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鋼の錬金術師 シャンバラを征く者を観て …アニメ1期と原作の相違点「ダークな世界観」~原作含むネタバレあり~

豆腐屋ライター3記事目。まさかのアニメについて語ります。

鋼の錬金術師(通称「ハガレン」)の実写映画完結編 が 公開されるということで、アニメ映画2作が放送されることになりました(第1作は3月6日放送済)。

そこで、今回はハガレンのアニメについてお話しします。

ただ、この記事でお話しするのは、2009年~に放送された原作準拠版の「鋼FA」ではなく2003年~放送のオリジナル版アニメ(「無印」「旧鋼」)についてです。

アニメ映画第1作はその完結編となっています。

※今回の記事は、原作はもちろん、第1作アニメ(約50話)及び劇場版『シャンバラを征く者』を通して観た方向けのモノとなっております。ハガレンのストーリーの基本情報も語れません。

…とは言うものの、前提となる情報を共有するために、下記の記事を貼っておきます。

小栗旬も出演『鋼の錬金術師』のもうひとつの結末――『シャンバラを征く者』https://news.yahoo.co.jp/articles/c860e3695902a9f6347563532a00b7eee92fda72

原作と違うから賛否両論? でも傑作な『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』BSで放映 https://magmix.jp/post/81704


以下、本題に入ります。

第1作アニメ版は、原作からの大きな改変が話題になりました。ひとつひとつ列挙することはしませんが、少なくとも以下のことがポイントとなります。

原作版よりダークでよりシリアスな雰囲気を持ったアニメであること

その中でも、個人的に、よりダークに描かれているように感じるのが「戦争の残酷さ」です。

もちろん原作でも戦争の残酷さはしっかりと描かれています。しかし、本作ではより陰惨・過激になっているように感じるのです。私がそう感じた要素について、以下を挙げます。

戦時下性暴力

戦時下軍隊の非人道性

黒幕の身勝手な動機

です。


・戦時下性暴力

そして、以上挙げた中で全く原作にない要素は、「戦時下性暴力」です。賛否両論と言われる第1期の中で、最も「否」の意見を集めたであろう改変点です。原作にも登場する女性キャラクター・ロゼにちなんでロゼ事件と呼ばれているらしいのです。私は知りませんでした。

以下のページが詳しいです。 https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%AD%E3%82%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9

…上記のページにある通り、犯行はアメストリス中央軍によるもので、以下のことに繋がると思います。

・戦時下軍隊の非人道性

アメストリス軍は原作では、黒幕とつながる上層部が「ヤバい」ぐらいでした。軍人は平たく善人だったような気がします。戦争にかかわった一兵卒は、ある意味被害者でもあります。しかし、本作では、アメストリス軍には総じて残虐性を感じます。中央軍の兵がロゼに行ったこともそうですし、反発する市民にも躊躇なく発砲するシーンがあることもそうです。ロゼの件含めて「戦争はこういうことが起こりそうだよね…」と感じさせます。

・黒幕の身勝手さ

本作(アニメ第1作)での黒幕は、ダンテというオリジナルキャラクターです。以下ページを読んでいただきたいです。
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%86%28%E9%8B%BC%E3%81%AE%E9%8C%AC%E9%87%91%E8%A1%93%E5%B8%AB%29

本作の黒幕であるダンテの目的は「永遠の命」を得ることです。身代わりとなる人間をその都度持ってきて体を奪い、自分の命を永らえさせるのです。そのためには賢者の石(多くの人の命)が必要です。

原作のラスボスの目的は、「神になる」的な、ある意味高尚ともいえるものでしたが(高尚だからと言って許されるものではないのですし、十分身勝手ですが…)、ダンテの場合は少しスケールが小さい気がします。

ダンテは自身の身勝手な(?)動機で、戦争を起こして多くの命を奪い、(第1期アニメにおける)ロゼや復讐者スカーといった悲劇的なキャラクターを生み出すのです。このやばさ…!

…これは戦争の残酷さとあまり関係がないかに思われますが、一人の人間の私利私欲で戦争が起こる、というのもあり得ない話ではないなと感じています(察してください)

戦争やアメストリス中央軍の残虐さの裏にあるものの正体が一人の人間の個人的な欲望、というのも作品のダークさに一役買ってはいないでしょうか。

最後に

『シャンバラを征く者』について少し触れます。

映画のラストシーンでは、ナチ党が政権をとったこと(映画では反ユダヤ思想も登場し、後のホロコーストにつながります)、そして後に大きな戦争(第2次世界大戦)が起こることが示唆されます。

私たちの世界とのつながりが、よりアニメ第1作及び映画『シャンバラを征く者』のダークさをより際立たせていると感じますし、原作よりも「戦争の悲惨さ」が伝わってきます。皆さんはどう思いますか?

あとがき

この記事の着想(?)は、約6年前に遡ります。原作者・荒川弘の『アルスラーン戦記』のアニメ化を記念し、ニコニコ生放送でなぜかハガレンのアニメ第1作が一挙放送されました。そこで改めて作品を観る機会がありました。

感想は、「ここまで暗い話だったのか」というものでした。とくに、今回話題にしたロゼ事件は衝撃でした(夕方6時に放送されていたというからさらに衝撃)。

というのも、私が本作をリアルタイムで観たのは10代前半でしたので、アニメの中でロゼが赤ちゃんを抱いていたことの意味がわかっていませんでした。というか、アニメの内容をほとんど覚えていなかったのです。

ですが、アニメの雰囲気と映画を含む物語の結末の切なさが好みだったのか、記憶の奥底に良い意味で刻まれていたのでしょう。観直すとまた面白く、『シャンバラを征く者』は何度も観ました(笑)。今回の再放送で観たけどまた観てもいいです。

話は少しそれましたが、改めて観なおしたことで発見があり、今回の記事につながりました。なぜそのとき書き残しておかなかったのかと疑問に思いますが、他のSNSでやるにはキャラに合ってない、文字数オーバー、等問題があったのだと思いました。

ですが、ブログを始めたのと(ハガレン映画公開決定)『シャンバラを征く者』の放送の時期が重なって、書くことにしました。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

おわり

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