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【主催者の感想】地下2会 ベース談義&実演イベント Vol.6

ゲストに惠美直也さんを迎えての第6回。
テーマは「ベースの音色の違いを楽しむ」でした。
今までは古今東西のベースラインをオススメするという内容だったのですが、いつか音色の違いを伝えたいという夢がありまして。
でもホラ、そもそもベースって聴こえているかすらアレじゃないですか。
私だって27歳までベースが聴こえていないことにすら気づいてなかったんですから。

というわけで、きっとハードルの高いニッチなテーマだったとは思うのですが、私が以前から勝手に「音色職人」と呼んでいる惠美さんの力を借りて開催することにしました。
こんな()テーマなのに、年度末なのに、平日なのに、なんと過去最多の…サクトいっぱいのお客様…!
ありがとうございます!ありがとうございます!
それもこれも、惠美さんと、過去の回で感想をSNSにアップして広めてくださった皆さんのおかげです!

まずは見てコレ。

ジャズベ赤→プレベピンク→ジャズべ白→レイクランド5弦→フレットレス5弦→コントラバス
ねっ??
コントラバスとエレキベース5本ですよ?
しかも…搬入出ともに雨…。
しかもしかも、私が持ってきてくださいとお願いしたのはコントラバスとジャズベとプレベだけ(それでも五体投地レベルのお願い)で、あとの3本は惠美さん自ら増やされたんですね。
いや、惠美さん普通に神。
ツアーでもこんなに持ち替えることはないのに、1回のイベントでコレを持ってこようというサービス精神。

さてここからイベントの報告をしたいのですが、なんせ本編3時間+アンコール20分という長尺なので部分的にご紹介(順不同)。

1.福山雅治「最愛」
原曲はベースレス。
去年の横浜ビルボードで惠美さんがコントラバスで弾いていたけど、ジャズベースで聴いてみたかった。
この企画の発端ともいえる曲。
コントラバス→ジャズべ赤で弾き比べ。
素朴なコンバスも感情を抑える主人公の心情を代弁するようで素晴らしかったけど、ジャズベの情感豊かなベースラインが最高!
我ながら自分の好みがちゃんと分かってるなーと感心(もちろん凄いのは惠美さんです)。

2.ASKA「しゃぼん」
原曲は5弦(惠美さん)。
プレベの素っ気ない音色が合いそうだなぁと思った曲。
というわけで、レイクランド5弦→プレベで弾き比べ。
もちろん5弦の低音も良かったけど、バラードをあえてプレベで弾くことでより切なさを感じました。

3.杏里「悲しみがとまらない」
青木智仁さんが1977年のジャズベを手に入れ、その嬉しさが奏法に表れている曲(私が勝手に言ってます)。
これはジャズベ白→ジャズべ赤で弾き比べ。
どっちも素晴らしいけど、白はダンサブルで、赤は歌詞(彼氏を友達に奪われた悲しみ)を感じるような。
惠美さんが客席にどっちが好きか挙手で訊いたら、ちゃんと白と赤で分かれるんですね~!
ちなみに私は白派☆

4.弦交換
ステージ上で惠美さんの弦交換が見られるという、誰に刺さるか分からない企画でしたが、私は思いっきり凝視しながらガンガン質問していました。
写真は、ガン見しすぎてカメラマン(手持ちカメラで弦交換の手元をスクリーンに映す)としての役割がおろそかになる私。

これはお客さんからのリクエスト「ラウンド弦とフラット弦で音の違いは分かるのか」というリクエストに応えたもの。
実際に「レディマドンナ」を交換前後で弾き比べてもらいました。

5.ミュート
パームミュートの掛け方で音の長さを絶妙に調整し、それによって曲の緊張感をコントロールするプレイを体感できて感動。
さらには惠美さんの歴代スポンジミュートと最新作の紹介も。
写真は、たぶん角度てきに「初代なんて純然たる台所用スポンジですよね」とか言っているところ。

6.トーキングベース
惠美さんはベースの声帯模写みたいなことができるということで、お客さんからリクエストを頂きました。
ステージ上でベースを持ち替えることについて、高橋竜さんのブログを紹介しようと思っていたので、そのセリフ部分をベースで弾いてもらいました。
いやぁ…特に「フレットレスベース」の発音が凄い(笑)!

