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【レポ】岸田容男さんのドラムレッスン

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2020年3月15日、池袋にあるAbsolute Blueで行われたJINO's School of Music(日野"JINO"賢二音楽スクール)の授業を見学してきました。
講師はドラマーの岸田容男さん。
私はベース好き視点で見に行ったのですが、ドラムという楽器やドラマーの特性まで伝わる面白いレッスンでした。
授業内容そのものじゃなく、岸田さんの教え方が上手いことを伝えられたらいいなぁと思います。

◆岸田さんがレッスン前に確認したこと

岸田さんが最初にしたのは、生徒さんのドラム歴を訊いたことと、それぞれ8小節ぐらい叩くのを見たこと。
「グリップが見たい」と仰っていたような。
それで「はい分かりました」と。
生徒さんは2年目から20年目まで様々だったんですが、それでもう分かっちゃうということに、匠(たくみ)っぽさを感じてワクワク…。

◆ドラムセットの名前

ちなみに私は授業開始前に「ドラムセット 名前」でググったレベルです。

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検索結果はこんな感じ。
せっかくなので、ドラム詳しくない人のために私らしい説明を。
バスドラ:一番大きい・よくバンドや店の名前が書いてあるやつ・穴が開いてることも・中に毛布とか入ってる
ハイハット:シンバルが二つ重なったやつ
スネア:ドラマーの一番近くにある小太鼓みたいなやつ

バスドラは「キック」とも呼ばれ、右足でペダルを踏みます。
ハイハットは左足で踏んで開閉したり、右手のスティックで叩きます。
スネアは両足の間にあって、左手のスティックで叩きます。ドラマーが持ち歩きがち。

…大真面目に説明してるんですけど、ドラマーが読んだら滝川カレンさんの説明みたいになってないかなぁ。
ちなみに小太鼓が縦に伸びたドラム缶みたいなやつは「フロアタム」と言って、これとバスドラがベースの音とカブりがt…ゲフンゲフン!

◆生徒のレベルに合わせて伝える

岸田さんの授業は、ツインドラムでの実技。
生徒さんが叩いて、岸田さんが改善点を指摘しつつ手本を見せる形。
詳しい内容は実際にレッスンを受けた人の宝物なので(そして私にドラムの知識がなさすぎるので…)書かないんですけど。

その岸田さんの伝える内容がすごく適切だったというか。
それをより分かりやすく伝えたくて、図にしてみました。

岸田さん

生徒さんはドラム歴2年から20年目まで色々。
岸田さんはその生徒ごとに、今必要な練習方法や課題を伝えます。
そしてそれだけじゃなく、今の課題を乗り越えた先にある新たに必要とされる技術もちょっと伝えるんですね。
これがきっと、目の前のことだけに固執せずさらに成長するモチベーションになるんじゃないかと思いました。
さらにご自身の立場(プロのステージ)から見える世界も。
そして、間違った方法を続けてしまった時の失敗例も併せて。
これをひとつの授業で伝えてくれるって、すごーく有難いんじゃないでしょうか。

◆正しい方法じゃなく多様性

岸田さんのお話で特に印象に残ったのは「全部できた方がいい」ということ。
これ、9月にオープンキャンパスとして行われたベースマガジン近藤さんとのトークセッションでも何度か仰ってました。
そりゃそうだろうと思うかもしれませんが、なんていうか普通は「その先生が信じる正しい方法」みたいなのが出ちゃうような気がするんですよね。
でも岸田さんは、生徒さんが「ということは岸田さんの言う通り〇〇した方がいいってことですよね?」みたいに要約しかけるのを「うーん、でも両方っていうか全部できた方がいいね」って修正するんですよ。
つまり、正解があるというよりは何でもできる方がいいという。

