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【レポ】BPL Vol.76 地下室の会ライブ@築地BLUE MOOD

2022年9月29日に築地BLUE MOODで行われた、76回目の地下室の会ライブ(Bassment Party Live)へ行ってきました。
地下室の会はプロベーシスト集団
つまり、ベーシストが主役のライブです。
しかも今回は連日開催ということで、昨日に続いて観覧してきました~!

今回もまずは副会長の依知川伸一さんの挨拶から…なんですが、ステージは人と楽器でワチャワチャ(笑)。
というのも、1組目の「寿BAND」が総勢10名という大所帯だからなんですね。

そんなワッチャワチャした中、依知川さんがベースの馬庭広考さんに話しかける形でMCをされたんですが、今回も出ました!
前日のレポートでも絶賛した「客席に向かってベースの仕様を普通に語る」アレ
今回は「リアピックアップが木製で、フロントはハムバッカーなんですよ~♪」でした。
いやぁ…いいですねぇ…。
ぜったいベーシストしか理解できない内容を、めちゃめちゃ普通に…日常会話のようにサラッと客席に言うトーク。
私はずっとマスクの下でニヤニヤしてたし、もしかすると「誰が分かんねんwww」みたいに声出して笑っちゃってたかもしれない。
依知川さんがどこまでこの面白さを分かってやってらっしゃるのかは謎ですが、本当に面白かったです。

というわけで、幸せな空気の中始まった「寿BAND」のステージ。
基本的に誰かを褒めるときに「〇〇さんみたい」という表現はしないのですが、メインの佐藤さんがMCで名前を挙げていたから…いいかな?
米米CLUBの和楽器バージョン…みたいな感じをイメージしてもらえると伝わりやすいかと。
ステージは人と楽器でいっぱいなんですが、それでも神輿っぽい雰囲気で登場する演出があったり、ガッツリ踊るダンサーがいたり、とにかく「お祭り騒ぎ!」という陽気なステージ。

馬庭さんのベースは、ディスコっぽいフレーズ(「アイムセクシー」とかのドッペケ)とかスラップを適材適所に使いながら、ダンサーだけでなく観客の心も躍らせるベースでした。
ちょっと話が反れますが、私はハロプロ(モーニング娘。とか)が大好きで、そのレコーディング現場を動画にした「アプカミ」という番組をよく観ています。
過去にはスティング宮本さんも出演されていました。
で、夏頃にアップされたつばきファクトリーのダンサブルな曲を馬庭さんが弾いていらっしゃって、そのレコーディング風景が公開されていて。
その曲について、アレンジャーの炭竃智弘さんがこうツイートされていたんですね。
「真っ先にこの曲のベースを弾いて欲しい!と浮かんだのがマニーくんで大正解でした」と。
動画を見ただけでも躍らせるプレイはよく伝わったのですが、今回のステージで「わかる!納得!」と改めて思いました。

余談ですが、私はライブでは耳でベースラインを追いながら、目はベーシストの手元を凝視するという鑑賞スタイルなんですね。
今回、馬庭さんの前でダンサーが踊っていて手元が見えないときもあったんですが、なんていうか「視線を奪われて本望!」ぐらいダンスが超好みでした~!
途中からむしろダンスを観ていたかもしれない(照れ)
とにかく楽しくて、そして下ネタや客席いじりも含めて「おもてなし」だと伝わるステージでした。

2組目は中村梅雀さん率いる「M2NB」。

最初のMCで「曲を続けて演るので最初にメンバー紹介を」と。
オリジナル2曲の後、Three Views of A Secret、そして最後にオリジナル曲。
これを、一つながりで演奏されるという。
メンバー紹介では「21歳、31歳が二人、そして私が66歳」と、年齢に言及されて。
そこから本当に40分間ノンストップで演奏されたわけです。

すごく変な言い方になってしまうんですが…。
梅雀さんって誰もが知ってる名優で、ジャコパストリアスが実際に弾いていた愛機とか貴重なベースもお持ちで、梅雀さんが選曲したジャコのコンピレーションアルバムも発売されてたりして。
だから…こう…演奏もきっと「俺だよ~!梅雀だよ~!」みたいな我の強い感じなのかなぁと想像していたんですね。
いやぁ…ぜんぜん違いました。
じっと指板を見ながらベースを愛でるように音を鳴らして、その梅雀さんを御三方が見守って、ふと梅雀さんが顔を上げてみんなの視線が合う…っていう。
今風に言うと「エモい」「尊い」40分間でした。