7.ピック
指弾きとピックの音色の違いを大和真二郎さんの「サウスバンド」で堪能した後、ダウンとオルタネイトの違いに。
想定では「ダウンはバットで殴る熱さで、オルタネイトはテニスラケットでラリーするスポーティな感じ」と言うつもりだったのに、惠美さんの音色が…どっちも変わらない(ごくり)。
オルタネイトでも厚みのある重さがダウンと同じでビックリしました。

8.丸ごと1曲
1部と2部の最後に、柴田淳さんの「カラフル」とダニーハサウェイの「ディスクリスマス」をフルで弾いていただきました。
それぞれ、私が誰かから「惠美さんのベースを聴くうえでオススメは?」と訊かれたら挙げる曲(レコーディングとライブ)。
「カラフル」は、片思いしていた頃がウソみたいに幸せ!っていうフワフワした恋心がメロディアスなベースラインで高揚感を増して、でも惠美さんらしいどこかちょっと影のある音色が幸せと表裏一体の不安もチラッと垣間見せるようで、いやほんと大好きなんです。
みんな聴いて。

完コピじゃなく今の自分も混ぜたと仰っていたので、またじっくり録画を見倒して聴き比べます。
赤ジャズベの感情豊かな音色がまたピッタリでね…長くなるからこれぐらいにするね。
ディスクリスマス」はプレベのフラット弦で。
モータウンらしい中に惠美さんらしいラインがあって、リズミカルだけど音色も可愛くて大好きなんです。
で、これ今さっき気づいたんですけど、よく考えたら3月にクリスマスソングやってたんですね…。
音色音色音色ってずっと思ってたから季節感ガン無視でした(大丈夫)。

9.リクエスト
前回お客さんからいただいていたリクエストに応えるコーナー。
「ハングアップザフォン」ではライブ毎の違いを実演してもらいました。
TAIPEI版はジャズベなので、元のイメージ通りのオラオラ感が好み。
アライブインライブ版は、元がケンスミスで繊細かつ色っぽい感じで、今回のレイクランドは真っすぐカッコいい感じ。
私はレイクランドが好みでした~。
そして「モーニングムーン」は、オケを作成された炭酸人さんに使用許可をいただけたのでプレイを公開できます…感謝!

10.その人の音色
最後は矛盾するようだけど「ベースによって音色は変わる。でもどのベースを弾いても変わらない『その人の音』がある」という、なんだか哲学的なことを伝えました。
森多聞さんとレイニー加藤さんのツイートを紹介させていただきました。

まだここは言語化できないところだし、これからもずっと答えは見つからないかもしれません。
でもこのイベントを通して、ベーシストがベースの音色やフレーズにこだわってくれている尊さを、それを感じようとする面白さや楽しさを、少しでも伝えられていたらいいなぁと思います。

皆さんに書いていただいた質問とリクエストを紹介できなかったのがものすっごく悔しいので、なんとか何か応えられたらと思います。

最後の最後に告知を。
10月は惠美さんのお誕生月です。
今年は60歳ということで「ベース談義&実演イベント・惠美直也さん還暦スペシャル回」を開催!
ゲストは、惠美さんと、アレンジャーの澤近泰輔さんをお迎えします
いつもは古今東西のベースラインを紹介していますが、今回は惠美さんが過去に弾いた曲、さらに澤近さんが関わった曲に絞って紹介するという、めちゃめちゃスペシャルな回です。
私と、澤近さんと、そして会場に来てくださった皆さんで、惠美さんのベーシスト人生約40年間を振り返りましょう!
※日程は決まり次第SNSで発表します( Twitter / Facebook / Instagram

惠美さん、サクトの鳥羽さん、そして会場に来てくださった皆さん、今回もベース談義&実演イベントにお付き合いくださりありがとうございました。
皆さんに来ていただいて、感想を周りの人に伝えてもらって、そのおかげでイベントを続けることができます。
本当に皆さんあってのイベントです。
これからも真摯にベースの楽しさを伝え続けていきますので、どうぞよろしくお願いします!
本当にありがとうございました!

うちわ隊の皆さんをステージから撮影できなかったことも心残り…。特に「生きてて良かった」が絶妙なタイミングで振られて「わかる…わかるで…」となりました。次回こそステージから一緒に撮影しましょうね☆

記:2023年3月27日

皆さんからいただいたSNSでの感想をまとめた記録ページ

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【宣伝3】「カロリー貯金ダイエット」という本を出版しています


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