第32回 メジャー大会上位10%のファイター比較
こんにちは、Tokiです。今回は2023年下半期から2024年8月までの約1年間で開催されたメジャー大会(Liquipedia準拠)を対象に参加者の上位10%になったファイターの数を比較することで、各地域の環境の違いを可視化しました。
日本では環境ファイターだけど、世界では環境ファイターとは言えないファイターや逆に日本ではあまり上位にいないが、世界では上位にいるファイター、どこの視点を見ても環境ファイターと言えるファイターなどがわかります。
前提条件
対象大会は以下の通りで、使用ファイターは各大会アカウントのリザルトやSmashers App を使用して集計しました。上位10%は参加人数の10%に近い順位としています。
また今回の集計では順位に応じてポイントを高くするといったことはせず、ファイターを使っていた選手の数を集計しました。
また地域ごとに大会数や大会参加数に違いがあり単純比較は難しいため、総合のポイントを1000ptに補正して比較しています。
そのため順位での比較には問題ありませんが、各地域のptを比較するときは関西やEUは高く、日本、世界、NAは低くになるように補正されています。
またSmashers Appを使用してもファイターが不明な選手やStartggからTwitterアカウントを探ってもアカウントが存在しない選手が一部いたため、それらの選手は集計できていません。
集計結果
集計結果は上記のリンクから見れますので、記事内で紹介するところ以外も気になる方はそちらをご覧ください。
日本・世界比較
こちらは日本と世界の上位30位を比較したものです。
日本と世界の上位を比較して見ると以下の数点がわかります。
日本・世界どちらもスティーブが1位で環境TOPのファイターと言える。
日本・世界どちらもホムラ&ヒカリ、ロイ、ロボット、ジョーカー、ディディーコング、スネークがTOP10に、ソニック、Mr.ゲーム&ウォッチ、カズヤ、フォックス、クラウド、ヨッシー、マリオがTOP20に入っており、これらのファイターがスティーブに次ぐ環境上位ファイターと言える。
ファルコ、ピクミン&オリマー、ミェンミェンは日本での評価が世界より高く、パルテナ、マリオ、サムス・ダークサムス、ネスが世界の評価が日本より高い。
日本のファルコ・ピクミン&オリマー・ミェンミェンについては以前からよく言われているような日本に使い手が多く存在しているファイターで、逆にパルテナは特に顕著ですが世界には使い手が多く存在していると言われていたファイターで、実際に数値として違いが現れています。
もちろん日本にも使い手は存在していますが、上位帯の使い手が少なかったり、最近は使い手が大会に出ていないファイターが世界で評価が高いというのがわかります。
こちらは日本と世界で順位差が大きいファイターを表したものです。
それぞれ順位差が大きいのを見ると日本には使い手が少ない、日本にしか使い手がいないというのがイメージが湧くのではないでしょうか?
例えばピカチュウは世界では最上位にShinyMarkがいて、EUにはNeerozというピカチュウ使いも存在します。日本ではピカチュウがリザルト入りすることは極めて珍しい状況です。
ロックマンも世界にはMPgやPeabnutが有名なロックマン使いとして存在しますが、日本に置いてはれぽ選手が大会参加が少なくなっており、かめめ選手もソラをメインファイターとしているためロックマンが国内大会において活躍することは少ないです。
もはや日本は触れるまでもないですが、ピット・ブラックピットではザクレイ選手、CFではからあげ選手やじょうぎぶ選手、しずえではkept選手、ロッキー選手などがいます。
関東・関西比較
こちらは関東と関西の比較になります。実際のところ関東大会に関西選手が遠征したり、その逆も当然あるため厳密に関東・関西と言えるわけではありませんがご了承ください。
関東・関西の上位を比較すると以下の点が見られます
TOP20を比較すると半分程度は似た順位になっている。
関東では日本でも上位にいたピクミン&オリマー、ソニック、クラウド、スネークが上位にいる。他にサムス・ダークサムスやアイスクライマー、ピット、ワリオなどがいる。
関西ではルイージ、インクリング、キャプテンファルコン、ヨッシーが上位を占めており、他にはゲッコウガ、シュルク、ピチューなどがいる。
また関東大会は篝火やウメブラなど全国各地から集まる大会が多いため、日本全体の順位と近い傾向が見られます。
こちらは関東・関西で順位差が大きいファイターですが、使い手が偏っているファイターがわかります。筆者が把握しているだけですが、他にもいるはずです。
関西
ダックハント mzk選手、じゃがバター選手
ドクターマリオ つむすと選手 その他サブ起用
ピチュー yone_pi選手
アイク とら選手 りぜあす選手
インクリング シラユキ選手 showers選手
関東
パックマン Tea選手
こどもリンク すいのこ選手 エルレゴー選手 れもぞねす選手
ソラ かめめ選手 AyaLin選手
ピット ザクレイ選手
ワリオ Huto選手
ソニック KEN選手 たいけい選手
NA・EU・日本比較
NA・EU・日本のTOP30を比較したものです。日本は前述のとおりですが、NA・EUについては以下のような点がわかります。
世界TOPの傾向はNAのTOP傾向に似ている。
EUはサムス・ダークサムス、ヨッシー、インクリング、ゲッコウガ、ピカチュウ、ピチューなどの評価が高く、独自の環境となっている。
EUは日本、NAではトップ層にいたジョーカー、ディディーコング、ゲーム&ウォッチの評価が低い
以下が日本とNA、日本とEU、NAとEUの順位差が大きいファイターを比較したものです。
NAの環境はおおよそ世界の環境と似ていますが、EUの環境はやや異なり、以下のようなことがわかります。
EUはNA、日本少なくともどちらかでは環境上位に存在するアイスクライマー、ピクミン&オリマー、ピーチ・デイジー、カムイが環境にかなり少ない。
EUではインクリング、ピチュー、こどもリンク、ソラ、ピカチュウが比較的評価が高い。
感想
今回集計した結果をまとめましたが、日本では大会規模がウメブラ、篝火以外では上位10%は100人を超えることなく、大体が知られているような選手が多かったですが、海外大会は1000人規模の大会が多く、上位10%でもあまり知らないような選手がいました。(筆者の知識不足もありますが)
そのため日本と海外では上位10%の質がかなり異なっている可能性もあります。選手の質まで考慮すると環境は若干変わってくるかもしれません。
終わりに
今までにも言われていた各地域の環境の違いを実際に数値で可視化できたのではないでしょうか?記事内の画像で紹介した部分以外のデータもスプレッドシード上で公開していますので、興味のある方はご覧ください。
個人的にはどの地域でもスティーブが1位であるというのが明らかになったというのと、ジョーカーがまだ環境的には上位にいるというのが少し意外でした。
今回は過去1年を対象としましたが、集計期間をさらにさかのぼることで環境の移り変わりなどがわかると思われるので、今回の記事で興味の湧いた方は是非調査してはいかがでしょうか。
余談ですが、今回の内容を一部抜粋したものをウメブラSP11のブース出展で公開していました。(出展した際データを間違えていましたが…)
ブース出展する機会があったらオフ大会に出ることもあるので、ぜひオフ会場にも足を運んでください。