『THE FIRST SLAM DUNK』COURT SIDE in THEATER vol.3のまとめ。

はじめに

2023年6月23日(金)に丸の内TOEIで開催されたスタッフトークイベント付き上映会『THE FIRST SLAM DUNK』 COURT SIDE in THEATER vol.3。
(その後、7月7日~13日に、映画本編のあとに編集されたイベントの映像が上映された)
現地で参加したので、自分の覚書のためにまとめておく。

※以下、原作『SLAM DUNK』及びそれに伴う各メディアミックスや、『THE FIRST SLAM DUNK』などのネタバレが含まれます。ご了承ください
※メモを取りながら鑑賞していたわけではないので、あくまでも雰囲気です。正確な内容ではありません


トークイベント(ネタバレ注意)

『THE FIRST SLAM DUNK』映画本編終了後、準備時間ほぼゼロでMCの男性が登場。
自己紹介をしてくださったけれど、お名前が聞き取れませんでした……すみません。
MCの紹介で、スタッフ5人が上手側袖より登場。
順に演出・鎌谷悠さん、演出・菅沼芙実彦さん、演出・宮原直樹さん、CGディレクター・中沢大樹さん、演出・瀧田隆一さん。
下手から登場順で並ぶ。
挨拶とともに、自分の担当したパートについての説明。

宮原「主に3DCGについて担当しました」

中沢「3Dについて担当しました」

菅沼「皆さん東映アニメーション所属ですが、僕はフリーなので、なぜここへ呼ばれたのか疑問です。主に2Dパートの宮城(リョータ)と三井(寿)の場面などを担当しました」

鎌谷「主に2Dの宮城家パートを担当しました」

瀧田「編集ということで、演出の方とアニメーターの方との間で調整したりということをしていました」

・MCからの質問「『THE FIRST SLAM DUNK』が公開されて、周りからの反響は?」

瀧田「反響はもちろん大きかったんですが、ファンの皆さんから『ありがとう』と言われることがすごく多かった。井上(雄彦)監督も喜んでいました」

・MCからの質問「自分の担当したパートについて」

宮原「4年くらい前の夏休みの時期、ハーフコートくらいのスタジオで、10人のアクターさんに実際にモーションキャプチャーの撮影をしてもらった。原作の漫画では、全員の動きがわからないところもあるから、原作のコマから膨らませて撮影した。台風で中断したりした」
鎌谷「自分は2Dパートだったので3Dパートにはかかわっていなかったけれど、バスケットのように10人が全員違う動きをしているというのは、2Dよりも3Dの方が表現しやすい。だけど、実際の仕事を見ると、すごい大変なことやってるなと。モーションキャプチャーを調整する人がいて、表情をつける人がいて、ユニフォームを動かす人がいて」

中沢「井上監督がおっしゃっていたのは、とにかく温かみのあるCGにしたいと。ムラ感やグラデーション、線のにじみなど……。完全版の表紙などを参考にした」

菅沼「主に、三井と宮城の屋上のシーンなんですけれど、宮城が三井に『そのサラサラのロン毛が好きじゃねえ』みたいなこと言いますよね。これは頑張らねばならないと。髪をかき上げるのって、アニメーション的にはとても難しい」

鎌谷「自分は途中から入ったのですが、前任の方に言われたのが、『生っぽい演技で』と。東映アニメーションは子供向けの作品もつくっていますから、わかりやすい演技をつけることが多い。驚いたら、『びっくり!』みたいなリアクション。だけど、現実の人間は驚いたからといってみんながみんな大きなリアクションを取るわけではない」

瀧田「編集ということで、最初つくった映像を観ると、監督の思い入れが詰まっていて、熱いというか、濃いというか……。それを1本の映画としてどうまとめるか、という」
宮原「補足しますと、普通、脚本がすべて完成して、『この場面とこの場面が必要だね』と必要な場面だけモーションキャプチャーを撮影する。今回はそれとは逆で、40分間の試合すべて撮影してから、どこを使うか、という珍しい流れだった。たとえば終盤の三井の4点プレイでも、いかに三井がクレバーなプレイをしていたかを表現するために、カットの順番を入れ替えたりとか、松本(稔)をもう少しスローモーションにしようとか、ギリギリまで作業をしていた」