どこ見てんねんって感じかもしれないんですが、梅雀さんの立ち位置がどんどん端っこに移動していくのもキューンとしました。
もっとセンターで「俺やで!」でもぜんぜん似合うのに…!
でもそれがまた良かったんですよね~。

さぁ、二日間の最後は依知川さんのバンド「BARAKA」。

ワンマンライブや対バンなど何度も拝見していますが、いつ聴いても「神々の遊び」という表現がピッタリの演奏で。
なんかねぇ…こう…褒めさせてくれないんですよね(遠い目)。
だからといって、どっかの凄腕ライターが知識と語彙を駆使して真面目に褒めたら「まぁまぁ細かいことはいいんだよw」って笑い飛ばされそうな気もするし(特に一生さんに 笑)。
それがBARAKAのカッコよさの一片なのかもしれません。

で、ベースラインしか聴かないでおなじみの私なんですが、平石さんのドラムはなぜかすごく好きなんです。
今まで聴いたBARAKAの曲ってインストなんですけど、平石さんのおかげで歌謡曲みたいな安心感で聴けるというか。
なんせ神々の遊びなので、褒め方も独特になってしまいますね…。
ドラムのことは全く分かりませんが、音価が短かったり音色がシャープだったりするのかなぁ。
今回もとても好みでした。

依知川さんは今回も「はいはい、僕のベースはいいからBARAKA全体を楽しんでね(にっこり)」みたいなプレイでした。
…って、これも私が勝手に感じただけですけど。
でもでも、他のベーシストを紹介するMCでは楽しそうにベーストークしていたのに、ご自分のときは全くされなかったので、けっこう当たっているかもしれません。

最後のアレ、良かったなぁ…。
依知川さんが歌詞も知らない曲を一生さんがムチャ振りで歌わせたアレ。
アレを最後の演奏にできるあたりがやっぱり凄いんですよ。

という感じで、本当に本当に濃くて幸せで楽しい二日間でした。
しかも楽しいのはステージだけじゃないですからね。

どこまで書いていいのかドキドキしながら書きますけど。

二日連続でいらしていたチャンハマーさんが(席はあるのに)立って聴いていたから「手元が見たいからですか?」と質問したら「それもあるけど音像が違うんだよ。座ってると音が客に吸収されるから」と教えてもらったり。
仕事帰りのTAK斉藤さんにおねだりして愛機を見せてもらったり、寿BANDで叩いていた栗本さんが息子のような存在だと話してくれたり、梅雀さんのフォデラが実は…(モゴモゴ)。
清水玲さんに前から訊きたかったハロプロで弾いてる曲を教えてもらえたり。
開演前にお帰りになった富倉安生会長とご挨拶できたり。

もちろんそういう目的じゃないんですけど、ステージだけでなく客席も、ベース愛でいっぱいの空間なんです~!
この楽しさをもっとたくさんの人に知ってもらって、来年から再開される定期開催(年数回)に来てもらえると、地下室の会を応援して「地下2会」という集まりまで立ち上げている私はとても嬉しいです!!

最後になりますが、依知川さん。
二日間ステージを拝見しながら「地下室の会」の素晴らしさを改めてかみしめていました。
そしてふと「地下室の会はこれから20年後30年後どうなっているんだろう」と考えたり。
で、結論なんですが…

依知川さん、200歳まで長生きしてください(真顔)!!

というわけで、依知川さんも、運営の皆さんも、築地BLUE MOODのスタッフさんも、お疲れさまでした。
とても楽しかったです。
来年から再開される定期開催を心待ちにしています。

ありがとうございました~!

【出演者】
▼寿BAND
馬庭広考(B) 佐藤”ミッチェル”通芳(Vo.&津軽三味線) 白鳥“WHITE◇BIRD”良章(尺八) 今井“みゅうみゅう”美幸(Dancer) 新ドル“QUEEN”明恵(Chorus) 関根“Medetai”まこと(太鼓) 澤田“Shell King”崇司(津軽三味線) 佐々木“Vine”美菜子(篠笛) 本間“Desse”えりか(太鼓&アンビエント) 栗本聖士(Drs)
▼M2NB
中村梅雀(elb) 曽根麻央(tp.key) 井上銘(elg) 高橋直希(drs)
▼BARAKA
依知川伸一(B) 高見一生(G) 平石正樹(Drs)

撮影:梛野 浩昭 / 文章:東城薫

記:2022年10月3日

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