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桃太郎ひとくふう

コルクラボマンガ専科がいよいよ始まりました。
もうね、一回目からとっても楽しかった。一人で黙々とやることが苦手なので、みんなで切磋琢磨しつつ頑張れる環境というのが非常にありがたい。毎日本当に楽しいです。

さて第一課題で「桃太郎」が出ました。
1~2p(縦スクで10コマ)という中々厳しいお題。
だがしかし何事もトライアンドエラー!描きました。

縦スク漫画はあまり馴染みがなくて、まだ5本も描いてないと思います。でも佐渡島さんは今後縦スクが来るという。もう来ているという。
それならばと今回の桃太郎は縦スクでチャレンジしてみることにしました。

で、めちゃくちゃ考えました。縦スクの強みってページ漫画と違って視線誘導が一方向で済むんですよね。漫画になじみのないという方がフォロワーさんにいらっしゃるのですが、その方はページ漫画の読み方がわからないと言っていたのを思い出します。

右上から左下への視線誘導の暗黙のルールがわからない。小説と同じ読み方をするから、上から下にを繰り返すように目を動かしてしまう。すると、まるで意味が分からない。

漫画ってもしかして、読者にも高等な技術を求めているコンテンツなのかもしれないなと思ったのはその時からでした。

その点、縦スクはわかりやすい。任天堂のマリオ1-1を思い出します。ちょっと動かすだけで、すぐに理解できるシンプルな構造になってる。縦スクのコツはいろんなコンテンツに潜んでいるような気がします。掛け軸とか。

話がそれました。今回の記事は、「私が桃太郎縦スクをどのような意図で描いたか?」です。描こうと思ったのには理由があります。

佐渡島さんの動画です。読解力について言及しており、「意図をよむ」ことの必要性を説いています。勉強になります。

作者の意図を想像する、自問自答するなど常に気を付けるようにしました。何を考えてここに配置したか?何を求めているのか?など。

でもそれって回答がないんですよね。あくまで自分の想像上の話で、もしかしたら違うかもしれない。答えが欲しくて作者のインタビューとか探して読むけど、書いてない人もインタビューもなかったりする。誰かと共有したくて考察ブログとか読むけど、多種多様。答えがないのは楽しいけれど、宙ぶらりんなのはとっても落ち着かない。

そんな私が漫画を描いた。じゃあ自分の意図を書き出してみよう。

帰っておいで桃太郎解説編

画像入れつつ話すよりも、直接書き込んだ方がわかりやすいと思って画像を用意しました。見づらかったら今後URLにするかもしれない。

20200517 桃太郎解説

これ書いてた時は楽しかったのに、こう見るとめちゃくちゃ恥ずかしいですね。学びました。

このシーンを選んだのは、一番感情が揺れ動く箇所だと思ったから。

決断する、って一番強い思いが現れると思います。目的と意味がそこにある。その思いが強いほど、且つ正当なものであるほど主人公としての魅力が浮き出て、読んでいる人の心には響くはず。でも、それが主人公の独りよがりでは意味がない。

そこで人間が本来持っている「他者を思いやる気持ち」を引っ張り出すことにしました。桃太郎から老夫婦、老夫婦から桃太郎の感情がぶつかり合う。そしてどちらかが妥協する。どちらも間違ってないからドラマ性が生まれるのではと思っています。

ただ今回の課題点と改善点が一つ、その両者の気持ちがごちゃごちゃになってしまったところですね。画像でおじいさんの目を入れましたが、コマ数制限的に断念することになりました。一コマ抜けるだけでおじいさんの説得力が薄れてしまったので、もっと工夫できるところはなかったのか?これを描きながらもずっと悩んでます。

いやぁでも本当に楽しかった。ここからもっと進化したいです。


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