アドバイスをもらってもモヤモヤする理由。北野唯我さんと話して考えたこと
人にアドバイスをもらって、その時少し元気になっても少し経つとまた疲れてしまうことがある。
人によって言うことが違うのでどうしたらいいのか分からなくなることもある。
みんなが気軽に発信できる世の中になってしまったが故に、「こうするべきだ」という様々な”べき論”が溢れてしまった。
実際に、私が困って人にアドバイスをもらった時も納得はしつつも、モヤモヤが晴れないことがよくあった。
辛かったのは、それらが自分のためを想い、かけてくれた言葉であるという事実。
だからこそそれなりに納得してしまうこともあるし、一つひとつ全部を活かさなきゃいけないと思ってしまう。
結果、どれも中途半端に終わってしまう。
蓋を開けると何も変わっていない。
そんな自分に自信をなくしたり、時には嫌いになってしまったりもする。
なぜ、私は唯我さんからは元気をもらえたのか。
それは、唯我さんがシンプルに物事を抽象化してアドバイスをくれたから。
すんなり自分ごととして捉えられたのだ。
人とは、何を信じるかで決まると思う。
細かなアドバイスよりも、抽象的な概念の方が信じるかどうかの判断がしやすい。そして、ブレない。
だからこそ、未だに大昔に書かれた本や言葉から人々は影響受けるのだと思う。
例えば、正社員でありなさいというアドバイスは正社員でなくなった瞬間に実現できない。
でも、自分らしくあれる場所にいなさいというアドバイスであれば正社員であろうが、インターンであろうが、バイトであろうが実現できる。
具体的な”正社員であれ”という意見はいわば人の作った既製品であり、自分にフィットしないことも多々ある。
対して、抽象的な”自分らしくあれ”という概念は素材のみの提供であり、それを身の丈にあった自分なりのスタイルに加工できる。
変化に対応できるのは、言うまでもなく後者である。
個性や嗜好の多様化が進み、幸せの基準が多岐に渡るこんな時代だからこそ、それぞれの価値観を押し付け合うのではなく、皆が共通して持っているできる限りの最大公約数(=抽象概念)をシェアすることが、ずっと役に立つアドバイスなのだと感じた。
受け手として、細かなアドバイスをもらったら自分で咀嚼した上で抽象化してインデックスすることで、もらった言葉を最大限活用できそうだ。
また、大事な人や、幸せになって欲しいと心から思う人にこそ、具体的なことではなく、抽象的な概念を伝えることで背中を押してあげられるようになりたいと強く思った。
とりあえず大企業に入りなさい。
とりあえず三年は勤めなさい。
正社員になりなさい。
世間はこんなことを言うけれど、それが正解になるかどうかなんてその人次第。寄り添うことはできても誰も責任は取れない。
だからこそ、どんな時でもずっと側にいられる言葉を贈りたい。
これって当たり前のことかもしれないけれど、自分自身で経験して初めて体に染み渡っていった。
唯我さん、素敵な経験を有難うございます。
書くことは楽しいことだと気付いたので、他の学びもまた気が向いたタイミングで書いていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?