『THE FIRST SLAM DUNK』について教えて欲しい

1 はじめに

2022年12月3日の公開初日から、『THE FIRST SLAM DUNK』を何回も観ている。
特に初見の際には、新規エピソードを中心にどうやって理解したらいいかわからない点もあったけれど、繰り返し鑑賞したり、『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』を読んだりしたことで、正解かどうかは置いておくとして、おおむね自分なりに理解・解釈できたと思う。
でも、まだわからないことがあるので、自分用のメモのつもりで書き留めてみる。
答えを知っている方がいたら、ぜひ教えてください。

※以下、原作『SLAM DUNK』及びそれに伴う各メディアミックス、『THE FIRST SLAM DUNK』、『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』などのネタバレが含まれます。ご了承ください


2 観客席の隠れキャラ

初見のときは、陵南高校・魚住純と海南大附属高校の一団、大栄学園の一団くらいしか気づけなかったが、ネット上の目撃情報を参考に、原作で山王-湘北を観戦しているとされる皆さんを見つけることができたので、以下に記してみる。
他にまとめてくださっている方がいると思うので位置の詳細は省略するが、特殊演出がある人たちについてはそれをメモしておく。
観客たちは試合内容に反応するが、隠れキャラについては基本的には大きな動きは見られない(顔の向きなんかは他の観客たちに合わせて変化していたりするが)。
しかし、明らかに特殊な反応を与えられている隠れキャラもいる。

・魚住純
1番わかりやすいし、初見でも気づけた。
原作同様、後半の途中から湘北応援団の最前列であぐらをかいて感染しているが、赤木復活のタイミングで観客席の上段に移動している。
左右に警備員らしき人が座っているが、原作とは違いコートに乱入はしていないので、原作準拠というだけでそこに深い意味はないのかも知れない。
さらに、赤木のフリースロー前に倒れる桜木花道に反応して立ち上がっている。

・海南大附属高校
紫×黄色のジャージを着た一団はめちゃくちゃ目立つので、これも初見で気づけた。
魚住同様、赤木のフリースロー前に倒れる桜木に反応している。
上記の魚住もそうだが、桜木の異変に反応しているのは、同じ神奈川つながりでいいなーと思った。
原作の土壇場で湘北高校が逆転する場面で、引きの観客席から魚住や海南を描いているコマを思い出した。

・大栄学園
緑のジャージの一団。
海南ほど色味が派手ではないが、ジャージ集団は目立つので、初見でも気づきやすい。

・愛和学院
赤のジャージの一団。
あくまで原作基準だが、愛和はトーナメント表的に同じ会場の第4試合(山王-湘北の次の次)に試合が組まれていそうなので、1階で観戦しているのかなーなんて思ったりした。

・相田弥生と中村
当然だが、記者席にいる唯一の原作関係者。

・杉山祥太と唐沢一雄
深沢体育大学コンビ。

・沢北哲治
桜木花道の「ヤマオーはオレが倒す!!」宣言のタイミングで、口元に手を当てている。
また、試合終了近くに山王が再逆転する息子・沢北栄治のシュートに反応して立ち上がっている。

・河田まきこ
上記の面々の中では、外見的特徴や服装が1番シンプルで見つけるのが難しかった。
後半、三井寿のバスケットカウント後、体の前で指を組んで祈っている。

・宮城カオル
原作の観客ではないけれど、試合の最終盤で会場に到着する宮城母は、確認できる限りその後も同じ場所で観戦している。

・バスケットファンらしい父親とゲームに夢中な息子
こちらも映画オリジナルの観客で、「観客の反応」の代表としてたまにカメラに抜かれている。
私が把握している限りでは、ここに挙げた人たちの中で唯一記者席側の観客席に座っている。

リピートしたり、Twitterなどでの情報を参考にしたりで上記の人物は発見できた。
しかし、『THE FIRST SLAM DUNK』で演出を担当した宮原直樹氏が以下のように語っている。

宮原は「会場にいる……とされている人たちはたぶん、全員いるんじゃないかと思います」と笑みを見せながら「まだ、見つかっていないな……という人もいると思っていますけどね」と気になる回答。

映画『スラムダンク』名シーンの映像化に徹底したこだわり 観客席にはお楽しみも?

