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Youtube配信でHEVC・AV1を選ぶと配信時とアーカイブの画質やコーデックはどうなる話

OBSを使って1080p 60fps 超低遅延でのYoutube配信を普段からしているわたし。
NVIDIA NVENC エンコーダはH.264・HEVC・AV1のどれを選べばいいの~!?

何の記事なのか

1080p 60fps 超低遅延でH.264を使っている人がHEVC・AV1を使うと何かいいことがあるのかを話します。
不都合な部分と別の選択肢の話もします。


登場ワードと前提

H.264・HEVC(H.265のこと)・AV1
OBS側で設定するエンコーダ。
H.264が一般的だけど古いやつ。
自分が設定する。

再エンコード
こちらがエンコードして送ったものが配信される前にYotutubeがまたエンコードする。
二度もエンコードされるうえに平凡なavc1エンコーダなので配信画質のボトルネックだよねと思った。
動画サイトなので通信量を減らせるような圧縮が不可欠なのだとか。

avc1(H.264のこと)・VP09(VP9)
Youtube側で再エンコードされるときに使用されるエンコーダ。
Youtubeが決める。
より高画質になるVP09を使わせるためにアレコレしたい。

1440p以上配信
Youtube側での配信設定だけでも1440p(WQHD)以上にすると、強制的にVP09を使わせられる。アーカイブもVP09。
でも超低遅延設定が出来ないので、自分と視聴者とで10秒ほどのラグが発生する。



あまり詳しくなくて解説が出来ないのでがんばって調べて下さい。
詳しい人は良い情報だけ掬い取ってください。

動画・配信を右クリック→詳細統計情報
で出てくるココをなんか高画質なVP09にしたい
 という話です。


先に個人的な結論

リアルタイムでの画質とコミュニケーションを重視するなら1080p HEVC・AV1配信
遅延を受け入れてアーカイブの画質も求めるなら1440p以上設定での配信
負荷がキツイ・何とも言えないなら引き続きH.264配信でがんばる

なぜなのか

1080p 60fps H.264設定ではYoutube側でavc1にエンコードされるが、HEVC・AV1で配信するとVP09にエンコードされいつもより高画質配信になる。

しかしアーカイブのHD処理が完了するとVP09だったものがavc1になり画質が低下する。

でも超低遅延設定でやりたいならこうするしかないよね。

アーカイブもVP09の高画質を維持したいなら低遅延設定(10秒ほど遅延する)を受け入れた1440p以上配信がいいよね。

と思ったからです。




検証・比較

今回やったこと

1.高ビットレートでゲームを録画
2.その録画を再生しながら各種設定でYoutube配信(CBR 9000kbps)
3.アーカイブ化されたものをフレーム単位で比較


エントリーNo.①
HEVC 9000kbps配信 →VP09アーカイブ
配信の生視聴時と同等の画質です。
HEVCはH.264より新しくて高圧縮(その分負荷が増す)なので同じ9000kbpsなら画質が良くなり、再エンコード後もavc1とVP09の差によってさらに有利です。

エントリーNo.②
HEVC 9000kbps配信 →HD処理完了後のavc1アーカイブ
①のアーカイブのHD処理が完了するとなぜかavc1になり画質が低下します。
VP09を維持するには再生数やチャンネル規模が必要だと見かけましたが具体的なところは不明なので今回はavc1となる前提で。
でも元が①だから③より綺麗でしょ?と思っていた。

エントリーNo.③
H.264 9000kbps配信 →ふつうにavc1アーカイブ
一般的な設定。決して低い設定ではなく、普通です。
①との差があるのは分かりきっているので、②と比べたいですね。


※目的はavc1とVP09の画質比較ではないので、HEVCとH.264の画質を揃えてはいません。一般的な範囲の数値であろうCBR 9000kbps配信という条件で揃えています。


イカ、画像で比較していきます。



画面があまり動いていない状況です。
左下のトラテープの文字がくっきり。


①と比べるとトラテープの文字のような細部がぼやける程度です。
エンコードが荒れるのは色が激しく移り変わるような場面なので、そうでないシーンではそんなに関係ありません。