・会場からの質問「試合中、原作とはカメラの画角が違う場面が見受けられるが、そのことについて訊きたい」

宮原「普通、アニメーションはわかりやすくつくる。だけどこの作品については、いかにわかりやすくだませるか、というところにこだわった。目線のフェイクとか、観客が選手と同じように引っかかってくれるように」

・会場からの質問「皆さんが担当したシーンの中で、『ここはぜひ見て欲しい』という場面を教えてください」

鎌谷「リョータの誕生日の宮城家の2シーン目。カオルが洗いものをしていて、アンナがケーキを切っていて、そこにリョータが入ってくるという。あそこはアニメーションとしてはすごく難しい。上からの角度で、足まで全部入ってしまう。担当したアニメーターさんが皆さんプロフェッショナルだったのですが、よくこの場面をここまで破綻なく完成させたなと。あと、最初流しの水の音がしていたんです。だけど、あの場面、カオルは水を止めているんです。SDGSですね。だから音響もつくり直してもらいました」

菅沼「三井のサラサラのロン毛です。担当したアニメーターも『そのサラサラのロン毛が好きじゃねえ』という気持ちだったらしいです」

宮原「具体的にどこというわけではないのですが、スローモーションの場面……たとえば赤木(剛憲)が『オレはこの男(河田雅史)に……勝てるのか………!?』みたいに思う場面など、周りがぼやけたり、照明が暗くなったり、舞台のような演出をしている。あと、音響さんも、スローモーションの場面ではそこだけ効果音が耳鳴りのようにぼやっと聞こえにくくしてくれたり」

中沢「三井の4点プレイの場面。あそこは引きなんですが、カメラが観客席をぐるっと回るような動きをする。宮城が三井に駆け寄って、赤木が喜んでいて、松本をケアする深津、あと観客でも湘北のプレイに喜んでいる人がいて、呆然とショックを受けている人もいる。思わず立ち上がってしまった山王のベンチメンバーがまた座り直す。誰にでも感情移入できるようになっている。ぜひ次は今まで観ていなかった人を観て欲しい」

瀧田「締めのリョータとカオルの場面。最初はふたりが隣に座っている引きの場面で、リョータが立ち上がったところでカメラが寄る。でも、引きだと、そのうしろを何人歩いて通る……みたいな話になってくる。『何か大ごとになってきたぞ』、という気持ちと、『やってやった』、という気持ちと。でも最終的に監督も喜んでくれたんで、良かったなと」

・会場からの質問「オープニングが大好きです。何か裏話はありますか?」

宮原「今日、担当した者がいないんですが……あそこもモーションキャプチャーですが、相当たくさん人の手が入っています。最初は、宮城が寝ているところから始まって、起き上がって、歩き出す……という流れだった。あと、桜木(花道)が投げたペットボトルが流川(楓)の頭にぶつかる……というような場面もあった」

・会場からの質問「最初は本編に登場予定だったけれど、最終的にカットされたキャラクターやシーンがあったら、話せる範囲で教えてください」

宮原「あまり話せないんですが……ただ、当初ソータはもう少し出番が多かったです」

質問タイム終了。
最後に、壇上の皆さんから一言ずつ挨拶。
トリの宮原さんが「応援上映じゃないけれど声出しましょう。『123勝ーつ!!』で。『勝ーつ!!』は食い気味に。キャストの皆さんも合わせるのに苦労してました」ということで、宮原さんの「123」の掛け声で観客含む全員で「勝ーつ!!」と叫んでイベント終了。
そのままスタッフの皆さんが下手側に退場されました。

おわりに

4回開催された『THE FIRST SLAM DUNK』 COURT SIDE in THEATER vol.3で、唯一現地参加できたのがvol.3だった。
このイベントはvol.1vol.4と違ってライブビューイングがなく、vol.2と違って当初はイベント付き上映の予定も発表されていたかったので、何としても現地で参加したかった。
無事チケットを取れて良かったと思う。
その後のイベント付き上映も複数回鑑賞したが、45分ほどのイベントが25分程度にカットされていたので、現地で観られたのは幸いだった。
個人的に、オープニングで桜木が投げたペットボトルが流川の頭にぶつかる……というエピソードがあまりに可愛すぎるので、一生覚えていたい。

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