多分、「まだ、見つかっていないな……という人」って、名朋工業高校の森重寛と監督のことだと思う。
このふたりは、映画でも描かれた前半の流川楓のダンク後に会場に到着し、試合後半の開始5分足らず(魚住と入れ替わりのタイミング)で会場を去るため、試合前半が流川のダンク以降はほとんど描かれていないこともあり、探せる時間がかなり限られている。
森重がいるとしたら、恐らく帽子をかぶったうえで杉山くらいには大きな体で描かれていると思うので、1度見つけられれば自然と目に入ってくるかと思うのですが……。
まだ探すつもりではいるけれど、見つけた方がいたらぜひ教えてください。

3 桜木の代わりにコートに立った選手

試合前半、桜木が顔面シュートを決めた際、鼻血の止血のため1度桜木はベンチに下がる。
映画で桜木の交代シーンは省略されているが、鼻を抑えてバック走でコートを通り過ぎる桜木が映ったあとの上からのアングルの場面にて、ほんのわずかな時間だがベンチ前にあぐらをかいた桜木が座っているのが見える。
描写を省略しているだけで、映画の桜木も止血をしているのだろう。
このとき、当然コートでは10人の選手がプレイしているので、桜木の代わりの選手が出場していることになる。
原作では角田悟が野辺将広とマッチアップしているが、映画だと木暮公延が出場しているのでは? と思った。
上からの引きのアングルなので、選手個々の顔はもちろん、背番号も映らないので定かなことは言えない。
ただ、ゴールの比較的近くで、山王の選手に押されてポジションをキープできないでいる湘北の選手が見える。
原作でも、角田は野辺に対してまったく歯が立たなかったので、恐らくこれが角田だろうと最初は思ったが、よく見たらその選手は両手首に白いリストバンドをしている。
原作でも映画でも、湘北で白いリストバンドを両手首に着けているのは木暮公延だけである。
少なくとも、角田は原作でも映画でもリストバンドをしていない。
ほんの1秒ほどの、しかも引きの場面での出場選手をわざわざ原作から変更する理由は謎だけれど、桜木out角田inだと、あのアングルだと「桜木がベンチに下がっているのはわかるけれど、代わりに誰が入ったのか原作を読んでいないとわからない」という状況になってしまう。
映画だけ観た人にも選手交代がはっきりわかるように、あえて上からのアングルでも特徴のある木暮をコートに立たせたのだろうか。
しかし、初見でそこまで気づくとは考えにくいので、映画だけをリピートする観客を想定した変更なのだろうか。
真相は謎である。
何か理屈をつけられる方がいたら、ぜひ教えてください。

4 山王工業高校のハドルでの深津一成の言葉

試合の最終盤、三井寿のバスケットカウントのあと、ワンゴール差に追いつかれた山王が深津の指示でハドルを組むのは、原作を踏襲した流れである。
原作だと、深津がファウルを犯した松本稔の肩に手をかけ「忘れろピョン」と声をかける→深津がハドルを要求し山王メンバーが集まる→山王メンバーが円陣を組んで顔を見合わせている(深津→沢北→河田雅史の順に顔を描かれたコマが続く)場面を背景に山王・堂本監督のモノローグ「ここまでくれば気持ちの勝負――」が語られる→山王メンバーが肩を組んで「オシッ」と声をかける、という一連の流れである。
映画では、山王のハドルを背景に、堂本監督の「ここまでくれば気持ちの勝負――」というモノローグが語られるのは同じだが、ハドル中に深津がメンバーに具体的な指示を出している。
しかし、メインとなるのが堂本監督のモノローグの方なので、ハドル中の指示がはっきり聞き取れない。
日本語字幕版でも、ハドル部分の文字起こしはなかったように記憶している。

今のは忘れていい(ピョン)
これが入っても(1点勝ってる)

『THE FIRST SLAM DUNK』

太字部分は、「多分こう言っている」と聞き取れた(と思われる……)箇所である。
括弧内は、「何か言っているのは確かだが、はっきり聞き取れない」部分だ。
「今のは忘れていい」は松本に対して言っている。
原作でも似た台詞があることから、それに続くのは多分「ピョン」じゃないかな……という推測。
「これが入っても」のときに指を1本立てているので、「三井のフリースローが入っても1点こちらが勝っている」という趣旨のことを言っているのではないかな……という推測。
その後はまったくの不明である。
聞き取れた方がいたら、ぜひ教えてください。

5 おわりに

初見のとき、そしてそれからしばらくの間はプレイ描写のあまりの精密さに驚いてそちらばかりに目が行ってしまったが、それ以外のところもものすごく手が込んでいる作品だと今は思う。
本当に公開ギリギリまで作業をしていたらしいので、それに応えるためにも、終映まで全力で応援したいと思う。
遅ればせながら、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞、第1回新潟国際アニメーション映画祭大川=蕗谷賞受賞、おめでとうございます。
そしてこちらは1日早いけれど、桜木の誕生日まで4か月近くも上映が続いていて本当に嬉しいです。

#SLAMDUNK #スラムダンク #THEFIRSTSLAMDUNK #映画SLAMDUNK

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?