そして「何でもできた方がより音で会話できるから」って。
なるほど、例えば…世界で活躍する時に英語が共通語だからって英語だけ勉強するよりイタリア語や中国語など何ヵ国語も話せるほうがよりたくさんの人とコミュニケーションが取れる…みたいな。
そりゃそうなんだけど、そんなのムリだから普通は「とりあえず英語を勉強するのがいいよ」ってアドバイスしがちなところを岸田さんは「何ヵ国語も話せる方がいいよ」って言っちゃうという。

◆努力は裏切る

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これは岸田さんの言葉じゃないですけど、私はそう思ってるのでこれを見出しにしちゃいました。
でもね、岸田さんがこんな風に仰ってたんですよ。
「例えば1時間ずっとフィル禁止でビート叩くだけの練習をしても実際にはそんなことないでしょ(笑)」
「だからもちろんビート練習も大事だけど8小節ごとにフィル入れるとか楽しみながらやった方がいいし、ビートとフィルがバラバラにならないよ」

努力にも費用対効果があるというか、効率よく目的に合わせた方法でやった方がいいですよね。
そして、それを自分で判断するのはすっごく難しい。
生徒さんから「ズレてるかどうか確かめるにはどうしたら?」と質問があった時、岸田さんはまず録音を薦めてました。
でも同時に「日常生活もあるから毎週はムリでも、1ヵ月に1回はレッスンを受けた方がいい」と。
その方が、もし間違った方向にいってても悪いクセがつく前に軌道修正できるし、修正するための労力も少なくて済むと。

◆JINO's School of Music

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ベーシストの日野"JINO"賢二さんが校長で、さらにJINOさんだけでなく他の講師の方々もすっごいんです。
スクールのサイト(講師陣)
今は1年目で、2年目となる2020年度4月入学生の追加募集中。

今回のレッスン後、オーナーの星川あゆみさんが「バスケットボール選手がシュートだけでなくフォーメーションも練習するように、自分の楽器だけでなく曲全体や音楽業界のことも学べるスクール」と話されていたのがすごく印象に残っています。

◆なんと来月も開催決定!

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今回があまりにも好評だったので(分かる~)来月にも岸田さんのドラムレッスンが行われることになりました。
詳しくは星川さんのFacebookをご確認ください。
別の投稿では今回の動画も見られます

◆私が学んだドラムの特性

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ものすごくアホなことを言うんですが「ドラムって音でっかいなぁ」と。
いや、こんなにイイ授業を見学して感想それかい!って感じなんですけど。
でもなんていうんでしょう、だからこそ影響力がすごいというか。
すごいっていうか、誤解を恐れずに言うと、グダグダになるぐらいなら叩かない方がいいぐらいのリスクを背負ってるというか。
線路の枕木がズレてたら脱線しちゃうみたいな。

私は歌しかやりませんけど、万が一何かやるとしてもドラムだけは怖くてできないなぁって思いました。
楽器ごとに性格をカテゴライズするのが好きで、今までドラマーは「小学生男児」と。
今回の授業で何か変わるかな~と思ってましたが、そ…そのままで。
ピュアなメンタルの強さっていうか。
ベースが大先輩だろうがギターが怖い風貌だろうが、自分のペースで楽しく叩けるっていう、少年ジャンプの主人公みたいな少年感。
そういうのがイイんだろうなって感じました。

◆見学した内容をレポートで伝えること

自分のことなので短めに。
今回はスクールの見学ですが、ライブでもイベントでも良さを言葉で表現することは今までと変わらず。
でもこれからは、より拡散力をつけていきたいと思います。
JINO's School of Musicの良さが広まって星川さんのお役に立てるようになったり、ベースの面白さが広まってベーシストの皆さんに幸せのお返しができたり、そうできる立場になっていきたい。
便利な存在になりたい!と思います。
▼過去に書いたオープンキャンパスのレポ
※講師は全て近藤隆久さん(ベースマガジンプロデューサー)
2019年8月6日 ゲスト:日野JINO賢二、原ゆうま
2019年9月14日 ゲスト:岸田容男
2019年11月15日 テーマ:音楽ライターの仕事

岸田さん、星川さん、生徒の皆さん、ありがとうございました!

記:2020年3月16日

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