軍事用ドローンの登場と衝撃


 2019年9月、フーシ派によるドローンによるサウジの石油施設への攻撃は世界に衝撃を与えた。アメリカの高度な防空システムがドローンのような安価な兵器によって簡単に突破されたからである。

 この衝撃的な攻撃によってサウジの防空システムは大幅な見直しを行わざるを得なくなり、同時に石油の増産量も減少してしまったのである。

 ドローンの本来の目的は、航空撮影や災害救助や遊びなどで軍事では偵察などに使用されることはあったものの、本格的な攻撃に使われたのは今回が 初めてだったと思われる。ドローンの強みは小型で超低空で飛行することができることから、レーダーに検知されにくいことにある。しかも無人飛行できるので、攻撃側は人的損害を受けることなく敵を攻撃できることにある。

 また非常の安価なため戦闘機や爆撃機と比較してコストパフォーマンスに優れていて、テロリストやゲリラにはもってこいの兵器でもあるのだ。そして軍事用ドローンの開発は世界各国で行われていて、主な開発国としては、中国、アメリカ、イスラエル、イランなどが挙げられる。

 このうち特に中国は軍事用ドローンの開発には力を入れていて、アメリカをも凌ぐ勢いなのである。

 また中国人民解放軍は、軍事用ドローンを実際に積極的に活用していて、

国連PKO活動などでも使用されているようだ。こういった中国の動きを警戒

してアメリカでは、法律を制定して中国製ドローンをアメリカ国内から優れて締め出したり、技術を与えないようにしたりと対抗策を講じている。

 そして日本においてはようやく陸上自衛隊は災害用に購入したということ

である。しかしドローンにも欠点があり、遠隔操作するのにストレスがかかるので、操縦士になるものがあまりいないらしい。

 それからこれまでの軍事用ドローンの成果を並べてみると、サウジの国際空港やイエメンの空軍基地がフーシ派によって攻撃されて成果を挙げている。 

 他にはトルコ軍が民間用のドローンで攻撃を受けたり、イスラム国が米軍をドローンで攻撃した例などがある。

 いずれにしろ安価でステルス製に優れたドローンの登場で、戦争の概念が

根本から変化していくに違いない。


 










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