回中の警察官に補足される犬塚。雉野が呼んだわけじゃあないエンカウントに犬塚は夏美に手を差し出して一緒に逃げようと促した。……夏美が出した答えは、首を横に振る動作だった。

教会で君と

 日常を愛する夏美にとって、何らかの罪を背負って警察から逃げる犬塚は受け入れがたい。「一緒に逃げてくれるだろう」と安直に思い込んだ犬塚。2人の破局はきっと、獣人に狂わされていなくても決定事項だった。

 警察に取り囲まれて組み伏される寸前の犬塚だったが、喫茶店からずっといたソノニ様に助けられ、アイコンタクトでその場から逃げた。ソノニ様こんな華奢な体つきしている上に武器は弓と、遠距離専門な雰囲気出しているけどバリバリ近距離戦も強いんですよ……一般人より相当鍛えているだろう警察をちぎっては投げる圧倒的パワー。彼女が人外なんだと思い出させてくれる。

 援軍に来たパトカー3台すら大破するやり過ぎ具合に戸惑う犬塚。彼がやめろと言えばすぐに辞める従順さが純粋すぎるんだよ! 可愛い! 危険でも永続デレ状態に陥ったソノニ様は、手を掴まれたらその先が地獄でも犬塚に着いていくのを躊躇わない。そここそが自分の居場所なんだと心底思っているのだ。この教会は奇しくも、先の3人にとって因縁深い場所でもあった。指輪の交換はしていないけどこれって「その結婚まったああああ!」からの逃避行みたいでワクワクしない!!?

ここにあった全てが夢

 夏美が見ていた夢。雉野と夫婦で、美容師で、幸せで満ち足りた生活を送った場所。男にチヤホヤされたり高価な服や食事を貢がれていた時の夏美(鶴の獣人)は心からの喜びを一切感じていなかった。尽くされる自分ではない、尽くす自分でありたかった。遠い舞台から観客を魅了する演劇ではなく、その手で髪に尽くす美容師を目指していた。

 夏美が見た夢、雉野が見ていた現実の夢。その場所で夏美はたまらず雉野を抱きしめた。どうしてそうしたのかは、彼女にしかわからない。残された雉野だって分からない。

 目覚めたら全て忘れる夢と、決して到達できない憧れという夢。ここには2人の全てがあった。獣人を介さねば絶対に出逢わなかった最良縁の2人。物語は紡がれるのか? 解れるのか?

Foo Foo TRAIN

ソ・ノ・シ・ゴロク~ノ
吹き矢が ヒトツ鬼 生み―出すYO!
HIT! HIT! HIT! クリティカル!
落ちてくよ 脳人のあつかい

 忍者は何度でも蘇るんだよ! ジョブチェンジしまくって最後は最上位ジョブなんだろう王様! 次回作ぅ! しかも欲望が半端なかったのかソノシゴロクですら全く歯が立たない。ダークドレアムにデスタムーアを差し向けた時くらい戦力差が絶望的だ。なのに分身もして物量でも押してくる。誰が勝てるんだよこんな化け物!?→タロウに勝てねえ敵などいない!

タロウ??

 先走りの誕生日会。本当の誕生日はまだ先と言う太郎だけど、嬉しくないはずがない。彼の幼少期。誕生日を祝うものは陣以外いなかったから。

 今や、多くの仲間達が自分を祝ってくれる。その嬉しさを表に出したくないあまり嘘を付きかけて、また死ぬのだ。

雉野「脈がない……死んでます! やったあああああああ!!」
犬塚「ま、マスタ嗚呼あ!! 死んでる、シンデルウウウウウウ!!!」

 こんな気狂いなセリフ聞けるのドンブラザーズだけじゃあないか??

 ……そんな祝いの席なのに、今回のタロウはまるで覇気を感じない。ソノシゴロクを忘れているとか、自分のキャラブレとか……健忘症? ヒトツ鬼に吸い込まれたことで何かが欠落したのか?

 獣人の森を閉ざした時点でこの物語は一応終わり、今やっているのは長いエピローグだ。ラスボスを倒してめでたしめでたしな作品ではないってことはもうわかっている(ドンキラーより強いラスボスがいない)のだけど。そこで出される新しい謎に困惑と興奮しか無い。この物語は本当に次回で終わるのか? 気になる!

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。