【コラム】「本当に好きな人しか発信しちゃダメ」と思っている人に伝えたい、私の後悔。
ベースの音が聴こえるようになったのは2003年。
そこからほぼ毎日、十数年間ベースラインだけを聴いていました。
ジャンル・国籍・世代を問わず、色んな曲でベースだけを追う日々。
これいいなぁと感じたベースラインがあったら、誰が弾いてるかウィキペディアで調べて、そのベーシストの音源を巡り。
自然な流れで、ベースマガジン(ベースの専門誌)を購読し。
ベースの種類とか音の違いをキラキラした目で、ベーシストの名言とか音へのこだわりをニヤニヤしながら読むという。
ネットショップで、ベースと説明文を眺めるのもワクワクしました。
この状態。
どこからどう見ても「めちゃめちゃベース好きやな(笑)」という感想しかありませんよね。
でも、当時の私は「ベース好きを名乗っちゃダメだ」と思ってたんです。
本気ですよ。
謙遜とかじゃなくて。
だってまず「ベーシストじゃない」わけです。
ゲーマーで言ったら、ゲームで遊んでもない状態ですよ。
すごい引け目。
次に、これが私の中で決定的だったんですが「好きなベーシストが見つからなかった」こと。
今までハマったジャンルを思い返しても、プロ野球だったら清原和博、ドラゴンボールならベジータ、プロレスだったら中西学、という風に誰か一人モーレツに好きな人がいたんです。
この2点を根拠に「私はたいしてベースが好きじゃない」「ベースのことを語っちゃいけない」「ベースが好きだと発信しちゃいけない」って自分にブレーキをかけていたんです。
でも、違いますよね。
ラーメンが好きだと発信してる人が、ラーメン屋とは限らない。
むしろラーメン屋じゃない人が、食べ歩いた感想をSNSにアップしている。
アイドルの世界では「単推し」という一人を応援するスタイルもあれば、「箱推し」というグループ全体を応援するスタイルもある。
違うグループや別の事務所のアイドルを、同時に応援している人もたくさんいる。
ということに、当時の私は気づかなかったんですね。
ベースについて何か発信することはありませんでした。
そこから、いったんベースを聴かなくなって、ふと観に行ったライブで好きなベーシストが見つかったことを書いた記事がこちら。
記事の中で紹介しているライブのアーカイブ配信を、昨日(2020年6月21日)視聴しました。
もちろん演奏は素晴らしかったんですけど、音色やベースラインが私の記憶通りだったことに感動しました。
だって、それって「その前からずっとベースが好きだった」という証拠だと思うんです。
たった一音で好みの音色だって分かったのは、ずーっとベースだけを聴き続けていた十数年間があったからこそ。
そしてその音色やフレーズを記憶できるぐらい、ベースを聴く耳を育てていたってことなんですよね。
だから「こんな私がベース好きなんて言っちゃダメ」って自分でブレーキ踏まずに「ベースのここが好き!」って発信すれば良かった。
「あっこれがベースの音?聴こえたー!」とか「ベースってリズムきざむだけじゃないんだ…面白い!」ぐらいの段階で言葉にしておけば良かった。
そうすれば、もっと早くからベース好きの人と仲良くなれていたかもしれないのに。
私はブレーキを踏んだまま停止しちゃって、なんなら車から降りようとしていた状態だったわけです。
偶然の出会いがあって、アクセルをバーーーーンと踏めたわけですが。
そしてそのおかげでベース愛を発信し、地下2会(というベース好きの集まり)の会長をやり始め、なんと地下室の会(プロベーシスト集団)の皆さんとイベントを開催するまでになれたという。
だからね、皆さんにお伝えしたいのは「これ好きかも」ぐらいの段階から、バンバン発信したらいいと思うんです。
期間とか、知識量とか、経験値とか、そんなことを引け目に感じて「好き」と言うのを止めたらもったいない!…と思います。
どこがどう好きか、書いたり喋ったりするのは怖さもあります。
素人が偉そうにって思われたら…
新規は半年ROMれって言われたら…
でも、そこをグイッと乗り越えて言葉にすれば世界はきっと広がります。
ハードルは見た瞬間が一番低い
というのは私の言葉ですが(自分かーい)時間が経てば経つほど怖さは増しますからね。
「好きかも」ぐらいで言葉にしちゃうことをオススメします。
そのうち褒め言葉の語彙も増えてくるし、仲間も集まるし、情報もたくさん入ってくる。
それに、お店でも芸能人でも作家でも、褒められることは励みになります。
好きだという気持ちを発信しましょう!
私のブレーキ踏みっぱなしだった十数年の後悔が、これを読んでる沼の入り口の皆さんに届きますように。
記:2020年6月22日
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?