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いわゆる「普通」の映画としての帰結。シン・エヴァンゲリオン劇場版

シン・エヴァンゲリオン劇場版が早くもアマゾンプライムで配信されてますね。早速先週の土曜に見てみました。

劇場に2回観に行き、アマプラで1回。計3回シンエヴァを見た現役エヴァ直撃世代として、簡単な感想でもよいので、何か想いを吐き出さずにはいられません。

感想: 普通

なんだろう。エヴァに対して普通という感想が出てくるとは思わなかったけど、冷静に高校生のころに初めてテレビ版エヴァを観たとき(確か第9話「瞬間、心重ねて」だった)も、そういえば「意外にエヴァって普通なんだな」と思った記憶があります。

アマプラで同時配信された庵野監督のドキュメンタリーで、スタッフの誰か(確か樋口監督?)が「普通の終わり方かもしれないけど、庵野監督がこの26年で悩んで悩んでたどり着いた結末がこれっていうのが感慨深い」みたいな事(うろ覚え)を言っていましたが、まさにこの言葉につきます。

思い返せば、テレビ版のエヴァって中盤まではストーリーとしては少年が悩み苦しみつつも、自分の居場所と役割を自覚していく成長ものとして王道の展開だったなー、と。徐々に狂っていくのは20話以降。極めつけが最終2話で、その後の劇場版に関しては主人公のバトルシーンが一切なく、ヒロインは惨殺されて、主人公精神崩壊、という・・・まさに狂気の極みみたいな話で、ただ動きや構図など作画面や音楽がハイレベルすぎて、今でも印象的なシーンが頭にフラッシュバックしてくるほど、とんでもない出来だった映画でした。

そこから20年を経て、エヴァがこのような結末を迎えるとはあの時は思いもよらなかったなー。

狂気は大分抜けて(Qは狂気の片鱗を感じた)、シンエヴァのシンジ君、いやまぁ、1時間かけて立ち直ったんだから、それくらいしてもらわないととは思うが、見返せば見返すほど、お前、いくらなんでも一気に大人になりすぎじゃないか?とちょっと思わずにはいられないけど、ていうかシンジ君が成長してしまうと、エヴァってあっという間に終わってしまう物語なんだなと、だから今まで25年もの間成長させられなかったのかな、と。まるでのび太やクレヨンしんちゃんみたいな存在だったんだな、と。

普通、という感想だが、見返せば見返すほど、劇中で涙が出てくる自分が抑えられない。成長したシンジの一言一言、周りの人間の優しさ。

良い映画、というか足掛け30年近く、エヴァを追い続けてきたよかったなーと素直に感じます。

さようなら、エヴァンゲリオン。

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