下部の影の境目や右下のグラデーションが少し荒れますね。
凝視しないと分からないし、実際の動画では全然気になるレベルではないです。



文字やイクラの輪郭がとても綺麗です。
お仲間の名前も読めます。まふぃん。

動画だとたいした変化ではありませんが、全体的にブレたようで文字も見えにくくなりました。
アーカイブが粗くなるの、ふつうにへこむ。

中央下部や敵インクとの境目のブロックノイズが目立ちますね。
でも左上の「オオモノシャケが現れた!」の字は②より読みやすいですね?




激しめの動きをした直後のシーンです。


画面上部の敵のお腹など同色陰影のグラデーションに強烈なブロックノイズが。
左の敵、コウモリ傘の輪郭もぼやけましたね。


②よりも輪郭がハッキリしてる!?
ブロックノイズも若干マシかも。



エンコード殺し系のトルネード中です。
薄い陰影が綺麗なので②と③の後にもう一度見て下さい。


一気に崩れました。
右の敵インクだまりが厳しい感じになってます。
左上の文字アイコン周囲も嫌な滲み方。



崩れては居ますが②ほど粗くはなってませんね。




エンコ殺しトルネードの直後の、特に崩れがちなシーンです。
味方の名前もしっかり読めます。思想強めのイカが居る。


味方識別不可!
左端に浮いている緑の線がぐちゃぐちゃです。


こちらも味方の名前が読めません。
けど左端を見る限り②より若干だけマシそうです。


比較したうえでの考察

穏やかなシーンでは画質に大した差はなし。

ふつうな負荷のシーンでは
①>②>③の順

エンコードが荒れがちな激しいシーンでは
①>③>②となりました。
HEVC・AV1を使ってVP09配信をした場合、生配信時はダントツで綺麗だがアーカイブの画質がH.264配信と同等か若干下回ることがある。
という結果でよいでしょう。

②と③にはHEVCとH.264の効率の差があるにも関わらず③の方が綺麗なシーンがあるのは妙です。
②さん、①からさらにもう一度avc1でエンコードされてますよね????

とはいえ苦手なシーンが違うという話だしエンコードが厳しいシーンはそりゃ荒れるでしょって感じなので、②と③にどれほどの差があると考えるかは人次第でしょうか。

ちなみに②も③もゲームプレイ動画の視聴に特に支障のない一般的な画質であり、一時停止しないとブロックノイズが気になったりはしません。


※この結果は使用機材によって変わり得ますが、「1080pのVP09配信アーカイブは三度目のエンコードにより劣化する可能性が高い」という情報だけ拾って貰えればよいかと思います。


検証したうえでどれを選ぶか


選択肢Ⅰ
HEVC・AV1で超低遅延&配信時の画質重視

個人的には超低遅延が最優先だし、生配信時のパフォーマンスを優先するコレがいいかなと。
検証ではアーカイブがめちゃくちゃ崩れてる所をピックアップしましたが、従来のH.264と動画の視聴感覚を比べても異様な差があるわけではないですからね。
①を得られるなら②と③の差なんてビビたるものかなと思います。



選択肢Ⅱ
アーカイブもVP09の高画質にするために1440p以上配信で遅延は受け入れる

配信時は10秒ほど遅延がありますがアーカイブも本当に綺麗です。
視聴者とのやりとりに瞬発力が必要でない場合には全然アリ。
ちなみにH.264でも出来るはず。これは個別に調べて下さい。


選択肢Ⅲ
H.264でバランスよく行くぜ

アーカイブに残したい何か記念の回が劣化するのはな~って時など。
というかHEVCやAV1はグラボへの負荷が増すので、誰でも選んどけというコーデックではありません。動くか試してから計画的なご利用が必要です。

HEVCとAV1の差も私はよく分かってないので調べるか試すかしてください。



結論

とりあえずアーカイブも雑にVP09になってほし~


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